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2011年6月

2011年6月26日 (日)

『高校野球小僧2011夏号』が発売中!

 いよいよ、静岡県でも夏の高校野球の組み合わせが決まりましたね。初戦から、掛川西vs三島、磐田東vs島田樟誠、浜松学院vs富士宮西など好カードが目白押し。僕も、どこの球場に行こうか、今から迷っています(笑)。

2011_2 さて、そんな夏の高校野球観戦に欠かせない、『高校野球小僧2011夏号』が発売になりました。僕は、全国地区別49地区コーナーの静岡、愛知、三重を担当しました。1年間、様々な球場やグラウンドに行って探してきた選手たちです。今年のプロ注目選手だけなく、大学、社会人に進んでから期待できる選手も盛りだくさんです。

 また、巻頭カラーページでは、野村亮介(静清)、佐野準哉(富士宮北)、辻本一磨(飛龍)を紹介していますよ。ぜひ、球場に持っていってほしい一冊です。

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2011年6月20日 (月)

練習試合 静岡vs県岐阜商

★6月19日 練習試合 ヤマハ豊岡グランド 曇り時々雨    

   チーム 10
県岐阜商 0 0 0 0 0 0 0 2 0 3
静岡 0 0 0 2 0 0 0 1 0 1 4

 昨日は、甲子園優勝経験を持つ名門同士の練習試合を見てきました。静岡は、夏前にどうしてもチェックしておきたかったチーム。特に故障の影響で今春の登板がなかった岩崎翔(181cm79kg、右投右打)の状態が気がかりでした。

1106192_2 静岡の先発は今春、活躍を見せた左腕・原崎匠人(178cm75kg、左投左打)。序盤から持ち味の緩急をつけた投球が冴え、県岐阜商打線を翻弄します。ストレートの球速は130キロ前後でもスライダー、チェンジアップをうまく使い、6回まで無安打に抑える快投を見せます。7回に2安打で1点を失いましたが、ゲームメークをする力を存分に見せてくれました。

 そして、お待ちかね、8回からは最速141キロ右腕の岩崎が登場します。昨秋はチームを東海大会に導く活躍を見せるも、その後、右ヒジの故障で年明けに手術。ようやく5月の練習試合から実戦復帰しました。

1106191

 まず、8回は3人でピシャリと抑えます。球威は昨年のいいときと変わらないレベル。変化球はフォークなどが小さく鋭く曲がるのが特徴です。腕も振れていて、肩の不安を感じさせないものでした。

 ところが9回、先頭打者に死球を与えると、エラーを挟み、タイムリー安打を浴びて2失点。相手の勢いに飲み込まれた形で同点に追いつかれてしまいました。それでも、延長に入った10回は無失点。ボール自体はいいのですが、単調になりすぎると狙われることもありそうです。もう少し、カーブなどの緩い変化球を有効に使うことができれば、さらに投球の幅を広がると思います。ただ、現時点で、岩崎がここまで投げることができるのは、チームにとってはすごく大きいはずです。

 夏の大会まで残り1ヶ月。どこまで投げることができるイニングを伸ばすことができるのか。原崎、岩崎の2枚看板が揃ってくれば、静岡の2003年以来の甲子園も見えてくるでしょう。

<写真/今年の「静高」の両輪、原崎匠人(上)と岩崎翔(下)>

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2011年6月16日 (木)

「くまのベースボールフェスタ」で渡邉隆太郎(帝京)が登板

 6月12日に三重県熊野市で開催された「くまのベースボールフェスタ2011」に行ってきました。今回の招待チームは帝京と大阪桐蔭です。

1106121 帝京は第1試合の近大高専戦で東海大翔洋中出身の渡邉隆太郎(180cm92kg、左投左打)が先発しました。

 渡邉は先月の富士宮北との練習試合で見たばかり。なのに、マウンドに上がったときの堂々とした体格にはあらためて驚かされました。

 ただ、初回から苦しい投球。毎回のように安打を浴び、ランナーを背負います。3回までは何とか無失点にしのぎますが、4回に3連打を浴びたところで降板しました。くまのスタジアムのスピードガンで最速は140キロをマーク。球威はあったと思います。それでも、思った以上に持ち味のパワーで圧倒できていない印象を受けました。

