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2013年7月

2013年7月31日 (水)

甲子園で見てほしい桒原の守備!

 常葉学園菊川が5年ぶりの夏の甲子園出場を決めました。今大会の常葉学園菊川は、相手に先に得点を許したとしても、いつか逆転するだろうという、このチームならではの強さが光りましたね。春に続く甲子園では、上位進出の期待がかかります。

1307311 そんな、今夏の常葉学園菊川で、ぜひ、全国の高校野球ファンにも見てほしいプレーヤーがいます。2年生の桒原樹(182cm73㎏、右投左打)です。
 センバツ大会では一塁手として出場し、センターバックスクリーンへ本塁打を放つなど活躍。すでに、2014年のドラフト候補してリストアップしているプロの球団もあると聞きます。しかし、その桒原の魅力は打撃だけではありません。甲子園で注目してほしいのは、二塁の守備です。
 実は、夏前に「桒原がセカンドをやる」と聞いて驚いていました。二塁手というと、小柄なプレーヤーのイメージが強い中、桒原の場合、182センチという長身。森下知幸監督にどのような策略があるのか気になりました。

 今大会を通じ、桒原を見て、一言で表現するなら、「楽しくなる二塁手」なのです。実際に球場やテレビでプレーを見た方なら分かると思うのですが、動きのすべてがダイナミック。例えば、無死一塁の場面。一二塁間の深い打球に対しては、長い脚を存分に使って打球に追いつくと、そのまま一回転して二塁へ送球。まるで、静岡にいながら、中南米の選手を見ているような感覚を覚えるのです。それでいて雑なところもなく、ハンドリングも確か。こんなスケールの大きな二塁手、なかなか高校生にいないでしょう。とにかく、今までの規格に当てはまらない選手なのです。

 静岡大会では背番号「15」を背負ってきましたが、甲子園ではついに、レギュラー番号の「4」で挑みます。守備だけでなく、静岡大会では、20打球6安打1本塁打の成績を収めた打撃も必見。甲子園では走攻守の全てで甲子園のスタンドを沸かせて欲しいです。(編集部・栗山)

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2013年7月24日 (水)

磐田東の背番号20とは!?

 いよいよ、高校野球静岡県大会も佳境に入ってきました。今日はベスト8をかけ、8試合が行われます。

 『静岡高校野球』編集部も連日、球場につめているのですが、ここにきて、みなさんからよく聞かれるのが、磐田東の背番号20、齋藤誠哉のことです。この選手は、大会直前のメンバー変更でベンチ入りしたため、パンフレットに名前が入っていません。それだけに、気になっている方も多いようです。

 齋藤は初戦こそリリーフで登板し、四球を連発したものの、2回戦は先発で好投。そして昨日の3回戦では、浜名相手に5回2安打の快投を披露しました。投げれば投げるほど、良くなるタイプ。一気にブレイクの可能性もあります!

 齋藤については、以前のブログでも紹介しているので、こちらをご覧ください。http://tsukasa-baseball.cocolog-shizuoka.com/blog/2013/07/post-d363.html

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2013年7月22日 (月)

夏の甲子園予選 御殿場西vs浜松城北工

 聖隷クリストファーと飛龍の激闘、韮山と浜松北の息詰まる投手戦のあとに行われた、昨日の愛鷹球場第3試合。前日は延長15回引き分け。迎えた再試合です。

 1307211試合前、浜松城北工のベンチ前で一際、長身の右腕の投手がピッチング練習を行っていました。もしかしてと思い、パンフレットを見ると、背番号11、山田浩大(186cm80㎏、右投左打)という名前が。実は、今年2月に竹下裕和監督にお会いした際、「1年生(当時)でまだまだ素材だけですが、面白い投手がいますよ。時間はかかると思いますが」と教えてもらっていた選手でした。まさか、いきなり夏の大会の公式戦で登板するとは…。驚きと同時に、どこまで成長しているんだろうという楽しみで、プレイボールを待ちました。 

