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2010年12月

2010年12月30日 (木)

MVPは広岡剛(ヤマハ)!

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 2010年の「栗山司のスカウティングブログMVP」はヤマハの広岡剛です! 

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 都市対抗を決めた7月4日の試合の快投は、今でも僕の頭の中を巡り、思い出すだけで体が痺れます。感動を超えた広岡の意地、そして投球術の凄さは「これぞ社会人野球」というものでした。詳しくはこちらをご覧ください。→http://tsukasa-baseball.cocolog-shizuoka.com/blog/2010/07/post-3570.html

 そして、都市対抗の本大会では全3試合にリリーフとして登板。11回3分の1を見事無失点に抑えました。また、日本選手権の準々決勝では先発で登板し、敗れはしましたが、7回3分の1を1失点の力投。若手投手が多い中で、広岡の大舞台での豊富な経験が光りました。

 そんな活躍を見せた広岡は来年からコーチ兼任となります。今年のようなベテランらしい味のあるピッチングを期待すると同時に、若手投手にも広岡の投球術を伝授してもらいたいと思います。

 それではみなさん、良いお年を!

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2010年12月29日 (水)

2010年の静岡を振り返る!

 いよいよ、今年も残りわずかとなりましたね。2010年も静岡県の野球を存分に楽しませてもらいました。選手の皆さん、本当にありがとうございました。今日は、各カテゴリー別に1年を振り返ってみようと思います。

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 まず、中学野球では常葉学園橘中の活躍が目覚ましかったです。春の第1回全日本少年軟式野球大会で準優勝に輝くと、夏の第32回全国中学校軟式野球大会では優勝。静岡県勢として14年ぶりに日本一に輝きました。エース・青島勢奈、攻守の要・道場嵩慈など個々の能力が高く、チームとして完成度も抜群。このチームでそのまま高校に進み、どんなチームとなるのか、今からワクワクしています。

  「橘」の快進撃は中学にとどまりせんでした。高校野球の夏の県大会は決勝戦で常葉学園菊川と常葉学園橘の「常葉対決」が実現しました。5対3で常葉学園橘が勝利し、2年連1012293続甲子園へ。甲子園では初戦で北大津に敗退しましたが、県大会では長谷川彦の安定した投球が光りました。また、秋季大会では静清、磐田東、静岡が東海大会に出場。その中で静清は、菰野、三重を撃破し、決勝に駒を進めました。来春のセンバツ出場は確実。大型右腕・野村亮介のボールが甲子園でどこまで通用するのか。例年以上に春が待ち遠しいです。

 大学野球では全国大会出場チームが出ず、残念な結果に。春は東海大海洋学部、夏は日大国際関係学部が静岡学生リーグを制しましたが、それぞれ東海地区大学野球選手権で敗退。それでも、下級生に期待を抱かせる投手が出てきたのは嬉しいです。横井貴行山岸大輝(ともに日大国際関係学部)、山下大輝(浜松大)、小澤倫也(静岡理工大)は、全国で投げさせてみたい投手。リーグのレベルを上げるためにも、とにかく来年は全国大会に出場して欲しいです。

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 社会人野球は何といってもヤマハでしょう。7年連続都市対抗出場を果たし、本大会ではベスト8。秋の日本選手権でもベスト8進出を果たしました。今年のヤマハの打線は強力でしたね。特に2010年社会人ベストナインに選ばれた佐藤二朗のパンチ力のある豪快な打撃は凄かったです。ライナーで一直線にスタンドイン。プロでもなかなか見ることができない打球の鋭さでした。

 一方、シーズン終了後、佐藤ともに打線の中核を担ってきたマガリャエス・チアゴの退部が決まりました。来年は右島学氏が監督に就任し、有望な新人も入るようなので、新しいヤマハのスタイルが出来ることを期待しています。

 こんな感じで、ざっと振り返ってみましたが、今年の静岡で最も輝いたプレーヤーは誰なのか? 明日は、1年の最後に僕が独断と偏見で選んだMVPを発表したいと思います!

