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2013年8月

2013年8月29日 (木)

秋季大会 富士市立vs吉原工

★8月18日 第66回秋季東海地区高等学校野球東部大会敗者復活3回戦 富士球場 

チーム
富士市立 0 1 1 3 0 0 0 3 8
吉原工 0 0 0 0 1 0 0 0 1

<8回コールド>

1308281 先日、読者の方から、「富士市立の新エースである藤井君も一度観に行って下さい。怖いぐらいに腕が振れています」というコメントをもらいました。浜松球場の磐田東対常葉学園菊川も気になったのですが、「怖いほど腕が振れる」という言葉に惹かれ、昨日は富士球場に足を運んできました。

 先発の藤井聖(2年)は、5回に1点を失ったものの、それ以外はほぼ完ぺきに抑える完投勝利。ただ腕がよく振れるというだけでなく、下半身をしっかりと使いながら、真上から投げ下ろしてきます。フォームのバランスに優れた好左腕でした。
 伸びのあるストレートは、キャッチャーミットに向かいボールがグングンと大きくなってくるようなイメージ。キレがあるので、高めの釣り球に思わず、手が出てしまいます。変化球とのコンビネーションも良かったです。

1308281_2 富士市立の打線では、入学早々から期待してきた馬渕晃汰(2年)に注目。以前のブログでも紹介したことがありますが、稲沢リトルシニア時代には、日本選抜チームに選出され、全米選手権大会に出場したほどの逸材です。
 181センチ77キロという堂々とした体格から、この秋は主に4番に座り、3打席連続三塁打という離れ業も記録。下級生時はどちらかというと、オドオドとしている感がありましたが、今はバッターボックスでもどっしりと構えています。
 この日の8回の第5打席でした。甘く入った変化球を放つと、ライナー性の打球をレフト方向に。低い弾道は、そのままレフトスタンドに突き刺さりました。1球で仕留めた集中力は見事。この日の快音はこの1打席のみでしたが、馬渕の打球は、凡打で終わっても、その強さが違うのです。
 センターの守備力も向上していけば、来秋のドラフト候補になってもおかしくない身体能力の高さ。シュアな打撃を披露する鈴木悠矢との強力コンビは、今後も楽しみです。

1308283 この試合、富士市立の一方的な試合になってしまいました。そんな中、実は吉原工の1年生右腕・野口幸真に出会うことができたことが一番の収穫でした。序盤から、富士市立打席に真っ向挑む本格派右腕。身長173センチと大柄ではありませんが、「こんないいピッチャーがいたんだ」と驚きました。
 試合後、大勝良則監督に話を聞くと、中学3年時に軟式の富士選抜のエースを務めていたようです。1年夏からベンチ入りし、今秋は富士戦でリリーフ登板して好投。敗者復活1回戦の誠恵戦で完封勝利を飾ると、続く裾野戦でも無失点の快投。富士市立と対戦するまで無失点できたようでした。
 「こんなにボールがきていなかったのは初めてですね。富士市立という名前を意識してしまったのかもしれません。本来、もっとコントロールも安定しています」。(大勝監督)
 「腕の振りの速さ」では、富士市立・藤井に軍配が上がりますが、「しなやかさ」なら、この野口だって負けていません。この冬はじっくりと下半身を鍛え、来春はさらなる飛躍に期待したいです。現在130キロ台前半のストレートは140キロ台まで上がる可能性は十分にあると見ています。(編集部・栗山)

<写真上から藤井聖、馬渕晃汰(ともに富士市立)、野口幸真(吉原工)>

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2013年8月26日 (月)

秋季西部地区大会敗者復活4回戦~磐田球場

 昨日は磐田球場で西部地区の敗者復活4回戦が行われました。中部地区、東部地区を含め、他の球場はすべて雨で中止。磐田球場も一日中雨が降ったり止んだりという天候でしたが、グランドの土のコンディションはそれほど悪くなく、水たまりができるような状況ではありませんでした。これは、グランドキーパーさんの日々の整備のおかげだと思います。