 長身から投げ下ろす本格派タイプの山田。まず、マウンドでの見栄えがする投手です。大柄でも指先感覚がよく、制球が安定しているのが特徴。初回こそ、1点を失うものの、2回から4回は走者を許しながらも無失点。角度のあるストレートで、打者は逆方向へのポップフライが目立ちます。おそらく、スピードガンの数字以上に、打者の手元で伸びてきているのだろうと感じました。しかし、5回に2安打で1点を与えると、7回には岩間勇平(169cm93㎏、右投右打)に特大本塁打を浴び、降板。6回2/3、被安打7、4失点という結果でした。

 山田は現在2年生ですが、1年時には右足の甲を3度骨折。当時は走ることもままならず、まともに練習ができたのは今年の春からだそうです。それだけに、今後の伸び幅に期待ができます。下半身を作って腕の振りが増してくれば、必然的に球速がアップするでしょう。秋に再度チェックしたい選手です。

 21307211浜松城北工ではもう一人、今年の『静岡高校野球2013』では紹介できませんでしたが、注目の選手がいました。「4番ショート」で出場した井上翔太(171cm71㎏、右投右打)です。
 この選手、横浜国立大で内野手として活躍した竹下監督が「2年半をかけて作り上げてきたショート」というだけあります。前の打球に対する処理スピードは抜群。しかも捕ってから投げるまでが速い。まるで社会人野球のショートを見ているようです。今年の静岡には、いいショートは多くいますが、守備だけなら県トップクラスではな1307213_2いでしょうか。 

 一方、再試合を勝利し、3回戦進出を決めた御殿場西は、主砲・岩間の活躍に尽きます。この日は3安打4打点1本塁打の活躍。圧倒的な存在感では、スタンドをも味方にできる選手です。今夏、どこまで打ち続けるのか見届けたいです。

<写真上/長身右腕として秋が楽しみな山田浩大(浜松城北工)>
<写真中/守備範囲が広い井上将太(浜松城北工)>
<写真下/高校通算34本塁打目を放った岩間勇平(御殿場西)>

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2013年7月17日 (水)

シニア静岡県大会 静岡裾野リトルシニアvs浜松南リトルシニアA

★3月20日 第6回日刊スポーツ杯リトルシニア野球静岡県大会2回戦 菊川球場 晴   

 チーム
静岡裾野 0 0 0 1 0 0 0 1
浜松南A 0 0 0 0 0 3 × 3

 高校野球の静岡県大会真っ盛りですが、『静岡高校野球』編集部ではすでに来年の準備に取り掛かっています。
 まず、2014年の注目1年生を探すべく、現在、開催されている日刊スポーツ杯リトルシニア静岡県大会に足を運んでいます。3年前には、決勝戦で浜松リトルシニア・鈴木翔太(現聖隷クリストファー)と藤枝明誠リトルシニア・水野匡貴(現静岡)が投げ合ったという逸話も残っている大会。個人的にはこの大会を見ておけば、静岡の高校野球がより面白くなると思っています。

1307151 今月15日に行われた2回戦では、静岡裾野リトルシニアと浜松南リトルシニアAが対決しました。序盤は、浜松南リトルシニア・尾濱徹が鋭い腕の振りから力強いストレートを投げ込めば、静岡裾野リトルシニア・河野三四郎が丁寧に低めを突く投球で、両チーム無得点で試合が進みます。試合が動いたのは4回。静岡裾野リトルシニアが矢崎航希のタイムリーで1点を先制します。しかし、浜松南リトルシニアは6回、先頭の4番・岩本大河が腰の座ったスイングからライト前安打を放つと、続く尾濱の左中間へのタイムリー二塁打で同点。さらに、そこからの3連打で2点を勝ち越しました。

 両チームとも、今年もタレントを揃えていますが、今回軍配が上がったのは浜松南リトルシニア。1年後、2年後…、この選手たちが、今度はどんなユニフォームで再戦するのか楽しみです。(編集部・栗山)

<写真/背番号2ながら、投手としての将来性も秘める尾濱徹(浜松南シニア)

 ちなみに、編集部Hは初日13日に愛野球場に行ったそうで、レポートを送ってくれました。

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<13日 愛野球場>
静岡蒲原リトルシニアA 7-5 伊東リトルシニア(5回コールド)
伊豆市リトルシニアA 7-6 三島リトルシニアA

 第1試合は静岡蒲原リトルシニアの4番サード・川上和輝が3打数3安打と活躍。肩もなかなか良さそうで気になりました。伊東リトルシニアは下級生が多いチームだったので、今後また見に行きたいです。

