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2011年11月

2011年11月30日 (水)

明治神宮大会で見た静岡出身選手たち①~寺嶋寛大(創価大)編

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 先週末は神宮球場で明治神宮大会の準決勝、決勝を2日間に渡り見てきました。最初に大学の部で注目したのは興誠(現浜松学院)出身の創価大・寺嶋寛大(181cm81kg、右投右打)です。

 この秋、1年生ながら全国大会常連校の正捕手の座を掴んだ寺嶋。経験がモノをいう捕手というポジションでここまで早く出てくるとは想像していませんでした。しかも、エース・小川泰弘(170cm74kg、右投右打)とバッテリーを組んだ8試合ではわずか3失点。小川の女房役として活躍を見せました。さらに、その後の関東地区大学野球選手権(明治神宮大会出場決定戦)では横浜スタジアムで本塁打を放つなど、チームの神宮大会出場にも大きく貢献しました。

 約1年ぶりに見た寺嶋は体の逞しさに引きつけられました。普通、大学1年生がメンバー入りすると、どうしても華奢な体が目につくものですが、寺嶋の場合は逆に長身とガッチリとした体躯で目立っていました。と、同時に1年生とは思えない堂々としたプレーぶりも。いい意味で独特の雰囲気を持っているので、安心して見ることができました。

 ここからはプレーの詳細について触れていきたいと思います。まず初回、愛知学院大の源田壮亮(176cm68kg、右投左打)に盗塁を許します。ボールが引っかかった感じでワンバウンド送球。源田の足が一歩速かったです。やり返すチャンスはすぐに訪れます。3回、再び源田が一塁からスタートを切ると、今度はノーバウンドの送球。寺嶋の強肩が勝ったシーンでした。その後は残念ながら盗塁を刺す場面は見られず。高校時代から感じていたのですが、地肩の強さを持ちながら、少し捕手としてはフォームが大きいです。今後、もう少しコンパクトな送球を身につけることができれば、相手走者をベースに釘付けにすることも可能でしょう。

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 また、寺嶋の屈強な体をアピールする場面が8回にありました。一死三塁の場面で相手打者がスイング。ここでキャッチャー前に転がったボールを寺嶋が捕ると、三塁から突入した走者を体でブロックします。厳しい体当たりでしたが、ボールをこぼさず、アウトに。寺嶋の長所を最大限に生かしたプレーでした。

 一方、打撃面では3打数無安打。それでも、スイングに猛烈な速さがあり、横浜スタジアムのスタンドに叩き込んだという事実も納得できるものでした。一塁まで走っていく脚力も光りました。

 特別ルール(タイブレーク)の末、愛知学院大にサヨナラ負けを喫した創価大。寺嶋にとって高校時代に出場が叶わなかった全国大会は大きな経験になったはずです。順調にケガなく、学年を上がっていけば、間違いなく2014年のドラフト候補に挙がる選手です。来年は機会があればリーグ戦にも足を運んでみたいです。

★寺嶋寛大(創価大)の高校時代の記事はこちら→http://tsukasa-baseball.cocolog-shizuoka.com/blog/2010/03/post-8aeb.html

http://tsukasa-baseball.cocolog-shizuoka.com/blog/2010/07/post-0ca7.html

http://tsukasa-baseball.cocolog-shizuoka.com/blog/2010/07/post-80db.html

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2011年11月23日 (水)

愛知私学4強の交流戦へ!

 今日は「第2回大会やろまいか愛知私学4強交流戦」の取材で小牧球場に行ってきました。今年は愛工大名電が神宮大会出場のため不参加でしたが、東邦、中京大中京、享栄の3チームが参加しました。結果は以下の通りです。

●東邦5-0享栄
●中京大中京10-3享栄
●中京大中京4-3東邦

 昨年から始まった大会で、全チームが公式戦さながらの本気モード。緊迫感のあった3試合でした。今年は愛知だけでなく、三重でもシーズンオフを前に交流戦が開催。普段、練習試合を行うことがない強豪同士が試合を行いました。

 来年に向け、手の内を見せたくないという考え方もありますが、各チームが力を試すことで、県全体のレベルアップにつながるのではないでしょうか。静岡でもこんな交流戦があればいいなと思いました。

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<写真/全選手が集まっての記念撮影>

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2011年11月22日 (火)

