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2014年1月

2014年1月30日 (木)

静岡を巣立つ球児たち2013番外編~室内椋耶編・下

 オフシーズン企画として始まった「静岡を巣立つ球児たち」。今年も編集部Hが、卒業後も野球を続けることが決まっている高校3年生たちに会いに行きます。
 前回に引き続き、室内椋耶(富士学苑3年)編です。 「静岡を巣立つ球児たち2013番外編~室内椋耶編・上」はコチラ

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★立ちはだかる東海大甲府Muro
 東海大甲府との因縁は続き、2年秋にも3年春にも山梨県大会で敗北した。「渡邉諒(東海大甲府・北海道日本ハム1位)にはやられたってかんじですね。打撃もそうですけど、守備でもやられましたし。自分たちのチームが一、二塁で、打者がレフト線にタイムリーを打ったんですよ。二塁走者が還って、一塁走者も一気にホーム行こうとしたんですけど、渡邉がカットに入って、ドンピシャの送球が返ってきてアウト。やっぱり流れがあるじゃないですか」。高橋周平(現中日)には圧倒されたが、渡邉のプレーには何度も歯ぎしりした。
 ただ、室内も逸材たちのプレーをぼんやり見ていただけではない。練習からプレーを真剣に見て、相手の特徴や自分に足りないものを確認していた。「みんな渡邉の打撃に注目するんですけど、試合前のキャッチボールやシートノックを見てても、必ず強い送球で胸に投げてる。そこはさすがだなって思いましたね」。室内もキャッチボールから相手の胸に正確に投げることを心がけ、スローイングには自信を持っている。敗戦を悔しかった、相手が強かったでは終わらせずに、自分の成長へのヒントにし続けた。
 2年秋からは主将を務め、自分のことだけでなく、チーム全体を引っ張ることにも腐心した。チームが揺れることも起きたが、コーチや3年生たちと声を掛け合って踏ん張った。チーム事情で、外野手と三塁手を兼任しながら迎えた最後の夏は、あと1つ勝てば東海大甲府と対戦というところで敗退。目の前の試合を勝たなければいけなかったが、やはり東海大甲府を意識してしまったところもあったという。

★神奈川リーグの強豪・関東学院大へ
 大学で野球を続けることはずっと意識していたという室内。上野監督に大学のことを相談した時に、勧められたのが神奈川リーグの強豪・関東学院大だった。夏休みの練習会に参加して、その厳しい雰囲気の中でしっかりと野球をしているところに惹かれた。入学を決めたが、「意識の高い人が集まってくるので、競争も激しいと思うから頑張らないといけない」と進路決定に安心する間もなく、大学野球への準備に励んだ。
Muro2 富士学苑に入学してから1年の秋までは投手に専念していた。それ以降は野手としての出場が増えたが、練習試合の2試合目ではマウンドに登ることもあった。しかし、大学では野手一本で勝負する。「外野手として行くからには打撃が良くないと使ってもらえないと思うんですよ。木のバットでどれだけミートできるかが課題です。大学ではピッチャーのレベルも上がるし、金属じゃないから飛距離が出るわけじゃない。打撃で生き残っていくためには、打率を残せる打者になっていきたいです」。木のバットにも少しずつ慣れてきたそう。ただ、山梨の富士学苑では雪が降っていて、練習は室内練習場に限られている。後輩たちも走る練習を中心に行っているため、前から来る球を打てていないと少し不安げな顔をしたが、年末年始の練習で感触は掴めてきたそうだ。

★大学野球、そして将来
 将来の夢を尋ねると、「今のままだったら到底無理なんですけど…」と控えめに前置きしながら、「上の野球を続けられるならば続けたいですね、やっぱり。今までお世話になった人たちに恩返しもまだできていないので」と語る。進学する関東学院大は神奈川ということもあり、交流戦などで少年野球時代の先輩で地元のスターでもある野村亮介が在籍する三菱重工横浜と対戦する機会もある。「そういうところで亮介くんと対戦できたらすごいですよね」と目を輝かせた。
 まずは大学で通用する体作りに取り組むが、「1年生から試合に出るって気持ちでやっていかないと、すぐ終わってしまうと思うので」、早期のリーグ戦デビューも目指す。それは室内のプレーを楽しみに、頻繁に山梨に応援に来てくれた祖父や祖母、家族のためでもある。神奈川の方が応援に来やすくなる分、活躍するところを早く見せたいと気合を入れる。

★室内椋耶からのメッセージ
Muro3 最後に現役球児へのメッセージを聞いた。「一日一日を大切に過ごして、後悔だけはしないように。反省はするんですけど、あとあと後悔はしないように」。“後悔はしないように”と繰り返した室内。富士学苑に入学した時には、投手へのこだわりを持っていたが、「最後の方はフォームを崩したり、自分でわからなくなったりしてたので、最終的にはピッチャーをやってなかったですけど、後悔はしてません。富士学苑に入って本当によかったと思ってるんで」と自らも悔いなく高校野球をやり抜いた。
 充実した高校生活を送ることができたのは、富士学苑に入学するきっかけとなった上野監督のおかげでもある。共に寮で生活し、選手たちに愛情を持って接してくれた上野監督には尊敬の念も抱く。「掃除も洗濯も全部自分たちでやって、親のありがたみもわかりました。監督には言葉遣いとか一つの言動に責任を持つところまで教えてもらった。人間的に成長できたと思います」。
 応援し続けてくれた家族、野球も生活も導いてくれた上野監督、お世話になった様々な人たちに「喜んでもらいたい」という気持ちを原動力に、野球小僧・室内は突っ走り続ける。