Sato

 第2試合は始まる前から伊豆市リトルシニアAの水口弥から目が離せませんでした。今、県内で最も注目されている中学生選手。1番センターとして出場したこの試合、まず第1打席に三塁線に痛烈な当たりを放つと、外野がもたつく間に一気に三塁へヘッドスライディング。二塁を蹴って三塁に向かう猛烈なスピードと勢いは猪を想起させるド迫力。かと思えば2打席目では変化球を上手く拾ってみたり、1打席も見逃せません。強肩なので、守備にも当然注目したいところ。夢中になれる選手です!
 また、三島リトルシニアAの大型右腕・佐藤蓮も3回途中から登板。186センチの長身から投げ下ろすボールは、スピードはあるものの、制球がいまひとつ。しかし、じわじわと調子を上げ、6回・7回は三者凡退。力強い投球を見せてくれました。三島リトルシニアAはじわじわと追い上げ、最終回にもチャンスを作ったものの、残念ながら敗退。選手たちの進路も気になります。

<写真/佐藤蓮(三島リトルシニア)>

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2013年7月14日 (日)

夏の甲子園予選2日目~清水庵原球場

★7月14日 全国高校野球選手権静岡大会1回戦 清水庵原球場

小笠 4-1 市立沼津
下田 3-0 湖西
城南静岡 8-1 下田南伊豆分校

 好投手対決や下田などを目当てに清水庵原球場に行ってきました。

Ogasa_2

 1試合目は昨秋、常葉学園菊川に土をつけた左腕・松村涼(小笠3年・176cm72kg、左投左打)と今春ブレイクした本格派右腕・大川綾太(市立沼津3年・182cm80kg、右投右打)の投げ合いが予想された注目カード。両投手が先発マウンドに上がり、2回に1点ずつを取り合うと、4回に小笠が1点を勝ち越し。その後も加点し、4-1で勝利しました。

 松村は腕は振れていたものの、序盤は変化球でストライクが取れず、少し苦しみましたが、3回からは本来のテンポの良さを発揮。ストレートも変化球も低めに集まり始め、走者が出ても安心して見ていられました。
 松村の良さはやはり角度。下半身をあまり沈みこませないフォームで、真上から振り下ろすので、低めの球には身長以上の角度があります。腕が強く振れるので球威も併せ持ち、フライや三振でのアウトが目につきました。
 昨秋見た時には、ストライクゾーンの中である程度バラけるところがいいなと思いましたが、今日は低めにまとまっていて、さらに松村の魅力が出ていましたね。険しさのないほんわかした表情からえげつないボールを内角にぶち込んでくるところも好きです。
 昨秋、常葉学園菊川に勝ったのはフロックじゃありません!

 2試合目は0-0で迎えた8回に、あと一本が出なかった下田打線が突如発火。5安打で3点を奪い、そのまま勝利を決めました。

Fujii

 この試合は何と言っても、下田の2年生エース・藤井裕太(176cm72kg、右投右打)の投球に尽きます。3安打完封、毎回の16奪三振と文句のつけようがない結果! 藤井は使う球種こそオーソドックスですが、ベストボールを低めギリギリに投げ込めるんです。立ち上がりからしっかり低めにいくストレートの球威を見て、編集部栗山に「多分2桁三振取ります」と初回に連絡してしまったほど。湖西の打者のバットがボールのかなり下を振っているところから見ると、打席の中で見る方がよりキレを感じるのかもしれません。
 16奪三振のうち、ほとんどが空振り三振でしたが、私が藤井の魅力を感じたのは3回の見逃し三振~四球の流れ。打者が身動きできなくなるようなストレートをビチっと低めに決めて見逃し三振を奪うと、次打者には1ストライク2ボールから3球連続低めのストレートで攻めます。結局、四球になりましたが、ストライクと判定されてもおかしくないボールばかり。打者もよく見たというよりは手が出せない状態でした。四球を出しても落ち着いて後続を断ったのもよかったです。
 下田の次戦の相手は掛川西。強力打線を持つ上、向こうも接戦を制して勢いがあります。どこまで藤井のストレートが通用するか、非常に楽しみです!

