注目スラッガー・中澤彰太を追う!
先週の土曜日は、今夏8年ぶりの甲子園出場を果たした静岡高の練習にお邪魔してきました。
なんといっても静岡高は県下屈指の名門。僕は午後1時30分の練習開始に合わせ、緊張しながら学校に入りました。すると、すでにネット裏は「静高ファン」や練習見学の中学生で賑やか。みなさん、顔見知りのようで、「静高の昔話」「今年の静高」「将来の静高」について、熱く語り合っていました。選手たちも、ここまで見守られたら、さぞ気が抜けないだろうなと思いました。
この日の静岡高のグランドは暖かく、直射日光に当たっていると、暑さを感じるほど。僕も、着用していた上着を脱ぎました。こんな気候だったら、冬のトレーニングだけでなく、ボールを使った練習も思う存分できるでしょう。実際、この日はバッティング練習を行っていました。
栗林俊輔監督によると、静岡高のオフシーズンの使い方は独特です。例えば、この日のようにバッティングを行う日は1日中、バットを使ってバッティング練習。ある日は、守備だけを1日練習。また、ある日は1日トレーニング。つまり、1日にあれもこれもではなく、集中的に練習をこなしているとのことでした。
バッティング練習で目立っていたのは、栗林監督が「こういう選手がプロにいくんじゃないかと思うほどの身体能力の高さ」と評する中澤彰太(174cm74kg、右投左打)です。今夏はクリーンナップを任され、甲子園出場に貢献。軸がブレない、きれいな打撃フォームから外野の間を抜く長打力が魅力です。さらに、走っては50メートル5秒9の俊足、投げても140キロ近くを投げ込む強肩もあります。
最初に中澤を見て驚いたのは下半身の充実ぶり。腰から太腿にかけて、太くて逞しく、ユニフォームがパンパンではち切れんばかりでした。今までスタンドから見ていた印象とはかなり違いました。
その強靭な下半身から鋭いスイングでボールをとらえ、強打者が揃う静岡高打線の中でも、一人、打球が違います。ライナー性の打球が低い弾道でグングンと外野へ。緩いボールに対しても、体を開かず、自分のミートポイントで駒のように回転して打ち返します。しかも、しっかりと振り切ったフォロースルーが美しく、力強さもあります。
この冬、中澤がバッティングで取り組んでいるのは左手の使い方。左手の押し込みを強化することで、打者の手元で微妙に変化する球に対応するのが狙いだそうです。栗林監督は「右投左打の場合、どうしても左手が課題になっています。そこをどう克服できるのか。この冬が終わったとき、中澤がどこまで進化するのか楽しみですね。本塁打を量産する可能性もありますよ」。
現段階では、来年の静岡県ナンバーワンスラッガーにもっとも近い存在の中澤。来春以降は、相手のマークも厳しくなるはずです。ここで、いかに結果を残すことができるのか。栗林監督から中澤の潜在能力の高さを耳にし、この日の練習を見ていると、相手云々ではなく、とてつもないレベルの選手に成長してくれそうな、そんな予感がします。
<写真上/選手に細かい指示を出す栗林俊輔監督(静岡高)>
<写真下/走攻守の三拍子がそろう逸材、中澤彰太(静岡高)>
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