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2013年3月

2013年3月28日 (木)

27日より春季東部大会が開幕!

 昨日27日から春季東部大会が始まりました。甲子園で勝ち進む常葉学園菊川に後ろ髪を引かれつつも、「静岡高校野球」編集部は、「静岡高校野球2013」のために、精力的に地区大会を回っています。
 所用で東京に行っていた編集部Hも静岡に戻りがけに愛鷹球場に寄ったそうで、「ちょっと忙しいので、またメールします。土曜からは平常営業で頑張ります」とのことです。Hさんのレポートをどうぞ。

※              ※              ※

沼津城北2ー1田方農
富岳館8ー4伊東商
市立沼津5ー3伊東

 第1試合は沼津城北が9回に後藤直紀(新3年)のサヨナラタイムリーで勝利しました。栗山さんが「面白いよ」と言っていた沼津城北のエース左腕・杉山有輝(新3年)は調子は良くなさそうでしたが、9回には3者三振でサヨナラへの流れを呼び込みました。

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 第2試合は富岳館が快勝。富岳館は昨春、昨夏と試合を見たのですが、気になっていたのが4番捕手の高山魁世(新3年)。がっしり体型で、打球の角度がいいので印象に残っていました。この日も初回に2死三塁から先制のセンターオーバー二塁打。バックスクリーンへグングン伸びる打球で、柵越えするんじゃないかと思うほどでした。スイングが豪快で、しっかり振り切るので、打球が伸びますね。
 捕手としては後ろに逸らすことが少ないので、投手も安心して投げられたと思います。ファウルフライを取れずに悔しがったり、ガッツ溢れるプレースタイルも好きです。押し出すようなスローイングは少し気になりますが、判断力が良く、そこで補っていますね。

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 第3試合は昨秋2回戦と同カードで、今回も昨秋同様、市立沼津が追いすがる伊東から逃げ切りました。昨年は小林弘郁、後藤魁の両エースに今村亮が控えた投手陣に、打線も下級生時から出場する選手が多く、県でも結果を出していた市立沼津。全く面子が変わり、秋は県大会出場を逃していただけに、この春の陣容が気になっていました。
 市立沼津の先発は大川綾太(新3年)。初めて見たのですが、昨夏の時点で182センチ75キロという体格で下半身もしっかりしています。フォームに大きな欠点もなく、高めのストレートに威力がある本格派。この投手が2年夏まで3番手にもなれなかったということが衝撃です。今後、制球力や、変化球の精度が増してくるのが楽しみですね。9回にはミスも絡んで3失点となりましたが、前半は球威で押して寄せ付けませんでした。
 また、市立沼津は二塁を守る大竹裕太(新3年)の守備がよかったですね。昨年の内野大暉も上手かったですが、大竹も打球に追いつくだけでなく、アウトにする正確な送球ができる選手です。

※              ※              ※

 Hさんありがとうございました。僕も富士球場から愛鷹球場に移動して、市立沼津対伊東の試合を後半だけ見ました。大川に「こんな投手がいたのか」と驚きましたが、Hさんに「前半はもっと良かったんですけどね」とあっさり言われました。

<写真上/どっしりとした下半身から大きなスイングで打球を飛ばす高山魁世(富岳館)>
<写真下/体格にも恵まれた本格派右腕・大川綾太(市立沼津)>

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2013年3月24日 (日)

波乱の西部地区大会2日目

 今日の浜松球場第1試合では、浜松北が強豪・浜松工を8対2で下しました。
1303241 大金星の立役者は先発の石田大地。右サイドからキレのあるボールを投げ込み、2失点の完投勝利でした。初回から毎回のように走者を許しましたが、粘って粘って、得点を許しませんでした。その石田の良さを引き出していたのが、キャッチャーの大石雅也です。守っているときの雰囲気がいい選手で、リードも巧み。強打の浜松工打線の打ち気をそらすように、サイドの特性を生かし、内外角をうまく突いている印象でした。
 打線は3回に相手のミスもあり、一挙5点を先制。序盤で浜松北に流れを持っていくと、その後も、効果的に得点を加えていきました。相手の本格派右腕、樽井健一郎に対して、全く臆することなく向かっていった浜松北打線。1番から9番まで、とにかくコンパクトにバットを振り抜き、見ていて心地よかったです。
  一方、敗れた浜松工は先日センバツ出場の常葉学園菊川との練習試合で3対1で勝利するなどハイレベルのチーム。僕は西部地区大会の優勝候補と目論んでいただけに、まさかの初戦敗退でした。
 浜松工にとっては新チームになってから初めての公式戦。試合前の練習では選手がイキイキとし、気持ちが全面に出ていましたが、逆にそれが力みにつながったのかもしれません。あらためて、公式戦の難しさを感じました。

