静岡を巣立つ高校球児~大友伸久編・上
好評連載中(のはず!)の「静岡を巣立つ高校球児」。編集部Hが、卒業後も野球を続けることが決まっている高校3年生たちに会いに行きます。(第1回中澤彰太編、第2回藤山知明編)
第3回は流しのブルペンキャッチャーこと安倍昌彦さんをして、「ただものじゃない」と言わしめた遊撃手・大友伸久(島田樟誠3年)。堅実に見えて、大胆な守備が目を引きました。卒業後は岐阜経済大に進学する大友のインタビューを2回にわたってお届けします。
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静岡を巣立つ高校球児~大友伸久編・上
★誰も知らない環境に挑戦
奈良県奈良市に生まれた大友は7歳の時に野球を始めた。小学生の時に守っていたのは主にキャッチャーだったそうだ。「練習試合でキャッチャーやってみろって言われて、そこからずっとキャッチャーでした。肩が強いとかそういうわけでもなく」と、たまたま守った守備位置だった。
中学では、ボーイズの南都エンゼルスに所属し、ショートを守り始める。高校進学に際しては、関西から誘いも多かったが、静岡の島田樟誠に進学することを決めた。後に島田樟誠のエースとなる五條ドラゴンズの平尾光二を見に来ていた島田樟誠の部長に声をかけられたことがきっかけだったそうだ。縁もゆかりもない静岡に来ることに対して、「奈良を出たいというのがあったので。知り合いも多いし、あまり面白くないかなと。誰も知らない環境に行きたかった」という。
最初は話し方の違いや男子校という環境に驚きもあった。しかし、1年夏にはショートのレギュラーとなり、背番号6をつけて出場した。学校としても島田学園から島田樟誠と校名を変更して初めての夏だったが、大友の活躍もあり、2回戦に進出した。
★花嶋修平の凄み
大友が2年だった昨夏、島田樟誠は初戦で磐田東と対戦し、コールド負けを喫した。この年、準優勝を果たした磐田東。その強力な打線の3番を打っていた花嶋修平(現JR東海)に大友は大きなインパクトを受けた。「花嶋さんはめっちゃ雰囲気がありました。打たなくても警戒しないといけないというか。その一人の存在感で、チームとして警戒してしまっている時点で、もう負けてると思います」。打席に立っただけで、相手に警戒感を持たせる。自分もそういう存在になりたいと思ったそうだ。
花嶋を含め、一つ上の世代はすごかったという大友が、印象に残っている投手は静清の野村亮介(現三菱重工横浜)。「角度にはびっくりしました。打ちにくいのはわかってたんですけど、打てなかったですね」と苦笑いした。
★敗戦の悔しさで決意
3年生たちが引退し、最上級生になった2年秋に、大友が一番印象に残っている試合があるという。敗者復活戦から県大会出場を決めた時の静岡商戦だ。1-0と僅差で県の強豪校を打ち破った。静岡出身の選手ほど、「静商」という名前にプレッシャーは感じなかったというが、「一番緊張したんじゃないですかね。チャンスは向こうがけっこう多くて、こっちはピンチばかりだったんですけど。0点で切り抜けて勝てたっていうのが印象にあります」と振り返る。
秋の県大会では2回戦で敗退したが、翌春の県大会にも出場した。しかし、その県大会で大友は手首を痛め、スイングすることにも苦労するほどになった。練習試合では本来の右ではなく、左打席に入りしのいだが、最後の夏に完璧な状態に戻すことはできなかった。本来のバッティングができないまま、島田樟誠は2回戦で市立沼津に0-10と大敗した。試合後に学校のグランドでセレモニーが行われたが、終わると大友はすぐに1年生にティーを上げてもらって練習をしたそうだ。「やりきったというかんじはなかったですね。悔しかったです」。高校野球を満足する形で終えられなかった悔しさに、「やらなあかん」という思いが芽生え、大友は大学で野球を続けることを決心した。そして選んだのが岐阜経済大だった。
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