夏の甲子園予選2日目~清水庵原球場
★7月14日 全国高校野球選手権静岡大会1回戦 清水庵原球場
小笠 4-1 市立沼津
下田 3-0 湖西
城南静岡 8-1 下田南伊豆分校
好投手対決や下田などを目当てに清水庵原球場に行ってきました。
1試合目は昨秋、常葉学園菊川に土をつけた左腕・松村涼(小笠3年・176cm72kg、左投左打)と今春ブレイクした本格派右腕・大川綾太(市立沼津3年・182cm80kg、右投右打)の投げ合いが予想された注目カード。両投手が先発マウンドに上がり、2回に1点ずつを取り合うと、4回に小笠が1点を勝ち越し。その後も加点し、4-1で勝利しました。
松村は腕は振れていたものの、序盤は変化球でストライクが取れず、少し苦しみましたが、3回からは本来のテンポの良さを発揮。ストレートも変化球も低めに集まり始め、走者が出ても安心して見ていられました。
松村の良さはやはり角度。下半身をあまり沈みこませないフォームで、真上から振り下ろすので、低めの球には身長以上の角度があります。腕が強く振れるので球威も併せ持ち、フライや三振でのアウトが目につきました。
昨秋見た時には、ストライクゾーンの中である程度バラけるところがいいなと思いましたが、今日は低めにまとまっていて、さらに松村の魅力が出ていましたね。険しさのないほんわかした表情からえげつないボールを内角にぶち込んでくるところも好きです。
昨秋、常葉学園菊川に勝ったのはフロックじゃありません!
2試合目は0-0で迎えた8回に、あと一本が出なかった下田打線が突如発火。5安打で3点を奪い、そのまま勝利を決めました。
この試合は何と言っても、下田の2年生エース・藤井裕太(176cm72kg、右投右打)の投球に尽きます。3安打完封、毎回の16奪三振と文句のつけようがない結果! 藤井は使う球種こそオーソドックスですが、ベストボールを低めギリギリに投げ込めるんです。立ち上がりからしっかり低めにいくストレートの球威を見て、編集部栗山に「多分2桁三振取ります」と初回に連絡してしまったほど。湖西の打者のバットがボールのかなり下を振っているところから見ると、打席の中で見る方がよりキレを感じるのかもしれません。
16奪三振のうち、ほとんどが空振り三振でしたが、私が藤井の魅力を感じたのは3回の見逃し三振~四球の流れ。打者が身動きできなくなるようなストレートをビチっと低めに決めて見逃し三振を奪うと、次打者には1ストライク2ボールから3球連続低めのストレートで攻めます。結局、四球になりましたが、ストライクと判定されてもおかしくないボールばかり。打者もよく見たというよりは手が出せない状態でした。四球を出しても落ち着いて後続を断ったのもよかったです。
下田の次戦の相手は掛川西。強力打線を持つ上、向こうも接戦を制して勢いがあります。どこまで藤井のストレートが通用するか、非常に楽しみです!
下田の打線では、転校のため、今春公式戦デビューし、最後の夏を迎えた4番ショートの露木雄太(182cm73kg、右投右打)が3打数2安打と目を引きました。軽いスイングで、飛ばすよりはつなぐスタイルが向いてそうですが、露木が打点を挙げないと点が入らないので、終盤は少し力みも見えました。ただ、今日、下位打線も8回に頑張ったので、掛川西戦では気負いすぎず打席に入ってもらいたいです。
3試合目は城南静岡が終盤に得点を重ね、8-1のコールド勝利で初戦を突破しました。(編集部H)
<写真上/昨秋は台湾遠征静岡選抜にも選出された左腕・松村涼(小笠)>
<写真中/空振りの取れるストレートは必見! 藤井裕太(下田)>
<写真下/攻守に軽やか&丁寧な露木雄太(下田)>
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