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2012年8月

2012年8月28日 (火)

秋季大会 清水西vs島田商

★8月28日 第65回秋季高校野球中部地区5位決定戦 清水庵原球場 晴

 チーム
清水西 0 0 1 6 0 0 1 0 3 11
島田商 0 0 0 0 0 4 0 1 × 5

 地区大会も佳境に入り、続々と県大会出場チームが決まりつつあります。気になるチームはできるだけ開幕してすぐに見に行っていたのですが、天候もありなかなか思うようにはいきません。今日、見に行った清水西も一度見に行った際には雨天中止だったので、今回が2度目のチャレンジでした。

 清水西は今夏、2年生を中心に戦ったので、主力がごっそり残って秋を迎えました。今日の5位決定戦の相手は古豪・島田商。清水西は3回に1点を先制すると、4回には打者12人6安打の猛攻で一挙6点を追加。コールドも見えてきたところで、島田商は6回にこちらも打者一巡で4点を返します。さらに1点ずつを取り合い、8対5で迎えた9回、清水西は3点をダメ押しし、そのままゲームセット。清水西が県大会出場を決めました。

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 清水西は15安打とよく打ちましたが、中でも3~5番のいわゆるクリーンナップが併せて8安打と大当たり。点が取れないはずがないという状態でした。
 インパクトがあったのが、3番の神野竜大。6月頃に一回見たことがあるのですが、全く印象が変わりました。172センチ83キロのドッシリ体型は変わりませんが、今日は攻守にキレがあり、スイングが非常に鋭かったです。そのスイングから野手のグラブを弾くほど強く、ライナー性の打球を放ちます。
 また4番を打つ望月政宏のシュアな打撃も目を引きました。神野と望月が並んでいると、打順が逆じゃないのかな? と思ってしまうのですが、今日の6打席目には右中間を破る二塁打を放ち、4番の長打力も見せました。バントも上手いので、色々な攻撃パターンに対応できますね。
 今日安打はありませんでしたが、7番を打つ池田伊織も俊足の打者。ライトを守る守備にも足が生きていました。

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 また今夏、1年生ながらレギュラー捕手として出場した朝日遊太は1番キャッチャーで出場。前回、雨天中止になる前にノックを見た時には、朝日という名前の通り、眩いばかりに存在感のある選手だなと思いました。161センチ61キロと体は大きくありませんが、捕手としてチームを牽引する力がみなぎっています。朝日の調子が攻守にわたってチームの勢いのバロメーターになりそうなので、県大会でも注目していきたいです。

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 相手の島田商では、「青島秀一郎という1年生が面白いですよ」との情報をいただいていたので、こちらも楽しみにしていました。今日は青島は8番ファーストで先発出場。ガッチリ体型とは聞いていましたが、ユニフォームの下半身はパツパツで想像以上の体つきでした。ガタイがいいだけに、打席での雰囲気・迫力は抜群。2打席目で左中間方向に深くまで飛ぶフライを打ち、4打席目には左中間の頭を超える安打。噂通りのパワーを見せてくれました。初球から振っていく思い切りの良さも魅力ですが、今後はじっくりボールを見極めるいやらしさも身につけて、ぜひ主軸を打ってほしい打者です。
 ピンチの4回からはマウンドにも登り、5回1/3を7安打4失点。投球内容より、度胸の良さが印象に残りました。(編集部H)

<写真上/打球の強さに注目の神野竜大(清水西)>
<写真中/丹甫航也との1年生バッテリーで県大会出場に導いた朝日遊太(清水西)>
<写真下/古豪復活へ起爆剤となってほしい青島秀一郎(島田商)>

■清水西

■島田商

1番 捕手 朝日
2番 左翼 吉崎
3番 一塁 神野
4番 二塁 望月
5番 中堅 小笠原
6番 遊撃 滝澤
7番 右翼 池田
8番 投手 丹甫
9番 三塁 長尾
1番 二塁 荒居
2番 中堅 福本
3番 遊撃 桒原
4番 三塁 田島
5番 捕手 河井
6番 投手 細谷
7番 右翼 阿井
8番 一塁 青島
9番 左翼 石坂
投手:丹甫 投手:細谷-青島

