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2014年1月13日 (月)

静岡を巣立つ球児たち2013~小豆澤誠編・下

 オフシーズン企画として始まった「静岡を巣立つ球児たち」。今年も編集部Hが、卒業後も野球を続けることが決まっている高校3年生たちに会いに行きます。
 前回に引き続き、小豆澤誠(飛龍3年)編です。 「静岡を巣立つ球児たち2013~小豆澤誠編・上」はコチラ

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★濱野洋監督の指導
 秋の大会の後、濱野洋監督が「試合は長打が決める。飛ばせるようになろう」というテーマを掲げて、打撃指導に力を入れた結果、小豆澤も急激に打球が飛ぶようになった。秋はシングルヒットが多かったが、春には長打が増加。高校通算7本塁打のうち、6本は3年生になってから打ったものだという。
 小豆澤に濱野監督はどういう監督なのかと尋ねると、「めちゃくちゃすごくて、言ったとおりになるんですよ」と答えを返してきた。「2死三塁で、『ここでセカンドゴロ打ったら点入る』みたいな。入らんやろってかんじじゃないですか。でも、実際に打者がセカンドゴロ打ったら、イレギュラーして点が入ったり。よくわからないんですけど、すごいんですよ」と、試合展開の読みの鋭さに加え、不思議な力(?)があることを教えてくれた。
 発言だけでなく、濱野監督の大胆な野球には小豆澤も何度も驚かされた。「1死三塁でのエンドランも初めて知りました。最終回に2点負けてて、1死二、三塁でエンドランかけて、追いついたり。そこでエンドランするかーって」。緻密な打撃理論や、東北福祉大コーチとしての経験に裏付けされた指導・采配に選手たちは畏敬の念を抱いているそうだ。

★鈴木翔太との対戦
Img_8315 春の県大会でも秋に引き続き3位だった飛龍。シード校として、注目されながら夏を迎えた。初戦の相手は聖隷クリストファー。後にドラフト1位で中日に入団する鈴木翔太がいたものの、鈴木は故障もあり、万全とは言い難かったため、下馬評では飛龍が有利と言われていた。
 そして、最初の打席で小豆澤は鈴木の真っすぐを右中間に叩き込む。「フォークはすごかったです。消えました。でも最初の打席はいきなり3-0になって、ラッキー! って。真っすぐしか合ってなかったです」。先頭打者本塁打で鈴木の出鼻を挫き、一気に陥落といきたいところだったが、「小豆澤はいい打者なので打たれてもしょうがない」と鈴木自身も開き直っていた。その後は接戦が続き、聖隷クリストファーが7回に鈴木自らのタイムリーで勝ち越し。そして、飛龍は2回戦で姿を消すことになった。
 「悔しかったです」と振り返った小豆澤に、鈴木が「コイツには勝てない」という打者として小豆澤の名前を挙げていたことを告げると、「絶対嘘です」と照れ笑い。鈴木の打撃が良かったことが印象に残っているというが、「ホームラン打った球、真ん中低めだと思ってたんですよ。それを泳いで入れたと思ったのに、リプレー見たら高めの球だった。あれ? って。それだけ球が伸びてたんかなって」と、後から鈴木のボールのすごさも感じた。

★日本一の大学・上武大へ進学!
 大阪出身の小豆澤は生粋の阪神ファンで、子供の頃からプロ野球選手になることが夢だった。だから、高校卒業後も野球を続けることは高校に入る頃から決めていたという。そして選んだ進路は上武大。昨春、大学選手権で優勝を果たした関甲新学生リーグの強豪だ。とはいえ、高校入学時と同じく、小豆澤は上武大はもちろん、上武大のある群馬という県もよくわからない状態だった。進路として決めた後に、上武大が大学選手権で優勝し、「すごい大学だな」と気付いたほどだったそう。
 全国から有望選手が集まる上武大で勝ち抜き、レギュラーを奪取するのは簡単なことではない。ほとんどの選手が50m6秒3の小豆澤より足が速いことにも驚いたという。それでも焦らず、入学後はまずケガをしない体作りに励む。3年生からの爆発を睨んでいるが、それまでにもアピールしていきたいのは「元気の良さとガッツ」。一番自信があるという守備や、走塁も磨いていく。走塁は元々得意だったというが、飛龍で米倉亮コーチの指導を受けて打球判断や走塁技術が上達したそう。
 本を読んでいる時に、「最大の失敗はミスすることでなく挑戦しないこと」という言葉を知り、好きな言葉として挙げる小豆澤。やっておけばよかったと後悔することだけは嫌だという。大学野球でももちろんその精神で挑戦し続けていく。

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「和緒壱」と共に大所帯をまとめた「飛龍ポーズ」

★小豆澤誠からのメッセージ
 最後に現役球児へのメッセージを尋ねた。「先輩たちがあっという間だって言うのを、絶対嘘やって思ってたんですよ。でも、終わってみたらあっという間なので、無駄のない日々を過ごして、毎日毎日頑張ってほしいです」。
 『静岡高校野球2013』の注目選手名鑑では「飛龍ポーズ」を決めている写真で掲載された小豆澤。気持ちを高揚させるためにみんなで共有しているポーズだという。ただ、「あれ見たら、なんかファンキーな彼ってかんじですよね。別にそうでもないんですけど…」と小豆澤本人は笑うが、俗語として使われるファンキーは、「個性的でかっこいい、いかす」という意味に使われることが多い。となると、静岡で敵も味方も観客も魅了した、縦横無尽に飛び回る小豆澤のプレーにはファンキーという言葉がよく似合う。あの元気いっぱいでファンキーなプレーを全国の野球ファンが目にする日が待ち遠しい。

濱野洋監督からの贈る言葉
 新入生もいっぱいいるし、日本一の大学ですが、そういうところでも小豆澤のスタイルを崩さずにやってほしいです。4年間あるので1年生からガツガツいかずに、しっかり体を作って3年生ぐらいでデビューできるぐらいを目指してほしい。のんびり余裕をもってやってほしいです。

■小豆澤誠[あずきざわ・まこと]
二塁手/飛龍3年/168cm65kg/右投左打
飛龍に進学後、2年秋からレギュラー。1番打者として19年ぶりの東海大会出場に貢献した。冬には台湾遠征代表に選出。走攻守にスピード感が光り、小柄でも存在感が抜群。プロを志し、上武大ではまず大学野球仕様の体を作る。

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 聖隷戦の話を聞いている時、笑ってしまったのが、「鈴木翔太ってマウンドで応援歌歌ってますよね。自分も緊張した時は歌うんですよ。だから、聖隷戦でも最後の打席は歌ってて…マウンドと打席でハモってました」というエピソード。グランドで美声を響かせている選手は多いんでしょうか?
 初めて見た一昨年秋から夢中になって、周囲に「飛龍の二塁いいよ~」と宣伝しまくった小豆澤と話せて、今回も非常に楽しい取材でした。(編集部H)

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