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2013年5月 5日 (日)

礒道覚広(島田樟誠)の21奪三振を目撃!

 昨日は県大会準決勝も気になったのですが、どうしてもチェックしたいピッチャーが一人いました。
 

 1305041島田樟誠の礒道覚広。昨春の県大会、常葉学園菊川戦では7回を1失点の好投。その後、ヒジの故障に苦しみ、なかなか試合で投げることができませんでしたが、この春、見事に復活。4月中旬のセンバツ出場校、菰野(三重)との練習試合では、1失点完投。相手は、ほぼフルメンバーで、投げ勝ったのがドラフト候補の浦嶌颯太。その試合では142キロをマークしました。

 この日の相手は春の県大会出場校の浜松南。勢いのあるチーム相手にどんな投球を見せてくれるのか、1年ぶりに見る礒道に注目しました。結果的には僕の想像していた以上の、素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました。
 投球練習はゆったり投げているのですが、ゲームに入ると、スイッチが入ります。182センチの長身から、長い腕が体に巻きつきながらしなり、その勢いで、背中まで叩いてしまいそうな勢い。初回、浜松球場のスピードガンで138キロをマークします。
 2年春に見た時は、とにかく荒々しいピッチャーという印象でしたが、洗練されたフォームに。特に、テークバックで一塁側に大きく倒れ込んでいたのが、スッと真っすぐに立てるようになりました。体重も当時から比べると、5キロアップ。下半身が大きくなり、現在は68キロになりました。
 球速は初回以上に伸びなかったのですが、凄かったのが変化球。打者の胸あたりから膝下にかけて急激にストンと落ちます。見送ればボールの球を、相手打者を降らせてしまう猛烈なキレ。分かっていても振ってしまうのでしょう。キャッチャーも、後ろにそらせてしまうほどの変化量なのです。
 この球を武器に次々と三振を奪っていき、6回と8回は三者連続三振。最終的には「21」の三振を奪いました。右と左は違えど、まるで松井裕樹(桐光学園)の奪三振ショーを見ているよう。今年に入ってから、衝撃的にはナンバーワンでした。ただ、与えた得点は9回を完投して4点。振り逃げやパスボールが得点に絡んでしまいました。今年の島田樟誠はまだレギュラー捕手が確定していない状況。捕手陣が成長してくれば、さらに礒道の投球が生きてくるでしょう。

21305042 野手では初回、右打席から右方向にヒジを畳んで、きれいに打ち返している打者に目がいきました。7番サードで出場した前島朋幸です。
 実は2年春までレギュラーだった前島は昨春の県大会後、下校中に交通事故に遭い、一時は意識不明の重体。しかし、「もう一度野球をやりたい」という一心で、懸命にリハビリに励み、昨秋に復帰を果たしました。生駒基樹監督は言います。「彼が野球をやっているのは、もう奇跡以外の何物でもありません。あのとき(事故当時)は、とても考えられませんでしたから」。前島が戻ってきたことで、チームが一つにまとまりつつある島田樟誠。本格派右腕、礒道を擁し、今夏は台風の目になりそうな予感が大いにします。(編集部・栗山)

<写真上/最速142キロと独特の変化球を武器に21三振を奪った礒道覚広(島田樟誠)>
<写真下/奇跡の復帰を果たし、持ち前の野球センスに生かす前島朋幸(島田樟誠)>

 

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