いよいよ9日開幕を迎える静岡県大会。今年も、注目選手について、Hさんと存分に語りあいました。昨日の投手編に引き続き、今日は打者編をお届けします。
栗山 今年はやっぱり花嶋修平(磐田東)と辻本一磨(飛龍)。2人とも、スカウトから評価が高い遊撃手です。
Hさん ただ、タイプは少し違いますね。花嶋は身体能力が高く、打撃センスに秀でています。辻本は180cmと長身で、球際に強い守備の評価が高い。フィールディングは華麗の一言です。打撃は課題と言われていましたが、ここに来て伸びてきました。
栗山 花嶋は中学時代から注目されたスラッガーで、僕も1年秋から見続けてきました。実は、7月8日発売の『野球小僧8月号』でも花嶋を取り上げたんですが、リストの強さはピカイチでしょう。この春は股関節の故障で通算本塁打数は伸びていませんが、長打を打てる右のショートはプロ、大学で求められている人材ですからね。楽しみです。
Hさん スラッガータイプでは小川拓真(静岡)と奥村拓史(飛龍)が下級生時から注目されてきましたね。奥村は182cm84kgと見るからにスラッガーの体格で、雰囲気がある打者。長打力はもちろんのこと、勝負強さもついてきた気がします。
栗山 小川は柔らかくて、飛ばすだけではなく、対応力もあります。打撃だけじゃなく、一塁守備にも柔らかさが利いていて、グラブさばきがいい。グラブが地面を舐めるようにゴロを捕球します。静高は小川の他にも、今春、サイクル安打を達成した高階隼も評価が高いです。この間、練習試合で久々に高階を見たのですが、「こんなに体格が良かったかな」と思ったくらい、体が出来上がっていて驚きました。かなりウエートをやってきたんでしょうね。その他にも2年生の中澤彰太などタレントが揃っています。さすが、静高です。
Hさん 私は岩崎翔の打撃も好きです。チームで言うと、常葉学園菊川の打線も外せない。核弾頭の高崎健太は小兵ながらパンチ力抜群。長谷川翔也は187㎝の大型打者で、当たればデカイのが魅力です。近藤ツインズの亮・俊は2人とも体格に恵まれているだけに、最後の夏は爆発してほしいです。
栗山 その常葉学園菊川に定期戦で大勝した常葉学園橘の打線も面白い。2年生の城戸健太朗は昨夏4番を任されたことで注目されましたね。1年生の道場嵩慈はセンスが抜群。野手のいない場所を狙い打つような打撃をする。
Hさん 城戸と並んで、昨夏注目された1年生といえば、亀山裕輝(聖隷クリストファー)。捕手としては小柄な173mですが、スタンドに放り込む力もあるし、身体能力が高いです。特に、走塁はトップスピードに至るまでが早く、地面を蹴って得る推進力がすごく強いイメージ。ゴムまりみたいな選手です。
栗山 聖隷クリストファーでは安間健登も50m5秒台と滅法足が速い。センターを守る守備にも生きていますね。
Hさん 倉田直幸(浜松西)も俊足なんですよね?
栗山 50m6秒2だそうです。今春、初めて見たのですが、正直、こんないい選手を3年になるまで見ていなかったのかと。ちょっと落ち込みました(笑)。バットが素直に出て、変化球にも崩れない。二塁守備も積極的でいいですね。同じようなタイプとして、山内崇弘(掛川西)もいます。こちらは50m6秒フラット。バッティングはトップの形がしっかりできているので、ボールをとらえるタイミングが抜群にいいですよ。
Hさん 栗山さんが昨秋推していた熊谷将吾(静清)も足がありますね。ただ、春は不調に苦しんでいました。熊谷が1番として機能すれば、静清の打線も勢いが出てくる。静清といえば、加藤翔が母性のある捕手で好きなんですが、捕手でオススメの選手っていますか?
栗山 江間遼太郎(磐田東)とか、中村太星(静岡商)かな。でも、捕手としてというより、打者として評価が高い選手かもしれない。
Hさん 中村は体格もよくて、昨年の寺嶋寛大(現創価大)的な選手ですね。
栗山 はい。地肩が強いですよ。あと、掛川工の1年生捕手・東峰大貴がどこまでやれるか気になっています。
Hさん 今夏、絶対見たい選手っていますか?
栗山 僕は石渡延秀(日大三島)、鈴木孝幸(浜松市立)かな。2人ともこの春に本塁打を量産しています。
Hさん 私は、今まで見たことがないのですが、大田圭利伊(菊川南稜)が気になっています。ナイジェリアのハーフで、188cm90kgとものすごい体格をしているようです。あと、身体能力に優れた垣東亨(静岡南)も見たい選手。
栗山 この夏の静岡も楽しみですね! 今週末の開幕が待ち遠しいです。
Hさん でも、10日は静岡じゃなくて、山梨県大会に行くって聞きましたけど(笑)。高校ナンバーワン野手の高橋周平(東海大甲府)ですか?
栗山 それもありますが…、山梨県で頑張る静岡出身の注目1年生がいるんですよ。そちらのレポートもお楽しみに!
<写真>辻本一磨(飛龍)、花嶋修平(磐田東)、高階隼(静岡)、長谷川翔也(常葉学園菊川)、中村太星(静岡商)