 投げる以上に僕が注目しているバッティングは、1打席しか見ることができず。ドラフト候補の山崎正衛(191cm86kg、右投右打)にこすった感じのセカンドゴロに仕留められました。それでも、スイングスピードはあり、芯にあたれば、外野をライナーで超えていきそうな雰囲気はありました。

 次回、渡邉の姿を見るのはいつになるか? 今夏の甲子園か、来春のセンバツか? いずれにしろ、何としても聖地に足を運んでもらいたいです。

<写真/今夏は甲子園出場に期待したい渡邉隆太郎(帝京)>

★過去の渡邉隆太郎(帝京)の記事はこちら→http://tsukasa-baseball.cocolog-shizuoka.com/blog/2009/03/39-36ef.html

http://tsukasa-baseball.cocolog-shizuoka.com/blog/2011/05/post-32de.html

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2011年6月15日 (水)

聖隷クリストファーにスーパー1年生登場か!?

 昨日は聖隷クリストファーのグランドにお邪魔しました。聖隷クリストファーは鈴木洋佑監督の下、2008年の秋に県ベスト4、昨夏の県大会ではベスト8まで勝ち上がるなど、甲子園に近づきつつある西部地区の有力校です。

 この日は浜松大のBチームとの練習試合。先発したのは1年生の鈴木翔太です。中学時代は浜松シニアでエースとして活躍。グランドに着いたのは4回でしたが、一目みて、「これはモノが違うな」と感じました。

1106141 長身180センチのヒョロっとした体型から、柔らかくヒジを使い、腕をリリース。ネット裏から見ると、ボールがどんどん大きくなるようなイメージで、グングンと伸びています。しかも低めのストレートで空振りを奪っていきます。大学生相手にも、まったく動じることなく、緩いカーブやスライダーも腕を振って投げ込むます。

 この投手がいいのは、ただ球質がいいのではなく、ゲームメーク能力にも長けていること。ランナーを出しても制球を乱すことなく、勝負どころではギアチェンジして力を入れてきます。マウンドさばきに慣れを感じ、「本当に1年生?」と疑いたくなるようなピッチャーです。

 7回3安打無失点の快投。聞くところによると、前回の浜松大との練習試合でも無失点。この日と合わせて、2試合、大学生に得点を与えていないというのにも驚きました。

 鈴木監督も「11年間、このチームを見てきましたが、これほどのピッチャーは初めて」というほどの逸材。現在、球速は130キロ台前半ですが、フォームのバランスの良さ、球の回転を見ていると、順調に成長すれば、すぐにでも140キロが出てもおかしくないでしょう。

<写真/公式戦デビューが楽しみな鈴木翔太(聖隷クリストファー)>

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2011年6月 9日 (木)

練習試合 浜松学院vs愛工大名電

★6月4日 練習試合 浜松学院グランド 晴    

   チーム
浜松学院 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
愛工大名電 0 0 0 1 0 0 0 0 × 1

 今年4月より、興誠から校名変更した浜松学院。この日は、全国優勝の経験を持つ強豪・愛工大名電と練習試合を行いました。

1106041 浜松学院の先発はエース・山中隆平(177cm67kg、右投右打)でした。昨秋は140キロ近い速球を武器に県大会進出に貢献。初戦で静岡に敗退するも、その後の静岡県高校選抜に選手され、台湾遠征を経験しました。

 しかし、今春は右ヒジの故障などで登板できず、チームも西部地区大会で初戦敗退しました。夏前の重要なこの時期、山中がどんな状態なのかチェックしてきました。

 フォーム的には昨秋と変わらず、きれいなオーバーハンド。試合前の投球練習を見る限り、気になっていたヒジや肩の不安は見受けられませんでした。立ち上がりから抜群に腕が振れていて、マウンドで跳ねるような勢いがあります。

 対する愛工大名電のトップバッターは村山賢輔(181cm82kg、右投右打)。プロ注目の強打者です。ストレートで追い込むと、外角のフォークで空振り三振に。村山が調子を落としたといえ、山中の投球が圧倒していた印象でした。初回は1安打を浴びたものの、3つのアウトはすべて三振でした。

 その後も山中は軽快なピッチングを展開。特に左打者への内角のストレートがよく、低めにズバッと決まります。この日の最速は141キロ。球威があるので、少々、甘くなっても詰まらせることができます。