■室内椋耶[むろうち・りょうや]
外野手/富士学苑3年/180cm83kg/右投左打
富士シニアではエースとして活躍し、南関東選抜として台湾遠征も経験。山梨・富士学苑進学後は1年春から試合出場を重ねた。大学ではパンチ力ある打撃を武器に、さらなる成長を期す。

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 室内とは中学時代からの知り合いだという編集部・栗山。今回の取材が実現したのも2人の交流によってでした。 「室内君に初めて会ったの彼が中3の春。清水庵原球場で当時・東海大の菅野智之(現巨人)の投球を目を輝かせながら見ていた姿が印象的でした。あれから3年。体も一回り、いや二回りくらい大きくなったでしょうか。1年春からベンチ入りし、順調に高校生活をスタート。そこから、見にいく機会は少なかったのですが、ずっと動向を気にしていました。そして、3年夏の敗戦直後、こんなメールをもらいました。『自分達の野球さえできれば甲子園は見えていたので、悔しさはありますが、悔いはありません!』。室内君らしい、芯のある一文に感動したことを覚えています。どこまでも追いかけたい。そう思わせる男・室内椋耶。今度は横浜スタジアムや神宮で会えることを楽しみにしています(栗山)」。編集部はまだまだ室内を追いかけます!(編集部H)

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2014年1月27日 (月)

静岡を巣立つ球児たち2013番外編~室内椋耶編・上

 昨年の人気連載(自称)が帰ってきました! 微妙に改題して、「静岡を巣立つ球児たち」となりましたが、内容は変わりません。編集部Hが、卒業後も野球を続けることが決まっている高校3年生たちに会いに行きます。
 今回は番外編。清水出身で、富士学苑(山梨)に進学した野球小僧・室内椋耶に話を聞いてきました。卒業後は関東学院大に進学する室内のインタビューを2回にわたってお届けします。

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静岡を巣立つ球児たち2013番外編~室内椋耶編・上

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2014年も自らの原点である清水庵原球場横のグランドで始動した室内椋耶

★意識が高かった少年時代
 清水に生まれた室内椋耶は幼い頃から、近所の清水庵原球場の横のグランドで父や祖父とキャッチボールをして遊んでいたという。本格的に野球を始めたのは小学2年の時。地元・清水の飯田リトルジャイアンツに入団した。室内の2つ上には野村亮介(静清→三菱重工横浜)が在籍していて、当時から飛び抜けた存在だったという。 その野村が投打にチームを引っ張り、好結果を収めていた。しかし、野村が卒団後、チームは勝ち星から遠ざかるようになり、雰囲気も野村がいた当時より緩くなった。
 真剣に野球に打ち込みたかった室内に、「こういうところもあるよ」と父が教えてくれたのが富士リトルだった。「初めて練習に参加した時、周りのレベルの高さに衝撃を受けたのを今でも覚えています。飛び抜けた選手がいるというよりは、一人一人の技術が高かった」。そして、小学5年の時に富士リトルに入団。土日はチームの練習に参加し、普段は清水庵原球場の横のグランドで父や祖父とキャッチボールなどを行う小学校時代だった。

★刺激的だった南関東選抜
 中学ではそのまま富士シニアへ入団。エースとして活躍し、南関東選抜にも選ばれた。南関東選抜として共に台湾遠征をしたメンバーには植草祐太(桐光学園)、高島翔太(常総学院)、服部創太(東海大相模)、小野遼久(横浜高)、関口明大(花咲徳栄)ら後に強豪校で主力として活躍する選手たちや、静岡県出身選手も選抜チームのエース格だった水野匡貴(静岡高)を中心に、鈴木亮(静岡高)、松井和輝(藤枝明誠)、竹村哲郎(飛龍)、今村拓(日大三島)らそうそうたるメンバーが揃っていた。「メンバーがメンバーだったので、刺激受けっぱなしでしたね。遠征の最中もそうですけど、高校に進学してから、他の選手の活躍を聞くたびにすごい刺激になりました」。全国大会に縁がなかった室内にとって、全国レベルに触れた貴重な経験になった。

★監督に惚れて富士学苑へ
 高校進学の際には当然、県内の多くの高校から誘われた。室内自身、県内で進学するか、最後まで悩んでいたという。それでも山梨の富士学苑に進学を決めたのは、「上野貴士という男に惚れて。この監督の下でやりたいなと思いました」と語る。富士学苑の監督・上野貴士氏は高校時代、横浜高で内野手として活躍し、甲子園優勝を経験。ドラフトで指名を受けるも、プロ入りはせず、指導者として横浜高のコーチ、監督を務め、平塚学園の監督に就任。平塚学園を甲子園に出場する強豪チームに育て上げ、その手腕を買われて2010年に富士学苑の監督となっていた。
 室内が近隣の高校に進学しようかと決めかけていた頃、上野監督と交流がある富士シニアの関係者に勧められて、富士学苑を見学。「色々お話させていただいたら、考え方とか指導方針とか人間性に魅力を感じました。野球を知り尽くしてますし、実績もありますし。ここに決めようかなと」。富士学苑が前年、山梨県大会で準優勝していて、甲子園に近かったこと、野手として誘われていた県内校と違い、投手として誘ってくれたことなど、他にも理由はあったが、一番の理由は上野監督の人柄に惚れ込んだからだった。