 第2試合では浜松市立と浜松開誠館が対戦。浜松市立が7対5で勝利しました。
1303242_3 浜松市立の藤田裕光監督は3月いっぱいで浜松市立を離れ、4月より天竜中の教頭を務めることが決まりました。
 2006年に野球部を立ち上げ、創部4年目の春には県大会で静岡高、常葉学園菊川を撃破してベスト4に進出した藤田監督。毎年、攻守にまとまった好チームを作り上げていました。また、昨年は女子選手を受け入れるなど、懐の深さも魅力的な監督さんでした。
 高校野球界から去るのは惜しまれますが、新たな舞台での活躍を祈っています。ただ、初戦を突破したことで、31日の3回戦で最後の指揮をとるとのこと。相手は聖隷クリストファーか浜松学院。どちらがきても、注目の好カードになりそうですね。
 敗れた浜松開誠館は、9回に4点を挙げて、最後は2点差まで詰め寄った粘りは見事でした。今後は先日、就任会見を行った名将・磯部修三氏が監督を務めます。パンチ力抜群の宮本翼、攻守の引馬光平、速球派右腕の高部佑哉と楽しみな新2年生がいるだけに、「磯部マジック」でどうチームが変貌を遂げるのか。じっくりと見守っていきたいと思います。(編集部・栗山)

【浜松球場の試合結果】
浜松北 8-2 浜松工
浜松市立 7-5 浜松開誠館
二俣 6-2 湖西

<写真上/丁寧な投球で浜松工を2点に抑えた石田大地(浜松北)>
<写真下/熱血指導でチームを強化した藤田裕光監督(浜松市立)>

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2013年3月23日 (土)

春季西部地区大会が開幕しました!

 今日から東部・中部に先駆けて、春季西部地区大会が始まりました。秋は県大会を逃した聖隷クリストファーや掛川西が早速登場。共に快勝し、2回戦に駒を進めました。編集部Hは浜松球場に行ったそうですが、「所用で東京に戻らないといけないのでメールでちょっと報告します」だそうで、懐かしの(?)形式でお届けします。

※        ※        ※

浜松湖南 5-2 新居
浜北西 21-1 浜松大平台(5回コールド)
遠江総合 7-0 引佐(7回コールド)

Img_6620 第1試合は1点ずつ着実に加点した浜松湖南が新居に勝ちました。栗山さんが「絶対に見た方がいいよ」という熊川堅清(新3年)が先発しましたが、一年前と比べて体がしっかりして、小柄な印象がなくなっていました。チェンジアップが武器の右腕は、テンポも早ければ、フォームも速め。かぶせるように力強い腕の振りはストレートも変化球もあまり変わりません。昨秋、鈴木翔太(聖隷クリストファー)に投げ勝っただけありますね。ただ、今日は高い球もちょこちょこあり、絶好調ではなかったと思います。

 浜北西が大勝した第2試合は浜北西の1番打者・児玉康平(新2年)がよかったです。なんと5打数5安打、全部の出塁で生還するラッキーボーイぶり。本塁打が出ればサイクルでしたが、ベンチから「サイクル狙え」と煽られても打ち急いだり大振りせずに、しっかり見極めて、突っ込まずに打てるのが好印象でした。
 浜松大平台は昨秋県大会まであと一歩のところまでいったチーム。今年に入って冴えないのが気になります。秋に勝ったということは地力があるということ。夏までに立て直してほしいですね。

Img_6721 第3試合は遠江総合が相手のミスを見逃さず、コールド勝利。先発した原田瞬矢(新3年)は小柄ですが、低めに伸びのあるストレートを投げるんですよ。7回完封も立派ですが、毎回の9三振を奪いました。変化球も低め低めに決まっていて、きわどいところを狙って見逃し三振がとれるのがいいですね。
 栗山さん注目の川波達希(新3年)も活躍しました。闘志が前面に出る選手ではありませんが、スイッチが入った時のプレーはやはり魅力。178センチの身長で、相手のミスを突く大胆な走塁に、軽いスイングから鋭い打球。足をしっかり上げる走り方がかっこいいので、いつも全力で走ってほしいのですが。センスは周囲も認める選手ですし、なぜかおいしいところを持っていく巡り合わせもある好素材。もっと欲を出してもいいと思います。

※        ※        ※

Hさんありがとうございました! ちょっとメールしますと言いつつ、やけに長かったですね。

<写真上/スライダーのキレもよく、前でボールを放せる熊川堅清(浜松湖南)>
<写真下/小柄でも全身を使って投げ込む原田瞬矢(遠江総合)>

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2013年3月22日 (金)

常葉学園菊川が初戦突破!

 常葉学園菊川が春江工(福井)を9対5で下し、初戦突破しました。大会前の練習試合では得点を奪えない試合が続いていて心配していたのですが、甲子園でプレーすると、常葉学園菊川はやっぱり違います。特に、桒原樹がバックスクリーンへの本塁打を放ったときには嬉しかったです。

 さて、常葉学園菊川の勝利の興奮冷めやらぬ中、明日から春季西部地区大会が開幕します。『静岡高校野球』編集部では、今年も一人でも多くの注目選手を探していきます! どんな選手と出会えるのか、今からワクワクしています。(編集部・栗山)

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2013年3月20日 (水)

練習試合 磐田西vs沼津工

★3月20日 練習試合 金谷高グランド 晴   

 チーム
沼津工 0 0 1 0 0 4 0 1 0 6
磐田西 4 0 2 1 0 2 0 1 × 10

 金谷高のグランドで磐田西vs沼津工の練習試合を見てきました。金谷高グランドには初めて行きましたが、レフト側のグランドを見下ろす場所にお寺と墓地があり、将来はこういう所に埋まりたいと思ったりしました。