横須賀 6-2 浜松城北工
浜松商 8-0 浜松西(8回コールド)
浜北西 6-5 浜松湖南(9回サヨナラ)

1308251_2 第1試合では、夏ベスト8の横須賀が、初回に挙げた4点を2回から登板した戸塚涼雅(1年)が守り抜き、2年連続県大会出場に王手をかけました。4番に座る戸塚は打っても初回に右中間へ先制となるタイムリー三塁打を放つと、第3打席でも右中間を抜く二塁打、さらに7回にはダメ押しとなる犠牲フライの大活躍でした。中学時代は掛川リトルシニアの主力として活躍した戸塚。今夏は1年生ながらレギュラーを掴み、経験も豊富だけに、今後に注目です。
 また、この夏、横須賀の快進撃の原動力となったエース・後藤黛(2年)は1回を投げ終わったところで降板。ちょっと気になりましたが、本人は「少しフォームのズレがありますが、問題ありません。次は自分が投げて、絶対県を決めて、何として県大会で(チーム初の)1勝します」と話してくれました。夏の疲れも残っていると思いますが、ぜひ後藤の迫力ある投球を県大会でも見たいですね。

1308252 続く、第2試合で浜松商と浜松西の伝統校対決。試合は終始、浜松商ペースで進みます。初回から4回まで連続得点。投げては増田純一(2年)の快投が光りました。低いリリースポイントから低めに直線的にキレのあるボールを投げ込む投手。プロで活躍する武田久(日本ハム)の姿がダブりました。

 第3試合は浜北西が初回に失った4点のビハインドを終盤に追い上げ、最後は機動力を使った攻撃で、サヨナラ勝ちを収めました。
 敗れはしたものの、浜松湖南はバッテリーを含め、スタメン4人が1年生という若いチーム。今後の財産になったと思います。試合後、磯部祐監督はこう言っていました。「大会前は、1勝もできずに終わると思っていたチーム。よく、ここまで頑張ってくれたと思います」。その一方で、「今日は経験不足が出てしまいました」と9回のピンチの場面を振り返りました。通常なら、9回はベンチからのタイムを最後の1回、取っておくそうですが、野手がマウンドに駆け寄ってしまい、タイム1回とカウントされてしまったようです。なので、間をとりたい場面で、タイムを使うことができなかったと悔やんでいました。
 ただ、この日の浜松湖南の試合を見ていて、すごく丁寧な野球をするチームだなという印象を受けました。送るところはきっちりとバントを決め、守備でも無駄なミスがない。よく鍛えられている好チームです。ピッチャーも駒が揃っているだけに、来春、もう一度見るのが今から楽しみです。(編集部・栗山)

<写真上/この秋はエース・後藤黛との2枚看板を形成する戸塚涼雅(横須賀)>
<写真下/名門復活へ、カギを握る増田純一(浜松商)>

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2013年8月23日 (金)

流しの安倍昌彦さんがメルマガ『安倍昌彦の野球旅日誌』をスタート

 流しのブルペンキャッチャーこと安倍昌彦さんが最近、『安倍昌彦の野球旅日誌』というメルマガを始めました。安倍さんには『静岡高校野球』でも、昨年は春季県大会の観戦レポートを寄稿していただき、今年は常葉学園橘の青島勢奈・高橋遥人の球を受けてもらうという企画で活躍してもらいました。メルマガでは、安倍さんならではの視点&独特の表現で観戦レポートが書き連ねられているので、アマチュア野球ファンの方はもちろん、活字中毒の方にもお勧めです。旅日誌というタイトル通り、全国を巡る安倍さんの紀行文にも注目したいところ。月額料金など、詳しくは下記の公式サイトをご覧下さい。

 8月上旬からこのメルマガは始まっているのですが、何でこのタイミングでお知らせしているかと言うと、最新号にて夏の静岡県大会観戦レポートが掲載されていたからです。鈴木翔太(聖隷クリストファー)に2年春に初めて出会い、並々ならぬ思いを持っている安倍さんが熱く綴っています。バックナンバーでは浜松工出身の浦野博司(セガサミー)のレポートも!

