育成から這い上がる~森下宗のショートヒストリー②
「自分はエリートではないので、下から這い上がっていきたい」。中学、高校と無名の選手が地道な努力の末にたどり着いたプロ野球選手への扉。11月9日、森下宗(つかさ)は名古屋市内のホテルにて広島カープと仮契約を結びました。
「契約書に印鑑を押して、カープの帽子をかぶった瞬間、実感がわきました」という森下に今後の目標を聞いてみました。
「早く支配下登録されるように頑張っていきたいです。中日の大島(洋平)選手のように足でアピールしていきたいです」。
僕が訪ねた日は、後輩と一緒にバッティング練習を行っていました。バットを高く構え、少しオープン気味のスタンスから球をとらえるポイントは後ろ気味。「逆方向への打球を意識している」と本人がいうように、鋭い打球がセンターからレフト方向に飛んでいきます。
「松本(奉文)スカウトから、“三遊間にボテボテのゴロを打てる練習をしておくように”と言われています。逆方向に転がせば、内野安打の可能性が高くなると思いますので」。
森下の場合、安打を稼ぐには球を転がして、自慢の足を生かすのが近道。まず、この長所を磨いているそうです。
さらに、厳しい広島の練習を想定し、全体的なパワーアップにも励んでいるとのこと。1月の合同自主トレから、自分の武器をどんどんアピールできそうです。
最後に愛知工業大・奥田好弘監督から森下に向けて、贈る言葉をいただきました。
「彼の場合、真面目すぎるほど真面目。それは彼の長所でもあるのですが、指導者の言葉を全部こなそうとしてしまうところがあります。やはり、プロにいったら、そのあたりの取捨選択も大切になってくるのではないでしょうか」。
そう心配しつつ、奥田監督は、プロで活躍する日を待ちわびているようでした。
☆ ☆ ☆
今回の取材で、森下の練習風景を観察していると一人の巨漢選手が目につきました。森下の掛川工時代からの後輩・内山紳です。巨漢と書きましたが、高校時代と比べると、少しスリムになった印象です。(リーグ戦のパンフレットでは184cm110kgとなっていますが、現在は100kgを切っているとのこと)。2年生ながら今秋のリーグ戦では数試合で4番を任され、4安打を放ちました。
大学に入ってもパワーは健在。バッティング練習を見ていると、確実性は低いものの、滞空時代の長い打球がピンポン玉のように飛んでいきます。まるでプロの打球を見ているようでもありました。
森下と同様、内原も「一芸」を持っています。ぜひ、残りの2年間で飛躍し、先輩に続いて欲しいです。(編集部・栗山)
<写真上/1年目から支配下登録を目指す森下宗(愛知工業大)>
<写真下/左から矢部真吾氏(前掛川工監督)、森下、内原紳(愛知工業大)>
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