★高校野球デビュー、高橋周平のインパクト
Img_9381 富士学苑に入学後、室内のデビューは早かった。練習試合を経験することなく、いきなり春季山梨県大会初戦で代打として起用された。そして、2回戦では5番レフトでスタメン出場。「全くわからない中で、キョロキョロしてるうちに始まってしまったというか。でも1年春で自分の思っていた高校野球というか、理想と現実との違い、厳しさを痛感しました」。中学時代に空振りを取れた球が高校では打たれてしまう。壁にぶつかりながらも、球威で通用しないなら制球を磨こうと前向きに練習に取り組んだ。
 1年夏の山梨県大会で富士学苑の初戦の相手は優勝候補と目されていた東海大甲府だった。ドラフトの目玉と言われていた高橋周平(現中日)を擁し、1年には渡邉諒(現日本ハム)も在籍。富士学苑も健闘したが、1-3で敗退。出番のなかった室内は、ベンチから試合を見つめていた。そして敗北の悔しさと同時に、衝撃も受けた。「高校3年間で色々な強豪校とも練習試合をさせてもらった中で、高橋さんが一番すごかったです。オーラもありましたし、体つきも全然違いましたし、存在感が違うなっていうのがありました」。高橋の印象を語る時、室内は「なんて言ったらいいんだろう」と表現に悩んだ。言葉では言い表せないほど鮮烈な存在感が脳裏に刻まれた。

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「静岡を巣立つ球児たち2013番外編~室内椋耶編・下」は近日アップします!(編集部H)

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2014年1月14日 (火)

フレンドリーカップ 伊豆市シニアvs八千代中央シニア

 1月11日から「伊豆市リトルシニアフレンドリーカップ2014」が開催され、13日までの3日間、熱戦が繰り広げられました。
 今年は、長野南、長野東、河口湖(山梨)、稲城(東京)、狭山(埼玉) 、瑞穂(東京)  、東京武蔵野、八千代中央(千葉)、 伊豆市の計9チームが参加。毎年、こんな時期から試合を見ることができ、しかもレベルが高い。僕が楽しみにしている大会の一つです。 

 今回注目したのは、伊豆市シニアと八千代中央シニアの一戦です。八千代中央シニアは昨春、全国選抜野球大会を制した関東地区きっての強豪チーム。伊豆シニアがどんな戦いぶりを見せるのか注目しました。

  チーム
伊豆市 0 0 0 0 0 1 0 1
八千代中央 2 0 0 0 0 2 × 4

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 伊豆市シニアの先発・宮崎航大は初回に2点を失うも、その後は走者を出しながらも粘りの投球を展開します。すると6回、伊豆市シニアは二死一塁から、大川琢海がライトオーバーの二塁打で1点を返します。スイングが強く、右方向への長打が武器の大川。ボールを待つ「間」がしっかりできるだけに今後が楽しみです。
 01113結局、試合はその裏に八千代中央シニアが2ラン本塁打を放ち、4対1で勝利を収めました。 
 4失点も、堂々と最後まで投げ抜いた宮崎。試合後、土屋栄治監督から1年生と聞いてビックリ。まだまだ身長が伸びる要素がたっぷりだとか。現段階で素直なフォームが見についているだけに、体の成長とともに、球威もグッと上がってきて、角度のあるボールも投げることができそうです。

 実はこの日の午前中、伊豆市シニアは稲城シニアとも対戦しました。その試合でも伊豆市シニアは1年生投手・土屋幸太郎が好投を見せました。しかも、左腕。たまたま観戦していた左腕フェチの編集部Hは相当気になったようです。「肩周りが柔らかそうで、きれいに腕が振れる。ボールの威01111力はまだまだですが、1年生で173センチぐらい、細身ってノビシロだらけじゃないですか。反応がいい打撃からもポテンシャルを感じました。今後も見守りたい楽しみな投手です。でもこの日、一番インパクトがあった左腕は稲城シニアの西田。背も高いし、いいストレート投げてました。東京の野球を盛り上げてほしいですね~(H)」(編集部・栗山)

<写真/上から宮崎航大、大川琢海、土屋幸太郎(伊豆市シニア)>

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2014年1月13日 (月)

静岡を巣立つ球児たち2013~小豆澤誠編・下

 オフシーズン企画として始まった「静岡を巣立つ球児たち」。今年も編集部Hが、卒業後も野球を続けることが決まっている高校3年生たちに会いに行きます。
 前回に引き続き、小豆澤誠(飛龍3年)編です。 「静岡を巣立つ球児たち2013~小豆澤誠編・上」はコチラ

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★濱野洋監督の指導
 秋の大会の後、濱野洋監督が「試合は長打が決める。飛ばせるようになろう」というテーマを掲げて、打撃指導に力を入れた結果、小豆澤も急激に打球が飛ぶようになった。秋はシングルヒットが多かったが、春には長打が増加。高校通算7本塁打のうち、6本は3年生になってから打ったものだという。
 小豆澤に濱野監督はどういう監督なのかと尋ねると、「めちゃくちゃすごくて、言ったとおりになるんですよ」と答えを返してきた。「2死三塁で、『ここでセカンドゴロ打ったら点入る』みたいな。入らんやろってかんじじゃないですか。でも、実際に打者がセカンドゴロ打ったら、イレギュラーして点が入ったり。よくわからないんですけど、すごいんですよ」と、試合展開の読みの鋭さに加え、不思議な力(?)があることを教えてくれた。
 発言だけでなく、濱野監督の大胆な野球には小豆澤も何度も驚かされた。「1死三塁でのエンドランも初めて知りました。最終回に2点負けてて、1死二、三塁でエンドランかけて、追いついたり。そこでエンドランするかーって」。緻密な打撃理論や、東北福祉大コーチとしての経験に裏付けされた指導・采配に選手たちは畏敬の念を抱いているそうだ。