 このメルマガにとどまらず、安倍さんがアマチュア野球を見るライターとして大事にしているのが「見てないものは語れない」というスタンス。『静岡高校野球』編集部においても、最も大切にしていることです。安倍さんに負けじとこれからも県内を飛び回ります! (『静岡高校野球』編集部)

★安倍昌彦の野球旅日誌
http://yakyutabi.gw-pmobile.jp/

安倍さんのtwitterも面白いですよ!
http://twitter.com/abe_masahiko

ちなみに、『静岡高校野球2013』で安倍さんが高橋遥人(常葉学園橘)の球を受けた時の様子がこの動画↓にチラっと写っています。(2分30秒ぐらいから2分55秒ぐらいまで)

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2013年8月19日 (月)

秋季大会 科学技術vs静岡大成

★8月18日 第66回秋季東海地区高等学校野球中部大会 島田球場 晴

 チーム
静岡大成 1 0 0 0 0 2 0 3
科学技術 0 0 0 4 1 6 × 11

<7回コールド>

 昨日は島田球場で中部地区大会の3試合を堪能してきました。第3試合では、科学技術と静岡大成が対戦。科学技術が11対3(7回コールド)で静岡大成を下しました。ただ、この試合、常葉学園菊川の先日の試合ではありませんが、静岡大成のエラーが要因で一気に流れが科学技術に傾き、得点差が広がりました。選手個々の実力差は感じなかっただけに、あらためて高校野球のメンタル面の難しさを感じました。

1308182

 その中で、静岡大成では、「4番セカンド」の岡本拓也(2年)のプレーに目を惹かれました。初回にセンター前安打で出塁すると、4回にもライト前安打。コンパクトでシャープにバットを振り抜きます。4回の出塁時には果敢に二盗を決め、快速ぶりもアピール。走攻守で随所にセンスを感じるプレーを見せてくれました。

 一方、科学技術では2番手で登板した北川遼(2年)に注目しました。今夏はエースナンバーを背負った左1308181腕(この日は11番でした)。6回途中から7回までを無失点に抑えました。特徴は、怖いほど、腕がしなることです。肩、ヒジの柔らかさを感じるフォームは見ごたえがあります。
 これで、県大会に王手をかけた科学技術。北川の投球が、中部上位校にどこまで通用するのか楽しみです。(編集部・栗山)

<写真上/静岡大成を攻守で引っ張る岡本拓也>
<写真下/ひと冬を越した成長が楽しみな北川遼(科学技術)>

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2013年8月15日 (木)

秋季東部地区大会1日目~裾野球場

 西部地区、中部地区に続き、今日は東部地区も開幕。編集部はやる気がありすぎて、今日は2度目の更新となります。西部地区・浜北球場の様子はこちらをご覧下さい。→http://tsukasa-baseball.cocolog-shizuoka.com/blog/2013/08/post-b80a.html
 裾野球場は、いきなり日大三島と御殿場西が対決するという好カードとなりました。また、第2試合は、「好投手対決」を堪能することができました。

御殿場西 3-2 日大三島
下田 2-1 御殿場(延長12回)

 第1試1308152_2合は2回、御殿場西が相手の先発・小澤拓馬(2年)をとらえて2点を先制。しかし、日大三島も3回に2番・高田亮真(2年)の2点タイムリーで同点とします。4回に御殿場西が1点を勝ち越すと、その後はこう着状態に。御殿場西は先発の最速139キロ右腕・平井恒也(2年)からサイドスロー右腕・二見昇汰(2年)をはさみ、8回途中から左腕・斉藤力(2年)がマウンドに上がります。  
 「この試合は登板予定ではなかった」と斉藤はいうものの、気持ちのこもった投球を展開します。
 体全体を使ったフォームから、右打者の内角低め、左打者の外角低めにズバッと投げ込みます。3四死球を与えたものの、無安打に抑え、御殿場西が逃げ切りました。
 試合後、斉藤は「うちは、他にもいいピッチャーがいるので、僕は与えられた場面で頑張るだけです。今日は気持ちだけで投げました」とコメント。御殿場西は、平井、二見、斉藤以外にも好左腕の佐藤圭生(2年)も控えます。この秋、投手陣は間違いなく県トップクラスでしょう。
 