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2012年8月27日 (月)

秋季大会 遠江総合vs浜名

★8月26日 第65回秋季高校野球西部地区敗者復活3回戦 掛川球場 晴

 チーム
遠江総合 2 0 0 0 0 0 0 0 1 3
浜名 0 0 5 0 0 1 0 1 × 7

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 この日のお目当ては、最速140キロの速球を投げると噂される浜名の藤本大輝(182cm72kg、右投右打)。1年夏からベンチ入りし、今夏はエースナンバーを背負った本格派です。
 夏の県大会は初戦で7安打を浴びて敗退。今秋も2回戦で浜松西に敗れ、もう後がなくなった敗者復活3回戦でした。
 ところが初回、球が高めに浮いてところを遠江総合打線に狙われ、2点を献上します。ようやくエンジンがかかってきたのは3回から。3回、4回ともに2三振を奪うと、8回まで1安打に抑えます。
 長身でスラッとした体型から、腕の振りが速いのが特徴。指にかかったときに決まる低めのストレートは、なかなかお目にかかれないスピンのきいたボールです。
「今大会は、あまり調子が出ず、今日も70点くらいの出来でした。でも、相手バッターのポイントをずらすピッチングはできたと思います」。そう本人が証言するように、絶品のストレートに加え、藤本の強みは独特の軌道を描くカーブで緩急をつけられること。このコンビネーションがあるので、相手も的を絞ることができませんでした。
 9回に味方のミスで1点を失いましたが、被安打6、三振8で、状態が万全でないながらも、完投しました。
 まだまだ上体に頼ったフォームで、ノビシロという点でも魅力があります。鈴木翔太(聖隷クリストファー)とともに、ドラフト前線に躍り出て欲しいピッチャーです。(編集部・栗山)

<写真/浜名の投打の柱、藤本大輝>

■遠江総合

■浜名

1番 二塁 山下
2番 左翼 落合
3番 投手 原田
4番 捕手 太田
5番 中堅 小林
6番 一塁 川波
7番 三塁 加藤太
8番 遊撃 西尾
9番 右翼 加藤統
1番 中堅 尾藤
2番 左翼 星宮
3番 一塁 山本
4番 投手 藤本
5番 捕手 池之谷
6番 右翼 袴田
7番 三塁 小出
8番 遊撃 石川
9番 二塁 山下
投手:原田 投手:藤本

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2012年8月24日 (金)

秋季大会 浜北西vs磐田東

★8月23日 第65回秋季高校野球西部大会3回戦 磐田球場 晴

チーム
浜北西 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1
磐田東 2 0 0 0 0 0 3 0 × 5

 昨日、磐田東を見に、磐田球場で行われた西部地区大会を観戦してきました。磐田東は、今夏、2回戦の韮山戦で好投した1年生投手の鈴木博志はもちろん、斎藤誠哉という1年生左腕も登板しているということなのでこの秋気になっていた学校の一つでした。
 試合は、磐田東が初回に2点を先制しますが、その後は追加点が奪えず2-0のまま試合が進みます。7回に磐田東は3点を追加し、リードを拡大。9回表に浜北西は1点を返したものの、反撃もそこまで。磐田東が5-1で勝利をおさめ、西部地区大会準々決勝進出を決めました。

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 磐田東の先発マウンドに立ったのは2年生の川窪健太。1年時からベンチ入りした右腕ですが、期待された今夏は良い結果を残せませんでした。今秋からはいよいよエースとして真価が問われます。
 今まで森口壽樹と並んでいるところを見ることが多かったせいか、華奢に見えた川窪ですが、単体で見るとやはり1年時よりは体つきもしっかりしました。球威も増してきて、5回を3安打無失点。毎回走者を出しましたが、内野ゴロが多く、テンポは悪くなかったように思います。

 気になっていた1年生投手たちは、まず斎藤誠が6回から登板。先頭打者にいきなり四球を与えたものの、6回、7回の2イニングを投げて無安打無失点の内容でした。
 斎藤誠は183センチと長身で、体つきもしっかりしています。そして、この投手の特徴は、肘が柔らかく、ムチのようにしなやかに振れること。フォロースルーで左腕が体に絡みついていくようなイメージです。しっかり肘を使って投げてくるのでボールに伸びがあり、変化球のキレもいいので、三振が取れるタイプ。ただ、制球は荒れ気味で、フィールディングなどに課題も散見されます。その課題も、のびしろの大きさと考えたい、今後が楽しみな大型左腕です。