★鈴木翔太との対戦
Img_8315 春の県大会でも秋に引き続き3位だった飛龍。シード校として、注目されながら夏を迎えた。初戦の相手は聖隷クリストファー。後にドラフト1位で中日に入団する鈴木翔太がいたものの、鈴木は故障もあり、万全とは言い難かったため、下馬評では飛龍が有利と言われていた。
 そして、最初の打席で小豆澤は鈴木の真っすぐを右中間に叩き込む。「フォークはすごかったです。消えました。でも最初の打席はいきなり3-0になって、ラッキー! って。真っすぐしか合ってなかったです」。先頭打者本塁打で鈴木の出鼻を挫き、一気に陥落といきたいところだったが、「小豆澤はいい打者なので打たれてもしょうがない」と鈴木自身も開き直っていた。その後は接戦が続き、聖隷クリストファーが7回に鈴木自らのタイムリーで勝ち越し。そして、飛龍は2回戦で姿を消すことになった。
 「悔しかったです」と振り返った小豆澤に、鈴木が「コイツには勝てない」という打者として小豆澤の名前を挙げていたことを告げると、「絶対嘘です」と照れ笑い。鈴木の打撃が良かったことが印象に残っているというが、「ホームラン打った球、真ん中低めだと思ってたんですよ。それを泳いで入れたと思ったのに、リプレー見たら高めの球だった。あれ? って。それだけ球が伸びてたんかなって」と、後から鈴木のボールのすごさも感じた。

★日本一の大学・上武大へ進学!
 大阪出身の小豆澤は生粋の阪神ファンで、子供の頃からプロ野球選手になることが夢だった。だから、高校卒業後も野球を続けることは高校に入る頃から決めていたという。そして選んだ進路は上武大。昨春、大学選手権で優勝を果たした関甲新学生リーグの強豪だ。とはいえ、高校入学時と同じく、小豆澤は上武大はもちろん、上武大のある群馬という県もよくわからない状態だった。進路として決めた後に、上武大が大学選手権で優勝し、「すごい大学だな」と気付いたほどだったそう。
 全国から有望選手が集まる上武大で勝ち抜き、レギュラーを奪取するのは簡単なことではない。ほとんどの選手が50m6秒3の小豆澤より足が速いことにも驚いたという。それでも焦らず、入学後はまずケガをしない体作りに励む。3年生からの爆発を睨んでいるが、それまでにもアピールしていきたいのは「元気の良さとガッツ」。一番自信があるという守備や、走塁も磨いていく。走塁は元々得意だったというが、飛龍で米倉亮コーチの指導を受けて打球判断や走塁技術が上達したそう。
 本を読んでいる時に、「最大の失敗はミスすることでなく挑戦しないこと」という言葉を知り、好きな言葉として挙げる小豆澤。やっておけばよかったと後悔することだけは嫌だという。大学野球でももちろんその精神で挑戦し続けていく。

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「和緒壱」と共に大所帯をまとめた「飛龍ポーズ」

★小豆澤誠からのメッセージ
 最後に現役球児へのメッセージを尋ねた。「先輩たちがあっという間だって言うのを、絶対嘘やって思ってたんですよ。でも、終わってみたらあっという間なので、無駄のない日々を過ごして、毎日毎日頑張ってほしいです」。
 『静岡高校野球2013』の注目選手名鑑では「飛龍ポーズ」を決めている写真で掲載された小豆澤。気持ちを高揚させるためにみんなで共有しているポーズだという。ただ、「あれ見たら、なんかファンキーな彼ってかんじですよね。別にそうでもないんですけど…」と小豆澤本人は笑うが、俗語として使われるファンキーは、「個性的でかっこいい、いかす」という意味に使われることが多い。となると、静岡で敵も味方も観客も魅了した、縦横無尽に飛び回る小豆澤のプレーにはファンキーという言葉がよく似合う。あの元気いっぱいでファンキーなプレーを全国の野球ファンが目にする日が待ち遠しい。

濱野洋監督からの贈る言葉
 新入生もいっぱいいるし、日本一の大学ですが、そういうところでも小豆澤のスタイルを崩さずにやってほしいです。4年間あるので1年生からガツガツいかずに、しっかり体を作って3年生ぐらいでデビューできるぐらいを目指してほしい。のんびり余裕をもってやってほしいです。

■小豆澤誠[あずきざわ・まこと]
二塁手/飛龍3年/168cm65kg/右投左打
飛龍に進学後、2年秋からレギュラー。1番打者として19年ぶりの東海大会出場に貢献した。冬には台湾遠征代表に選出。走攻守にスピード感が光り、小柄でも存在感が抜群。プロを志し、上武大ではまず大学野球仕様の体を作る。

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 聖隷戦の話を聞いている時、笑ってしまったのが、「鈴木翔太ってマウンドで応援歌歌ってますよね。自分も緊張した時は歌うんですよ。だから、聖隷戦でも最後の打席は歌ってて…マウンドと打席でハモってました」というエピソード。グランドで美声を響かせている選手は多いんでしょうか?
 初めて見た一昨年秋から夢中になって、周囲に「飛龍の二塁いいよ~」と宣伝しまくった小豆澤と話せて、今回も非常に楽しい取材でした。(編集部H)

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2014年1月11日 (土)

静岡を巣立つ球児たち2013~小豆澤誠編・上

 昨年の人気連載(自称)が帰ってきました! 微妙に改題して、「静岡を巣立つ球児たち」となりましたが、内容は変わりません。編集部Hが、卒業後も野球を続けることが決まっている高校3年生たちに会いに行きます。
 今回はファンが多い、飛龍の二塁手・小豆澤誠に会ってきました。卒業後は上武大に進学する小豆澤のインタビューを2回にわたってお届けします。

