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2011年10月

2011年10月26日 (水)

静清魂を貫く伊神祐児(三重中京大)

 今月23日に東海地区大学野球の秋季選手権大会が開催されました。

●第1試合 三重中京大5-4日大国際関係学部
●第2試合 中部学院大6-2三重中京大
●第3試合 中部学院大5-4日大国際関係学部

 残念ながら静岡代表の日大国際関係学部は2連敗。明治神宮大会につながる「中部地区王座決定戦」への出場はなりませんでした。

 その日大国際関係学部を第1試合で破った三重中京大。主将を務めるのは静清工(現静清)出身の伊神祐児(167cm66kg、右投左打)です。なんといっても伊神の武器は脚力。50メートル5秒7の俊足で春の三重リーグで盗塁王を獲得しています。

1110231 伊神は第1試合、第2試合ともに1番センターとして出場しました。第1試合は3打数に終わりましたが、第2試合では3打数2安打の活躍。3打席目にセンター前安打を放つと、4打席目は持ち前の足を生かしてセカンドへの内野安打で存在感を示しました。

 試合後、本人に直撃しました。まず、僕の目に入ってきたのは緑のタオル。緑といえば、もしかして…。「はい。静清のタオルです。大学に入ってから、ずっとこれを使っています」。堅実な守備と足を生かした機動力は、まさに静清らしい選手と言えます。静清魂を大学でも貫いているんだなと勝手に考えてしまいました。ただ、本人に高校時代の思い出を聞くと「寮生活が大変だったのが一番ですね」と苦笑いを浮かべていたのが印象的でした。

 三重中京大は30日からの「中部地区王座決定戦」(愛知・瑞穂球場)に出場します。この大会で優勝すれば、明治神宮大会へ。三重中京大は来年度で廃校になるため、3、4年生のみでの戦い。今年、何としても全国大会に出場しておきたいところです。「今年の秋は絶対に神宮にいきたいです」。力強い言葉で締めくくってくれた伊神。大学卒業後は軟式野球の強豪・ニッセイで野球を続けるそうです。軟式球界でも伊神の足は大きな武器になるでしょう。

<写真/三重中京大で主将を務める伊神祐児>

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2011年10月24日 (月)

静岡商、初戦で散る

★10月24日 秋季高校野球東海大会 2回戦 長良川球場 晴   

チーム
静岡商 0 1 1 1 0 0 1 0 0 3
至学館 0 1 0 2 1 0 0 0 × 4

 23日から高校野球の秋季東海大会が始まりました。初日に登場した富士市立と静岡はともに1点差で惜敗。静岡勢最後の砦となった県大会優勝校の静岡商は本日24日に登場しました。

 対戦する至学館は、今夏激戦の愛知を勝ち抜き甲子園に初出場した新進校。熱戦が繰り広げられましたが、結果は4対3で至学館の勝利。残念ながら、県勢は全滅となってしまいました。至学館の校歌を複雑な心境で口ずさんでしまったというHさんがレポートを送ってくれました。

*          *          *

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 静岡商は、打線が全くつながりませんでした。得点は犠牲フライ、内野ゴロの間の生還、相原将輝のソロ本塁打。静岡商打線の放った3安打の内訳が、二塁打(有賀純)、三塁打(水口潤哉)、本塁打と全て長打だったことを考えると、3点というのは残念です。至学館の小刻みな継投にやられましたね。何しろ、変則サイド右腕(2回)→投げ下ろしてくる長身右腕(2回)→正統派左腕(3回1/3)→スライダーが切れる右腕(1回2/3)とバラエティーに富んだ継投でした。  

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 先発マウンドに立った中本聖エリヤは、8回を4失点。とはいえ、8安打を浴びて、4四死球なので、ずいぶん粘った印象はあります。2回に四球で出した走者が還ってきて得点を奪われたのはもったいなかった。どんな調子でも1試合を通じて試合を作れるのは中本の長所だと思いますが、今後は質の向上も求めたいところです。

 試合前のノックからポロポロする選手が目立ち、イニング間のボール回しでもボールを弾いて審判に拾ってもらう場面が何回かありました。大舞台に堅くなったか、気合入りすぎちゃいましたかね。

*          *          *

 Hさんありがとうございました! これで静岡県勢3校、すべてが初戦で敗退。しかも、すべて1点差とは…。本当に残念です。今回、出場した3チームは、ぜひこの経験を来年に生かしてもらいたいと切に願います。

<写真上/試合終了後の静岡商ナイン>
<写真/中盤での失点が痛かった中本聖エリヤ(静岡商)※写真は今秋の県大会でのもの>

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2011年10月22日 (土)

野村亮介(静清)に取材してきました!