 8回からマウンドに上がったのが鈴木博。今夏の韮山戦で初めて見た時に、その堂々としたマウンドさばき、整ったフォームに驚かされました。180センチ75キロという投手らしい体格がマウンドに映えます。
 この日は8回は無失点に抑えたものの、9回に2者連続二塁打を浴びて1失点。流されずに後続をしっかり絶ったのはさすがでしたが、ストライク先行の投球の中に、チラホラ甘いボールがありました。
 鈴木博は下半身が安定していて、腕の振りの速さが魅力。制球がまとまっているので、長いイニングを投げても、試合をしっかり作ってくれそうです。近い将来に、静岡商・國松歩との投げ合いが見てみたい投手です。

 敗退した浜北西は夏とガラっと面子が入れ替わって迎えた秋でした。この試合は毎回走者を出したものの、決定打に欠け、1得点に終わりました。しかし、バントをしっかり決める、相手のミスを見逃さない、全力疾走をするなど堅実なプレーが好印象でした。グランドに怒声を響かせていた熱い高林良洋監督のもと、敗者復活戦で県大会進出を狙います。(編集部H)

<写真/上から川窪健太、斎藤誠哉、鈴木博志(磐田東)>

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2012年8月23日 (木)

秋季大会 三島南vs沼津高専

★8月22日 第65回秋季高校野球東部大会敗者復活2回戦 愛鷹球場 晴

 チーム
三島南 1 0 0 2 0 0 4 0 0 7
沼津高専 2 0 0 2 0 2 0 0 2 8

 秋季大会の敗者復活戦は見逃せない試合が続きます。ここで負けてしまうと、来年の春まで見ることができないことがあるだけに、どの試合を観戦するのか、すごく迷います。 昨日も、行っておいて良かったと思う選手がいました。

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 三島南の1年生右腕・佐野勇司です。試合前の整列時から頭一つ抜けている長身で、ゲーム序盤からブルペンで投げる姿が気になっていました。中学時代の資料を見ると、3年時に185センチ。現在は、もう少し伸びていそうな感じで190センチ近くはあるのではないでしょうか。
 マウンドに上がったのは、6回一死三塁というピンチの場面でした。相手打者のスクイズを外し、ピンチを切り抜けると、直後の7回の打席ではレフトオーバーの強烈な2塁打。大きなストライドで一塁から二塁ベースを蹴り、三塁まで達した走塁も魅力的でした。

 体の線は細く、球速も120キロ台だと思いますが、長身独特のボールの角度があります。さらに、僕が最も気に入ったのが投げたあとのシルエット。「三島のダルビッシュ」と言いたくなる恰好の良さでした。
 しかも、これだけの大型に加え、ボールを前で放せるので、制球力もまとまっています。残念ながら、9回に2点を奪われサヨナラ負け。東部地区大会敗戦となりましたが、ひと冬越して、どんなピッチャーに成長するのか。聞くところによると、野球を始めたのは中学生からとか。とにかく、体にパワーをつけることだけを目指していけば、無限の可能性があります。(編集部・栗山)

<写真/投げ終わったシルエットが絵になる佐野勇司(三島南)>

■三島南

■沼津高専

1番 二塁 芦川
2番 投手 井上
3番 左翼 長田
4番 一塁 石川
5番 捕手 伊里
6番 三塁 山田
7番 中堅 福井
8番 遊撃 谷口
9番 右翼 日吉
1番 左翼 大塩
2番 二塁 多田
3番 右翼 鈴木
4番 三塁 望月
5番 一塁 杉山
6番 投手 坂田
7番 中堅 長田
8番 捕手 阿部
9番 遊撃 矢野
投手:井上-佐野 投手:坂田

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2012年8月20日 (月)