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静岡を巣立つ球児たち2013~小豆澤誠編・上

★寮生活に憧れ、大阪から静岡へ
 大阪府に生まれた小豆澤誠は小学4年の時にソフトボールを始めた。姉が子供会でバレーボールをやっていたため、母に「何かやりなさい」と勧められて選んだのがソフトボールだった。当時のポジションは遊撃手。そして、中学に入り、母の知り合いに「高校でも野球をやるならおいで」と誘われて、入団したのが福島シニアだった。当初は遊撃を守ったが、すぐに二塁に移った。「ソフトボール上がりで長い距離が投げられなかったんです。ソフトは鷲掴みなので、硬式じゃふんわりしか投げられなくて」。同級生でソフトボール上がりは小豆澤を含め2人だけ。苦労はあったが、チームにはすぐに馴染んだ。
03_2 高校進学に関して、特に憧れの高校などはなく、「とりあえず大阪を出たかった」という小豆澤。甲子園に出たいという気持ちも当然あったが、寮生活への憧れもあった。飛龍から声がかかった時、静岡の高校は甲子園に出ていた静清、常葉菊川、常葉橘ぐらいしか知らなかったという。当然、飛龍の校名も聞いたことがなかったが、小豆澤はためらわずに入学を決めた。その年、福島シニアから4人が飛龍に入学することになっていたのも心強かった。

★バント練習の日々
 高校に入学すると、最初は3年生の体つきに驚いた。当時の3年生には名手・辻本一磨(現東北福祉大)やスラッガー・奥村拓史(現中部学院大)など県内でも名の知れた選手がいた。部員も多く、関西弁、静岡弁、神奈川弁が飛び交う。最初は、「レギュラーを取れるイメージはあまりなかったです」と少し気弱になったが、それでも小豆澤の一番の売りの元気を前面に押し出して、練習に励んでいた。
 今は168センチ65キロで、「自分、服着たら細いんですけど、脱いだらけっこうあるんですよ」と茶目っ気たっぷりに言う小豆澤だが、入学時は55キロ。ベンチ入りしてからも濱野洋監督に「お前のスイングは中学生」と評され、打撃練習の際にはひたすらバント練習を課された。福島シニア時代には長打も打っていた小豆澤は途中、濱野監督に「打ちたい」と訴え、何でこんなにバント練習をしなければいけないのかを尋ねたという。「バント練習をすればポイントがつかめる」と教えられたが、それが本当なのかもわからずに、愚痴を言いながらもバント練習を続けた。
 冬にはウエートに打ち込み、打ってもいいとGOサインが出たのは2年の夏前。いざ打ち始めると、今までとは感覚が変わっていた。「逆方向も引っ張りもできるようになったし、バントもやっぱり上手くなりました」。打撃のレベルアップはもちろん、不調時はバントで安打を狙うという選択肢も増え、攻撃のバリエーションが広がった。そして、ついに表舞台に登場することになる。

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★「和諸壱」で一つに
 2年秋には1番セカンドに定着、感覚を掴んだ打撃で打ちまくった。塁に出れば、得意の走塁でチャンスを拡大。守備でも大本聖也との二遊間は県内屈指のレベルを誇った。小柄なのにとにかくエネルギッシュで存在感抜群。「嫌な打者」として県内のバッテリーたちにもその存在を周知させた。
 切り込み隊長・小豆澤の活躍もあり、飛龍はその秋、県大会3位で18年ぶりに東海大会進出。東海大会では初戦突破を果たした。続く菰野戦では敗退するも、スタンドの部員たちや父兄とベンチのメンバーが一緒になって「ワッショイ!」と言い合って士気を高める光景は印象に残った。その後、春の大会や夏にもよく目にした「ワッショイ」。父兄の着ているTシャツの背中にも「和諸壱(わっしょい)」とプリントされていた。「毎年、チームのスローガンがあるんですよ。自分らの代が『和諸壱』。漢字も自分たちで考えて。A班B班関係なく、みんなで一緒に背負うって」。県内でも部員数で1,2を争う大所帯の飛龍だからこそ大切にしている思いが「和緒壱」には込められていた。

★台湾遠征で大活躍!
Img_8326_3 小豆澤の名前が県内で知られるようになったのは秋の大会の活躍もあるが、その冬の台湾遠征代表としての活躍にもあった。代表チームのコーチを務めた韮山の小雀浩一郎監督や、浜北西の高林良洋監督が口を揃えて「小豆澤はすごかった」と証言する。実際に練習を見に行った時にも、目を引くプレーは全部小豆澤というぐらいの目立ち方だった。「でも練習会の時に、飛龍は守備練習なしでティーで1000本打つっていう期間だったんですよ。だからノックでエラーしまくって、これヤバイって思ったんです」と笑うが、結成されて間もないチームで、エラーを恐れずにあれだけ思い切ったプレーができるのは小豆澤の魅力の一つだろう。
 県大会出場チームから選ばれた代表メンバーたちとは仲良くなって今も交流があるという。「あの時の高橋遥人(常葉橘)はめっちゃよかったです。めちゃくちゃ速かった。あれは打てない、勝てないと思いました。柴崎(哲治・三島)のフォークもすごかった。鈴木大地(磐田東)はめっちゃ飛ばしますね。岩間(勇平・御殿場西)も飛ばすし、足速いし」。そんな中で少し残念だったのは常葉菊川勢が修学旅行のため代表に入らなかったこと。「遠藤康平と二遊間組んでみたかったです。でも自分が驚いたのは大西優輝。遠藤もさすがだなって思ったんですけど、大西は本当にめちゃめちゃ守備上手い。あのデカさであのスナップスローとかすごいっすよ!」。チームメートの澤田祥太と共に近畿大に進学する大西の存在はインパクトが強かった。

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「静岡を巣立つ球児たち2013~小豆澤誠編・下」は連休中に更新します!(編集部H)

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2014年1月 8日 (水)

室内椋耶(富士学苑)、相川天河(横浜)に会ってきました!

