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2013年12月16日 (月)

静岡を巣立つ球児たち2013~鈴木亮編・上

 昨年の人気連載(自称)が今年も帰ってきました! 微妙に改題して、「静岡を巣立つ球児たち」となりましたが、内容は変わりません。編集部Hが、卒業後も野球を続けることが決まっている高校3年生たちに会いに行きます。
 2013年一発目は静岡高の左腕・鈴木亮。卒業後は専修大に進学する鈴木のインタビューを2回にわたってお届けします。

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静岡を巣立つ球児たち2013~鈴木亮編・上

★伊豆市シニア旋風の中心
 鈴木亮が野球を始めたのは3歳上の兄が三島向山アローズに入団したことがきっかけだった。チームの練習などを見に行くうちに、ほどなくして同じチームに入ったのは6歳の頃だったそう。中学からは監督が父の高校時代の監督だったという縁もあり、伊豆市シニアに所属。鈴木が4期生という、まだ新しいチームにおいて、鈴木は1年秋からエースとなった。鈴木の同期には、遠藤康平(常葉菊川)、森下開地(酒田南)ら、のちに強豪校で主力となった選手が揃っていたが、鈴木は打撃でもクリーンナップを担い、投打に伊豆市シニアを引っ張った。
 もちろん、それだけ粒揃いだった伊豆市シニアはチームとしても強かった。関東大会に初出場し、九州選抜大会では優勝。関東のレベルの高さを肌身で感じた鈴木は、進学先を決める際、関東の高校が頭をよぎったこともあるという。しかし、監督の勧めや、伝統や甲子園を狙える学校だということに鈴木自身惹かれていたこともあり、静岡高に進学することを決めた。

01_3★高校生活がスタート
 静岡高に進学した選手の大半の第一印象は「先輩の体がでかい」。鈴木も例外ではなかった。「中学までは細くても身長があればオーラがあるとかそういうかんじで。でも高校来て、ただ身長があるだけじゃ何も思わなくなりました。入った時に3年生だった高階さん(隼・現中央大)とかは体に厚みがあって。そこでもう圧倒されたというか」。
 三島に住んでいる鈴木は入学と同時に下宿生活もスタートした。圧倒された体格の先輩たちとの生活、厳しい高校野球の練習と、野球漬けの毎日に、1年生の頃は1日を長く感じるほど。「気持ちが強い」と栗林俊輔監督が太鼓判を押す鈴木でも、その頃は実家に帰って羽を伸ばす度に、「戻りたくないな」と考えてしまったそう。

★水野匡貴の存在
 それでも1年秋にはベンチ入りを果たし、2年からは登板機会も増えた。2年秋には背番号1を背負い、エースとして県優勝の立役者に。覚えたばかりだったツーシームが冴え、打たせて取る投球に磨きがかかった。さぞ順調で楽しい野球生活だっただろうと思いきや、鈴木は「悔しいことばかりでした」と振り返る。「1年秋にベンチに入ったって言っても、試合も出てないですし、結果も出てない。やっぱり、試合に出て、活躍してこそ。2年秋も水野(匡貴)がケガをして、それで自分がチャンスをもらってものにしただけで、水野の上にいったってわけじゃなかったんで」。
Suzuki02_3  入学時から大きな期待を受け、早い段階から注目を集めていた水野を、鈴木はずっと意識していた。「周りから見たら、“やっぱり水野だろ”っていうのもあったと思います。水野が能力的にも高いっていうのはわかってたんですけど、自分もこの高校に来たからにはエースになりたいって気持ちもありましたし」。長身で本格派右腕の水野と、安打は浴びても粘って勝つ投球スタイルが売りの鈴木では、左右もタイプもまるで違う。それでも、鈴木には負けたくない相手だった。「でも、ライバルだからって口をきかないとかそういうことはないですよ。変化球のこととか話し合ったりしますし。水野の方は別に、意識してないかも」と鈴木は少し笑う。

★鈴木の見た「どん底」
 2年秋の結果にも満足はしなかった鈴木はその冬のトレーニングにも余念がなかった。万全の状態の水野と競って、1番を勝ち取りたかった。だから、春になり練習試合の解禁日に肉離れを起こした時には、「最初の頃は隠そうと思ってたんですけど、やっぱり無理でした。そこから練習も全然できないですし」と落ち込んだ。
 その春、水野の評価はうなぎのぼりだった。プロ注目だと騒がれ、春の県大会では1番を背負った。対する鈴木はケガが治って、復帰しても感覚が取り戻せない。思うような投球ができず、試合を壊すこともあった。「自分を見失っていたというか。自分のピッチングスタイルも忘れて、何をやってるのかわからなかったですし。自分的にもどん底いっちゃいましたね。自分、何やってるのかなって色々考えたり。チームにも迷惑をかけたし…」。
 昨秋、安定感ある投球で静岡高を県優勝に導いた鈴木はそこにいなかった。不甲斐なさにもがき続ける日々だった。「自分、不安とかそういうことを周りに言えずに考えこんじゃうタイプで。それで自分をだめにしたってかんじですかね。自分の性格を知ってる分、周りもアドバイスしづらかったというか。監督やコーチは“お前らしさがあるぞ”とか“それでいいぞ”って声かけてくれてたんですけど、らしさって何なんだろう、本当にこれでいいのかって。苦しい時期でした」。内に秘めた闘志や意志、負けん気の強さは鈴木の一番の力で、魅力でもある。けれど、この時は、その強い気持ちが悪い方向に作用してしまったのかもしれない。鈴木の「どん底」は長かった。

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「静岡を巣立つ球児たち2013~鈴木亮編・下」は近日公開予定です。(編集部H) 

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