Taira

 1試合目の金谷戦で8-1(7回コールド)と快勝した磐田西は、沼津工戦でも打線が快調で、初回に4点を奪うとその後も得点を重ね、2連勝。23日に開幕する春季西部地区大会に向け、弾みをつける結果になりました。
 磐田西は3番を打つ外野手の平善嗣(新3年・172cm63kg/右投左打)が良かったです。風の噂で「平って子がいいよ」と聞いていたので、気になっていたのですが、金谷戦ではフェンス直撃の二塁打、沼津工戦では左中間を越える三塁打といきいきとしたプレーを見せました。体ごと回転するようなフォームで、きれいなレフト前などは期待できない分、くらいついてどんなボールでも右方向にいい打球を飛ばしてきます。打席で「打つぞー打つぞー」というかんじのワクワクした雰囲気も魅力。金谷戦では先発マウンドに立ち、力のあるストレートとカーブを組み合わせて好投しました。

Terada

 平とは反対に、素直なスイングでセンター方向へうまく運ぶのが4番の寺田佳生(新3年・178cm65kg/右投右打)。エースですが、最近は調整中ということで、外野で先発出場しました。走り方もきれいで目を引く選手です。沼津工戦では最後の1回に登板しましたが、下半身があまり使えていない割に、上半身は開かず、きれいに腕を振り下ろしてきます。マウンドが似合うので、今度は先発で見たいですね。
 2人をリードした大類慧士(新3年・174cm71kg/右投右打)もなかなか肩が強い捕手。逆方向に打ったり、上手いバントを決めたり、器用さもありそうでした。

 沼津工は先発の村井優太(新3年・187cm71kg/右投右打)の大きさにビックリ。ただ、膝が流れてしまうフォームで体が開き、球も高めなので角度を感じられないのが残念なところ。細身ですが、打者としての打球の強さを見る限り、投手としてももっと威力のあるボールを投げられるはず。県内にあまりいない長身投手なだけに、春から夏にかけての成長に期待したいです。(編集部H)

<写真・上/駒のように回転する平善嗣(磐田西)>
<写真・下/昨夏から背番号1を背負う寺田佳生(磐田西)>

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2013年3月19日 (火)

オープン戦 JR東海vsヤマハ

★3月19日 オープン戦 ヤマハ豊岡グランド 晴   

 チーム
JR東海 5 1 1 0 0 0 0 0 0 7
ヤマハ 0 0 2 1 1 1 0 0 2 7

 ヤマハとJR東海のオープン戦を観戦してきました。ヤマハの先発は武内仁志でしたが、今日は球が高く、守備の乱れなどもあり、3回7失点で降板。序盤で7点のビハインドを背負ったヤマハですが、本塁打5本で9回に追いつきました。勝ち越しはならなかったものの、粘りがよかったです。
 その5本塁打のうち2本を打ったのが柳裕太。最近、すごすぎます。3年前ぐらいから、打撃は安定して良くなっていましたが、今年は毎試合のように長打を打っています。以前は重量打線のお祭り野球という強い個性を放っていたヤマハですが、右島学監督になってから、スピードのある打者が並び、チームカラーも変わってきています。その中で柳、佐藤二朗の存在が、打線に「軽い」印象を与えず、対戦相手にとっての怖さも維持しています。
 逆にスピードを象徴する選手が永田英之。ショート守備でも攻撃でもスピード感溢れるプレーに磨きがかかっています。レフト前に抜けるかという当たりに追いついただけではなく、しっかり送球してアウトにするのが素晴らしいです。

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 今日は、そうやってヤマハの選手の魅力を改めて感じたのですが、目当てはJR東海の花嶋修平でした。磐田東から入社して2年目を迎えます。編集部・栗山から最近、調子がいいという話を聞いていたので楽しみにしていました。磐田の出身だけあって、今日の観客席は花嶋目当ての人でいっぱいでしたね。
 花嶋は5回にショートとして出場。いきなり悪送球でエラーを記録しましたが、その後は問題なく守備をこなし、8回に回ってきた打席では2ストライクからうまく合わせてセンター前安打。1打席だけでしたが、その限られた機会にしっかり安打を打てたのがよかったです。
 去年から今年にかけて、高校3年生に話を聞く機会が多かったのですが、花嶋と対戦したことのある選手は口を揃えて、「花嶋さんのオーラはすごかった」と言っていました。その花嶋オーラを社会人でもまとえるよう、今年も頑張ってほしいですね。ライバルも増えますが、「静岡高校野球」編集部は花嶋を応援しています!(編集部H)

<写真>来年はドラフト候補に成長してほしい花嶋修平(JR東海)

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2013年3月18日 (月)

オープン戦 ヤマハvs専修大

★3月17日 オープン戦 ヤマハ豊岡グランド 晴   

 チーム
ヤマハ 0 0 1 2 1 1 0 1 1 7
専修大 0 2 0 0 0 0 0 0 0 2

 浜名高のグランドで練習試合を見た後、車で10分ほどで行けるヤマハ豊岡グランドに移動。この日のヤマハは専修大とのオープン戦を行っていました。専修大といえば、ヤマハには右島学監督をはじめ、青柳直樹矢幡勇人らOBが多く、また県内には大物OBも多いので、ネット裏は大変賑わっていました。