 さらに、得意の高速スライダーのキレ味も◎。「投げっぷりがいい」という表現が当てはまるほど、愛工大名電の強力打線に対し、臆することなく強気に攻めていました。4回に1点に失うも、最後まで投げ切り、6安打1失点で完投。力でねじ伏せたという印象でした。

 第2試合では愛工大名電の強力打線が地力を発揮。打球の速さ、飛距離、どれもとっても全国レベルだなと実感しました。さすが、個々の能力が高く、今年の愛知では優勝候補筆頭とされるチームです。それだけに、第1試合で快投を見せた山中は大いに評価できると思いました。

<写真/愛工大名電を1失点に抑えた山中隆平(浜松学院)>

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2011年6月 8日 (水)

常葉の定期戦でスーパー1年生がデビュー!

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 今日は草薙球場で常葉学園菊川と常葉学園橘の定期戦が行われました。昨年は常葉学園橘が勝利。その後に、夏の県大会決勝でも同じ顔合わせの試合となりましたが、再び常葉学園橘が勝利し、甲子園に出場しました。今回はどちらが勝利したのか? ある意味、夏の静岡県大会をも占うこの一戦。木下のバッティングに惚れている知り合いのHさんがレポートを送ってくれました。

*             *             *

★6月8日 常葉学園創立記念定期戦 静岡草薙球場 晴 

  チーム
常葉学園菊川 0 0 0 0 1 0 0 3 2 6
常葉学園橘 0 2 0 2 3 1 3 4 × 15

<投手>
常葉学園菊川…木下-川村-木下-市口
常葉学園橘…渡邉-青島-宮崎

 定期戦、行ってきました。ただ、アナウンスや電光掲示板はなく、背番号など目安になるものもなしという試合だったので、正直、メンバーがわからなかったです(笑)。常葉学園菊川(以下菊川)は、昨秋から何回か見ているので、大体わかりましたが、常葉学園橘(以下橘)となると、新チームを見るのが初めてだったので、手も足もでませんでしたね。

 めげずに観戦したわけですが、15-6で橘が勝利しました。先発は、菊川が木下晃暢、橘が渡邉健人。投手として期待されながらも、苦しんでいる木下ですが、今日も明らかなボール球が多かったです。6回0/3を投げたところで、一度降板し、また8回の頭から投げて、0/3で降りたのですが、最終的に19四球で13失点という内容でした。投球に悩んでいるのか、バッティングの方でも豪快さは影をひそめていました。
 菊川では高崎健太が3安打と当たっていました。高崎らしい、火を噴くようなライナーもあり、調子がよさそうです。
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 橘は2番手として1年生の青島勢奈が7回からマウンドに上がりました。橘中時代は全国大会優勝を果たした期待の投手。庄司隼人(広島)を思わせる躍動感や勢いはいいのですが、高校レベルの強力打線を相手にするには、コーナーワークが重要になってきます。甘く入った球を痛打され、結果は2回を3失点。ただ、スライダーのキレはありましたし、カバーなどのそつのなさはさすが。今夏から活躍は見られると思います。

 余談ですが、帰りに菊川のグランドが見える道を通ってきたので、一瞬覗いたら、選手たちがバスから荷物を降ろしていました。これからまた練習でしょうか? 夏の大会まであと一カ月、気合を入れ直して頑張ってほしいです。

*              *             *

 Hさん、今日も貴重な情報、ありがとうございました! 常葉学園橘は春の県大会出場を逃しましたが、相変わらず戦力は充実していそうですね。

<写真/今夏から活躍が期待される青島勢奈(常葉学園橘)。下半身の逞しさは写真からでも分かります>

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2011年6月 6日 (月)

明日から大学選手権が開幕!