 先日、『野球小僧』12月号の取材で三菱重工横浜に内定した野村亮介(静清)にインタビューしました。中学時代の大ケガ、今春センバツのこと、そしてプロ志望届を提出せず社会人入りを決めた理由など、存分に話を聞いてきました!

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 現在は、練習に参加しながら、運転免許を取るために自動車学校にも通っている野村。取材後、相棒の加藤翔とキャッチボールを行い、そのままブルペンへ直行しました。僕は贅沢にも加藤の後から見せてもらったのですが、あらためて野村の角度、制球の良さを実感しました。鈴木政明コーチから「スポニチ大会から投げられるようにしておけよ」と声をかけらると、いっそう、力が入っていたような。今すぐにでも、実戦で投げることができそうな力感あふれるフォームと勢いのあるボールでした。

 野村を指導した鈴木コーチは、大昭和製紙、ヤマハ発動機、プリンスホテルで活躍した名投手です。1984年ロサンゼルス五輪では金メダル獲得。都市対抗には20年連続出場という、とてつもない偉業を成し遂げ、特別表彰を受けています。

 鈴木コーチは「社会1110222_2人にいって、まずは体作りとか、そういう考えでいったらダメ。社会人野球はそんな甘い世界ではないからね。まず、春のキャンプで監督やコーチにアピールしないと。最初が肝心なんですよ」。鈴木コーチから野村への贈る言葉。厳しさの中にも愛情が溢れていました。

 それにしても、静清の充実した施設にビックリ。新たに建設された室内練習場はプロ並みで腰を抜かしました!

<写真上/三菱重工横浜へ内定した野村亮介(静清)>
<写真下/新設された静清の室内練習場>

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2011年10月18日 (火)

掛川市内大会で横須賀が初優勝!

 10月16日、掛川球場で掛川市内高等学校野球大会が開催されました。掛川西、掛川東、掛川工、横須賀の4チームで争われ、横須賀が初優勝を飾りました。  

<1回戦>
横須賀2-1掛川工
掛川東4-3掛川西
<決勝戦>
横須賀11-6掛川東

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 優勝した横須賀は、初戦で掛川工を下すと、決勝戦では今春県ベスト8の掛川東を撃破。「市内大会に参加して8年目になりますが、今までは相手に萎縮してしまうことがありました。それが今年はなかった。相手にビビらずに試合に入っていけたことが大きかったです」と横須賀の鈴木彰洋監督。その鈴木監督がオススメしてくれたのが3番の平岩優大(165cm70kg、右投右打)。高校通算20本塁打を放つ強打者で、昨年の市内大会の掛川西戦でも一発を放っています。

 体は小柄ですが、ガッチリとした体つきの平岩。打球音が他の選手よりも響きます。それだけ、インパクトで力強さがあるという証拠。もう少し、テークバックで間(ま)ができれば、さらに長打を打てる資質を感じました。また、僕は見ることができませんでしたが、決勝戦では2本のタイムリー。勝負強さという面でも光るものがあります。

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 今年の横須賀の特徴を挙げるとすると、妥協を許さない姿勢です。例えば、この日の掛川工戦、ある選手が第1打席で全力疾走を怠ったとみるや、鈴木監督から厳しい叱責。また、戦力面ではセンターラインがしっかりしています。特にショートの井口皓平(165cm63kg、右投右打)はグラブさばきとスローイングに安定感があります。打球に入っていくグラブの角度がいいので、難しいショートバウンドの打球でも簡単に処理。前の打球に対して出ていってアウトにできます。さらに、センターの久保野耕陽(161cm58kg、右投右打)は5回に、右中間への打球にダイビングキャッチを試み超ファインプレー。チームに勢いをもたらすワンプレーでした。 

 この日、出場した4チームと比べても決して見劣1110163りしなかったどころか、チームとしてのまとまりが印象に残った横須賀。鈴木監督に来春の目標を尋ねました。「今年は“歴史を変えよう”というスローガンでやってきて、まず市内大会優勝で一つの歴史はできました。次は創部以来初となる県大会出場です」。決して体の大きな選手はいませんが、一つ一つのプレーを堅実にこなしていくスタイル。この冬、各選手が鈴木監督の下、心身ともに1ランクレベルアップすれば、県大会出場どころか、ベスト16、ベスト8も狙えると思います。

<写真上/打線の中心を担う平岩優大(横須賀)>
<写真中/ユニフォームを泥だらにしながらプレーする井口皓平(横須賀)>
<写真下/チームを強化する鈴木彰洋監督。ユニフォームは清峰(長崎)を意識して制作>

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2011年10月17日 (月)

静岡学生野球の新人戦が開幕!

