シーズン最後は後藤黛(横須賀)に注目!
ついに、今年の高校野球シーズンが終わりを迎えます。僕が2013年最後に選んだゲームは、横須賀対浜松南。西部地区屈指の右腕・後藤黛(横須賀)と長身左腕・中川雄太(浜松南)の投げ合いを楽しみにしました。
残念ながら、中川は左肩痛の影響で大事をとって欠場しましたが、その分、後藤の素晴らしい投球を堪能できました。
一週間前の三島との練習試合では7回を投げて12三振(被安打2、失点1)を奪ったという後藤。絶好調で迎えたシーズン最後の試合。この日も立ち上がりからエンジン全開でした。
まず、後藤の良さは立ち上がり。スタートから気持ちが前面に出て、いきなりMAXの力を出し切る能力に長けています。実際の身長174センチ以上にマウンドに立っていると大きく見え、全身にバネを感じる躍動感溢れるフォーム。低めの内外角にビシバシ決まってきます。そこにクッと滑るスライダーが挟まり、もう打者は対応に苦しみます。球速数字も初回に138キロをマーク。捕手の手前でホップするような回転の良さ。ボール自体だけ見れば、中日ドラフト1位の鈴木翔太(聖隷クリストファー)と比べてもそん色ないなと感じたほどした。
ただ、味方が2点を取って、少しエンジンを緩めたのか、5回に振り逃げやエラーも重なり、2点を失います。ところが、ここからギアチェンジ。6回~8回は相手打者を完ぺきに封じ、3者凡退。そして、終盤でも球速が落ちず、コンスタントに130キロ中盤から後半をマークします。9回に137キロをたたき出すと、死球を与えてピンチの場面で、今度は右打者の内角にフォークを落として空振り三振に。練習試合とはいえ、3対2という緊迫した場面をものにできたことは大きいでしょう。
試合後、本人は「今日は右足に力が入らなかったこともあり、90パーセントくらいの出来です。このオフは体重を5キロアップ(現在66キロ)し、来夏には145キロをマークしたいです」と抱負を語ってくれました。
この寒い時期の130キロ台後半は十分に価値ある数字。まず、このオフ、とにかく順調に故障なく過ごし、来春はもうひと暴れして欲しいです。願わくば、今度こそ万全の中川との勝負も見たいですね。(編集部・栗山)
<写真/足腰も逞しくなった後藤黛(横須賀)>
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