1308151 2試合目は、下田・藤井裕太(2年)、御殿場・田邉陸(1年)の素晴らしい投げ合いを目撃することができました。
 藤井は今夏の県大会1回戦(http://tsukasa-baseball.cocolog-shizuoka.com/blog/2013/07/post-29d0.html)で16奪三振をマークした本格派右腕。夏の大会後、まだ本調子ではないそうですが、今日も延長12回を投げて毎回奪三振。なんと、計19個の三振を奪いました。
 「いいときには、もっと低めが伸びてくるのですが」(下田・松本剛監督)。それでも、変化球とのコンビネーションで苦しい試合をものにしました。
 一方、御殿場の左腕・田邉はまったく知らなかった投手だっただけに、その投げっぷりに衝撃を受けました。流れるようなフォームから打者の手元でクッと伸びる球筋。球を前で離すことができるので、打者は球速以上の速さを感じるはずです。
 今1308153日は9回2死まで無失点で勝利目前でしたが、力みから、4連打を浴びて同点とされました。ところが、延長に入っても、最後まで気持ちを切らさずに投げきったのは立派です。今後がメチャクチャ楽しみな左腕と出会うことができました。(編集部・栗山)

<写真上から斉藤力(御殿場西)、藤井裕太(下田)、田邉陸(御殿場)>

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秋季西部地区大会3日目~浜北球場

 今日から東部地区も秋季大会が開幕。先駆けて始まっている西部地区大会では、来年のドラフト候補として期待したい逸材左腕が快挙を成し遂げました。

浜松西 5-4 浜松開誠館
磐田東 1-0 浜松南

 第1試合は両校合わせて17四死球ということで、常に走者がいるような状態でした。浜松西の先発・服部航平(2年)は細身ながら184センチの右腕で、今春からエースとして投げ続けています。今日は6回4失点と冴えない内容でしたが、今秋から4番を打つ打撃でのパワーや変化球を上手く運ぶ器用さからはポテンシャルを感じるんですよね。進化に期待したい投手です。
 浜松開誠館は3人の継投でしたが、計10四死球と課題が見えました。猛暑の中でも元気にベンチから声をかけまくっていた磯部修三監督が今後、どのようにチームを作っていくのか注視していきたいです。

Seiya2

 第2試合は磐田東の長身左腕・齋藤誠哉(2年)がノーヒットノーランを達成。エラー1つのみで、四死球はなし。12奪三振というまさに圧巻の内容でした。齋藤誠はぐっと前に乗りだしてきてから、長い腕を存分に生かし、打者に近いところでリリースできる投手。そんな左腕にストレートも変化球も徹底して低めに集められたら、浜松南打線が封じ込められたのも仕方がないところ。今日の出来なら甲子園でも好投できるでしょうね…。
 今夏の齋藤誠はパンフレットに掲載されていない謎の20番として活躍しましたが、現在は堂々の1番をつけています。ただ、磐田東の投手陣は140キロを越えるストレートを持つ右腕・鈴木博志や、今日は打者として出場し、ポール際に場外までいきそうな大ファウルを放つパワーを見せた178センチの左腕・藤森碧尉(今日は本当は藤森が目当てだったので、また行ってきます)など県内屈指。今後もハイレベルなエース争いから目が離せません。

Nakagawa

 ただ、浜松南の先発・中川雄太(2年)もいい投球を見せました。9回を投げて5安打1失点。2回と8回以外毎回走者を背負う展開となりましたが、走者を出してからも粘りの投球。味方が齋藤誠に対し突破口を開けずにいる中、気持ちを切らさずに投げ抜きました。
 中川も齋藤誠と同じく、183センチの長身左腕ですが、齋藤誠が前の方でリリースすることに長身を生かしているのに対し、中川はあまり沈まず、投げ下ろすので長身投手らしい角度があります。中川が打たれた5安打のうち、4安打は右打者2人に打たれたもので、やはり左打者には打ちづらいよう。まだまだ細身でノビシロも十分なので、次の試合に期待というよりは、長いスパンで見ていきたい左腕ですね。
 浜松南では遊撃手の内山惇貴(2年)の守備にも目を引かれました。グラブさばきが良く、送球に安定感があります。(編集部H)

