夏の甲子園予選 吉原vs三島
★7月14日 全国高校野球選手権静岡大会1回戦 裾野球場 曇
チーム | 一 | 二 | 三 | 四 | 五 | 六 | 七 | 八 | 九 | 計 |
吉原 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 3 |
三島 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
天候が心配された裾野球場ですが、30分ほど開始時間を遅らせることでどうにかグランドの状態を整えることができました。試合前には雨が強くなることもあったものの、試合が始まると、傘をさすほどの雨は振りませんでした。
この日、注目を集めたのは、勝者が静岡高と対戦することになる吉原vs三島の一戦。ともに好投手を擁するチームで、1回戦にはもったいないカードでした。
吉原のマウンドに立ったのは、大型アンダースロー・古郡聖士(3年・187cm85kg、右投右打)。これほどの身長を持つアンダースローは日本球界を見渡しても、めったにいるものではありません。長い腕からリリースされるボールは、打者にとっては未知の球筋でしょう。えぐいほどの横の角度で、右のアンダースローの球筋は見やすいはずの左打者がびっくりしたようにインコースに手を出してしまう姿が印象的です。もちろん、右打者にとっては背中から来るボール。外角に決まると、ものすごい距離感です。
試合はこの古郡と三島の2年生エース・柴崎哲治(178cm78kg、右投右打)の投げ合いで0-0のまま8回まで進みました。しかし、9回に吉原は2死二塁から代打・渡邉崇介(2年・164cm57kg、右投右打)のタイムリーで1点を先制すると、さらに古郡のタイムリー内野安打などでこの回3点を奪取。その裏を古郡が締め、吉原が勝利を収めました。
古郡は完封したことになりますが、3人で終わった回は2イニングのみ。6安打4四死球にエラーも絡み、再三得点圏まで進まれるも、粘りと我慢の投球でした。制球はいいとは言えませんが、四死球を恐れずに静岡にも攻めの投球を展開してほしいところ。この球筋は各地の強豪と練習試合を重ねてきた静岡の強力打線でも見たことがないはずです。中澤彰太や小野慶典が古郡を捉えられるのか、それとも吉原が大金星をつかむのか、見逃せない次戦です。
初戦敗退となった三島は、1・2年生中心という若いチームらしさがよくも悪くも目立ちました。
ただ、柴崎は立ち上がりは制球に不安を感じたものの、2回は3者凡退。切り替えの早さに成長を感じました。尻上がりに調子を上げましたが、9回には2死をとったところで、気が緩んだのか、疲れが出てきたのか、抑えきれなかったのは残念。
その後を受けた梁瀬知(2年・178cm70kg、左投左打)にはしっかり締めてほしかったのですが、テークバックの大きい独特のフォームからボールが暴れ、ストライクもなかなか取れませんでした。先日、対談企画で梁瀬をしなやかなサウスポーと紹介したのですが、打撃からはしなやかさをまだ感じましたが、投球フォームにはかなり力が入ってました…。梁瀬を見るのは4回目ぐらいですが、どんどん変則的なフォームになってきた印象です。いい時には、ストライクゾーンに適当にボールがバラけていくのだと思います。昨秋、初めて見た時にはインパクトがあった選手なので、秋以降も注視していきます。(編集部H)
裾野球場のその他の試合の結果は以下のとおりです。
掛川工 3×2 富岳館
浜北西 6×0 田方農
<写真上/静岡打線との対戦が楽しみな古郡聖士(吉原)>
<写真下/空振りのとれるストレートが魅力の柴崎哲治(三島)>
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コメント
梁瀬はブルペンで準備をしてましたが、途中ライトに入ってからは柴崎が良いピッチングをしていたこともあり、全く投げていなかったので心と身体の準備ができていなかったのだと思います。
三島はもう新チームが練習してました
秋以降楽しみなチームです
投稿: カジ | 2012年7月14日 (土) 21時52分
カジさん、コメントありがとうございます。
梁瀬投手は春の地区大会でもほとんど準備ができないままマウンドに上がっていましたね。
もしこの試合に勝っていれば、静高戦で梁瀬投手を先発で見られたのかも…と思うと少し残念でした。
新チーム、もう始動していたのですね。
主力選手たちが1試合でも夏の大会を戦ったという経験は大きいと思います。
秋にはまた見に行きたいです。
投稿: 編集部H | 2012年7月14日 (土) 22時34分
古郡くんは、とても大きな選手で
びっくりしました!
この試合でファンが
増えたかもしれませんね。
静岡高校に負けてしまいましたが、
とても感動しました。
投稿: はなこ | 2012年7月16日 (月) 18時30分
はなこさん、コメントありがとうございます。
古郡投手の大きさには、私も初めて見た時に驚きました。
あれぐらいの身長の投手は角度を生かしてオーバースローが多いのに、アンダーということにまたまたびっくりですよね。
静高戦はテレビのニュースで見たところ、ボールが浮いていて古郡投手の良さを出し切れていなかったようです。
でも、これからももっと見たくなる投手ですね。
投稿: 編集部H | 2012年7月17日 (火) 18時38分