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 お正月企画の編集部対談を見て下さる方が多く、もう少し真面目に話せばよかったと反省気味の『静岡高校野球』編集部です。今年の仕事始めは、「静岡を巣立つ球児たち」の番外編として室内椋耶(富士シニア→富士学苑3年)の取材でした。
 室内と待ち合わせた清水庵原球場の横のグランドに行くと、室内ともう一人、背が高く細身の選手が。YOKOHAMAのウエアに身を包んだその選手は相川天河(静岡蒲原シニア→横浜1年)でした。
 静岡を出て、全国屈指の強豪校で頑張っている相川をぜひ紹介してほしいとのことで、室内が連れてきてくれたのですが、思わぬゲストに編集部も小躍り。室内の話は「静岡を巣立つ球児たち」でたっぷり紹介するので(室内の前にもう一人、東部のスーパーセカンドの話がたまっているそうなので、編集部H曰く少し時間がかかるそうです)今回は相川の話をお届けします。

 静岡蒲原シニア時代には、主軸として活躍した相川。昨年の静岡の中学3年生では最も注目を集めたといっても過言ではありません。その進路ももちろん注目された中、相川が選んだのは神奈川の強豪・横浜高。その理由を尋ねると、2つの理由が返ってきました。「一から野球をやりたかったんです。静岡では知られていたかもしれないけど、神奈川では誰も知らない。そういう環境でやりたかった。あと、静岡蒲原シニアから横浜に入るのは初めてなんです。後輩に道を開きたかったっていうこともあります。今後、どんどん続いてほしいですね」。 
Aikawa 1年生とは思えないほどしっかりした語り口で教えてくれた相川。そんな向上心の塊でも、入学後はくらいついていくのに必死だったそう。「とにかく野球が難しいんです。そこまでやるのかってところまでやる。見ているだけじゃ全然わからなくて、メンバーに入って、実際にやってみてようやくわかるようになるというか。夏もレギュラーだった浅間さん(大基・2年)とか高濱さん(祐仁・2年)たちはわかっているので、わからないことは先輩たちにどんどん聞いて、そうやって覚えるようにしました」。百戦錬磨の渡辺元智監督・小倉清一郎部長の緻密な野球は見ている者の想像を遥かに超えるもののよう。しかし、上下関係や練習、規則に関しては、「周りから思われているほど厳しくはないですよ」とのこと。練習は集中して行うため、時間的にはそう長くなく、食事に対する縛りはなし。取材日は1月3日でしたが、練習始めも7日からと、ずいぶん冬休みが長い印象です。
 しかし、規則に縛られなくても横浜高が結果を出すのは一人一人のモチベーションであったり、向上心が高いから。昨年、磐田東と横浜高の練習試合(練習試合 磐田東vs横浜高)を見に行った際、驚かされたのは横浜高のベンチの緊張感。秋の大会も終わった後の練習試合なのに、ものすごくピリピリしたムードが伝わってきました。それを尋ねると、相川は笑って、「あの時はそんなにピリピリしてませんでしたよ」と衝撃の一言。「普段は練習ももっと緊張感がある中でやっています」。横浜高の強さの一端を垣間見た気がしました。
 今年の目標は、「多分、夏には先輩たちが甲子園に連れて行ってくれると思うので、ベンチに入って、甲子園でプレーすること」。ドラフト候補がゴロゴロいる今年の横浜高。その先輩たちの中に割り入るのは並大抵なことではありませんが、相川は地道に腕を磨きながら、虎視眈々と機会を狙っています。(『静岡高校野球』編集部)

<写真/左・室内椋哉(富士学苑)と右・相川天河(横浜)、室内とキャッチボールする相川> 

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2014年1月 6日 (月)

謹賀新年! 2013年を振り返る編集部栗山×H対談・下

 先日の編集部対談の続きです。上編で、中学野球の試合情報を教えてくださいと募集したところ早速ご連絡をいただいて、編集部Hは特に感激していました。ありがとうございます!