 静岡学生野球は秋の新人戦が開催されています。昨日は1回戦3試合が行われ、静岡大、富士常葉大、浜松大がそれぞれ2回戦に駒を進めました。

 このゲームを1試合目から知り合いのHさんが観戦。僕は掛川市内大会(詳細は後日、ブログでアップします)を見ていたのですが、Hさんから「東海大海洋学部の牧ケ谷、ブルペンで投げているよ」と連絡があり、磐田球場に向かいました。

★10月16日 静岡学生野球新人戦 磐田球場 晴   

 チーム
静岡産業大 2 0 0 2 4 0 0 0 0 8
静岡大 1 0 0 1 1 0 0 2 12

<投手>
静岡産業大:河合-加藤-鈴木-西牧-植田
静岡大:粟倉-的場-志貴

<経過>
 試合の前半は静岡産業大ペースで進んだが、静岡大は8回に2点を奪い、3点差に迫る。9回裏には、新井健太(2年、177cm70kg、右投右打)のタイムリーで1点、押し出し四球で2点を返し、無死満塁から4番・植平大暉(2年、170cm75kg、右投右打)がレフト前にサヨナラタイムリー。逆転勝利で、次戦に駒を進めた。

 Hさん曰く、サヨナラを打った植平君は、「大学に入ってから一番嬉しいかも」と笑顔で言っていたそう。

  チーム
富士常葉大 2 0 0 0 1 3 0 0 0 6
東海大海洋学部 0 0 1 0 0 0 0 0 0 1

<投手>
富士常葉大:藤澤
東海大海洋学部:飯塚-尾白-古川-牧ケ谷

1110161<経過>
 富士常葉大は初回に秋山和也(2年、181cm75kg、右投左打)のタイムリーなどで2点を先制。その後も順調に得点を加え、快勝した。投げては、リーグ戦でも登板している富士常葉大の藤澤康平(1年、180cm97kg、左投左打)が貫禄の1失点完投。変則左腕の藤澤に、東海大海洋学部打線はなかなかタイミングが取れなかった。

 Hさんにまた話を聞いてみると、「一番印象に残ったのは、東海大海洋学部の牧ケ谷和成(1年、181cm69kg、右投右打)。栗山さんを始め、静岡大成時代から評価する人の多い選手なので、注目していました。ベンチ前でキャッチボールをしている時にすぐわかりましたよ。手首の柔らかさ、返しがいい。9回の1イニングを任されたのですが、最後の打者を空振り三振に切って取った伸びのあるストレートを見て、牧ケ谷に惹きつけられる人が多いことに納得しました。来年はリーグ戦で見たいですね」とのことでした。

<写真/高校時代に比べ下半身が一回り大きくなった牧ケ谷和成(東海大海洋学部)>

  チーム
静岡理工科大 0 0 0 0 0 0 0 0
浜松大 0 0 0 0 0 6 7

<投手>
静岡理工科大:中村
浜松大:江越-松本

1110021<経過>
 0-0で迎えた6回、浜松大は安田顕(173cm64kg、右投右打)の右中間を破るタイムリー二塁打で1点を先制。さらに森岡大和(173cm67kg、右投左打)がライトポール際へ場外本塁打を放つなど、一挙6点を奪い、試合を決めた。静岡理工科大は好プレーも目立ったが、中村が6回に力尽きた。

 試合後、浜松大の活躍した3選手に話を伺ってきました。

森岡大和(6回に大学通算15本となる一発を放つ)「打ったのはカーブですが、狙っていたわけではなく体が勝手に反応しました。春から秋にかけて足の状態が万全ではなかったのですが、ここにきて状態が上がってきました」

栩木雅暢(新人戦のキャプテンとしてチームを牽引)「キャプテンは高校(常葉学園菊川)時代もやったことがなく正直戸惑っていますのが、勉強になります。上でプレーしたい目標があるので、神宮にいってアピールしたいです。この冬はバッティング面、スローイング面を強化したいです」

松本洋佑(秋は中心投手として活躍。この試合は2番手で登板して無安打に抑える)「高校(岡崎城西)では控え投手でしたが、大学に入り同学年の山下大輝に刺激を受けました。最速はこの春にマークした142キロです。監督が短いイニングでうまく使ってくれて成長できたと思います」

<写真/今秋は1本塁打に終わったが長距離砲の資質を持つ森岡大和(浜松大)※写真は今秋のリーグ戦のもの>

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2011年10月14日 (金)

都市対抗直前のヤマハをレポート!