練習試合 浜北西vs浜名

 昨日のブログの続きです。浜岡球場で中遠地区1年生大会を観戦後、浜名のグランドに向かいました。来年の県ナンバーワンショートになる可能性を秘める原田元基(172cm68kg、右投左打)を見たかったからです。ところが、浜名のグランドに着くと、選手は誰一人いない…。遠征で空振りだったかと諦めながら、掲示板を見ると「浜北西で練習試合」との予定が入っていました。浜北西なら、ここから車で15分足らず。ラッキーと思いながら、浜北西のグランドに向かいました。

 浜北西のグランドでは第2試合に備え、両チームの選手がベンチ前で素振りなどを行っていました。早速、浜名の池村弘樹監督に挨拶を兼ねて尋ねると、残念な話が…。「実は原田、第2試合は出ないんですよ。第1試合は出ましたけど」。聞けば、大きな故障ではないようですが、体調が万全ではなく、最近は大事をとって「1日1試合の出場」と決めているようです。そんな話を監督としていると、試合が始まりました。

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 マウンドには浜名でもう一人気になっていた選手、金田周也(183cm74kg、右投右打)が上がりました。長身から130キロ台後半のストレートを投げ込む本格派。今夏はエースナンバーを背負い、2試合で先発しています。

 フォームに肩から先の強さを感じ、ヒジを柔らかく使えるのが特徴。ゆったりとしたテークバックも重なり、プロでいうと河原純一(中日)に近いタイプかなと思いました。

 初回、確かに球速は出ているなという印象でした。ただ、力んだ真っすぐが高めに抜けることも多く、抑えがきいていないように見えました。3四球を与えるなど制球が安定せず、2点を失います。

 ようやく、3回になり、低めにストレートが決まりだすと、テンポもよくなりました。独特のカーブは一瞬、浮き上がるような感じで、高校野球ではあまり見かけない球筋です。3回は三者連続三振に仕留めると、その後も6回まで無失点。ここで僕はグランドをあとにしたのですが、金田の最大値は十分に分かる投球でした。

 課題は走者を塁に出してからのクイックか。体重が前に乗らず、球威が落ちます。さらに欲を言えば、カーブ以外の速い変化球が欲しいところ。この2点をクリアすることができれば、県の上位で勝てる投手になるのではないでしょうか。とくかく素材は一級品です。

<写真/体格と球質に本格派の匂いを感じさせる金田周也(浜名)>

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2011年11月21日 (月)

中遠地区1年生大会 遠江総合vs小笠

★11月20日 中遠地区1年生大会 3位決定戦 浜岡球場 晴

  チーム
小笠 0 0 0 0 0 2 0 0 0 2
遠江総合 0 0 0 0 3 0 1 0 × 4

<バッテリー>
小笠:松村-福嶋
遠江総合:太田、原田-原田、太田

 昨日は中遠地区の1年生大会へ。球場に着くと、すでに4回で小笠と遠江総合が3位決定戦を行っていました。

 実は3位決定戦後の決勝戦に菊川南陵が出るとのことで、観戦の目的は大型スラッガー・大田圭利伊(189cm90kg、左投左打)でした。しかし、相手の掛川工の都合が合わず、延期に。後日、両チームはあらためて試合を行うそうです。

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 それでも、3位決定戦でたっぷり収穫がありました。まず、遠江総合では1年生ながら今夏の県大会でレギュラーとして出場した川波達希(178cm70kg、右投右打)。グランドを見渡し、守備についている遠江総合の選手の中で、すぐに「あれが川波かな」と思った選手がずばり、川波。4番ショートで出場していました。パっと見て分かったというのは、体つきと雰囲気が良かった証拠でしょう。

 4回の打席では空振り三振も、続く2打席では連続センター前安打。大振りは気になりましたが、最後までバットを振りきる姿勢には好感が持てました。ただし、スイングにもう少しパワーが欲しいところ。少し突っ込み気味も修正したいです。大久保匡人監督によると、「まだまだ下半身が弱い。下半身が弱いからバッティングで踏ん張りがきかなくて突っ込むし、守備でもフットワークがまだまだ」。もともと、外野手だった川波は、チーム事情により、秋からショート。下半身の動きはショートに慣れていない様子で、キレも不足気味です。「この冬、下半身を徹底的に鍛えようと思っていますよ」と大久保監督。ユニフォームがパンパンになるくらい、体を作り上げた姿を楽しみに待ちたいです。