<写真/上から青島勢奈(常葉学園橘中)、野村亮介(静清)、佐藤二朗(ヤマハ)>

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2010年12月24日 (金)

選抜チームの練習をチェック!<野手編>

 いよいよ明日(25日)から静岡県高校選抜チームが台湾で試合を行います。相手は名門・高苑工商など台湾トップレベルのチーム。県内の選手達がどんな活躍を見せてくれるのか楽しみです。

 その前に、今日は18日の練習で目立っていた野手2名をピックアップします。おそらく、選抜チームの打線では、この2名が中心となるはずです。 1012181

 静岡の主砲・小川拓真(173cm82kg、左投左打)は、以前からこのブログで取り上げてきた選手。逞しい下半身と太い腕っぷしから広角に長打を放つのが特徴です。11月の常葉学園菊川との練習試合では、故障で欠場していましたが、この日は元気な姿を見せてくれて一安心。スイングの速さとパワーは今年の静岡県ではナンバーワンと言ってもいいと思います。その打撃力を再確認したのと同時に、 守っても、一塁後方への難しいファウルフライを好捕。チームの中で存在感が際立っていました。

 今回の選抜チームで主将を務める常葉学園橘の宮路修平(170cm66kg、右投左打)も力を発揮。打撃フォームに体のバネの強さを感じさせます。小川が「力」なら、宮路は「技」という感じ。ライトスタンドに弾丸ライナーで放り込んだ一発は、大げさかもしれませんが小笠原道大(巨人)に近いイメージを持ちました。

<写真/選抜チームでも4番が期待される小川拓真(静岡)>

<野手陣の主な結果>

●二塁打…丹羽泰生(浜松工)/小出慎之介(韮山)2
●三塁打…杉山龍太郎(加藤学園)/小出慎之介(韮山)/小川拓真(静岡)
●本塁打…宮路修平(常葉学園橘)

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2010年12月21日 (火)

選抜チームの練習をチェック!<投手編>

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 先週の土曜日は、今月末に台湾に遠征する静岡県高校野球選抜チームの練習を西ヶ谷球場で見てきました。今回のメンバーは、今秋の県大会に出場した各チームから2選手を推薦。その中から計20選手が選出されました。見る側にとっては、今年の高校2年生のトップレベルの選手たちを一挙にチェックできる絶好の機会。個人的には、もっともっとこういう機会を増やして欲しいなと思っています。選手にとっても、他チームの選手と触れ合うことができ、絶対に刺激になるはずです。

 この日は、寒い時期で選手の体が動くか心配でしたが、半袖でプレーする選手もいるほど暖かい陽気。そんな良いコンディションの中、練習は12時30分にスタートします。ランニング、ウオーミングアップ、キャッチボール、シートノックの順番に行い、その後、お待ちかねの紅白戦が始まりました。

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 まず、1番手でマウンドに上がったのは静清・野村亮介(187cm77kg、右投右打)です。3イニングを投げて1安打無失点。4奪三振の快投を見せました。長身を生かした角度のあるストレートは、この秋と変わりなし。まともに打ち返した選手はいませんでした。また、ネット裏から見ていると、右打者の内角低めへシンカー気味に落ちるフォークに目を奪われます。打者の手元でのキレが十分。真っすぐだと思って打ちにいくと、スッと沈んでいきます。これが、今秋の県大会準々決勝で常葉学園菊川を苦しめた野村の得意球。初対戦の高校生だと、なかなか対応するのは難しいと感じました。

 その後、計6投手が、各3イニングずつ登板。その中でイキのいいボールの投げていたのが掛川工・伊藤大輔(177cm68kg、1012182右投右打)です。8月20日のブログでも紹介したことがありますが、変則フォームの右腕。球速は野村ほどありませんが、打者の手元でのキレがあります。 伊藤は、この紅白戦の登板前、三塁手として出場していました。前の打球に対するダッシュ力、一塁へのスローイングを見ると、もしかして野手としての将来性もあるのでは…。身体能力が高いタイプで、打っても3打席目にレフトへ鋭い打球を放つと、4打席目はセンター前へ。バッターボックスで何かやってくれそうな雰囲気は伊藤慎悟(常葉学園菊川→法政大)を彷彿とさせました。