1203171 専修大のスタメンを知ってまず驚いたのは、5番レフトに高崎健太(新2年)が入っていたこと。常葉学園菊川では、1番を打ち、165センチと小柄ながらそのフルスイングやパンチ力、そしてダダダダーと土を蹴る音が聞こえてきそうな勢いのある走塁が魅力の選手でした。
 まず第1打席に初球を高崎らしくセンター前に運ぶと、後の打者のタイムリーで先制のホームも踏みました。守っては、5回に2死二塁の場面でレフトからバックホームでダイレクト送球。見事、走者を刺すなど肩でも見せてくれました。思い切りの良さなど、いわゆる「常葉菊川らしさ」を残したまま、大学野球に対応し始めている姿が嬉しかったですね。8回に四球で出塁した際には、二塁塁審を務めていたヤマハの戸狩聡希に声をかけられる場面も。その時に二塁を守っていたのは町田友潤だったので、一帯の常葉学園菊川濃度が高かったです。
 春から東都リーグの1部で戦う専修大。神宮で高崎の姿を見られる日も近いと感じました。

 ヤマハの先発は2年目を迎えた大野健介。ストレートのスピードこそ、130キロ前後も、右打者の外に沈む変化球が有効的でした。専修大打線をうまく、泳がせていた印象です。
 野手では「長谷川雄一を初めて見た時の衝撃を思い出しました!」と編集部Hが興奮しながら教えてくれた新人の矢幡が良かったです。第2打席にセンター前安打を放つと、第3、第4打席は続けてライトへクリーンヒット。軸のブレが少ないフォームで、どんなボールにも対応できるところがいいですね。

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 また、8回からルーキー左腕の長谷川亮佑が登板。三重中京大時代は、則本昂大(楽天)と2枚看板として活躍。長谷川が大学4年生のときは三重中京大の閉校が決まっていて、部員は4年生のみ。ギリギリのメンバーで戦っていたため、長谷川は野手として出場し、快音を響かせていた変わり種です。
 この日の長谷川は2イニングを無失点。体全体を使った独特のフォームから、打者の手元で伸びるボールを投げていました。ただ、四球を3つ出したのは今後の課題でしょう。社会人相手だと、一つのミスが命取りになるだけに、できるだけ無駄な四球は避けて欲しいと思います。(編集部・栗山)

<写真上/高校時代から木製バットで練習していた高崎健太(専修大)>
<写真下/2年後のプロ入りを目指すルーキーの長谷川亮佑(ヤマハ)>

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2013年3月16日 (土)

練習試合 静岡vs東邦

★3月16日 練習試合 静岡高グランド 晴   

 チーム
東邦 0 1 0 1 0 0 1 0 0 3
静岡 0 0 2 0 0 0 0 0 0 2

 チーム
静岡 0 0 2 2 0 2 0 0 0 6
東邦 4 0 0 0 0 0 6 0 × 10

 今日は静岡高グランドで東邦対静岡高の練習試合を観戦しました。ともに秋季県大会を制し、東海大会でも優勝候補に挙がっていた両校ですが、初戦敗退。センバツ出場を逃し、春、そして夏に向けて調整が進んでいます。

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 1試合目の静岡高の先発投手は水野匡貴(新3年・182cm81kg/右投右打)。昨秋は登板機会が少なかったものの、冬から今春にかけて評価が急上昇。各球団のスカウトの口からも、「静岡の高校生は鈴木翔太(聖隷クリストファー)、高橋遥人(常葉学園橘)、そして水野が間違いなく候補に挙がってくる」とよく聞くので、この春、見たくてしょうがなかった選手でした。
 水野は体全体をしっかりと使って投げ込んでくる本格派右腕。がっちり体型でも、パワーに偏った印象はなく、剛も柔も兼ね備えています。下半身も柔らかく、体重移動がスムーズ。ただ、ストレートは体格の良さが生きた、力強さを感じさせるものです。鈴木翔のストレートがパーンと乾いた音をたてる快速球だとすると、水野のストレートは湿った、密度の高いビチッという音をたててミットに収まる重いボール。そのストレートを、低め低めに投げられるのがいいですね。そして、スライダーのキレも抜群。東邦打線はなかなかボール球を振ってくれませんが、水野の低めに滑り落ちるスライダーには体が泳ぐ選手も。
 結果は5回4安打2失点でしたが、安定感があり安心して見ていられました。もうちょっと長く見たかったぐらいです。藤枝明誠シニア時代には日刊スポーツ杯で鈴木翔(浜松シニア)に投げ勝ち、優勝を果たしている水野。鈴木翔も再戦したいチームとして静岡高を挙げているので、今度は高校野球を舞台に2人の投げ合いを見てみたいですね。

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 ただ、静岡高が夏を勝ち抜くには、やはり昨秋大活躍したエースの鈴木亮(新3年・173cm73kg/左投左打)や今日、2試合目に先発した藤田知也(新3年・168cm67kg/左投左打)ら左腕投手の活躍が不可欠。藤田は初回こそ球が浮いて4失点を喫したものの、2回以降は立ち直り、以降の4イニングは1安打無失点でした。テンポもとてもよかったです。打撃ではライトに本塁打も。鈴木亮といい、静岡高投手陣は打撃がいいです。
 彼らをリードする外山伊吹(新3年・178cm83kg/右投右打)は昨夏からの経験もあるので、今年もしっかり投手陣の力を引き出してくれそうです。また、打線で注目したいのは身体能力の塊・菊池啓太郎(新3年・183cm77kg/右投左打)。体格にも恵まれているので、今後の爆発が待ち遠しい選手です。
 ちなみに、東邦のお母さん方も静岡高の選手たちの体格には驚いていました(笑)今年のチームは身長もあるので、特に大型の印象があります。