<写真上/最近ブログ登場率が高い齋藤誠哉(磐田東)>
<写真下/中川雄太(浜松南)>

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2013年8月14日 (水)

秋季中部地区大会2日目~清水庵原球場

 甲子園では常葉学園菊川が初戦を勝利で飾り、まだまだ静岡の夏も続いています…が、県内では秋季大会が盛り上がっています。

駿河総合 7-6 藤枝明誠
常葉学園橘 13-0 川根(5回コールド)

Maebashi

 第1試合は藤枝明誠が初回に4点を先制。3回、4回にも1点ずつ追加し、6点のリードを奪います。このまま藤枝明誠ペースでいくのかと思いきや、駿河総合は後半に詰め寄り、2点ビハインドで迎えた9回に3点を奪い、ついに勝ち越し。その裏を守り切り、6点差をひっくり返す逆転勝利を収めました。
 駿河総合で目を引いたのが1番レフトの前橋仙一(2年)。この日は5打数3安打(二塁打2本)と当たっていました。しっかりフルスイングなのに、空振りが少ない好打者。173センチと大柄でありませんが、バットを振りきれるから逆方向にも打球が伸びます。土を足の裏でつかんでグイグイ進むような走塁にも惹かれました。昨秋、静岡市内大会で見た時には、打球の強さに魅力を感じたものの、試合ごとに少しムラがある印象でしたが、今秋は安定して結果を出してくれそうです。
 打のヒーローにはその他にも9回に代打で登場し、勝ち越しタイムリー二塁打を放った黒田卓巳(1年)などがいましたが、投のヒーローは志村烈貴(1年)。3番ライトで出場し、6回からマウンドへ。8回、9回は満塁のピンチもありましたが、無失点で切り抜けました。度胸があるのか、やたら落ち着いていて、スクイズにも慌てず対処。バント処理も間違いがなく、フィールディングの良さもありますが、厳しい場面でも預けたくなる頼もしさがありました。

 藤枝明誠は光岡孝新監督で挑む最初の公式戦でしたが、残念ながら敗戦。敗者復活戦に回ります。パンチ力抜群の5番レフト・山下岳史(1年)など、松井和輝や荘岳頴が引退しても、力のある打者がいるので、今後の戦いぶりが気になります。

Kimura

 第2試合は所用で試合序盤に球場を後にしたのですが、常葉学園橘の背番号1は結局誰が背負うんだろう…と思ったら、木村聡司(2年)。この秋から本格的に投手となるようですね。コンパクトなフォームからの球威ある直球や乗ってくるとテンポが早くなってくるところは健在。4番を打つバットにも期待したいですが、この秋は投手・木村に要注目です。(編集部H)

<写真上/前橋仙一(駿河総合)>
<写真下/木村聡司(常葉学園橘)>

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2013年8月13日 (火)

秋季西部地区大会1日目~浜松球場

 今日から秋季地区大会が中部、西部で開幕しました(東部はちょっと遅れて15日からです)。夏の大会よりも暑さが厳しいので、秋季とはいえ、プレーする選手たちはもちろん、観戦する方もなかなかしんどいですね。と弱音も吐いていられず、浜松球場に西部地区大会を見てきました。

浜松工 10-2 浜松大平台(7回コールド)
浜松北 13-1 気賀(5回コールド)
浜松江之島 8-4 二俣 

Yoshida

 第1試合の浜松工の先発は1年生右腕の吉田一稀でした。光が丘中時代から気になっていた投手ですが、体がずいぶんしっかりして、球威がアップ。初回はエラーもあり、自分の投球ができないうちに2点を失いましたが、2回以降は落ち着きを取り戻し、力のあるストレートとスライダー中心の投球で浜松大平台打線を封じました。
 打線ではスイングが鋭く、しっかり振り切れる4番センターの二橋涼太(2年)と、逆方向に長打が打てる6番ライトの遠藤出海(2年)が気になりました。
 また、浜松大平台では4番サードの繁田一輝(2年)のバットに乗せて運ぶ、放物線の打球に惹かれましたね。