秋季大会 浜松学院vs浜松開誠館

★8月19日 第65回秋季高校野球西部大会2回戦 浜松球場 晴

  チーム
浜松学院 0 0 0 3 4 0 1 8
浜松開誠館 0 1 0 0 0 0 0 1

<7回コールド>

  秋季大会は、初めてみる選手が多いので、シートノックは一生懸命に見るようにしています。

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 この日、浜松開誠館のシートノックで最初に目についたのはショートを守る引馬光平(174cm67kg、右投右打)とキャッチャーの宮本翼(172cm82kg、右投右打)。資料を見ると、2人とも1年生で、今夏からベンチ入り。しかも、1桁の背番号をもらっています。
 引馬は一連のプレーにバランスの良さが見てとれました。横に対する動きの素早さと安定したスローイングが武器です。
 また、バッティングは気持ちいいフルスイング。第1打席でセンター前、第2打席目はサード三塁強襲の安打で出塁しました。引馬を指導する藤原剛監督は「持っているポテンシャルは高いものがありますよ。ただ、見ている分には分かりづらいのですが1208192、気持ち的にムラがあり、それがプレーに出ることがある。そのあたりの課題がクリアできれば、面白い選手になると思いますよ」。
 一方の宮本は、いかにもキャッチャーらしく、ガッチリ体系の選手。4番に座るバッティングでは快音が聞けませんでしたが、スローイングフォームが良く、ライナーでいい球を放ります。
 
1208193 コールド勝ちした浜松学院は、吉田道新監督の公式戦初勝利となりました。
 吉田監督は東海大相模のエースとしてセンバツで準優勝。ドラフト2位で近鉄に入団し、4年間、プロを経験しました。その後、教員免許を取得。今年5月に高校野球指導者資格を認められ、今秋よりチームを率いています。
 この日は、4犠打で相手をジワジワと攻めていく野球を展開。三塁側から吉田監督の仕草を観察していると、すごく選手を乗せるのが上手いなと感じました。
 選手個々の潜在能力は西部地区でもトップレベルだけに、吉田監督の手腕でどこまでチーム力をアップしてくるのか。今後に注目です。(編集部・栗山)

<写真/浜松開誠館の注目1年生コンビ、引馬光平(上)と宮本翼(中)。初陣を飾った元プロの吉田道監督(下)>

■浜松学院

■浜松開誠館

1番 中堅
2番 一塁 水谷
3番 三塁 坂根
4番 右翼 河合
5番 遊撃 米澤
6番 投手 丹生
7番 二塁 丹羽
8番 捕手 鈴木
9番 左翼 水野
1番 中堅 高部
2番 二塁 宮木
3番 遊撃 引馬
4番 捕手 宮本
5番 投手 江尻
6番 左翼 野田
7番 三塁 牧野
8番 右翼 原田
9番 一塁 赤塚
投手:丹生-河合

投手:江尻-高部

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2012年8月18日 (土)

秋季大会 東海大翔洋vs静岡学園

★8月16日 第65回秋季高校野球中部大会2回戦 焼津球場 晴

 チーム
東海大翔洋 0 0 0 1 0 1 0 0 0 2
静岡学園 1 0 2 0 0 0 0 1 × 4

 中部地区の強豪私学対決となった2回戦。制したのは静岡学園でした。
 静岡学園は初回、安藤和哉のタイムリーで1点を先制。さらに、3回には増田大郎のタイムリーで2点を追加します。東海大翔洋も、中盤に1点差に詰め寄るも、静岡学園は8回に1点を追加し、ダメ押し。5回途中から登板の西山光貴が最後を締め、3回戦進出を決めました。

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 静岡学園の先発は1年生の関俊也。コンパクトなテークバックから右腕を叩きつけ、ストレートが伸びます。少しインステップ気味なのも、打者を苦しめました。
 ただ投げるだけでなく、牽制が上手いのも長所。足を使った攻撃を前面に出している東海大翔洋に対し、牽制で2つのアウトをとったのが大きかったです。特に初回、無死一塁から、牽制でさして、相手の出鼻をくじきました。試合後、東海大翔洋の弓桁義雄監督も「あそこでアウトになるとね。なかなか難しいですよ」とコメント。ターンの素早さには目を見張るものがありました。