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 と、春夏も楽しみな静岡高ですが、今日は東邦に連敗でした。東邦は、1年時から出場する選手が多い黄金世代。センバツ出場は逃したものの、間違いなく東海地区の上位に位置するチームです。
 三倉進が好きなので、東邦はマメに見ているのですが、見る度に好きな選手が増えます。今日一番印象に残ったのは捕手でキャプテンの松井聖。ベンチの一番前に立ち、声を出しまくっていました。強肩で打撃もいい好選手です。1番センターの関根大気も俊足で器用でいいですね。

 秋季県大会決勝で静岡高に大敗した常葉学園菊川が、東海大会で東邦に勝ち、東邦が練習試合とはいえ静岡高に連勝。高校野球は本当に勝敗が読めません。(編集部H)

<写真・上/スカウトがスピードガンやビデオカメラを構える中、好投した水野匡貴(静岡)>
<写真・中/本塁打も放った藤田知也(静岡)>
<写真・下/東邦ベンチの前で、声でも背中でもチームを引っ張る松井聖(東邦)>

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2013年3月15日 (金)

常葉学園菊川の初戦は春江工と対戦!

1303151_3 本日、センバツ大会に出場する常葉学園菊川の初戦の相手が春江工(福井)に決まりました。大会初日の第3試合です。      
 春江工は昨秋の北信越チャンピオン。さらに明治神宮大会でベスト4に進出するなど、初出場ながら実力のあるチームです。

 昨夏の甲子園では、常葉学園橘が同じ福井県勢の福井工大福井に敗退しているだけに、ぜひ、そのリベンジを果たしてもらいたいと思います!

 常葉学園菊川については、高校野球ドットコムのサイトで記事を書きましたので、そちらもご覧下さい。→http://www.hb-nippon.com/column/437-baseballclub/7488-20130223no93

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2013年3月13日 (水)

オープン戦 ヤマハvs東北福祉大

★3月12日 オープン戦 ヤマハ豊岡グランド 晴   

 チーム
ヤマハ 0 0 0 1 0 0 0 2 0 3
東北福祉大 0 0 2 0 0 0 0 0 0 2

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 昨日、ヤマハvs東北福祉大のオープン戦を観戦してきました。東北福祉大のスタメンには2番ショートに岩橋啓介(新4年)、5番サードに勝又稔生(新4年)と飛龍出身選手が2人も登場。まず最初に目立ったのは岩橋でした。3回に粘ってレフトに先制の2ラン本塁打。体格は176cm70kgとそれほど大きくはありませんが、甘い球はしっかりとスタンドに打ち込めるパンチ力があります。勝又も6回に右中間に三塁打を放つなど、2人とも結果を出しました。大学ラストイヤーを悔いなく完全燃焼してほしいです。
 また、5回には澁谷謙太(新2年)も登板。一昨年の飛龍のW左腕エースの一人だったので記憶に残っている方も多いと思います。父はヤマハの元コーチということもあり、2死からの顔見せ登板かと思いきや、5回の打者1人をしっかり抑えると、イニングをまたいで6回も3者凡退。7回に1死から四球を出して降板したものの、リーグ戦へ向けて猛アピールを見せました。

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 ヤマハの先発はドラフト候補の3年目・武内仁志。スカウトも真剣に見つめる中、ストレート中心の投球で6回12奪三振4安打2失点の快投を見せました。3回に岩橋に一発を浴びた後に、死球、四球と続きましたが、立ち直って4回から6回は無失点。球数は多かったですが、ボール球も低めに外れた球が多く、制球が悪い印象はありません。ストライクゾーンからボールになっていくスライダーがよかったですね。ストレートの球速は、盗み聞きしたところ、140キロ程度が多かったようですが、力感はありましたし、球速自体もこれから上がってくると思います。とにかく、空振りの取れるストレートなのが見ていて気持ちがいいですね。
 ヤマハは新人野手も出場していましたが、3番センターでスタメン出場した矢幡勇人には、長谷川雄一が出てきた時のようなインパクトを受けました。ライトとセカンドの間に落ちたポテンヒットを二塁打にしてしまう快足、送りバントの場面で、内野の間を抜くセーフティーを決めるセンス。ヤマハは池田祥大という韋駄天に、永田英之という俊足もいます。そこに矢幡が加わってくると、ヤマハの野球がさらに変化していきそうです。

 ちなみに、今日の一番の目当ては辻本一磨(新2年・飛龍出身)だったのですが、今回の遠征は帯同していないとのこと。ただ、キャンプでは元気に練習していたということで、リーグ戦での活躍を期待したいと思います。でも、辻本の華麗と堅実を両立した守備と泥んこユニフォームを見たかったですね…。そのうち仙台に行ってきます。(編集部H)

