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2013年1月24日 (木)

静岡を巣立つ高校球児~夏目旭編・上

 好評連載中(のはず!)の「静岡を巣立つ高校球児」。編集部Hが、卒業後も野球を続けることが決まっている高校3年生たちに会いに行きます。(第1回中澤彰太編第2回藤山知明編第3回大友伸久編第4回小林弘郁編番外編渡邉隆太郎第5回今本茂雄編第6回増田友輔編
 第7回は、高林良洋監督が「宇宙人みたいな奴」と表現する大型左腕・夏目旭(浜北西3年)。卒業後は至学館大に進学する夏目のインタビューを2回にわたってお届けします。

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静岡を巣立つ高校球児~夏目旭編・上

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★突然ピッチャーに
「野球を始めたきっかけ、ないです」。夏目旭は、父とキャッチボールをするうちに、「本物の野球を見に行くか」と誘われ、少年野球の練習を見に行った。そして、気づいたら、そのチームに入っていたという。それが小学4年の時で、主に一塁を守った。
 清竜中でも一塁手を務めていた夏目。投手としての第一歩は、中学野球を引退して、浜松トレセンに参加した時に踏み出した。当時から180センチ近くあり、左投げとあって、当然、指導者は投手をやらせてみたくなる。夏目は突然、投球練習をするように言われ、それまで一度も練習をしたことがなかった投手として試合に登板した。「フォームも自由にやってて。コントロール不安だったので、7割ぐらいでキャッチボールの感覚で投げました。それがまあまあいいかんじで」。
 そうして誕生した長身左腕に、近隣の高校からの誘いは多かった。その中でも、「浜北西復活の為に、力を貸してほしい」と浜北西の外部コーチである島崎康一氏に強く誘われ、夏目は浜北西に進むことに決めた。

★投手・夏目旭の夜明け前
 清竜中では校庭100周も当り前で、昼休みには懸垂50回を科せられるなど厳しい指導を受けていたという。だから、浜北西に入学して、高校野球が始まっても、「練習時間は長かったんですけど、そんなに苦にはならなかったです。1カ月ぐらいずっと走ってるのかと思ったら、最初からボール触らせてもらえたし」と、楽しい高校野球生活のスタートを切った。チーム自体も、明るい雰囲気で、仲が良かった。
 しかし、投手としての芽はなかなか出なかった。1年の冬からは一塁を守り始め、2年から3年春までは大半の試合で一塁を守った。打撃を生かしての一塁転向というよりは、「打たれる時期があるじゃないですか、やっぱ。その時期が長くて、監督もしびれを切らしちゃったっていうか」と振り返る。
 2年秋には背番号1をもらい、復活する足がかりをつかんだかに思えた。しかし、敗者復活戦の聖隷クリストファー戦で先発した夏目は、序盤に四死球で崩れて大量失点。コールド負けで県大会出場を逃した。「ほぼ自分のせいで負けたようなものなので、本当にもう投手やめようかと思いました」と落ち込んだが、秋を過ごしていくにつれ、自分がやるしかないと思い直した。

★1日6食で10キロ増量
02_2 その冬に、高林監督と島崎コーチに「10キロ太れ」と言われた夏目。当時の体型は182センチの身長に対し、体重は60キロ程度。野球部員どころか、一般の高校生としても細い方だった。
「自分、けっこう食うんですけど、横にでかくなんないんですよね。女子には羨ましがられるんですけど」。食が細いわけではなく、回転寿司に行けば25皿に加え、茶碗蒸し、うどんにデザートまで食べるという。しかし、この冬には、とにかく食べて食べて食べまくることを誓い、1日6食という食生活を決行した。朝食を食べ、登校して部室でおにぎりを3つ食べ、昼に大きめの弁当を食べ、部活前におにぎりを3つ食べ、帰宅して夕食を食べ、寝る前に夜食を食べる。飲み物も牛乳かプロテインを摂った。夏目の弁当のためか、気がつくと自宅の炊飯器が2つになっていたという。
 「3年間で一番きつかった」というその食生活を続けた甲斐があり、一冬で10キロ増量に成功。現在は1日3食に戻っているが、68キロを保つ。「大学では一人暮らしなので、ご飯を炊いて、おかずに麺で…。太りたいんで、炭水化物と野菜ばっか摂ります」と、今後はさらなる増量を目指している。

★4番・エースの夏
 体重も増えて迎えた最終学年。その年の5月に行われた至学館との練習試合を、高校時代で一番印象に残った試合に挙げる。至学館は2011年夏に甲子園に出場し、秋の東海大会では静岡商を撃破。強打者・手崎椋介などが並ぶ強力打線に対し、夏目は8回までを1失点に抑えたという。「9回にエラーとかで崩れて6-3で負けたんですけど、8回までは出来すぎみたいな、自分の思った以上にいいピッチングができて。それで、夏まで自信を持って投げることができました」。その好投を機に、夏目は上昇気流に乗った。
 1番をつけて挑んだ最後の夏は、緊張して何日か前から食事も喉を通らなくなったというが、初戦で田方農を相手に完封勝利。「緊張して、荒れ荒れでしたね。大会で投げるなんて思ってもいなくて。一人打ち終わるまでずっと緊張してました」と、あまり納得のいかない投球だった。2回戦の菊川南陵戦は初戦よりはいい状態で迎えられたものの、敗退し、夏目の高校野球はそこで終わった。

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 続編は近日中にアップします!(編集部H)

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