1111202 一方の小笠では左腕の松村涼(172cm64kg、左投左打)の名前を挙げたいです。こちらも、今夏の県大会でベンチ入りを果たしています。下半身をあまり使わず、上半身、特に腕の振りで勝負してきます。ストライクが先行するときにはキレのあるストレートに加え、打者のタイミングを崩すチェンジアップのようなボールで、抑え込みます。中軸を意識して制球を乱したのは残念でしたが、こちらも川波同様、ノビシロの大きさに期待したいと思います。

<写真上/2年生を合わせたチームでも4番を務める川波達希(遠江総合)>
<写真下/4失点も最後まで投げ抜いた松村涼(小笠)>

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2011年11月18日 (金)

「流しのブルペンキャッチャー」こと安倍昌彦氏の新刊が発売!

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 2日続けての本の紹介になります。今日は『野球小僧』でおなじみの「流しのブルペンキャッチャー」こと安倍昌彦氏の新刊です。

 タイトルは「スカウト魂 たたき上げの詩」。前回の「スカウト」に引き続き、安倍氏独特の取材スタンスで、スカウト9人の人間模様を描いています。目からウロコの話が続々と飛び出すので、ディープな野球ファンにはたまらない一冊です。ヤクルト・小田義人スカウトの章では、安倍氏が昨夏の静岡県大会決勝を見ながら小田スカウトを取材。静岡ネタも出てくるので面白いですよ!

★アマゾンでの購入はこちら→http://www.amazon.co.jp/%E3%82%B9%E3%82%AB%E3%82%A6%E3%83%88%E9%AD%82-%E3%81%9F%E3%81%9F%E3%81%8D%E4%B8%8A%E3%81%92%E3%81%AE%E8%A9%A9-%E5%AE%89%E5%80%8D%E6%98%8C%E5%BD%A6/dp/4817202874

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2011年11月17日 (木)

『野球小僧12月号』発売中!

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 『野球小僧12月号』が発売となっています。今号の「ドラフト候補&監督直撃インタビュー」では社会人の三菱重工横浜に進む野村亮介(静清)を直撃。高校時代を振り返ってもらいつつ、これからについて語ってもらいました。(取材時の様子はこちら→http://tsukasa-baseball.cocolog-shizuoka.com/blog/2011/10/post-a472.html

 また、「2012年アマチュア注目選手リスト」では僕が推奨する10名をピックアップしました。選手選びに悩みに悩んだのですが、静岡県内から10名を選出しています。社会人から、噂のスーパー中学生まで入っていますので、ぜひご覧下さい!

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2011年11月14日 (月)

台湾スポーツ交流親善試合in掛川

★11月13日 台湾スポーツ交流親善試合 掛川球場 晴

チーム
西苑 0 5 0 0 2 0 0 7
掛川西 0 0 2 2 2 4 × 10

チーム
西苑 0 0 2 0 6 0 3 11
浜松工 1 0 0 1 3 1 0 6

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 昨日は、掛川球場で「台湾スポーツ交流親善試合」を観戦。2日目は掛川西と浜松工が登場しました。対戦する台湾チームは西苑高級中(以下西苑)。3年前と昨年、全国大会の覇者となった台湾屈指の強豪校です。エース・胡智為(184cm96kg、右投右打)はMAX151キロの右腕。今夏の第9回アジアAAA野球選手権大会の日本戦に先発し、7回途中までを3失点(自責1)に抑える投球を見せました。日本の高校生のチームで例えるなら、日大三、大阪桐蔭といったところでしょうか。将来の台湾球界を背負っていくであろう金の卵がゴロゴロいるチームなのです。

 初日は常葉学園菊川、浜松商ともに惨敗。2試合で計23得点を奪われ、力の差が感じられた得点差でした。この日の2チームは一矢を報いることができるのか注目しました。

 まず、シートノックから台湾チームの身体能力の高さが伺えました。各選手の肩の強さは想定内でしたが、特に驚いたのはショートの守備です。日本の選手だと追いつくのが精いっぱいなところでも、捕ってから少ないステップで一塁へ矢のような送球。「これで高校生なの!?」と思わず呟いたほどでした。