Yui

 第3試合に登場した二俣は現校名で戦う最後の大会。とはいえ、新高校でプレーしたいという選手も多く、1年生は例年以上に好素材が集まったとか。しかし、浜松江之島も夏からメンバー入りした1年生が多く、注目していたカードでした。
 その1年生たちの中で、気になったのは二俣先発の油井宏真。夏にも1番を背負ったこの左腕、171センチと大柄ではありませんが、柔らかく下半身をしっかりと使うフォームが誰かに似てる…と思ったら、常葉学園橘の高橋遥人。本家(?)は手足が長いせいか、優雅な雰囲気もありますが、油井はぐっと前に踏み込んできて、一気に腕を振ってくるのでエネルギッシュ! 球に力もありました。制球を磨いて、高橋のような見づらさも身についてくれば面白い投手です。この試合では8回に浜松江之島が逆転し、二俣は敗退してしまっただけに、敗者復活戦での活躍に期待します。(編集部H)

<写真上/吉田一稀(浜松工)>
<写真下/油井宏真(二俣)>

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2013年8月12日 (月)

練習試合 常葉学園菊川vs掛川東

★8月11日 練習試合 常葉学園菊川グランド 晴

 チーム
常葉菊川 0 0 0 1 0 3 0 0 0 4
掛川東 0 0 1 1 0 0 0 0 2 4

 昨日は常葉学園菊川のグランドへ。現在、常葉学園菊川の甲子園メンバーは関西に行っていますので、残っているメンバーのみで、秋の大会に向けて、練習試合を重ねています。

1308111 この日の相手は掛川東。今夏は、2年生が多く試合に出場していただけに、秋の戦いぶりを楽しみにしているチームの一つです。
 4対2と常葉学園菊川リードで迎えた6回途中。掛川東のマウンドに上がったのは今夏もエースナンバーを背負った太田光俊(168cm69㎏、右投右打)です。
 ゆったりとしたテークバックに真上から投げ下ろして低めにズバッと決めてくるストレート。168cmという身長ですが、打者にとっては180センチくらいのピッチャーが投げているような角度を感じるのではないでしょうか。
 さらに、この投手の特徴は気持ちが前面に出てくること。例えば、本塁と一塁ベースの中間に上がったポップフライ。この打球に対し、キャッチャーやファーストより早く、一目散に飛び出して捕りにいきます。気温35度を超す猛暑の中、「上がったフライは全部自分で捕ってやる」というぐらいの逞しい気構え。こういうピッチャーを見ていると、観戦しているこちらが元気を貰うことができます。
 甲子園メンバーが不在とはいえ、6回途中から9回まで無失点に抑える快投。しかも、7回一死からは4者連続三振。終盤は相手を見下ろして投げているようでもありました。ただ、あまりにも、上体が強く、腕を振りすぎるので肩、ヒジの故障だけが心配。ケアだけは怠らないようにしてもらいたいですね。

 その後、試合は9回裏に掛川東が2点を挙げて同点。太田の投球が流れを作ってといっても言い過ぎではないと思います。練習試合とはいえ、掛川東にとって、負けで終わるのと、同点で終わるのとでは大きな違い。ぜひ、この結果を今後の自信にして欲しいです。(編集部・栗山)

<写真/常葉学園菊川打線相手に持ち味を発揮した太田光俊(掛川東)>

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2013年8月10日 (土)

練習試合 沼津東vs東邦

★8月10日 練習試合 掛川西グランド 晴

 チーム
沼津東 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
東邦 0 0 0 0 1 0 0 0 × 1