 明日から第50回全日本大学野球選手権記念大会が始まります。静岡県内からは、日大国際関係学部が5年ぶり3度目の出場を果たします。

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 5月に開催された東海地区大学野球選手権では初戦の中部学院大戦で敗退するも、続く三重中京大戦で大勝。再戦となった翌日、中部学院戦は5回裏まで0対4とリードを奪われる厳しい展開でしたが、雨でノーゲームとなります。そして、3日目に中部学院大、三重中京大に連勝。強運も味方につけて奇跡の優勝を成し遂げました。

 注目はエースの横井貴行(181cm69kg)です。最速148キロのストレートに加え、スライダー、ツーシーム、フォークを操ります。本人はプロ志望ということですので、ぜひとも多くのスカウトが集結する今大会でアピールしたいところ。球速的には150キロをたたき出して欲しいですね。

 <写真/大学選手権で快投に期待される横井貴行(日大国際関係学部)>

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2011年6月 5日 (日)

チャリティー東海地区社会人野球 ヤマハvs東海理化

★6月5日 チャリティー東海地区社会人野球大会2回戦 岡崎市民球場 曇 

チーム
東海理化 3 0 4 0 0 0 0 0 4 11
ヤマハ 0 0 0 0 0 0 2 0 2 4

 今日はチャリティー東海地区社会人野球大会へ。毎年、この時期には都市対抗予選が開催されてるので、応援のない試合は何か変な感じがしました。

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 第1試合にはヤマハが登場しました。しかし、初回から先発・渡邉裕文(172cm65kg、右投左打)の乱調で3点を失う厳しい展開。その後、渡邉は3回になっても立ち直らず、古岡基紀(178cm74kg、左投左打)を挟み、2死満塁の場面から3年目・戸狩聡希(177cm77kg、左投左打)が登板しました。最初の打者に四球を与えるも、続く打者は三振に。すると、4回から見事なピッチングを見せます。ストレートの球速は最速144キロをマーク。岡崎市民球場のスピードガンは左投手に甘めで有名ですが、これまでの最速143キロも同球場で記録したもの。低めにいいボールが来ていて、スピードは感じました。8回までに7三振を奪い、無失点と好投を続けました。

 フォームは以前と違いタメが少なく、腕の位置も若干、下がり気味に見えました。それが功を奏しているようで、制球面での不安がありませんでした。僕が戸狩を見てきた中で、ヤマハに入社後は一番の出来。しかし、回を重ねるうちに球が浮きだし、9回にはボールが先行して3安打を浴びました。結局、9回1死での降板となり、試合を締めることはできず。このあたりは今後の課題でしょう。最終的に、5回2/3を投げて被安打4、与四死球3、4失点(自責は0)という内容でした。

 打線は東海理化の川脇輝生(182cm83kg、左投左打)の緩いボールで打ち気に誘う投球に苦しめられ、6回まで無失点。川脇がマウンドを降りた7回に、柳裕太(174cm82kg、左投左打)の2ラン本塁打、9回には高橋孝典(177cm77kg、右投右打)のタイムリーなどでさらに2点を奪いましたが、いつもの爆発力は影を潜めました。

 都市対抗予選まで、あと2か月あまり。まずは、投手陣の柱の確立がヤマハの課題になります。

<写真/ドラフトイヤーを迎えた戸狩聡希(ヤマハ)>

■ヤマハ

■東海理化

1番 左翼 長谷川
2番 遊撃 永田
3番 一塁 石野
4番 二塁 佐藤
5番 右翼 高橋
6番 DH
7番 三塁 嶋岡
8番 中堅 小粥
9番 捕手 井上
1番 三塁 井貝
2番 中堅 下田
3番 一塁 冨川
4番 左翼 山田
5番 捕手 大嵜
6番 DH 吉川
7番 右翼 石川
8番 遊撃
9番 二塁 谷口
投手:渡邉-古岡-戸狩-石山

投手:川脇-佐藤-村井

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2011年6月 3日 (金)

常葉菊川出身・酒井嵩裕の再挑戦!

 今日から「チャリティー東海地区社会人野球大会」が始まりました。初日の初戦は日本プロスポーツ専門学校vs東海理化の試合が行われました。日本プロスポーツ専門学校というチーム名は耳慣れない方も多いと思いますが、実は常葉学園菊川の2008年選手権準優勝メンバーの酒井嵩裕が在籍しています。今日はAさんと名乗る、東海理化ファンの知り合いがレポートを送ってくれました。

*              *              *

Sakai01 酒井はもとより「野球が楽しい!」と全身からあふれさせるようなプレーをする選手だ。陽気に、カラっと、爽やかにボールと戯れる。その酒井の本質的なイメージは変わっていない。しかし、3年ぶりに見る酒井は、少し、そこに湿度があるような、野球に対する執着を滲ませるようになっていた。