<写真上/右が岩橋啓介、左が澁谷謙太(共に東北福祉大)。飛龍出身が東北福祉大で存在感を発揮しています>
<写真下/石山泰稚(ヤクルト)に続き、プロに進んでほしい武内仁志(ヤマハ)> 

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2013年3月11日 (月)

練習試合 浜松大平台vs沼津城北

 昨日は、磐田西グランドで磐田西、浜松大平台、沼津城北の変則ダブルの練習試合を見てきました。

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 第2試合では浜松大平台と沼津城北が対戦。試合前にふと、沼津城北のブルペンを眺めていると、面白そうな左腕が投げ込みを行っていました。名前は、杉山有輝(新3年・169cm59kg、左投げ左打)。昨夏は背番号9をつけて、初戦の三島南戦にリリーフで登板。4回途中から登板し、5~9回を無失点に抑えています。昨秋はエースとして、敗者復活戦も含め、3勝をマーク。特に、敗者復活3回戦では三島北相手に完封しています。

 初回、いきなり先頭打者に四球を許すも、すかさず牽制で刺します。その後は、際立った制球力こそありませんが、逆にそれが相手の的を絞らせず、5回に安打を浴びるまで無安打に抑えます。
 小柄でも真上から振り下ろすのでボールに角度が生まれ、低めいっぱいにストレートが決まると、打者の手が出ないキレ味。まだ上半身が強く、体の開きも早いのですが、何よりフォームのスピード感は魅力的でした。

 3番打者として、第1打席にレフトオーバーの三塁打を放てば、第2打席もレフト方向に打ち返し、今度は一気にホームまで。ランニング本塁打を記録します。第3打席はショートへの内野安打。体が全身バネのような選手で、走っては足の回転数が多いのが特徴です。

 投げて、打って、走って、元気よく勢いでプレーしているタイプの選手。多くの課題はあると思いますが、それよりも、荒削りのまま長所をグングンと伸ばして欲しい。そんな楽しみな選手でした。(編集部・栗山)

<写真/中学時代はスルガマリンボーイズに在籍し、中日本代表に選出された杉山有輝(沼津城北)>

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2013年3月10日 (日)

練習試合 袋井商vs川根

★3月10日 練習試合 袋井商グランド 晴   

チーム
袋井商 3 0 0 1 1 0 3 0 0 8
川根 0 0 5 1 0 5 1 0 × 12

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 グランドに着いた時には、先攻・袋井商の初回の攻撃が終了し、3点入っていたという失態から始まった一日。袋井商メンバーもわからなければ、打順もわからないという状況の中、鋭い打球を打っていて、気になった選手がいました。スイングがきれいで、球足が速い打球が魅力。ライナーは伸びるような印象もあります。また、足の速さが攻撃にも、センターとして守備範囲にも生きていました。
 多分、クリーンナップを打っているんだろうな…と思っていたところ、ネット裏に打順や守備位置が書いてある親切な黒板を発見。気になっていた選手は、4番センターの鈴木準也(新2年/右投右打)だとわかりました。袋井商のこの日のスタメンでは唯一の新2年生。それで4番を任されているのですから、期待の大きさが伺えます。今後は、誰だかわからない状態ではなく、「鈴木準」指名で(?)見に行きたいです。

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 12得点と火を吹いた川根打線を牽引したのは1番ショートの鈴木龍弥(新3年・169cm54kg/右投右打)。守備が上手い選手だという印象でしたが、今日は打撃でも巧さを発揮。右に左に3安打を放ちました。昨年は市町村駅伝でも川根本町の代表として活躍した鈴木龍。今年はぜひ野球で名前を売ってほしいですね。
 ただ、川根は肩が強くムードメーカーの捕手・松下史哉が故障中なのが気がかり。今年の主力は1年時から出場している選手が多いですが、その中でも松下は攻守の要となる選手なので、春季大会までには復帰してほしいところです。(編集部H)

<写真上/森中時代は掛川シニアに所属していた鈴木準也(袋井商)>
<写真下/昨夏のエース・小平倫敬曰く、「スローイングが正確で安心できる」鈴木龍弥(川根)>

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2013年3月 9日 (土)

練習試合 磐田南vs桐陽

★3月9日 練習試合 磐田南グランド 晴(強風)   

チーム
磐田南 1 0 0 0 0 2 4 1 0 8
桐陽 2 0 0 0 0 0 1 0 0 3

 各高校で練習試合が始まり、体が5つぐらい欲しくなる季節がやってきました。春季大会開幕まで2週間ほど。選手たちも冬の成果の確認や、大会に向けての調整で忙しくなりますが、「静岡高校野球」編集部も、「静岡高校野球2013」の100人名鑑作成に向けて必死になっています。