1111132 第1試合は西苑が掛川西の先発・上村駿太(177cm80kg、右投右打)の乱調につけ込み、2回に一挙5点を奪います。しかし、掛川西は3回に大井健都(177cm72kg、右投右打)がレフトスタンドへライナー性の2ラン本塁打を放つと、4回以降も打線がつながり、計10点を奪います。投げては2番手の左腕・飯塚拓哉(175cm69kg、左投左打)が好投を見せます。球のスピードというよりも、ボールを打者寄りで離せてキレで勝負するタイプ。台湾の強打者たちはタイミングが合わず、ストレートに空振りしている姿が印象的でした。

 掛川西にとってはエース・上村の不調や細かい守備のミスもあり、決して手放しで喜ぶことはできないかもしれません。それでも勝ちは勝ち。台湾最強レベルに勝ったことを自信にして、このオフのトレーニングに励んでほしいと思います。

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 第2試合は西部1位の浜松工が対戦。初回に3番・馬渕賢弥(177cm79kg、右投左打)のレフトへのタイムリー二塁打で先制。しかし、先発の青池優也(167cm67kg、右投左打)が3回に3安打で2点を失うと、5回途中からマウンドに上がった藤沼翔太郎(174cm67kg、右投右打)が制球を乱し、5回だけで6失点。さらに7回に陳麒源(174cm70kg、右投右打)に豪快な本塁打を浴びて試合を決められました。

 台湾のパワフルな野球を満喫した一日でしたが、ただ一つ残念だったのは胡の投球を見ることができなかったこと。前日の浜松球場では143キロをマークしたという話を耳にしていただけに…。ベンチにいる胡はサングラスをかけて、コーチと言われても不思議だと思わない風格を漂わせていました。

 戦った静岡県の球児にとっては異国の野球を触れることは大きな刺激になったはず。ぜひ、来年以降も交流を続けてもらいたいです。

<写真上/海外への遠征でも評判通りの強さを発揮した西苑ナイン>
<写真中/3イニング以降を2失点に封じた飯塚拓哉(掛川西)>
<写真下/1年生ながら広角の強打が魅力の馬渕賢弥(浜松工)>

 

■掛川西

■浜松工

1番 中堅 榛葉
2番 二塁 石井
3番 右翼 大井
4番 一塁 高林
5番 左翼 及川
6番 三塁 上野
7番 捕手 大澤
8番 遊撃 佐伯
9番 DH 栗原
1番 遊撃 朝倉
2番 二塁 長谷川
3番 右翼 馬渕
4番 一塁 木下
5番 左翼 柿崎
6番 中堅 高良
7番 DH 鎌田
8番 三塁 坪井
9番 捕手 渡邊
投手:上村-飯塚 投手:青池-藤沼

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2011年11月12日 (土)

台湾スポーツ交流親善試合が開幕!

★11月12日 台湾スポーツ交流親善試合 草薙球場 晴

   チーム
嘉義 0 3 1 0 2 0 0 0 0 6
東海大翔洋 1 3 1 0 0 1 5 2 × 13

チーム
嘉義 0 0 0 0 4 1 0 0 0 5
清水東 2 0 0 0 0 3 0 0 0 5

 今日から台湾スポーツ交流親善試合が始まりました。台湾から毅保家商、嘉義、西苑という強豪校が来日し、静岡各地の高校と対戦します。台湾の野球雑誌『職業棒球』が好きなHさんが草薙球場で行われた嘉義vs東海大翔洋、嘉義vs清水東のレポートを送ってくれました。

※                  ※               ※

Yuumigeta

 第1試合は6対6で迎えた7回に東海大翔洋が渡邉大輝武安雄暉の2者連続本塁打を含む5得点を奪い、そのまま勝利しました。第2試合は5対2と3点を追っていた清水東が6回に3点を挙げ追いつきましたが、勝ち越すことはできずそのまま引き分けとなりました。

 得点を見てもらえばわかるように、嘉義はよく打つチームでした。2試合合わせて26安打。とにかくバットが振れていて、しっかり振り切るのがスタイル。日本のような緻密さや精度の高いプレーより、身体能力やセンスを生かしたのびのびプレーが目を引きます。ベンチから応援歌を歌ったり、陽気でフリーダムな雰囲気に対戦した2校の選手たちも驚いたかもしれません。ただ、グランド整備をしてくれた選手たちに、覚えたての日本語で「ありがとうございます」と頭を下げる礼儀正しさは球児たちに共通のものでした。
 明日、嘉義と試合を行う静岡と静岡市商に気をつけてほしい選手はムードメーカーですばしっこい黄瑞民、長身の左打者・陳建宏、呼び込んでしっかり叩ける蔡豪傑の3選手。他の選手ももちろん打ちますが、この選手たちが打つとチーム全体が乗ってくるので要注意です。