<投手陣の結果>

●野村亮介(静清)…3回無失点
●杉山龍太郎(加藤学園)…3回無失点
●森田雄大(榛原)…3回1失点
●山中隆平(興誠)…3回3失点
●伊藤大輔(掛川工)…3回1失点
●渡邉健人(常葉学園橘)…3回2失点

<写真上/黒澤学監督(常葉学園橘)の話に耳を傾ける選手達>
<写真中/万全の仕上がりをアピールした野村亮介(静清)>
<写真下/身体能力の高さに注目の伊藤大輔(掛川工)>

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2010年12月15日 (水)

名門の巻き返し①掛川西編

 昨今、静岡県の高校野球は私学優勢の時代です。2004年以降、甲子園に出場しているのは11チーム中、私学が9チームも占めます。来春のセンバツも私学の静清が出場するのは確実。この流れは、今後も続いていくことが予想されます。一方で、公立の名門はどう立ち向かうのでしょうか。今回から不定期ながら、公立の名門チームにスポットを当てていきたいと思います。第1回は掛川西。前述の2004年以降に甲子園出場している公立チームの一つです。

 *              *               *

 掛川城が見下ろすグランドを訪れると、掛川西の選手たちは、内野の各ポジ1012153ションに着き、ボールを使っての練習を行っていました。「このオフはボールを使って感覚を鈍らせることなく、体力強化をやりたいと思いまして」と佐藤光監督。「守備ドリル1」と名付けられたこの練習は、自分の守備位置に関係なく、投手を含めたすべてのポジションでノックを受けます。約20分でポジションを移動。例えば、セカンドの選手でも、マウンドに立ち、休む暇なくノックを浴びます。「普段と違うポジションで体の動きを学んで欲しいのと、下半身の強化にもつながると思います」とのこと。ちなみに、佐藤監督が編み出した「守備ドリル」は1~3まであり、様々なパターンが用意されています。1012151_3

 佐藤監督は、今年の4月から名門の指揮をとっています。この秋は西部大会準々決勝で掛川工に敗退。県大会では初戦で常葉学園菊川と対戦し、2対7で敗れました。「これが実力ですが、掛川工に負けたところで流れが悪い方へ向かったような気がします」と話してくれて佐藤監督は、さらに現在のチームついてこう分析してくれました。

 「監督になって特に感じることですが、掛西に入るだけで満足してしまう子が多いのではないかと思うようになりまして…」。確かに、地元では「掛西ブランド」というものが存在し、甲子園も狙えて進学率もいい。周囲も掛川西の生徒には一目置き、子供たちにとっては憧れ的な学校でもあります。「いかにして戦う集団に意識改革してくのかがこのオフの大きな課題です」。そのために選手個々と、じっくりと話をする機会を作り、監督と選手がコミュニケーションを取りやすい雰囲気を作っています。

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 そんな佐藤監督が「持っている能力は江塚諭(現早稲田大)以上。ボールを乗せて運ぶ技術は一級品」と期待を寄せるのが主砲の山内崇弘(173cm68kg、右投左打)です。浜松南シニア時代は、高崎健太、柴田祐貴(ともに常葉学園菊川)とクリーンナップを打った選手。今夏は股関節の故障でベンチ入りしていませんが、秋は主に3番打者としてチームを引っ張りました。

 午後の練習で近い距離からピッチャーが投げるバッティング練習を見せてもらったのですが、テークバックで懐が深く、トップがきっちりできているという印象を受けました。打つだけでなく、50メートルを6秒0で走るという脚力も魅力。高校通算7本塁打ながら、来春にブレイクの期待も。早く実戦でのプレーを見たいなと感じさせる選手でした。

 掛川西が他の進学校と違うのは、野球でも県内トップクラスが宿命づけられていることです。その伝統を守っていくのは容易いことではありません。守っていくというよりも、新しい歴史を作るには攻めることも必要なのかもしれません。「私が慶應大時代、当時無敵だった法政大、明治大と戦って優勝することができた成功体験を、この子達にも味わせてあげたいんです」と熱く語ってくれた佐藤監督。今後、どのように新たな「掛西野球」を作り上げていくのか。過去の「掛西野球」にとらわれず、佐藤監督流のチーム作りに期待です!