Seiya 昨秋は個人的に磐田東と御殿場西に期待していたんですけど、残念ながら東海大会出場はならず。でも地区大会の齋藤誠哉(磐田東2年)のノーヒットノーランはすごかったですよ(秋季西部地区大会3日目~浜北球場)。あの投球されたら打てるチームはありません! でも、夏の大会初戦では緊張からか、ストライクが入らなかったんです。その試合のことも、栗山さんが県外出身球児のインタビューで行った時に聞いてほしかったです。
栗山 Hさん、秋に齋藤を5回ぐらい見に行ってましたよね? 自分で聞けばいいのに。磐田東でいえば、僕は143キロ右腕の鈴木博志(2年)にも期待してます。野球に対して真摯で、真面目。昨秋はふるわなかったけど、春にはやってくれると思いますよ。180cmクラスの投手が左右で揃って、2人とも140キロ出るとかすごいですね。
 今の2年生の県内最速は木村聡司(常葉橘)の144キロですか。彼は昨秋、本格的に投手復帰。東海大会直前に見た時に別人のように良くなっていてたまげました。故障もあり、東海大会では精彩を欠きましたが、今年も絶対見逃せません。
Nakaizumi栗山 今年は野手もいいですよね。冬号の表紙を飾ってくれた桒原樹(常葉菊川2年)を始めとして、中泉圭祐(日大三島2年)、鈴木悠矢(富士市立2年)、森亘平(三島2年)、岸山智大(静岡2年)、佐藤竜馬(飛龍2年)、前橋仙一(駿河総合2年)などなど。
 前橋って私は高崎健太(常葉菊川→専修大)みたいだなと思ったんですが(秋季中部地区大会2日目~清水庵原球場)、栗山さんは中澤彰太(静岡→早稲田大)っぽいって言いますね(静岡市内大会2日目~西ヶ谷球場)。その2人だとだいぶ印象が違います。
栗山 どっちにしろいい選手なのは確か。前橋の加速がすごい走塁は一見の価値があります。好打者として國松歩(静岡商)の名前も上がりますが、僕を含め、まだ投手・國松をあきらめきれないファンも多いんですよね。國松が本当に投手をやらないのかと気にしている監督さんたちも多いし。その國松が打者として活躍した10月の高校野球は東海大会で静岡と静岡商が勝ち進んで、W出場を期待しちゃいました。両校準決勝敗退でちょっと落ち込みましたが、ドラフト会議でまたテンションが上がりました。
Syota  鈴木翔太(聖隷クリストファー3年)の中日1位にはビックリ。
栗山 今年苦しんでましたからね。でも、夏には復活の兆しが見えた。僕、ドラフト当日に選手のところに行ったのは初めてだったんですが、指名された瞬間のあの感動は忘れられません(鈴木翔太、ドラフト1位でプロへ!)。新人合同自主トレも見に行きたいな。
 ドラフトでは県内出身では浦野博司(セガサミー・日本ハム2位)や岩崎優(国士舘大・阪神6位)が指名されたのも嬉しかった(ドラフト候補・浦野がオープン戦で好投!東都大学リーグ2部で静岡勢が頑張ってます!)。来年は県内高校生が2人ぐらい指名されてほしいですね。
栗山 また盛り上がりたいです。そういえば、Hさんは10月に九州行ってましたよね。
 ああ…。ドライブに行きました。1000キロ以上走って楽しかったです。
栗山 ファーム選手権を見に行ったんでしたっけ。
 イヤミ? 大瀬良大地岩本喜照が見たくて九州共立大の試合に行けば雨天中止、竹安大知がいる熊本ゴールデンラークスはその時期オープン戦なし、武安雄暉がいる九州東海大は試合なし、広島の庄司隼人が見たくてフェニックスリーグに行けば2日連続雨天中止! まあ、馬刺は食べられたのでいいんです。阿蘇山のロープウエーも運行休止でしたけど。
栗山 疫病神ですね。でも、今年も九州の大学に入る選手がいるようなので、よろしくお願いします。Hさんは夏目旭(浜北西→至学館大)と増田友輔(科学技術→愛知工業大)の顔を見てくるって張り切ってた時も雨天中止でしたよね…。ところで、昨年は12月に初の冬号を出しました。
Kuwahara 冬号の取材では野村亮介(三菱重工横浜)に会えたことが嬉しかった(三菱重工横浜・野村亮介の取材に行きました!)。彼は今年やりますよ。
栗山 野村も指名されてほしいな。冬号も概ね好評でしたし、今年もやれたらやりたいですね。2014年の目標はどうしますか。
 私は回転寿司40皿球児発見と好左腕発掘。こんなに左腕に興奮するのは、私か中日スカウトかってぐらいですね。
栗山 確かに。お勧め左腕は?
 もはやファンの齋藤を筆頭に、佐藤圭生(御殿場西2年)、久郷太雅(沼津東1年)、中川雄太(浜松南2年)あたりですかね。打席にも注目したい選手たちですよ。あと、日大国際関係学部の青山和樹(2年)も好き。河合竜誠(浜松シニア)も伸びてほしいな。見たい選手ならもっといます。
栗山 僕の目標はポスト鈴木翔太発見。中学野球を地道に探したいです。あとなんか新しいことやりたいな…。注目してるチームとかありますか?
 私は秋に見た浜松商が印象に残ってますね。打線がいいと思います。伊奈堂(1年)の元気の良さとか、4番の内山頼人(2年)の4番っぽさとか。エースの増田純一(2年)も制球が良くて投球が丁寧。
栗山 僕は静清。ベテランの坪内一哲監督が就任2年目を迎えます。坪内監督から「全てにレベルアップしている」とも聞きましたし、秋の大会では山口勝大(1年)という素晴らしい投手が出てきた。彼の成長も楽しみです。
 私は静清だったら長嶋萌(2年)と木村寿貴(2年)が好き。試合を引っ掻き回すプレーができる選手たち。
栗山 そういえば、昨年末に新聞にスポーツテストで満点を取った高校生の名前が載りました。野球部員もけっこういましたが、僕が驚いたのは、Hさんが半分以上の選手を知っていたこと。僕もそれなりに詳しいつもりですけど、いきなり「ユウジロウがいる! アカバネも身体能力高いんでしょうね」とか話しかけられても困ります(笑)。
 急にその話ですか。工藤祐二朗(韮山2年)は韮山で1年からレギュラーを張るいい選手ですよ。でもいい選手止まりじゃ困る。もっと活躍してほしいし、それができる選手。赤羽俊哉(沼津東1年)は1年生大会の時に動きが良くて名前を覚えました。あの時久郷に惚れて、馬渕郁也(沼津商1年)も気になって…。話し出すと止まらない。でも、私は静岡出身ではないので歴史や少し前の選手は全然知りませんよ。そのへんは栗山さん頼みです。
栗山 持ち上げますね。とりあえず、今年も「静岡高校野球」編集部は守りに入らず、攻めの姿勢でいきたいですね。
 売上とか考えないで好きな内容で作れるのが自費出版の唯一にして最大のメリットですからね。じゃあ、私の好きな選手を50人ぐらい紹介するページでも作りますか。
栗山 僕が知らない選手が40人ぐらいいそうなので勘弁して下さい!

 新年から編集部内の雑談にお付き合いいただきありがとうございました! 