 一方、東海大翔洋も、楽しみな1年生投手が登板しました。4回からマウンドに上がったのが浜松南シニア出身の中村駿之介。右の本格派タイプで、投げっぷりがいいです。特に内角に投げ込む制球力が魅力でした。
 続いて登板したのが大津一輝。東海大翔洋中時代に全国大会でノーヒットノーランを達成した経験を持つ注目左腕です。フォームに無駄なクセがなく、「綺麗」という表現が当てはまるピッチャー。いかんせん、パワー不足の感は否めませんが、体が出来上がったときの姿を想像すると、僕のテンションも上がってきました。
「このチームは試合をこなすしかありませんから」という弓桁監督。1年生投手が経験を積むことで敗者復活トーナメントからの逆襲なるか、注目していきたいです。(編集部・栗山)

<写真/期待の1年生投手、上から関俊也(静岡学園)、中村駿之介、大津一輝(ともに東海大翔洋)> 

■東海大翔洋

■静岡学園

1番 三塁 松浦
2番 右翼 首藤
3番 中堅 大川
4番 一塁 平本
5番 遊撃 松井
6番 捕手 遠藤
7番 投手 杉本
8番 左翼 蒲谷
9番 二塁 太田
1番 遊撃 鈴木
2番 捕手 八木
3番 二塁 安藤
4番 右翼 西山
5番 左翼 増田
6番 投手
7番 一塁
8番 三塁 古屋
9番 中堅 長池
投手:杉本-中村-大津

投手:関-西山

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2012年8月16日 (木)

伊豆中央・佐藤がノーヒットノーラン達成!

★8月15日 第65回秋季高校野球東部大会2回戦 裾野球場 曇時々雨

 チーム
御殿場 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
伊豆中央 0 0 1 0 1 0 1 0 × 3

120815 伊豆中央・佐藤賢太(182cm67kg、右投左打)がノーヒットノーランを達成しました。8回まで打者1人も許さない快投。9回に雨が強くなった影響か、先頭の打者に四球を与え、完全試合の大記録こそなりませんでしたが、見事な投球で東部大会3回戦進出を決めました。
 
 佐藤はサイドの腕の角度から、丁寧に低めを突く投球を展開。27個のアウトのうち、実に14個がフライアウト。スライダーのキレが良く、完全に打者のタイミングを崩していました。
 試合後、本人は「ランナーを出していないことは5回くらいにライトの石川(竜次)から言われて意識しました。今日はテンポ良く投げることができました」。 
 中嶋清之監督によると、今年の春、夏も投手として期待されていたようですが、今ひとつ、制球面に課題があったそうです。それが、夏の大会が終わったあとに少し腕を下げたところ、制球が良くなり、この日の投球につながったとのこと。落ち着いたマウンドさばきに、試合を作ることができる安定感。もう少し球速がアップすれば、県内で注目される右腕になることは間違いないでしょう。

 伊豆中央は攻撃面も面白いです。積極的に足を絡め、出塁すれば、常に次の塁を狙ってきます。
 「常葉学園菊川や常葉学園橘を見ても、勝つチームは必ず、機動力があります。ウチの新チームのテーマも肩と足。それを意識してやっています」。(中嶋監督)
 チームとして目標は「東海大会出場」という伊豆中央。この秋、旋風を起こすかもしれません。(編集部・栗山)

<写真/雨の中、ノーヒットノーランを達成した佐藤賢太(伊豆中央)>

■御殿場

■伊豆中央

1番 遊撃 川村
2番 捕手 遠藤
3番 三塁 渡邉悠
4番 二塁 菅沼
5番 投手 半田
6番 右翼 熊谷
7番 一塁 湯山
8番 中堅 渡邉駿
9番 左翼 坂牧
1番 中堅 奥村
2番 遊撃 菊地
3番 二塁 武士
4番 投手 佐藤
5番 右翼 石川
6番 一塁 山崎
7番 左翼 谷本
8番 三塁 渡辺
9番 捕手 高橋
投手:半田

投手:佐藤

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2012年8月13日 (月)

