秋季大会 富士市立vs吉原工
★8月18日 第66回秋季東海地区高等学校野球東部大会敗者復活3回戦 富士球場
チーム | 一 | 二 | 三 | 四 | 五 | 六 | 七 | 八 | 計 |
富士市立 | 0 | 1 | 1 | 3 | 0 | 0 | 0 | 3 | 8 |
吉原工 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 |
<8回コールド>
先日、読者の方から、「富士市立の新エースである藤井君も一度観に行って下さい。怖いぐらいに腕が振れています」というコメントをもらいました。浜松球場の磐田東対常葉学園菊川も気になったのですが、「怖いほど腕が振れる」という言葉に惹かれ、昨日は富士球場に足を運んできました。
先発の藤井聖(2年)は、5回に1点を失ったものの、それ以外はほぼ完ぺきに抑える完投勝利。ただ腕がよく振れるというだけでなく、下半身をしっかりと使いながら、真上から投げ下ろしてきます。フォームのバランスに優れた好左腕でした。
伸びのあるストレートは、キャッチャーミットに向かいボールがグングンと大きくなってくるようなイメージ。キレがあるので、高めの釣り球に思わず、手が出てしまいます。変化球とのコンビネーションも良かったです。
富士市立の打線では、入学早々から期待してきた馬渕晃汰(2年)に注目。以前のブログでも紹介したことがありますが、稲沢リトルシニア時代には、日本選抜チームに選出され、全米選手権大会に出場したほどの逸材です。
181センチ77キロという堂々とした体格から、この秋は主に4番に座り、3打席連続三塁打という離れ業も記録。下級生時はどちらかというと、オドオドとしている感がありましたが、今はバッターボックスでもどっしりと構えています。
この日の8回の第5打席でした。甘く入った変化球を放つと、ライナー性の打球をレフト方向に。低い弾道は、そのままレフトスタンドに突き刺さりました。1球で仕留めた集中力は見事。この日の快音はこの1打席のみでしたが、馬渕の打球は、凡打で終わっても、その強さが違うのです。
センターの守備力も向上していけば、来秋のドラフト候補になってもおかしくない身体能力の高さ。シュアな打撃を披露する鈴木悠矢との強力コンビは、今後も楽しみです。
この試合、富士市立の一方的な試合になってしまいました。そんな中、実は吉原工の1年生右腕・野口幸真に出会うことができたことが一番の収穫でした。序盤から、富士市立打席に真っ向挑む本格派右腕。身長173センチと大柄ではありませんが、「こんないいピッチャーがいたんだ」と驚きました。
試合後、大勝良則監督に話を聞くと、中学3年時に軟式の富士選抜のエースを務めていたようです。1年夏からベンチ入りし、今秋は富士戦でリリーフ登板して好投。敗者復活1回戦の誠恵戦で完封勝利を飾ると、続く裾野戦でも無失点の快投。富士市立と対戦するまで無失点できたようでした。
「こんなにボールがきていなかったのは初めてですね。富士市立という名前を意識してしまったのかもしれません。本来、もっとコントロールも安定しています」。(大勝監督)
「腕の振りの速さ」では、富士市立・藤井に軍配が上がりますが、「しなやかさ」なら、この野口だって負けていません。この冬はじっくりと下半身を鍛え、来春はさらなる飛躍に期待したいです。現在130キロ台前半のストレートは140キロ台まで上がる可能性は十分にあると見ています。(編集部・栗山)
<写真上から藤井聖、馬渕晃汰(ともに富士市立)、野口幸真(吉原工)>
| 固定リンク
| コメント (1)
| トラックバック (0)