Sano

 静岡県勢で気になったのは清水東の佐野俊貴。この選手を見るのは2回目なのですが、こんなにいい選手だったっけと驚きました。打っては4打数3安打、エラーで出塁もしたので全打席出塁。塁に出ると初球から積極的に盗塁を仕掛け、捕手の送球が逸れれば迷わず三塁へ。2打席目に打った二塁打はフルカウントから来た甘い変化球を右中間に運びました。
 遊撃守備は逆シングルでの捕球がうまく、捕ってから流れるように姿勢を整えストライク送球。嘉義の選手たちがボールを捕ってから崩れた体勢のまま、肩でアウトを取ろうとするのとは対照的で、佐野はまさに「日本の高校球児」という、型を大切にしたプレーを見せてくれました。冬の間にパワーがついてくると面白いと思います。

※              ※              ※

 Hさんありがとうございました! 明日、嘉義とあたる静岡と静岡市商がどんな試合を見せてくれるのか楽しみです。

<写真上/今秋県大会後から東海大翔洋の指揮をとる弓桁義雄監督(右)>
<写真下/バランスの取れた遊撃手・佐野俊貴(清水東)>

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2011年11月10日 (木)

都市対抗でブレイク!長谷川雄一(ヤマハ)

 ちょっと遅くなりましたが、今年の都市対抗でのヤマハは初戦を突破したものの、2回戦で敗退。昨年のベスト8以上の成績を収めることはできませんでした。ただ、2回戦で負けた相手が優勝したJR東日本。しかも、4回までリードしていた展開…、勝てるチャンスはあったと思います。

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 そんな中、今大会で飛躍的な活躍を見せたのがルーキーの長谷川雄一(177cm80kg、右投右打)です。2試合とも3番センターで出場。初戦は延長12回タイブレークでセンターを超すツーベース。さらに2回戦では3回に先制の2点タイムリーを放ちました。大会通算で8打数4安打5打点の大活躍。仮にベスト4以上に勝ち残っていれば、若獅子賞は確実だったでしょう。

 無駄のないコンパクトなスイングで安打を量産し、勝負強さをいかんなく発揮した長谷川。レベルが上がれば上がるほど、そこに順応できるタイプです。僕はテレビで観戦していたのですが、打席に立つと、なにかやってくれそうな、そんな雰囲気もあり、心強い! ヤマハの野手では森山周(オリックス)以来となるドラフト指名へ。来年は、さらにアピールを続けてほしいです。僕も追いかけます!

<写真/ルーキーながら打線を牽引した長谷川雄一(ヤマハ)>

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2011年11月 7日 (月)

愛知大学リーグ入れ替え戦 中京大vs名城大

★11月6日 愛知大学野球1部2部入れ替え戦 第2戦 瑞穂球場 曇

チーム
名城大 0 0 0 0 1 0 0 0 2
中京大 0 0 3 0 0 0 0 0 × 3

 昨日は、愛知大学リーグの入れ替え戦を見てきました。対戦したのは名城大(1部6位)と中京大(2部1位)。この2チームには以下のように静岡県出身者が多数在籍しています。

●名城大 森田将行(常葉学園菊川)、山口順基(静岡市商)、小泉泰樹(常葉学園橘)

●中京大 清水俊樹(中京大)、廣瀬瞬(浜松市立)、良知広大(興誠)、坪田和也(静清工)、赤堀佳敬(伊豆中央)、鈴木達徳(浜名)、岡野馨(浜松商)、丹治秀明(常葉学園菊川)

 この中で、もっとも楽しみにしていたのは名城大・森田将行(172cm63kg、左投左打)。1年生ながらすでに投手陣の中核として、今秋のリーグ戦では7試合に登板。入れ替え戦では前日の第1戦に先発し、チームを勝利に導いています。しかし、昨日の第2戦はベンチから元気な様子が伺えたものの登板なし。投げる姿を見るのは次回にお預けです。