オープ戦 ヤマハvs中央大

★8月12日 オープン戦 ヤマハ豊岡グランド 

 チーム
中央大 0 0 0 0 0 0 1 0 0 1
ヤマハ 2 0 0 0 0 0 0 0 × 2

 昨日は、高校野球の秋季大会を島田球場で観戦後、新東名を使ってヤマハの豊岡グランドへ。ヤマハと中央大のオープン戦を見てきました。

 グランドに着くと、ネット裏では二俣高の全部員が真剣な眼差しでゲームを見る姿がありました。
 二俣高を率いる淵上順監督はこう言います。「身近でこれだけレベルの高い試合は、なかなか見ることができませんからね。甲子園に見にいくと同じくらい、いやそれ以上に勉強になることが多いと思います。特にスピード感を学んで欲しいと思い連れてきました」。9年連続都市対抗出場中のヤマハと、大学最強リーグと言われる東都大学リーグ1部の中央大との試合。高校レベルから比べれば、1ランク、2ランク以上も上の世界。参考になる部分は多々あると思います。

1208122 ヤマハの先発はルーキーの大野健介(170cm71kg、左投左打)。この日は大野独特の球のキレがありました。右打者の内角低めにストレートを投げ込んで詰まらせば、高めのつり球で空振りを奪います。ストレートが走っているので、少々変化球が甘くても打ち損じてくれる好循環。得点を与えそうな雰囲気が全くなく、見事に6回を無失点に抑えました。
 入社後、都市対抗予選では登板に恵まれませんでしたが、秋は貴重な左腕として期待できそうです。

 一方の中央大は、7回に代打で常葉学園菊川出身の上島健司(174cm77kg、左投左打)が登場。きれいにレフト方向へ打ち返す安打を放ち、出塁します。そこから、一死二三塁という一打同点の絶好のチャンスを作ります。ここで、背番号30の左打者がバッターボックスへ。「代打、小川」とコールされます。昨夏、静岡の4番打者として、チームを甲子園に導いた小川拓真(173cm84kg、左投左打)。中央大でも1年からベンチ入りを果たし、この日は最高の場面で出番が回ってきました。

1208121 小川は初球からフルスイング。この積極性は素晴らしいです。2球目もファウルのあと、小川の打球はピッチャーの横を抜きます。
 「センターへ抜けた!」と思った瞬間、セカンドに入っていた町田友潤(169cm69kg、右投右打)が二遊間の難しい打球をスルスルっと処理して、一塁へ好送球。間一髪でアウトになりました。三塁ランナーが生還し、小川に打点がついたものの、町田でなければ2点タイムリーとなった一打。打った小川も立派ですが、町田の守備は、やはり芸術的でした。
 その後、小川は一塁の守備で安定感を発揮。低い送球に左足をいっぱいに伸ばして捕るなど、1年生とは思えない落ち着きぶりでした。(編集部・栗山)

<写真上/中央大打線相手に6回無失点の好投を見せた大野健介(ヤマハ)>
<写真下/将来は東都大学リーグのスラッガーを目指してほしい小川拓真(中央大)>

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2012年8月 8日 (水)

中体連東海大会 対島中vs阿久比中

 いよいよ甲子園が開幕しましたが、静岡では中体連東海大会が始まりました。この大会には静岡、愛知、三重、岐阜の4県から2校ずつ出場し、上位3校が群馬で行われる全国大会に進出することになります。静岡の代表は常葉学園橘中と対島中。しかし、初日の今日、静岡1位の常葉学園橘中は1-0で長島中に敗退。静岡2位の対島中は阿久比中に4-0で敗れ、県勢は全滅になってしまいました…。甲子園でも常葉学園橘が初戦敗退と、静岡の野球ファンにとっては寂しい1日でした。

Img_1892 この大会で注目選手の一人だったのが、県大会で投打に活躍した平野英丸(対島中)。今日の試合でも3番ピッチャーで出場しました。
 平野は力強いストレートが武器の投手。完全なオーバースローというよりは、少し斜めの角度から腕が出てくるため、特に右打者の外角にいいボールがいきます。カーブやスライダーを絡め、三振も取れるタイプです。

