無類の野球小僧・室内椋耶(富士学苑)を訪ねて
少し前の話になりますが、7月15日に山梨県の小瀬球場に行ってきました。『野球小僧8月号』の「ドラフト候補&有望選手リスト」に掲載された富士学苑・室内椋耶を見たかったからです。
室内は富士シニア(清水飯田中)出身の2年生。昨夏も1年生ながらベンチ入りを果たし、今春は4番打者として活躍を見せました。
時期は遡り、昨夏の静岡県大会でのことです。僕は室内と島田球場でバッタリと遭遇しました。聞けば、「静清の野村亮介さん(現三菱重工横浜)のピッチングを見たくて来ました」とのこと。驚いたのは次の言葉。「休日は1日だけなんです」。
厳しい練習の合間の束の間のオフ。体を休めたり、友達と遊びたくなったりするのが普通の高校生でしょう。
しかし、室内は違います。野球が好きでたまらない。ドラフト候補と呼ばれるピッチャーの球を見てみたい。そんな衝動にかられて、一人で山梨から島田まで来てしまったようでした。
島田球場は球場外からブルペンで投げる姿を見ることができます。そこの網にへばりつきながら野村の一挙手一投足に目を凝らしていたのが印象的でした。そんな野球小僧だから、僕は気になってたまりませんでした。
この日の相手は強豪の甲府城西。室内はどんな活躍を見せてくれるのか楽しみでした。ところが、球場につき、バックスクリーンにあるスタメンの表示を見ると、「室内」の名前がありません。背番号は「10」をつけていましたが、ベンチからスタートでした。
富士学苑は序盤に3点のリードを奪いましたが、中盤に投手陣が崩れて逆転負け。3回戦で敗退しました。
試合後、室内は「春の大会が終わってから、バッティングの調子が悪くて。でも、投げる方でいけそうだったので、今回はリリーフとしてスタンバイしていました。プレーする姿を見せられなくて、すみませんでした」と、涙を浮かべながら話してくれました。
富士学苑はこの大会のベンチ入り20人中、2年生4人、1年生4人と若いチームでした。特に、スタメンに名を連ねた1年生の清水雄哉、柏木隆秀はセンスがあり、リリーフで登板した2年生の長身左腕・渡邊佑樹も注目です。秋は関東大会に出場できるチャンスが十分にあるでしょう。室内もライバルと切磋琢磨し、来春、センバツで躍動する姿を見たいです。(編集部・栗山)
※過去の室内椋耶(富士学苑)の記事はこちら→http://tsukasa-baseball.cocolog-shizuoka.com/blog/2011/07/vs-9155.html
<写真/試合終了後の富士学苑ナイン。秋のリベンジに期待>
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