 高校野球は秋季地区大会が13日から始まります。その前に、編集部は練習試合巡りをしています。今日は掛川西グランドに東邦と沼津東が来るということで観戦してきました。

Img_0141

 今春、1年生大会で見て以来気になっていた久郷太雅(沼津東1年・181cm67kg、左投左打)。ムチのような腕の振りからキレのある球を投げる細身の長身左腕です。中学時代は静岡裾野リトルシニアの左のエースとして活躍。先日、このブログで紹介した静岡高の1年生左腕・松田翔真(浜松リトルシニア出身)と同様、中学時代から県内では有名な投手でした。今日は東邦戦の先発マウンドに上がりました。
 序盤は変化球が抜けることも多く、ストレートもストライクとボールがはっきりしていて、四死球が目立ちました。とはいえ、5回1死まで無安打に抑えたことにはビックリ。その後、長打が続き失点したものの、6回3安打1失点という結果でした。東邦も黄金世代と言われた3年生たちが引退し、チーム作りの真っ最中とはいえ、立派な内容です。
 久郷は立ち投げとまではいかなくても、沈まずにスリークオーターから長い腕を振り回すように振ってくるフォーム。この時点で打ちづらそうですが、さらに、右でも左でもストレートで内角をどんどんえぐってくる投球スタイル。ストレートがシュート回転しているのが、このスタイルとマッチしていて、さらに打ちづらさを加えています。左打者にとっては、背中の方から来たストレートが内角からもう一つ食いこんでくるんですから、かなり怖さがあるでしょうね。
 まだまだ体も細身な1年生なので、これから球威アップや制球力・変化球の精度向上に期待したいところですが、ある程度アバウトな制球でも、球威が増してくるとフォームと相まって相当怖い投手になるはず。特に左殺しっぷりに磨きをかけて、県上位クラスのチームをキリキリ舞いさせる左腕になってくれることに期待しています!

 沼津東打線で気になったのは、3番ショートの中村丞。甘い球をしっかりセンターに打ち返す打者で、この試合は4打数3安打と一人気を吐きました。

 暑かったので、2試合目の東邦vs沼津東を狙い撃ちで掛川西グランドに行ったのですが、1試合目の東邦vs掛川西(掛川西が快勝)では、1年生右腕の斎藤健が登板したようで、この投手も夏前の練習試合で見てから気になっていたので、ちょっと後悔しました…。また見に行って、ぜひブログで紹介したいと思います。(編集部H)

<写真/久郷太雅(沼津東)>

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2013年8月 7日 (水)

ヤマハ出身・石山が浜松で登板!

 昨日は、浜松市営球場で、中日対ヤクルトが行われ、ヤマハ出身の石山泰稚が凱旋登板を果たしました。

1308061

 石山が登板したのは1対0とリードした8回でした。一死走者なしの場面。球場に「ピッチャー石山」の名前がアナウンスされると、三塁側から大きな歓声があがりました。
 まず、最初のマット・クラークを低めいっぱいの球で三振を奪います。続く、エクトル・ルナにセンター前安打を浴びたものの、和田一浩をセンターフフライに仕留め、抑えのトニー・バーネットにつなぎました。
 しなやかなフォームから投げ込まれる146キロのストレート。三塁側から見ていると、キャッチャーのミットに向かって、まさに糸を引くような球でした。

1308062_2 ここまで石山は35試合に登板。勝ちゲームのセットアッパーとして見事な役割を果たしています。正直、僕は社会人時代の石山を見てきて、ドラフト1位ルーキーでしたが、即戦力というよりも、数年後にヤクルト投手陣を支えてくれればと期待していました。それだけに、この活躍にいい意味で驚いています。こんな選手が今後も静岡からどんどん巣立ってくれればと思います。(編集部・栗山)

<写真上/プロ1年目から活躍を見せる石山泰稚(ヤクルト)>
<写真下/こちらも、凱旋! 河合楽器出身の小川淳司監督(ヤクルト)>

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2013年8月 5日 (月)

練習試合 静岡高vs三ヶ日

★8月4日 練習試合 静岡高グランド 晴

 チーム
三ケ日 1 0 1 0 0 0 2 0 0 4
静岡高 0 0 0 5 1 0 2 2 × 10
 
 常葉学園菊川の優勝から数日した経っていませんが、すでに新チームの練習試合がスタートしています。早いもので、秋季地区大会が13日からスタート。現在、県内の各チームは急ピッチでチームを作っているようです。
 