 この試合でも平野は力感のあるストレートで攻め、初回は三者凡退。しかし、阿久比中もさすがに340校がひしめく激戦の愛知を勝ち抜いたチームだけあって、目立つ選手はいないものの、シュアなスイングで甘いボールを見逃しません。2回に2点を先制すると、6回には4安打を集中させ2点を追加。投げてはタイミングの取りづらそうなコンパクトなフォームの井上が対島中打線を2安打完封。阿久比中は特に内野守備に安定感があり、力のあるチームでした。
 
 平野は「高校で140キロを投げたい」とのコメントを新聞で読んだので、高校ではもちろん投手としてプレーを続けるのだと思いますが、遊撃手としての雰囲気も非常にいい選手です。グランドで目立つ華があって、フィールディングも非凡。様々なところからセンスを感じるだけに、今後、どんな選手に成長していくのか、楽しみに見守りたいです。(編集部H)

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2012年8月 7日 (火)

明日、甲子園が開幕!

 いよいよ明日8日から甲子園が始まります。静岡代表の常葉学園橘は開幕戦に登場。速球派投手を擁する福井工大福井を相手にどんな野球を見せてくれるのか、楽しみですね。

 常葉学園橘以外にもぜひ注目してほしいのが、以下の静岡県出身選手たち。高校で県外のチームを選び、各地で腕を磨いている選手たちです。

★酒田南 森下開地(大仁中・伊豆リトルシニア出身)
★日大三 関谷健太(篠原中・浜松リトルシニア出身)
       山中裕介(三島北中・三島田方リトルシニア出身)
★佐久長聖 宍戸建太(対島中・伊東リトルシニア出身)
★宇部鴻城 大内蘭太(白須賀中出身)

 佐久長聖で主将を務める宍戸は、中学時代に竹安大知(伊東商)とバッテリーを組んでいた選手。酒田南の森下は走攻守が高いレベルでそろう好選手です。常葉学園橘の試合以外も見逃せません!(編集部・栗山)

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2012年8月 6日 (月)

練習試合 横浜vs聖隷クリストファー

★8月5日 練習試合 横浜長浜グランド 晴

チーム
横浜 0 0 1 1 0 0 0 0 1 3
聖隷 0 0 1 0 5 0 0 0 × 6

 先日、聖隷クリストファーが、あの名門・横浜と練習試合を行うという情報を耳にしました。しかも、エース・鈴木翔太が涙の敗戦から立ち直り、この練習試合のために調整を行っているとのこと。鈴木翔太vs横浜打線。鈴木翔のピッチングがどこまで全国レベル相手に通用するのか。僕は、鈴木翔の腕試しとなる一戦にいても立っていられず、横浜の長浜グランドまで行ってきました。

 長浜グランドに足を運ぶのは、横浜の涌井秀章(現西武)が高校3年生のときに、本人と渡辺元智監督を取材して以来。約8年ぶりとなります。敷地内に入ると、多くの記念碑が並び、ベンチには渡辺監督と小倉清一郎コーチの姿も。自分が試合に出るわけではないのに、自然に身が引き締まります。

1208051_2 鈴木翔は初回、先頭の浅間大基をいきなり三振に切って取るなど、上々の立ち上がり。ネット裏の横浜のファンからも「下半身が細いけど、いいピッチャーだね~」という声が漏れるほど。しかし、3回に味方のミス絡み、4回には犠飛で計2点を失います。
 試合はその後、聖隷クリストファーが5回に横浜先発の浅間の乱調から一挙5点を奪って逆転。鈴木も、6~8回を3人ずつで抑え、いいリズムで終盤を迎えます。9回裏にタイムリーで3点目を奪われましたが、後続を仕留め、ゲームセット。聖隷クリストファーが横浜を6対3で下しました。

 この試合、特に注目したのは横浜の4番・高濱祐仁と対決したシーンでした。
 高濱は1年生ながら今春の関東大会から4番に座り、夏の神奈川県大会では初打席初スイングで場外本塁打。182cm81kgと体格にも恵まれた怪物候補です。