 酒井は、常葉学園菊川のレギュラーとして、2年春にセンバツ優勝、夏に選手権ベスト4、そして3年夏には正遊撃手として選手権準優勝を果たしている。全国に常葉学園菊川の名を知らしめた、フルスイング打線の中軸を担う、まさにスター選手だった。
 その看板を引っ提げ、進学したのは東都の強豪・亜細亜大。そこでも大きな期待を受け、入学早々の1年春にはメンバー表に写真とともに掲載された。
 しかし、昨年の秋頃に酒井の消息が途絶えた。大学を退学し、地元・掛川に戻ったと人づてに聞いた。

「大学をやめて、アルバイトをして。バッティングセンターとかで遊びで野球をやるぐらいで。でも、やっぱり野球がやりたい。もう一度、本気で野球がやりたい。そう思って、インターネットとかで検索したりして。それで、ここを見つけて、この4月に入学しました」。
 酒井が新天地に選んだのは、日本プロスポーツ専門学校。愛知県愛西市にあり、硬式野球部は企業チームとして、愛知県野球連盟に加盟している。
 2004年に創部され、まだNPB入りを果たした選手はいないが、2009年に総監督に就任した石井晶氏は阪急ブレーブスでオールスター出場も果たした元プロ野球選手。数球団でコーチを歴任し、阪神タイガースでは2軍監督も経験した。育成のプロともいえる石井氏のもとで、選手たちは腕を磨いている。
「チームにはすぐなじめました。先輩たちもいい人ばかりで、よくしてもらってます。今は、とにかく、野球ができるのが楽しくてしょうがない。嬉しいです」。

Sakai02 酒井は、何度も「野球ができるのが楽しい」と繰り返した。今後の目標を尋ねても、「今は野球をやらせてもらってるだけで満足です」と言い切る。野球に飢えていた酒井にとって、今は一試合でも一打席でも経験したいのだろう。打席でも、その思いがはっきりと感じ取れた。

 この日の試合では、4打数3安打。3番ショートでスタメン出場し、初回にいきなりライト前安打を放つと、2打席目にはセンター前安打。軽く振り抜くスイングはブランクを感じさせなかった。3打席目には死球で出塁すると、4番・中居翔の本塁打でホームベースを踏んだ。4打席目はサードゴロに倒れた。
 9回を終わって、2-2の同点。試合は延長戦に突入し、10回からはタイ・ブレークが行われた。社会人野球では見慣れた風景だが、酒井にとっては初めての経験となった。
 社会人野球のタイ・ブレークで主に採用されるルールは、1死満塁から回がスタートし、最初の回の先頭打者は選択できる。つまり、チームにとって、その日一番期待できる打者が最初にバッターボックスに入ることになる。今日、日本プロスポーツ専門学校にとっては酒井だった。
 酒井は期待通り、レフト前にタイムリー安打を打ち、日本プロスポーツ専門学校は勝ち越し点を奪う。その裏に、東海理化は富川平が満塁本塁打を放ち、サヨナラ勝利を決めたが、日本プロスポーツ専門学校の善戦は、予想外のものだった。

「1週間ぐらい前から調子は悪かったので、今日はたまたまです。試合と調子は関係ないので」
 と、常葉学園菊川の選手らしいことを口にして酒井は破顔一笑。
「一つ勝って、ヤマハとやりたかったです。戸狩(聡希)や町田(友潤)と対戦したかった」
 野島(大介・NAGOYA23)くんとかも対戦する機会がありそうだねと言うと、この日一番の笑顔で、「みんなと対戦するのが楽しみです」と答えた。

 「野球をするのが楽しい」。そこに「野球をやり続けたい」という執念が加わった。この先に何があるのか。酒井の野球人生にどんな展開が待っているのか。酒井のプレーを見守っていきたい。

*              *              *

 Aさんありがとうございました! 「どの媒体に書くか悩んだけど、酒井情報を一番渇望してるのはこのブログの読者だと思うので(笑)」ともったいぶって送ってくれただけあって、入魂のレポートです。僕も近いうちにチェックしに行こうと思います!

<写真/ハツラツとしたプレーを見せた酒井嵩裕(日本プロスポーツ専門学校)>

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