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2013年2月 7日 (木)

静岡を巣立つ高校球児~天野竜編・下

 オフシーズン企画として始まった「静岡を巣立つ高校球児」。編集部Hが、卒業後も野球を続けることが決まっている高校3年生たちに会いに行きます。
 前回に引き続き、天野竜(春野3年)編です。 「静岡を巣立つ高校球児~天野竜編・上」はコチラ

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静岡を巣立つ高校球児~天野竜編・下

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★日本福祉大の熱心な誘い
 小学生の頃からずっと一緒にやってきたメンバーと3年間高校野球をやって、卒業後は働くという将来を描いていた天野は、前任の部長に大学で野球をやることを勧められるまで、続けるつもりはなかったという。その勧めも最初は受け流していたが、大学野球の映像を見るようになり、「やってみたいなと思うようになりましたね。自分の力がどこまで通用するのかっていうのが、すごい知りたくなりました」と挑戦を決めた。
 どこからも誘われなければ就職しようと決めていたが、3年夏が初戦敗退で終わった後に、いくつかの大学に声をかけられた。その中でも、総監督が春野まで足を運んで誘ってくれた日本福祉大に心が動いた。一番熱心に、自分を必要としてくれるという嬉しさを感じたという。大学を見学に行った時に、周囲に山があり、春野と少し似た雰囲があったことも気に入った。そして、浅尾拓也(中日)の母校として有名な日本福祉大への進学を決めた。

★引退してからの練習試合
 最後の夏が終わってからは木製バットに慣れることに取り組んでいる。フォーム自体は大きく変えていないが、しっかり飛ばすために、スイングの軌道を考えるようになった。体の近くを通し、バットの先を早く出すように心がけている。
 天野の代が抜けてから、部員が9人を割ってしまった春野では、引退した後も貴重な人員として練習試合に参加することができた。木製バットを構える3年生に対しても、試合となれば相手投手は真剣勝負で抑えにくる。「終わってからの実戦っていうのはすごい貴重なことなので、すごいいい経験させてもらいましたね。自分の打ち方っていうか、感触っていうのもすごいわかりましたし、やらなきゃいけないことっていうのもわかった。それをやったからこそ木ではバットの当て方っていうのも考えるようになりましたね。この高校で、人がいないからこそやらせてもらった体験でした」。

★捕手として
 小学6年から捕手一筋の天野にとって、野球といえば防具をつけてするもの。他のポジションで、防具をつけずにグランドに立つことは、不自然に感じるほど落ち着かないという。しかし、大学ではどこを守ることになるかわからない。「いろんな条件があって、大学の考えもあって、ポジション移動っていうのもあるので。引退してからはなるべくキャッチャー以外のポジションでノックを受けるようにして、慣れるようにしてました。そのままキャッチャーがやれればそれは一番いいことなんですけど」。
 捕手として大切にしていることは捕ってから投げるまでのスピード。「そんなに肩が強くないというか、周りの学校の人より筋力的に劣ったりしていたので、低く、早く投げようと言う気持ちで昔から投げていましたね」。練習試合や動画サイトなどで、足の使い方や捕ってからの流れを気にしながら、色々な捕手のスローイングを見るようにしている。それらも参考に、春野で捕手をやっていた兄にアドバイスをもらいながら練習するうちに体の動きも良くなったそう。
 課題として考えているのはコミュニケーション。相手の考え方を理解することが捕手には大切だと考えている天野は、話す能力を磨きたいという。ずっと一緒にやってきた仲間とは言葉に出さなくても、ある程度考え方もわかっていた。しかし、今後、知り合う投手たちとは、最初から阿吽の呼吸というわけにはいかない。相手と話し込み、性格や考え方を理解することで、リード、配球に生かしていく。
 大学野球への準備は進むが、春野で野球をやってきた天野にとって、愛知リーグ2部は未知の世界だ。見たことのないような速球や、キレのある変化球が増えることは覚悟している。レベルの高い野球を、見るだけではなく、参加できることは楽しみでもある。

★天野竜からのメッセージ
Alim1643 最後に、現役球児へのメッセージを聞いた。「一日一日っていうのを無駄にしないでやってほしいし、野球を好きでこれからもやってほしいなと思いますね。入った時は2年半長そうだなって思ってたんですけど、あっという間だったなって。もうちょっとやりたかったなって」。インタビューをする目の前では、簡単に数えられる人数しかいない春野の部員たちが練習をしていた。小学生の時から同じチームだった後輩がほとんどなだけに、天野の思いも強い。「2年生の子らが3年生になった時で、春野高校という名前で野球をやるのが最後になるんで、頑張ってほしいですね。もっと一生懸命やって、上手くなって、勝ってほしいなと思いますね」。平成26年に学校再編で校名が変わる母校の勝利を期待する。
 少人数でも必死に頑張る後輩たちに負けじと、天野も日本福祉大に合流する日に向けて、黙々と走り込んでいる。「ここはめっちゃ走るぞ、よく選んだなって先輩の方に言われたので」と笑う。環境も、レベルも大きく違う場所に飛び込む天野は最初から結果を出せるとは思っていない。1年目は歯を食いしばって、もがいてでもついていこうと決めている。 
 その後には、初めて経験するポジション争いも待つ。困難は多いが、将来は社会人、プロでやりたいという夢もある。気持ちだけは負けないことを誓い、深緑の山林に囲まれた春野から青い海の広がる知多半島に向かう。

杉山暢啓監督からの贈る言葉
後輩との練習でも、段違いの打球を飛ばしています。日本福祉大の練習に参加させてもらったときも、バッティングは評価してもらったようです。ただ、守備は「イチから」だと言われているそうです。苦労も多いと思いますが、ケガには気をつけて頑張って欲しいです。

■天野竜[あまの・りゅう]
捕手/春野3年/180cm85kg/右投右打
小学1年で野球を始め、小学6年で本格的に捕手となる。春野中から、両親・兄も通った春野高に進み、1年夏からレギュラー。恵まれた体格を武器に、日本福祉大で大成を目指す。

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 日本福祉大の新2年には阿部智弘(磐田東出身)や家現恵介(浜松市立出身)がいます。阿部はすでにリーグ戦デビューも果たしているので、今年は大きな期待がかかります。
 『天野竜』という名前を初めて見た時、その見栄えのするかっこよさに惹かれました。ということで、由来を聞いたところ、「聞いたことないですね…。名前もそんなふうに言われたことないです」とのこと。「誕生日の方がよく突っ込まれます」と続いた天野の言葉に、書いてもらったアンケートに目を落とすと、平成6年6月6日生まれ。確かに、忘れられなくなりました。
 最終回は国立大学で文武両道を目指す左腕。最後までどうぞお付き合い下さい。(編集部H)

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