Tsuyuki

 下田の打線では、転校のため、今春公式戦デビューし、最後の夏を迎えた4番ショートの露木雄太(182cm73kg、右投右打)が3打数2安打と目を引きました。軽いスイングで、飛ばすよりはつなぐスタイルが向いてそうですが、露木が打点を挙げないと点が入らないので、終盤は少し力みも見えました。ただ、今日、下位打線も8回に頑張ったので、掛川西戦では気負いすぎず打席に入ってもらいたいです。

 3試合目は城南静岡が終盤に得点を重ね、8-1のコールド勝利で初戦を突破しました。(編集部H)

<写真上/昨秋は台湾遠征静岡選抜にも選出された左腕・松村涼(小笠)>
<写真中/空振りの取れるストレートは必見! 藤井裕太(下田)>
<写真下/攻守に軽やか&丁寧な露木雄太(下田)>

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2013年7月12日 (金)

続・酒井嵩裕の再挑戦

 今日から第84回都市対抗野球大会が始まります。10年連続37度目の出場を果たしたヤマハは初戦で強豪・JR九州と対決。厳しい戦いが予想されますが、なんとか初戦をものにして、勢いにのってほしいです!

さて、先日は惜しくも都市対抗の出場を逃した2チーム、東海REXと永和商事ウイングのオープン戦を見てきました。
1211307 永和商事ウイングでは、常葉学園菊川出身の酒井嵩裕が「3番ショート」で先発出場しました。酒井は常葉学園菊川卒業後、亜細亜大に入学するも、中退。その後、日本プロスポーツ専門学校を経て、昨年立ち上がった永和商事ウイングに入社しました。(これまでの酒井の足取りはこちらをご覧ください。→http://tsukasa-baseball.cocolog-shizuoka.com/blog/2011/06/post-2b1f.html

 この日の酒井は2打席目にピッチャー返しの強烈なライナー。センター方向に抜けていく安打を放ちました。決して大振りすることなく、コンパクトなスイング。センターから右方向への打球が特徴です。また守備では、積極的にピッチャーや、他の野手陣に声をかけている姿が印象に残りました。創部2年目の若いチームの中、すでにリーダー的な存在になり、逞しくも見えました。

 仮に酒井が大学を卒業していれば、現在、大学卒1年目の選手。そう考えれば、走攻守でまとまりがあり、十分に来年のドラフト候補の対象に入ってきても、おかしくないレベルにきていると感じます。ただ、社会人の野手がプロに入る場合、突出した大きな武器が必要になってくると思います。酒井の場合は、守備なのか、打撃なのか、足なのか。まずは、9月の日本選手権予選で、社会人の一線級のピッチャーを打ち込んで、アピールして欲しいです!(編集部・栗山)

<写真/プロを目指して欲しい酒井嵩裕(永和商事ウイング)>

※永和商事ウイング硬式野球部HP→http://www.eiwa-baseball.jp/ 

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2013年7月 7日 (日)

静岡商・國松歩が完全復活!&磐田東の鈴木たち

 先週からスポニチの連載「我が道」で静岡商出身の新浦壽夫さん編が始まりました。それを読んでいたら、無性に静岡商が見たくなって、土日は静岡商を追っかけてきました。

Kunimatsu_2

 昨夏準優勝ながら今夏はノーシードで挑む静岡商。ただ、昨夏スーパー1年生として活躍した剛腕・國松歩(2年)が春季大会後に調子を上げていて、エース左腕の横馬正成(3年)も好調をキープ。今年も見逃せないチームです。
 國松は昨秋以降、期待はされながらも万全といえる状態がなかなか取り戻せませんでした。ただ、5月に行われた静高静商定期戦あたりから、國松が復活したとの話を聞くように。昨日、キャッチボールをする姿を見た時には、「こんなに柔らかく腕が振れるようになったんだ!」とワクワク。そして、今日の磐田東との練習試合では先発として、力あるストレートを制球よく投げ込み、非常に安定感ある投球を見せてくれました。9回になっても低めに威力ある球がいっていて、スタミナも問題なし。夏にどんな活躍を見せてくれるのか楽しみです!