 そんな中、昨日は静岡高と三ヶ日の練習試合を見てきました。両チームとも、先発投手は1年生。静岡高の先発は松田翔真(177cm80kg、左投左打)、三ケ日は戸田陽己(173cm66kg、右投右打)。2人とも、『静岡高校野球2013』の「ようこそ静岡高校野球」というコーナーで紹介した選手だけに、投げ合いがすごく楽しみでした。

1308041_2 まず、静岡高の松田は浜松リトルシニア時代に比べ、体は一回り大きくなった印象を受けました。僕が、最後に松田を見たのは昨年の7月。おそらく、そこから中学卒業までの期間で相当なトレーニングを積んできたのではと想像がつきます。一目で逞しさが分かりました。
 この日は3回を2失点。力むと高めに抜ける球もありましたが、腕がビュンビュンと振れて、本格派左腕の雰囲気を醸し出していました。
 「専門家に調べてもらうと、彼は体のパーツパーツ、それぞれの筋肉は素晴らしいものを持っているようなんです。あとは、体が噛み合ってくるかどうかでしょう。来年の春を楽しみにして下さい」(栗林俊輔監督)。
 ぜひ、来年はプロが注目するようなピッチャーになってもらいたいです。 

 一方、三ヶ日の戸田は今夏からベンチ入りを果たしています。こちらも、大石卓哉監督が将来が楽しみと期待する右腕です。体全体を使うフォームから、ストレートとブレーキのきいたカーブで勝負します。フォームといい、投球スタイルといい、どことなく往年の桑田真澄(元巨人他)を彷彿とさせました。
 
1308042 その三ヶ日で、もう一人紹介したい選手がいます。1番・センターで出場した太田康貴(160cm54kg、左投左打)です。小柄ですが、コマのようにくるっと回転して、シャープなスイング。この日は初回、3回、7回、すべてでセンター前に安打を放ちました。しかも、塁に出ると、俊足を生かし、必ずホームまで生還。この秋、また見たくなる韋駄天選手を見つけました。(編集部・栗山)

<写真上/本格派左腕の逸材として注目の1年生・松田翔真(静岡高)>
<写真下/名門相手でも臆することなく、自分の野球スタイルを貫いた太田康貴(三ヶ日)>

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2013年8月 1日 (木)

ピッチャーらしいピッチャーへ、期待の本格派中学生!

 昨日、取り上げた桒原樹(常葉学園菊川)が中学時代に在籍したのが小笠浜岡リトルシニア。その小笠浜岡リトルシニアに今年もまた有望な中学生がいると聞きつけ、先月28日に開催された日刊スポーツ杯リトルシニア静岡県大会の準決勝を見てきました。

 その名は古川竣(177cm60㎏、右投左打)。試合前の投球練習から、僕はフォームのバランスの良さ、流麗なヒジのしなりに圧倒されました。この日は惜しくも、浜松南リトルシニア打線につかまり、初回に4失点。さらに、4回にも1点を失い降板しました。フォームが素直すぎるせいか、相手打線にタイミング良く、スイングされているようでした。しかし、それも中学生なら大きな魅力。時折見せる、軽く投げるいるようで、指にかかったときのストレートに大器の片りんを感じました。

1308011 試合後、本人は「相手の鈴木嘉基君(浜松南リトルシニア)を意識していたのですが、今日は全体的に高めに浮いてしました」と悔しそうな顔を浮かべていました。それでも、将来については「水野匡貴さん(静岡高)や鈴木翔太(聖隷クリストファー)さんのような、ピッチャーらしいピッチャーを目指していきたいです」と目を輝かせていました。
 実は春先に肩を故障し、本格的に投げ始めたのは夏前とのこと。それでも、これだけのポテンシャルの高さ。今のまま、体を少しずつ大きくしていけば、球速が上がってくるのは間違いないしょう。ただ、故障上がりだけに、無理だけはしないないに、ゆっくりと成長していってもらいたいです。(編集部・栗山)

<写真/県内だけでなく、県外の強豪高からも熱視線が注がれる古川竣(小笠浜岡リトルシニア)>

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