<写真上/掛川西のネット裏には甲子園出場を記念した盾が掲げられている>
<写真中/今年4月から名門の指揮をとる佐藤光監督(掛川西)>
<写真下/俊足強打として注目の山内崇弘(掛川西)>

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2010年12月12日 (日)

163連敗に挑む逸材、小澤倫也

 12月上旬の夕方、僕は静岡理工大のグランドに足を運びました。静岡理工大といえば、現在公式戦163連敗中。しかも、静岡学生リーグの中で毎シーズンのように最下位。大差がつくのが当たり前で、ときには30点も献上したこともありました。

 実は僕も、静岡大学リーグを見に行くとき、静岡理工大の試合は長くなるので、出来るだけ観戦を避けようとしてきました。1012121

 ところが、今年の春のシーズンあたりから新聞の結果を見ていると、その点差が縮まってきているのに気が付きました。0対1、4対8、1対6など試合になっていました。そして、今秋の静岡産業大戦では、試合は延長にもつれ、連敗記録が止まるかという期待が高まりました。しかし、延長12回の末、サヨナラ負け。壁を破ることはできなかったものの、確実はチーム力は上がってきているなと感じました。

 その静岡理工大を牽引するのはエースの小澤倫也(185cm70kg、右投左打)です。チームの連敗の中、1年秋から黙々と投げ続ける小澤。どんな選手なのか、どうしても知りたくてグランドに伺い、直接話を聞かせてもらいました。

― 静岡理工大に入った理由から教えてください。

「強いチームに入るより、強いチームと戦った方がいいと思ったので。ココしかないと決めました」

― この3年間を振りかえって、変化したことはありますか?

「やっぱり昨年、坂田嘉之監督が来てくれてから、チームにまとまりが出てきました。それまでは毎日、練習は自主トレみたいな感じでしたので」

― 特に、この春からチーム力が上がってきた印象がありますが。

「1年生にいい二遊間が入ってきたのが大きいと思います。昨年まで1戦目でも相手がエースをぶつけてくることがなかったのが、今年はフルメンバーできてくれる。やっぱり、相手がエースだと燃えるものがあります」

― この秋は静岡大学リーグの選抜に選ばれて、首都大学リーグの2部選抜と対戦。2回を無失点に抑えましたが手ごたえ的にはどうでしたか。

「まず、選抜に選ばれたことが嬉しかったです。自分の持ち味を発揮して、チームも勝てた。久々に試合で勝ったという感じで…。(静岡)理工科大も、こういうチームにしたいなと思いました」

― 現在のスピードのMAXを教えてください。

「138キロです。今年の春の浜松大とのオープン戦で測ってもらったときのスピードです。それ以降は、測っていないのでわかりません」

― スピードに対するこだわりはありますか?

「140キロを出してみたいですが、一番自信のあるのはスライダーです。」

― 変化球はスライダー1本ですか?

「はい。今後はスライダーだけではきついと思うので、緩急をつけるボールが欲しいです。リーグ戦中に相手のピッチャーを見ながら研究をしています」

― 最後に、来年の目標を教えてください。

「とにかく1勝すること。そのために、このオフはウエートトレーニングや走り込みで体力をつけようと思っています」

― ということは、来年は1戦目だけでなく、場合によっては2戦目に投げることもありそうですね。

「もちろん、全力でいきます」

 小澤は大学3年生ということで就職活動を始めているそうですが、やはり野球を続けていきたい気持ちを持っているとのこと。そんな話を聞くにつれ、僕の個人的な意見として、ぜひ野球を続けて欲しいと思ってしまいました。

 こう言っては失礼ですが、小澤の置かれている環境で140キロ近く出している、そのポテンシャルの高さにすごく惹かれます。投球フォームは我流、授業の関係で練習時間は短い。とても野球をプレーするにあたって恵まれてはいません。だからこそ可能性を秘めた本格派です。

 来春は、まずは1勝。どんな形で連敗を記録を止めてくれるのか、すごく楽しみです。

<プロフィール>
■小澤倫也(おざわ・みちなり)
185cm70kg/右投左打。1989(平成元)年7月13日生まれ、静岡県島田市出身。初倉小時代は「大中ソフトボール少年団」でソフトボールをプレー。初倉中で野球を始める。島田工では2年夏に初戦で清水東と対戦し1失点完投勝利。チームを3年ぶりの勝利に導く。2回戦では延長11回の末、星陵に1対2で敗退した。静岡理工大では1年秋から登板。この冬からは主将を務める。最速138キロの速球とキレ味抜群のスライダーを武器にチームの連敗記録ストップに挑む本格派右腕。