★10月11日 練習試合 浜松球場 晴

 チーム
東海理化 0 0 0 1 0 0 0 0 0 1
ヤマハ 0 1 0 0 1 0 0 0 × 2

 都市対抗開幕までいよいよ10日を切りました。24日の第3試合に登場するヤマハは、現在、オープン戦を重ねつつ、最終調整に入っています。補強選手を加えた、都市対抗仕様のヤマハをHさんが見てきたので、レポートしてもらいました。

※               ※              ※

Kousaka
Fujiwara

 私が観戦に行ったのは、11日に行われた東海理化とのオープン戦。補強選手の高阪行俊藤原航平(ともにトヨタ自動車)はスタメンで出場しました。高阪がショートを守り、藤原が指名打者だったのですが、シダックスが好きだった私にとって、元シダックスの佐藤二朗と高阪の二遊間はなかなか熱いものがありました。

 この日の東海理化の先発は補強選手の祖父江大輔(トヨタ自動車)。ということで、高阪と藤原にとってはチームメイト。153キロ右腕の祖父江も、この2人には特に力が入っていたように見えました。しかし、2回には2死から高阪の投手強襲のセンター前安打でヤマハがチャンスを作り先制すると、1-1で迎えた5回には2死二塁から藤原のライト前タイムリーで勝ち越し。さすがにうまいバッティングを見せてくれました。

 試合はその1点をヤマハ投手陣が守り切り勝利。中でも2イニングずつ投げた戸狩聡希吉村健二は2人とも1人の走者も許さずピシャリと抑え、順調な仕上がりをアピール。オープン戦とはいえ、接戦を勝ち切れたのはいい傾向だと思います。
 この日はもう一人の補強選手・東邦ガスの水田裕の登板はなし。水田は安定感があり、経験も豊富な投手なので、しっかり戦力になってくれるでしょう。

 ちなみに東海理化の小島宏祐(東海大翔洋出身)はこの日はボールボーイでした。

Kojima※           ※           ※

 Hさんありがとうございました! 打線はちょっと寂しいところですが、投手陣が安定しているのはいいですね。まずは初戦突破を期待しています。

<写真/補強でヤマハに加入した高阪行俊(上)と藤原航平(中)のトヨタ自動車コンビ。東海理化の小島宏祐(下)は出番を待つ>

■ヤマハ

■東海理化

1番 中堅 長谷川
2番 DH 藤原
3番 一塁 石野
4番 二塁 佐藤
5番 左翼
6番 遊撃 高阪
7番 三塁 嶋岡
8番 右翼 小粥
9番 捕手 松尾
1番 三塁 鈴木裕
2番 三塁 井貝
3番 遊撃
4番 DH 山田
5番 一塁 冨川
6番 中堅 下田
7番 右翼 石川
8番 捕手 山根
9番 左翼
投手:渡邉-戸狩-吉村-ナテル

投手:祖父江-金平-村井

※小粥は試合開始直後に藤田に交代

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2011年10月12日 (水)

東海大相模が浜松で試合!

★10月10日 浜松市制100周年記念 浜松みんなのスポーツまつり 浜松市営球場 晴   

 チーム
浜松商 0 0 0 1 0 1 0 0 0 2
東海大相模 0 7 1 0 4 0 0 0 × 12

<投手>
浜松商:中沼-竹本
東海大相模:庄司-鳳山

 チーム
浜松市立 0 0 0 0 0 0 0 2 0 2
東海大相模 0 0 0 0 0 2 0 0 0 0

<投手>
浜松市立:和久田
東海相模:笠間

 先日の体育の日、「浜松市制100周年記念 浜松みんなのスポーツまつり」が開催されました。今イベントの目玉は東海大相模を迎えての招待試合。地元の浜松商、浜松市立が対戦しました。