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 鈴木翔は第1打席に変化球で空振り三振に斬ってとると、第2打席目は追い込んでから低めいっぱいに決まる変化球で見逃し三振に。第3打席は今度は高濱がお返し。ストレートをレフトへ弾き返します。そして、第4打席は無死一塁の場面での対決。ここで鈴木はストレート一本で向かいます。7球目、最後は高濱が差し込まれ、キャッチャーフライ。1球1球、見応えのある勝負でした。

 試合後、鈴木翔は「夏の大会より、球が高めに浮いてしまって良くなったです。相手が本調子だったら、もっと打ちこまれていました」と反省の弁。それでも、低めに決まるストレートとフォークは、全国で十分に通用すると証明したでしょう。

 「もっと周りを見ながら、今度はセンバツを目指します」。夏の敗戦から10日あまり。完全に秋に向けて気持ちを切り替えた鈴木翔。チームの最上級生となり、投球だけでなく精神面も大人になったような雰囲気を感じました。いよいよプロ注目となった鈴木翔の秋が、まもなく始まります。(編集部・栗山)

<写真上/横浜打線を3失点に抑えた鈴木翔太(聖隷クリストファー)>
<写真下/鈴木翔と見応えのある勝負を演じた大砲・高濱祐仁(横浜)>

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2012年8月 2日 (木)

シニアの県大会で見た注目選手!

 現在、第5回日刊スポーツ杯リトルシニア野球静岡県夏季大会が開催中です。浜松南シニアと浜松シニアが決勝進出。決勝戦は8月4日に菊川球場で行われます。

 この大会は、例年、夏の高校野球予選と時期が重なるのですが、シニアの有望選手を一気にチェックできる貴重な機会。ネット裏で高校野球関係者を見かけることも少なくありません。もちろん僕も、高校野球の登竜門的な大会として楽しみにしています。今年も、7月22日、29日と2日間に渡って見てきました。先日アップした軟式に続き、今回はシニアで目に留まった選手を紹介したいと思います。

Matsuda

Ochiai

Kozawa

Suzuki

 まず、浜松シニアのエース・松田翔真は準決勝で小笠浜岡シニアを完封。本格派の雰囲気を感じる左腕です。スライダー、カーブといった変化球の精度も高く、すぐに高校で通用しそうなタイプと見ました。
 その松田と投げ合ったのが同じく左腕の小笠浜岡シニア・落合順也。下半身の粘りを使ったフォームは島袋洋奨(中央大)に似ているなと感じました。球の速さは松田ほどありませんが、球持ちがいいのでストレートがキレます。体がすごく柔らかく、高校で一気に伸びそうな予感。背番号は「11」をつけていたので、ここにきて台頭してきたピッチャーなのでしょう。興味深い左腕でした。

 右腕では静岡裾野シニアの小澤怜史に注目しました。兄・拓馬(日大三島)は昨年のシニア全国大会優勝投手。今年は1年生ながら夏の県大会で好投を見せました。その兄とは体系が全く違います。兄は、横に大きいのですが、弟は縦に大きい感じ。真上から投げ下ろし、高めのストレートが伸びます。しかし、まだまだ下半身が弱く、体の開きと球離れが早いため、ストライクを取るのに苦労していました。
 準決勝の浜松南シニア戦では、リリーフで登板。6回に3連続四球、続く打者に置きにいった球でタイムリー浴びました。マウンドに立ったときの佇まいがいいだけに、高校に入学するまでに下半身を鍛えて欲しいです。

 今大会、もっとも楽しみにしていたのは浜松南シニアの2年生・鈴木嘉基です。浜松南リトルに在籍した昨年、世界リトル選手権に出場し、本塁打王(3本塁打)と打点王(10打点)を獲得。準優勝に貢献した超逸材です。
 この大会は4番サードで出場。2回戦の三島田方シニア戦では、2打席目に鋭いライナーでセンター前へ。低く伸びる弾道にビビりました。さらに、3打席目には右中間を抜く二塁打を放ちました。
 軸のブレが少なく、フォロースルーの大きなスイング。体にキレが出てくれば、とてつもない選手に育つ可能性もあるでしょう。今後も見ていきたい選手であるのは間違いないです!

<写真/上から松田翔真(浜松シニア)、落合順也(小笠浜岡シニア)、小澤怜史(静岡裾野シニア)、鈴木嘉基(浜松南シニア)>

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