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 今日は、編集部・栗山から「磐南にいい打者いますよ」と聞いてからずっと気になっていた磐田南の長谷川誉歩(新3年・172cm82キロ/右投右打)を見に、磐田南vs桐陽の練習試合を観戦してきました。
 目当ての長谷川は4番ファーストとしてスタメン出場。上背はそれほどありませんが、体つきがしっかりしているので大きく見えます。打席に入ると、どっしりとした構えからスラッガーらしい雰囲気が漂い、見た目がいいですね。パワーがありそうだし、引っ張るとすごいんだろうな~という第一印象だったのですが、実際にプレーを見ると、いい意味で裏切られました。いや、パワーがあって、引っ張った打球は強くて速いので裏切られてはいないのですが、逆方向にも同じように強い打球が打てる選手でした。ボールに向かって、バットが一直線に出て、広角に打ち分けてきます。スイングにスピードがあり、打ち損じの打球も意外な伸びを見せるほど。体が突っ込まずに、前を大きく振れるのも好印象です。
 昨日、WBC台湾戦を見たからというわけではないのですが、台湾のスター選手・張泰山に雰囲気がだぶりました。チャンスで回ってくる引きの強さや、勝負強さも張泰山ばり。
 6回からはマウンドにも上がり、4回1失点としっかり投げ切りました。また勝手な印象で、剛球でガンガン来るのかと思っていると、クイックを混ぜたり、変化球を多めに投じるスタイル。進学校の選手らしい工夫を感じました。

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 また1番ショート・今村亮介(新3年・176cm63キロ/右投右打)も攻守に目を引く選手でした。グラブさばきがよく、ゴロの処理も上手いです。足があり、塁に出れば、視界を広く取って判断できる「ザ・一番打者」です。
 テンポのいいアンダースロー・琴岡隼志(新3年・169cm57kg/右投右打)や長身の新2年生・江塚耀などイキのいい選手が揃っていて、今年の磐田南は面白そうですね。

 桐陽は新2年生に好選手が揃い、昨秋は県大会にも出場した東部の注目校。しかし、今日は6回から登板したエース・萩原健心(新2年・169cm62kg/右投右打)が荒れ気味で大量失点を喫する結果に。打線もつながりませんでしたが、篠原翔(新3年・169cm76kg/右投右打)、鎌田光祐(新3年・178cm78kg/右投右打)らいい打者が揃っているので、春の大会では改めて見に行きたいチームです。(編集部H)

<写真上/広角に強い打球が打てる長谷川誉歩(磐田南)>
<写真下/攻守に軽快な動きを見せた今村亮介(磐田南)>

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2013年3月 8日 (金)

球春到来! 練習試合が解禁されました

 WBCが盛り上がりを見せていますが、高校野球も本日、練習試合が解禁となりました。いよいよ、球春到来ですね。来週には、センバツに出場するチームが県内で練習試合を行う予定があるとか。楽しみですね。もちろん、常葉学園菊川がどんな調整具合なのかも気になります。
 『静岡高校野球』編集部では見ておきたい選手ばかりで、明日から、どこのグランドに行こうか悩んでいます。
 今年も、一人でも多く、注目高校球児を探していきたいと思っています。ぜひ、練習試合の情報などがありましたら教えてください!(編集部・栗山)
  

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2013年3月 6日 (水)

ドラフト候補・浦野がオープン戦で好投!

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 セガサミーの浦野博司(178cm70kg/右投右打)を1年ぶりに見てきました。浦野は浜松工から愛知学院大に進み、エースとして活躍しましたが、さらなる鍛錬を期し、セガサミーに入社。1年目から東京都の代表決定戦で東京ガスを完封し、都市対抗の初戦でも先発として好投するなど実力を発揮し、今秋のドラフト候補に名前が挙がっています。
 今日は東洋大とのオープン戦で、浦野は7回からマウンドに上がりました。相変わらず細身ですが、ふくらはぎあたりは太くなった気がします。浦野は細くても、ひ弱さが皆無で、腕の振りが鋭いのがいいですね。小気味いいテンポでどんどん投げ込んできます。
 7回には2者連続三振で2死を取った後に、安打、二塁打で二、三塁のピンチを迎えたものの、後続を断ちます。8回にも1死一塁になったものの得点は許しませんでした。結局2回を投げて3安打無失点と、結果だけ見ると、ちょっと冴えない数字にも見えるのですが、浦野の良さは、走者を出してもポーカーフェイスを崩すことなく、冷静に投げられるところ。また、愛知学院大で2年間共にプレーした萩原大起(新4年・常葉学園菊川出身)曰く、「いい打者にまわってきた時や走者を出した時には全力で投げるけど、抜くところは抜く。その切り替えが、エースとしての浦野さんのすごさ」。俗に言うギアチェンジがうまい投手です。安打を打たれても、なんだかんだで安定して試合をまとめています。
 コンスタントに140キロ中盤を記録するストレートは空振りも取れますし、スライダーのキレも良かったです。今年も活躍が楽しみですね!

 ちなみに、今日、浦野が投げるか全くわからなかったのですが、東洋大には新3年に長谷川彦(常葉学園橘出身)、石川昌志(静岡商出身)、新1年に城戸健太朗(常葉学園橘出身)、藤本和豊(静清出身)がいるので、誰かしら顔が見られるかなとノープランで行ったので、浦野が投げてくれてラッキーでした。(編集部H)

★セガサミー野球部公式HP
http://athletic.segasammy.co.jp/
メンバー紹介ページのインタビューはボリュームあり。必見です!

<写真/ギアチェンジの瞬間は見逃せない浦野博司(セガサミー)>

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2013年3月 5日 (火)

中学軟式、好右腕対決を制したのは?