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2010年12月 6日 (月)

第2回全日本少年野球春季軟式野球大会開催枠代表決定戦 常葉学園橘中クラブvs大仁中クラブ

★11月28日 第2回全日本少年野球春季軟式野球大会静岡県予選開催枠代表決定戦 島田球場 晴

     チーム
常葉学園橘中クラブ 0 0 2 0 1 2 0 5
大仁中クラブ 0 0 0 0 0 0 0 0

 来春、静岡市で開催される第2回全日本少年野球春季軟式野球大会、通称「中学野球のセンバツ大会」の開催枠代表決定戦が島田球場で開催されました。

 すでに静岡県で代表を決めて決めているのは大富中クラブ、東海大翔洋中クラブの2チーム。昨日、残りの2つのイスを常葉学園橘中クラブ、浜北北部中クラブ、大仁中クラブで争いました。

 第1試合では、浜北北部中クラブが常葉学園橘中クラブを1対0で下して1勝。浜北北部中は続く第2試合(対大仁中クラブ)でも特別延長の接戦をものにして、まず出場枠をゲットします。

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 そして迎えた3試合目。今夏の全国大会を制した常葉学園橘中は後が無くなり、エース・木村聡司に先発を託します。実は先日、雑誌『野球小僧』の「流しのブルペンキャッチャーの旅」でおなじみの安倍昌彦氏が、この木村をボールを受けています。安倍氏は「プロにいけるだけの素材」と話していただけに、実際にどんな逸材なのかワクワクしていました。

 結論から書くと、中学球児でここまで衝撃を受けたのは久しぶり。2年前に東海翔洋中の渡邉隆太郎(現帝京)を見たときと同等か、それ以上のインパクトがありました。フォームはオーソドックな右のオーバー。腕を上から地面に向かって叩きつけるように振ってきます。肩やヒジも柔らかそうで、なにより運動神経が抜群。低めに伸びるストレートは高校生クラスです。スライダーで簡単に初球からストライクを取るなんて、高校生でもなかなか出来るものではありません。

 大仁中クラブから毎回の9つの三振を奪えば、許したランナーはエラーと四球の2人だけ。見事、ノーヒットノーランを達成しました。そのノーヒットノーランをやり遂げたことよりも、彼の才能に惚れたのは許したランナー2人をともに牽制でアウトにしたことです。体のターンの速さと一塁手への剛球には驚きました。

 簡単に追い込めば、テンポの速い木村ペースとなりますが、時折、制球を乱すこともあります。小さくまとまらず、こういったノビシロも魅力的です。

 トップバッターを務める打撃でも、5回に右中間を破る強烈な打球を飛ばします。脚力にも光るものがあり、良さを挙げたらキリがないです。

 この木村の投打による活躍などで常葉学園橘中がギリギリで全国大会への出場を決めました。出場すれば、全国の各チームからマークされるの間違いなし。そんな中、木村がどこまで投げることができるのか。勝ち抜いていけば、注目度を一気にアップさせる大会になると思います。

 ここまで僕を魅了したスーパー中学生が果たして今後、どのように成長を遂げていくのか。来年から、「木村ウオッチング」という大きな楽しみが出来ました!

<写真/来春、全国大会での投球が楽しみな木村聡司(常葉学園橘中)>

■常葉学園橘中クラブ

■大仁中クラブ

1番 投手 木村
2番 中堅 長尾
3番 一塁 河島
4番 三塁 池谷
5番 左翼 丸山
6番 右翼 渡辺
7番 二塁 道場
8番 遊撃 小野寺
9番 捕手 浅場
1番 三塁 渡辺
2番 左翼 鈴木
3番 捕手 山崎
4番 投手 川口智
5番 遊撃 斎藤
6番 右翼 水口
7番 二塁 村田
8番 中堅 西島
9番 一塁 相原
投手:木村

投手:川口智-斎藤

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