 東海大相模といえば、昨春のセンバツ優勝チーム。今秋も神奈川大会で準優勝し、関東大会出場を決めている超強豪です。しかし、前日まで秋季神奈川大会を戦っていて、選手にも疲れが残っているはず。浜松勢にもツケいるスキは十分にあるのではないかと見ていました。

1110101jpg_2 ところが、第1試合の浜松商戦では、東海大相模打線が序盤から力を発揮します。強烈で鋭い打球が次々に外野に飛んでいき、2回には7失点。終わってみれば、2対12で大敗を喫しました。

 そんな中、浜松商で際立った動きを見せたのが1番サードで出場した岡野了(174cm66kg、右投左打)。東海大相模はエースの庄司拓哉(172cm63kg、左投左打)が先発。スピードは120キロ台も、キレで勝負する左腕です。その庄司に対し、岡部は第1打席にセンター前安打を放つと、2打席目にはセンター最深部まで飛ぶ三塁打。続く打席は、三振、セカンドゴロという結果でしたが、ボールがしっかり見えているという印象を持ちました。サードの守備では、肩に強さがあり、ショートあたりを守っても面白いかなと思いました。

 第2試合は浜松市立との1110102対戦。エース・和久田友輝(176cm65kg、右投左打)が東海大相模打線を封じました。初回から5回までは毎回のように走者を背負いながらも無失点に抑える好投を見せます。ところが、6回、1死二三塁から4番・三井拓哉(177cm74kg、左投左打)に左中間を破るタイムリー二塁打を浴びます。それでも浜松市立は8回、伊藤大輝(170cm62kg、右投左打)のタイムリー三塁打、齊田翼(176cm68kg、右投右打)の犠飛で同点に。そして、和久田は8、9回を無失点に抑え、2対2の引き分けで試合が終了しました。

 和久田の奪った三振は7。そのうち、空振り三振は5個でした。この日の浜松市営球場のスピードガンでマークした最速は133キロ。その数字よりも、速く見えるストレートで、特に高めで空振りをとりました。実は、この日、僕は三塁側から和久田のピッチングを見ていたのですが、腕が少し遅れて出てくるのが分かりました。しかも、ヒジにしな1110103りがあるので、打者の体感スピードは速く感じてタイミングが取りづらいのではないでしょうか。また、狙ったところに投げることができるストレートと変化球の制球力も、この日の投球につながった思います。

 4回の第2打席で低めの変化球を上手くひろってライト前安打。以前から注目する打撃面の才能も見せてくれました。

 こういうイベントは静岡高校野球界のレベルアップのためになるはず。ぜひ今後も続けて欲しいです!

<写真上/2安打を放つ活躍を見せた岡野了(浜松商)>
<写真中/強豪を2失点に封じた和久田友輝(浜松市立)>
<写真下/8回にタイムリー三塁打を放ち、ガッツポーズを見せる伊藤大輝(浜松市立)>

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2011年10月10日 (月)

静岡学生野球リーグ 東海大海洋学部vs日大国際関係学部

★10月9日 静岡学生野球リーグ 清水庵原球場 晴   

   チーム
日大国際関係学部 0 1 0 1 0 0 0 2 2 6
東海大海洋学部 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0

 前日の第1戦は延長10回の末に引き分け。昨日は第2戦を観戦してきました。

111091

 この試合、何と言っても山岸大輝(183cm84kg、右投右打)の投球が光りました。5回まで打者一人も許さないパーフェクトピッチング。6回に初めて四球を許し大記録達成とはなりませんでしたが、終わってみれば、東海大海洋学部打線に許した安打は3本。見事な完封勝利を飾りました。

 「今秋は、スピードよりも安定感にこだわっています」との言葉通りの投球を見せてくれた山岸。最速145キロのストレートには重さを感じ、打者のバットを差し込める球質の良さ。さらにスライダーがコーナーに決まります。連投にもかかわらず、終盤に入っても球威が衰えない体の芯の強さも魅力です。

 正直、5回までのピッチングを見る限り、このまま完全試合を達成するのではないかという完璧な投球でした。力でねじ込むパワーと、体のバネを感じる柔軟性。「剛」と「柔」を二つを兼ね備えている希少なピッチャーです。これだけのピッチングができれば、本人いわく、「春の大学選手権で関東や関西のチームとの差を感じた」という全国でも、今度は互角に勝負できると思います。