 2日・3日と静岡県中学選抜野球大会は順調に試合を消化し、今週末には準決勝、決勝が行われます。ベスト4に残ったのは、東海大翔洋中、浜松積志中、浜松三ケ日中、島田金谷中の4チーム。どのチームも守備力があり、打線も機能しているだけに、どこが優勝してもおかしくありません。

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 今回の大会では、すでに両校とも敗退となってしまいましたが、2日に浜岡球場で行われた御殿場富士岡中と藤枝青島中の試合を見てきました。御殿場富士岡中の三浦大雅(2年・170cm57kg/右投右打)は初戦の浜松曳馬中戦でノーヒットノーランを達成、藤枝青島中の宮下直己(2年・174cm55kg/右投右打)も富士岳陽中を相手に完封と、今大会好調のエースを擁する2校。宮下は全日本少年春季軟式野球大会に向けて結成された静岡中央クラブのセレクションで見たことがありましたが、三浦を見るのは初めてだったので、特に楽しみにしていました。

 結果は御殿場富士岡中が8-1の6回コールドで勝利。思わぬ大差がつきましたが、両エースともに光るものがありました。

 三浦は正統派で、マウンドにすっと立った時の雰囲気が実に投手らしいです。印象的なのは、前が大きくきれいな腕の振り。下半身はまだそこまで使えていませんが、下が使えないから上の馬力でカバーといったかんじではなく、バランスがけっこういいんですよね。しっかり腕が振れるのに、ストライクを取ることに汲々としない制球力も魅力。また見たい投手です。

 宮下は三浦とは反対で、右膝が地面につくほど下半身を沈ませて、スリークォーターから投げ込んでくる投手。腕も振れていましたが、高く浮く球も目立ち、好調とは言い難い状態。ただ、6回8失点は、浜岡球場の尋常じゃない風の影響が大きく、まともな環境で試合をしていたら、コールド負けという結果にはならなかったのではないかと思います。
 この宮下、1番を打っていることでもわかるように、非常に俊足の選手。静岡中央クラブのセレクションで、ベースランニングを行っていましたが、その時にも目立つ快足でした。ショートに入るとフィールディングも良く、一緒に見ていた編集部・栗山との会話でも、「宮下は足も速いし、野手で見たい」と押したことを覚えています。センスもありそうで面白い選手なので、今月末から始まる全日本少年春季軟式野球大会での活躍にも期待したいです。

 とにかく、この日の浜岡球場は台風のような強風で、試合展開にも影響が出るほど。静岡蒲原中、常葉学園橘中と敗退した3チームが全て気候の穏やかな中部地区の中学だったのも無関係ではないのではと思ってしまいました。(編集部H)

<写真/上が三浦大雅(御殿場富士岡中)で、下が宮下直己(藤枝青島中)。タイプの違う好投手です>

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2013年3月 4日 (月)

二刀流・渡邉隆太郎がまずは投でデビュー!

Img_6067 現在、清水庵原球場で富士重工業のキャンプが行われています。富士重工業といえば、東海大翔洋中から帝京に進んだ渡邉隆太郎が今春から入社するチーム。もちろん渡邉も地元・静岡で行われているキャンプに参加し、二刀流として投打の練習に励んでいます。
 今日は日大国際関係学部との練習試合が行われました。渡邉は高卒ルーキーだけに、出番はないかと思っていたのですが、5回からマウンドに登場。まず投手としての社会人デビューとなりました。中高と縦縞ユニフォームだった渡邉ですが、富士重工業の白いユニフォームも似合ってます! かっこいい!
 肝心の投球内容はと言いますと、最初の打者を3-2からレフトフライに打ちとると、次の打者はサードゴロ。あっさり2死を取って迎えた3人目の打者への投球が高卒ルーキー離れしてました。1ボールから意表を突く超スローカーブでストライクを取ったかと思うと、最後は低めギリギリのストレートで見逃し三振。この1イニングでマウンドを降りましたが、さすがに高校時代からドラフト候補と呼ばれるような選手は度胸と落ち着きが違いますね。やられたのが静岡リーグの強豪・日大国際関係学部なのが少し複雑なんですが…。
Img_6082 登板後にはスタンドでファウルボール拾いなど、雑用もしっかりこなし、チームも4-0で勝利しました。走り込みなどで体もしまってきたようですし、自分の課題はしっかり認識できている選手なので、今後の成長に期待しつつ、投打どちらを選ぶのかにも注目していきたいです! 昨日今日と見ていましたが、先輩たちにも可愛がられているようで環境の変化にも心配はなさそうです。

 日大国際関係学部の先発は、今秋のドラフト候補でエースの山岸大輝(新4年・183cm80kg/右投右打)でした。昨秋は故障もあり不調で大変心配でしたが、今日は腕も振れていて、力強いストレートも戻っていたのでまずはひと安心。3回までは1安打無失点に抑えていましたが、4回に4安打(うち長打3本)で4失点してしまったのが残念でした。社会人相手となるとボールを見極められてしまい、リーグ戦のように見下ろして投げることが難しいですね。少しでも高めに浮けば球威のある山岸でも簡単に外野の頭を越されてしまうのが社会人の怖さ。ただ、リーグの開幕までには1ヵ月近くあるので、まだこれから調子も上がってくるはずです。
 今年の静岡リーグはこの山岸と、浜松大のエース・山下大輝のダブル大輝に注目しています。山岸がだいきで山下がひろきですが。(編集部H)

<写真/背番号は12! 渡邉隆太郎(富士重工業)>

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