 中京大では、坪田和也(169cm68kg、右投左打)と岡野馨(180cm70kg、右投左打)が先発しました。

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 まず、静清工(現静清)時代は主将として活躍した坪田は2番セカンドで出場。見せ場は初回の第1打席でした。ショートへゴロを放つと俊足を飛ばして一塁へ全力疾走。間一髪で内野安打をもぎ取りました。先日のブログで紹介した伊神祐児(三重中京大)とタイプがかぶる快足の持ち主。(伊神の記事はこちら→http://tsukasa-baseball.cocolog-shizuoka.com/blog/2011/10/post-1c40.html)。さらに坪田、伊神に共通するには、とにかくに静清出身の選手はしぶとく勝負強いことです。

1111062 6番ライトの岡野は浜松商時代から中距離打者として期待していた選手。この日は四球2つと送りバント1。きっちりと自分の役割を果たしました。長打を目撃することはできませんでしたが、打席での雰囲気はいいです。

 1勝1敗で迎えた今日の試合では名城大が中京大を下し、名城大が1部残留を決めました。坪内、岡野の力で、来年はぜひ念願の1部昇格を果たしてほしいですね。 

<写真上/ショートの山中渉伍とのコンビネーションもいい坪田和也(中京大)>
<写真下/来年は主軸で期待したい岡野馨(中京大)>

■名城大

■中京大

1番 遊撃 高野
2番 二塁 天野
3番 三塁 牧内
4番 捕手 芳川
5番 一塁 市川
6番 DH 大林
7番 左翼 犬塚
8番 右翼 矢野
9番 中堅 宮永
1番 遊撃 山中
2番 二塁 坪田
3番 DH 田中
4番 一塁 水野
5番 三塁 北野
6番 右翼 岡野
7番 捕手 金田
8番 左翼 岩田
9番 中堅
投手:河野-水谷亮 投手:藤本

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2011年11月 4日 (金)

静岡市内大会 静岡商vs常葉学園橘

★11月3日 第8回静岡市高等学校野球大会 準々決勝 西ヶ谷球場 晴

  チーム
静岡商 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
常葉学園橘 0 1 1 0 0 0 0 1 × 3

 今秋の県優勝チーム・静岡商と、同じく県ベスト4・常葉学園橘が激突。西ヶ谷球場は多くの高校野球ファンが集まりました。静岡商は応援団も来るなど、試合前から市内大会とは思えない、ピリピリとした緊張感が漂っていました。

 この秋、県大会凖決勝でも対戦している両チーム。4対1で静岡商が勝利しましたが、常葉学園橘はエース・宮崎悟(180cm71kg、右投右打)が先発せず。宮崎は高橋遥人(179cm61kg、左投左打)の後を受け、2番手で登板し4イニングで1失点という結果でした。

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 宮崎にとっては、市内大会といえど、何がなんでも抑えたい相手。今秋の県大会では21ニング連続無失点をマーク。さらに、静岡市内大会初戦でも完封勝利を飾っている「ミスターゼロ」がどんなピッチングを見せるのか注目しました。

 立ち上がりから角度を生かした低めのストレートが好調。三塁側から見ていると、リリースからキャッチャーにおさまるまで30度くらいありそうな鋭い角度です。それに緩いカーブを交え、静岡商打線を封じ3回まで無安打。4回に3番・中本聖エリヤ(171cm66kg、右投右打)、4番・有賀純(175cm68kg、右投左打)に連打を食らいますが後続を断ち、得点を与えません。その後もピンチというピンチはなく、危なげないピッチングを展開。被安打5で2試合連続の完封勝利を飾りました。

 「今日はボールを前で離すことを意識して試合に臨みました」という宮崎。これまで、球離れが早いことが多く、キレが出ていなかったようです。できるだけボールを打者寄りで離せば、それだけ打者との距離が縮まり、体感スピードは増します。おそらく130キロ台後半は出ているストレートのマックスについては自分自身、数字は把握していません。そういう数字に惑わされるのでなく、宮崎はキレや伸びというものを意識しているようでした。

 このオフのテーマについては「下半身を鍛えることです。終盤にスタミナが切れることがあるので」と即答してくれた宮崎。まだまだ細い下半身が強化できれば、本人が求める球離れの点でも、いい方向に向かうはずです。