<写真/優勝のかかった大事な試合で3安打完封勝利を演じた山岸大輝(日大国際関係学部)>

■東海大海洋学部

■日大国際関係学部

1番 中堅 水口
2番 一塁 鈴木
3番 三塁 鳥山
4番 遊撃 佐藤
5番 二塁 山口遼
6番 捕手 小林
7番 DH 華房
8番 左翼 和久田
9番 右翼 橋本
1番 二塁 石川
2番 遊撃 奥津
3番 三塁 森井
4番 左翼 島村
5番 DH 重野
6番 右翼 片山
7番 捕手 田井
8番 一塁
9番 中堅 小宮山
投手:山口航-藤田-神蔵

投手:山岸

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2011年10月 8日 (土)

練習試合 磐田東vs韮山

★10月8日 練習試合 磐田東グランド 晴   

チーム
韮山 0 0 1 0 0 0 2 0 0 3
磐田東 0 0 1 0 0 0 2 0 1 4

  秋季県大会も終わり、現在、東海大会に臨む3校以外は練習に明け暮れています。今日は、おなじみのHさんが磐田東と韮山の強豪同士の練習試合をチェックしてきてくれました。磐田東、韮山ともにエースが先発したようです。結果はいかに?

 *             *               *

Moriguchi

 今秋、磐田東は地区大会敗退、韮山は県大会2回戦敗退と予想より成績が振るわなかった両チームの練習試合。2回途中から見たのですが、マウンドには磐田東が森口壽樹、韮山が杉山将一とエースがそろっていました。ただ、両投手とも球数が多く、制球がいまいちで、ほぼ毎回走者を背負った状態。ともに、7回でマウンドを降り、3失点の成績でしたが、内容がよくなかったですね。

 試合は3-3の同点で迎えた9回裏、1死満塁で森口がライト前に鋭いタイムリーを放ち、磐田東がサヨナラ勝ち。森口は、この打席まで4打数無安打でしたが、185cm90kgという体格もあって、打席に入った時の迫力や雰囲気は抜群です。その日不調に見えても、ここぞという時に打ってくれる勝負強さも魅力ですね。イマイチ、ボールを待てないというか、引っかけて、ボールに力を伝えられていない印象なのは気にかかります。
 今日、ちょっと残念だったのは、磐田東の詰めの甘さ。声かけ不足で、連係や捕球にミスが出ていました。ベースカバーなど基本的なプレーも徹底してほしいところ。森口が中心となっていくのは間違いないのでしょうが、まだチームとして形が整っていないようなので、また春に見たいです。

Ozaki そんな磐田東の隙をつくプレーが目立ったのが、韮山の尾崎資樹。この日は1番レフトで出場。秋季県大会でも好打で目を引いた選手ですが、この日もシャープなスイングで右に左に安打を放っていました。7回にはライト前安打を放つと、送球が乱れる間に二塁へ。次打者のピッチャーゴロを、ファーストとピッチャーが逸らして手間取っている間に、今度は二塁から一気に本塁を駆け抜けます。相手のミスにめざとく、好機を無駄にしないプレーぶりからセンスを感じますね。
 ただ、9回にまわってきた最後の打席では、右アンダースローの投手に全くタイミングが合わず、三球三振。同点で迎えたこの回の先頭打者だっただけに、もう少し粘りを見せてほしかったです。

 *             *               *

 Hさんありがとうございました! 両チームとも、チームとして未完成のようですね。それだけに、ひと冬を越してどのようにチームが変身するのか注目していきたいです。

<写真上/サヨナラ安打を放ち、打撃でアピールを見せた森口壽樹(磐田東)>
<写真下/野球センスの良さがピカイチの尾崎資樹(韮山)>

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2011年10月 7日 (金)

東海大海洋学部に現れた新鋭右腕!

