育成から這い上がる~森下宗のショートヒストリー①
掛川工出身の愛知工業大・森下宗(つかさ)が育成ドラフト会議2巡目で広島東洋カープに指名されました。先日、契約を交わし、背番号は「136」に決定。現在は愛知工業大で練習を積んでいるという森下に、直接会ってみたいと思い、グランドにお邪魔してきました。
グランドに着くと、早速、マネージャーが出迎えてくれました。挨拶が一通り終わったあと、「森下君って、マネージャーさんから見ると、どんな選手ですか?」と聞いてみました。すると、こんな答えが。
「森下さんは、指名を受けたあとにも変わらず、誰よりも早くグランドに出てきます。4年生でシーズンが終わってるのに練習も率先してやるし、凄いと思います。もちろん、グランドを後にするのも最後です」。
練習熱心という話は聞いていましたが、そこまでとは…。奥田好弘監督も「例えば、“走っておけ”といえば、いつまでも走っているタイプ。そういう純粋さや真面目さが道を切り開いたんでしょう」。
そんな森下に、まずは高校時代の思い出から尋ねてみました。
「矢部真吾先生(前掛川工監督)から、“とにかく体を大きくしろ”と言われ、食事をたくさん取り、トレーニングに励んだことが印象に残っています。高校に入ったときは細かったのですが、3年間で大きくなりました」。
高校3年夏は2回戦敗退も、3番打者として2試合で3安打1打点をマーク。身体能力の高さを買われ、愛知工業大に入学しました。
大学では1年時からベンチ入り。下級生時には投手も経験します。左肩の故障に苦しみながら、3年秋にはトップバッターとしてリーグ2位となる打率.349をマーク。ベストナインも獲得し、スカウトの注目を集める存在となりました。
「小学校の頃から常に上のレベルでやりたいと考えてきました。本当にプロを意識したのは、大学3年生の秋のシーズン後からです」。
4年春、森下のプレーにプロのスカウトや社会人関係者の注目が集まりました。ところが、打撃フォームを崩したことで、打率.159と低迷し、チームもまさかの2部転落。チームは秋も波に乗れず、2部で4位という結果に終わりました。
ただ、森下は打てないときでも50m5秒8という快足を生かした守備範囲の広さ、一塁までの全力疾走で猛アピール。ドラフト前には3球団から調査書が届きました。
そして10月25日。広島が育成ドラフト2巡目で指名。当日、森下は寮の部屋で待機していたそうです。
「部屋でパソコンでチェックしていました。ずっと更新を押していたのですが、自分より先に後輩が見つけて。後輩が“おめでとうございます”と言って自分の部屋に入ってきて、初めて分かりました」。
その瞬間、育成ながら、「広島カープ森下宗」が誕生しました。(編集部・栗山)
<写真/広島が育成ドラフト2巡目で指名した森下宗(愛知工業大)>
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コメント
真面目にコツコツ!一番大切なことだと思います。努力が実って良かったですね!
投稿: 野球少年のママ | 2012年11月17日 (土) 12時54分