 その前に、この市内大会も決勝まですべて相手チームのスコアボードに0を並べ、いい形で冬を迎えて欲しいなと思います。

<写真/今秋の県チャンピオン相手に快投を見せた宮崎悟(常葉学園橘)>

■常葉学園橘

■静岡商

1番 左翼 志水
2番 中堅 松坂
3番 二塁 道場
4番 遊撃 城戸
5番 一塁 佐々木
6番 三塁 落合
7番 右翼 庄司
8番 捕手 綾部
9番 投手 宮崎
1番 三塁 野極
2番 遊撃 川岸
3番 右翼 中本
4番 一塁 有賀
5番 左翼 相原
6番 捕手 吉永
7番 投手 今本
8番 二塁 牧田
9番 中堅 大石
投手:宮崎 投手:今本-白瀧-有賀

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2011年11月 2日 (水)

静岡市内大会 静岡市立vs静岡西

★10月30日 第8回静岡市高等学校野球大会 2回戦 清水庵原球場 曇

 チーム
静岡西 0 0 0 0 0 0 0 1 0 1
静岡市立 0 1 1 4 0 0 0 0 × 6

 秋季大会が終わり、静岡県内では各地区でローカルな大会が行われています。この時期、僕は秋に未確認の注目選手を一人でも多くチェックしたいと思っています。

1110301_2 まず、最初は静岡市立の白鳥晶識(175cm69kg、右投左打)。今夏の県大会では1回戦から4回戦まで、すべて一人で投げ抜く鉄腕ぶり。特に、4回戦では優勝した静岡高と対戦。5対5で迎えた9回に1点を失い、惜しくも敗れましたが、力投が光りました。さらに、この夏から秋にかけて体が逞しくなったという情報を人づてに耳にしていたので、すごく期待が高まっていました。

 約1年ぶりに見た白鳥は、確かに体がガッチリしてきたなという感じ。上半身に厚みが増したように見えました。初回、3者連続三振で好スタートを切ります。その後、5回まで3安打を浴びましたが、無失点に抑えました。低めに決まる力強いストレートとカーブとのコンビーネーションで相手打線を圧倒しました。

 これだけのピッチングで今秋の県大会に出場できなかったのが不思議。試合後、戸塚哲弥監督に話を聞くと「この秋は夏の疲れが残っていましたね。夏にキレていたスライダーが悪かったです」。ただ、この1年間で走り込みやウエートトレーニングに加え、食事の量を増やしてきたとのこと。その効果でボール自体の重量感は増しています。なかでも低めに決まる力強い最速135キロのストレートはインパクトがありました。

 気になったのが左打者に対する場面。どうも投げにくそうで、打たれた3安打のうち2本は左打者。唯一の四球も左打者に対してでした。そのあたり、直接本人に聞いてみました。「そうなんです。実は左打者に対してどういう投球をするのかが今の課題です」。対応策としては、カーブ、スライダー以外の新たな球種を試している最中だそうです。左打者の内角に突くストレートと、外に沈むボールがあれば、もっともっとレベルの高いところを望める投手でしょう。

「この冬は1110302もっと鍛えて体重を増やしたい。特に腰回りを重点的に。目標は来年の夏まで140キロを出すことです」と白鳥。素質だけでなく、自ら課題を見つけ、目標に向かって取り組む意識の高さも戸塚監督が認めるところ。あとは、来年の春と夏でどこまで上位に食い込めるか。スローイングの精度が光る捕手の勝見京介(174cm64kg、右投右打)との息もピッタリで、来夏は甲子園を狙えると思います。

<写真上/ここまで大きな故障もなく順調に成長する白鳥晶識(静岡市立)>
<写真下/二塁ベース上へドンピシャのスローイングを見せる勝見京介(静岡市立)>

■静岡西

■静岡市立

1番 遊撃 谷井
2番 中堅 川北
3番 右翼 安本雄
4番 二塁 安本将
5番 一塁 繁田
6番 投手 小嶋
7番 三塁 望月
8番 左翼 寺坂
9番 捕手 櫻田
1番 右翼 伊東
2番 遊撃 望月
3番 捕手 勝見
4番 三塁 木村
5番 投手 白鳥
6番 一塁 岡本
7番 中堅 芝原
8番 左翼 海野
9番 二塁 小泉
投手:小嶋-安本雄 投手:白鳥-有川

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