 明日から静岡県学生野球リーグは大一番を迎えます。日大国際関係学部、東海大海洋学部の2強が直接対決。日大国際関係学部が勝ち点を奪えば、3季連続で優勝。東海大海洋学部は連勝で優勝、2勝1敗でプレーオフとなります。

1110071

 僕が注目するのは東海大海洋学部の1年生右腕、荒木紀人(176cm70kg、右投右打)。長崎・海星では3年夏に今秋のドラフト候補に挙がる永江恭平との両輪で県準優勝を果たしています。

 フォームはオーソドックスな右のオーバーハンド。球のスピードはそれほど感じないのですが、打者の手元でピュッと伸びる球質。打者に気持ち良くバットを振らせません。変化球はスライダーの制球力が抜群。さらに、浜松大との2回戦では1失点完投とスタミナ面にも不安がありません。

 東海大海洋学部は故障中の山口航(163cm73kg、右投右打)が復帰する見通し。したがって、荒木の登板があるのか分かりませんが、高校時代の大舞台の経験値を含め、ぜひ投げさせてみたい右腕です。

<写真/優勝へのカギを握る1年生右腕・荒木紀人(東海大海洋学部)>

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2011年10月 3日 (月)

静岡学生野球リーグ 東海大海洋学部vs浜松大

★10月2日 静岡学生野球リーグ 清水庵原球場 晴   

   チーム
東海大海洋学部 3 0 0 0 0 0 0 0 0 3
浜松大 0 0 0 0 0 0 0 1 0 1

 昨日は静岡学生野球リーグを観戦してきました。浜松大は前日の初戦をとっているだけに、連勝して初優勝に望みをつなぎたいところ。大事な一戦に先発を任されたのは2年生エースの山下大輝(176cm77kg、右投右打)でした。今春のリーグ戦後に右ヒジのねずみを発症して、戦線離脱。7、8月は一切のピッチングを行わず、秋の開幕に間に合わず。ようやく前週の静岡産業大戦でリリーフ登板を果たしたばかり。果たして、山下の故障の復帰具合はどの程度なのか注目しました。

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 立ち上がり、東海大海洋学部のトップバッター・水口将秀(172cm74kg、右投左打)の打球がセカンドのグラブをかすめ、ライト前へ。ここからリズムが崩れます。3、4番打者に連続でレフト前安打を浴びると、味方のエラーも重なり、初回に一挙3点を失います。

 しかし、2回以降、本来の山下の投球が蘇ります。リリースから捕手のミットまで糸を引くように一直線に伸びるストレート、ブレーキのあるカーブも◎。何より、フォームでヒジをかばうことなく、今まで通り、柔らかく使えていることに安心しました。さらに、右打者の外角低めに沈む新球・チェンジアップも効果的に決まり、2回~5回までは無失点。ここまでマウンドを降りました。

 「短いイニングなら全力でいけますけど、長いイニングだとスタミナ切れします。やはり、この夏に投げ込み不足だったのが響いています」。気になる右ヒジについては、投げ方によっては痛みが出ることもあると言います。来年はプロ入りに向けて、もっとも重要となる3年生。将来のことを考えて、このオフにじっくりと考えて欲しいです。

1110022 その山下と今秋からバッテリーを組むのが常葉学園菊川出身の栩木雅暢(178cm75kg、右投右打)です。栩木は言わずと知れた、甲子園準優勝キャッチャー。大舞台の経験は十分です。「アイツがマスクをかぶっていなかったと思うとゾッとします。この秋は大きな存在です」と永井浩二監督。打者の打ち気をそらす巧みな配球術とキャッチングは出色です。山下も「今まで、いろいろなキャッチャーと組みましたが、栩木のリードは驚くことばかり。“この場面でこんなボールを要求するの”っていうこともあります」と自分を一段高いレベルに導いてくれるキャッチャーとバッテリーを組めることを喜んでいました。

 スローイング、打撃面に課題は残りますが、ぜひ再び全国の舞台でプレーして欲しい選手です。

 一方の東海大翔洋では大型ショートの佐藤貴弥(184cm80kg、右投右打)が面白い存在。肩の強さに加え、これだけの体でも俊敏で横に動けるのは希少です。スイングに強さもあり、今後もチェックを続けたいと思わせる選手でした。

<写真上/リーグ戦終盤にきて復帰を見せた山下大輝(浜松大)>
<写真下/今秋からレギュラー捕手を務める栩木雅暢(浜松大)>

■東海大海洋学部

■浜松大

1番 中堅 水口
2番 一塁 鈴木
3番 三塁 鳥山
4番 遊撃 佐藤
5番 捕手 小林
6番 左翼 和久田
7番 二塁 山口
8番 DH 斎藤
9番 右翼 橋本
1番 中堅 山田
2番 DH 荒川
3番 一塁 森岡
4番 右翼 寺田
5番 左翼 江口
6番 三塁 永井
7番 遊撃 藤浦
8番 捕手 栩木
9番 二塁 藤浦
投手:荒木

投手:山下-太田

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