Yokouma 昨日、浜名相手に好投したエースの横馬にも憧れの大野健介(現ヤマハ)を超える投球を見せてほしいですね。静岡商を見たのは、実は11月以来だったのですが、さすがに守備が引き締まってました。打線もいい雰囲気で大会に臨めそう。ノーシードから盛り上げてほしいですね。

Suzuki

 ちなみに今日の静岡商vs磐田東は、昨秋ぐらいから見たいと思っていた國松vs鈴木博志(2年)の投げ合いが実現! 國松も鈴木博も来年の静岡を代表する右腕になるはず。静岡商打線に対して力で押すこともできる鈴木博の球威は魅力でした。
 磐田東では同じく鈴木姓で大型打者の鈴木大地(3年)にも注目したいところ。今日は2試合目で逆方向にぶちこんだかと思えば、引っ張って大ファウルと圧巻のパワー。バットを振ることが大好きだそうで、先日はバットのかわりにほうきを真剣な表情で振っている姿を目撃しました。今夏は4番としての活躍に期待です。
 また、捕手の日置建大朗(2年)の強肩も気になりました。身体能力が非常に高いそうで、好送球で投手を助ける場面も。この選手も夏に経験をしっかり積んで、秋からは鈴木博・左腕の齋藤誠哉らを引っ張っていってほしいです。

 いよいよ今週末は静岡大会が開幕です! 選手たちに負けず、「静岡高校野球」編集部も悔いのない夏を過ごせるよう頑張ります。(編集部H)

<写真/上から國松歩、横馬正成(ともに静岡商)、鈴木博志(磐田東)>

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2013年7月 3日 (水)

期待の左腕・齋藤誠哉!(磐田東2年)

 今夏はノーシードから甲子園初出場を狙う磐田東の練習試合を見てきました。

 この試合の先発は2年生の齋藤誠哉1307031182cm74㎏、左投左打)。青森山田リトルシニアから入学した期待の長身左腕です。今春は肩痛に苦しみましたが、ここにきて状態が良くなってきたとのこと。一週間前の京都遠征では、強豪・京都外大西(京都)相手に三振の山を築いたという情報もあり、早速、磐田東のグランドに向かいました。
 この日の齋藤誠は回を重ねるごとに球の威力がアップしていきます。渥美農(愛知)を相手に8回を投げて2失点。ズドンという球筋で、際立っていたのはストレート、変化球ともに制球力の良さ。もっと荒れた球を投げる投手かと勝手に想像していたのですが、指先感覚もなかなかのもの。右打者の内角へのズバッと投げる勝負度胸も魅力です。
 しかし、三振は少なく、どちらかというと打たせてとる投球。本人曰く、京都外大西戦のときの方が球が走っていたようです。まだまだ、その日によってムラがあるようで、そのあたりが今後の課題となってくるでしょう。
 ヒジの柔らかさは、まさに天性。もっている能力の高さは魅力です。本人の努力次第では、現在130キロ台中盤のストレートが飛躍的に伸びる可能性は十分。プロも狙える素材です。あとは、どこまで本人があと1年の高校野球で自分を追い込んで練習ができるのか。同じ2年生には最速143キロ右腕・鈴木博志(181cm78㎏、右投右打)という強烈なライバルもいるだけに、2人で競争し合いながら成長していってもらいたいです。

 この試合を観戦していたら、思わぬ人に遭遇。お馴染みのHさんも齋藤誠が気になって観戦に来ていました。
「『静岡高校野球2013』で勝手にコーナーを作って、20人ぐらい選手を紹介しましたが、その中でも先走って“来年のドラフト候補に!”なんて書いたのが齋藤誠哉。でも、今夏は新聞各紙の紹介で名前がなくて、心配していました。しかし最近、京都外大西に好投したとのことで、気になって覗きに来たんですよ。そんなに調子は良くなさそうでしたが、内角にも投げづらそうにしないところがいいですね。変化球が浮く場面もありましたが、京都外大西戦では、スライダーがキレキレだったんだろうなとか想像してました。マウンド映えしてカッコイイ左腕ですよね」とのこと。確かに、いつのまにかできていた『編集部Hの誌面が足りない』というコーナーに齋藤誠の名前がありました。編集部期待の選手です!(栗山)

<写真/齋藤誠哉(磐田東)>

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