<写真/上から齋藤誠哉(磐田東)、中泉圭祐(日大三島)、鈴木翔太(聖隷クリストファー→中日)、桒原樹(常葉菊川)>

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2014年1月 3日 (金)

謹賀新年! 2013年を振り返る編集部栗山×H対談・上

 あけましておめでとうございます。今年も「静岡野球スカウティングレポート」をよろしくお願いいたします。
 昨年はベストナイン企画、MVP的なものも「静岡高校野球2013-2014冬特別号」でやってしまったので、お正月企画(?)として、2013年を編集部内で振り返ることにしました。

栗山 2014年一発目は一部で人気の対談企画です。 
 お正月だし、はじけ気味でいきましょう。でも一部ってどうせ2人ぐらいでしょう。
栗山 5人ぐらいから好評でしたよ。2013年は渡邉隆太郎(富士重工業)の初打ち取材から始まりましたね(渡邉隆太郎(帝京)の初打ちを取材!)。竹安大知(熊本ゴールデンラークス)、渡邉義(慶應大)と3人並んでのブルペンは壮観でした。
 豪華でしたね。あの時、渡邉義が早稲田大に入った中澤彰太を「ケチョンケチョンにしてやりますよ!」って張り切っていたのを覚えています。渡邉義も今年はケガを完治させて、活躍してほしい。そして2月には水口弥(伊豆市シニア)を初めて見て、本当に衝撃でした。野生的で、スピードとパワーがすごかった。天城だからじゃないですけど、猪のイメージ。
Mizuguchi 栗山 伊豆市シニアと静岡JYBBCとの練習試合ですね(練習試合 伊豆市リトルシニアvs静岡ジュニアユースベースボールクラブ)。僕は水口の良さを再確認しつつ、静岡JYBBCの稲角塁に惚れましたね。常葉橘で活躍した稲角航平(専修大)の弟。体はまだまだですが、身のこなしが高校生みたいだった。勝負強くて華があるし、打球が鋭い!
 2月は中学野球をよく見ました。でも、中学野球って日程がなかなかわからないんですよね。試合の情報はどんどん教えて下さい!→shizuokabb@ai.tnc.ne.jp
栗山 3月はいよいよ高校野球の練習試合が解禁。 
 浜松に来た北照、強かったなぁ。大串和弥(3年)はいい左腕だったし、吉田雄人(3年・オリックス5位)は走攻守がハイレベルな選手でした。長身左腕の斎藤綱記(2年)はドラフト候補だなって思って、動画とか撮りました。左には目がないので。でも、その斎藤と比べても、ウチの齋藤は遜色ないですけどね。
栗山 ウチの齋藤って(笑)。磐田東の齋藤誠哉(2年)ですよね? 彼のことはもう少し後に話しましょう。
 そしてセンバツ。常葉菊川があそこまで頑張ってくれるとは。甲子園だと違いますね。
栗山 桒原樹(2年)の当たってないアピール→次打席でホームランはすごかった。堀田竜也(3年)のプレーがトリックプレーか、たまたまだったのか…。常葉菊川はあの甲子園で自信をつけましたね。
 県内では春の大会で水野匡貴(静岡3年)が目立ってたんですよね(中部地区の県大会出場校が決定!)。個人的には柴崎哲治(三島3年)が良かった。フォーク、スプリットがキレキレで(東部地区大会準々決勝愛鷹レポート)。あと佐野優介(韮山3年)、佐藤圭生(御殿場西2年)なんかも印象に残ってます。東部によく行きました。
栗山 春といえば、僕は5月に礒道覚広(島田樟誠3年)を見た時にびっくりしました。21奪三振は僕の観戦歴の中でも最多(礒道覚広(島田樟誠)の21奪三振を目撃!)。その後、プロも見に来ていたようですし、神奈川大でも注目しています。
 5月は「静岡高校野球2013」の作業も大変でした。6月もしんどかった…。
栗山 でも、今年も概ね好評で頑張った甲斐がありました。庄司隼人(広島)に会えたのも嬉しかった。彼は本当に男が惚れる男。今年こそ1軍出場を果たしてほしいです。そして下旬には高校野球の抽選会があり、相当もめましたよね。島田商vs横須賀で。
 今年の島田商は土壇場で強かった。選手も揃ってたし、河井大成(3年)なんてチームの中心で、いい捕手でした。島田市内大会で島田樟誠に勝って優勝を決めた試合も印象的だったし、ベスト4に進出した年のようになるんじゃないかと思ってました。栗山さんが横須賀派だったから、どっちが勝つかで殴り合い寸前。
Goto 栗山 横須賀はエースの後藤黛(2年)はもちろん、捕手の富山武(3年)も攻守共によかったんです。
 島田商が負けて悔しかったんですが、その後、藤枝明誠戦で後藤を見て納得でした。ストレートを立ち上がりからストライクゾーンビタビタに投げてきますからね。立ち上がりがあんなにいい本格派高校生ってなかなかいません。それでまた打撃がいい。センスあるんでしょうね。
栗山 僕も11月末の練習試合を見に行きましたが、立ち上がりが素晴らしかった(シーズン最後は後藤黛(横須賀)に注目!)。球の質自体は鈴木翔太(聖隷クリストファー3年・中日1位)と遜色ないと思う。オフには体を大きくするとのことなので、また春が楽しみです。夏の話に戻ると、日大三島vs掛川西も1回戦の注目カードでした。どこが勝つか言い合ってて、じゃあどこをまず見に行くんですかってHさんに聞いたら、「下田かな」ってあっさり言われてびっくり。
 だって、藤井裕太(2年)を見たかったから(夏の甲子園予選2日目~清水庵原球場)。5月にたまたま練習試合を見て、遊撃手の露木雄太(3年)とか捕手の高野翼(3年)もよかったので。藤井は低めにいいストレート投げますよ。これも春が楽しみです。
01栗山 僕は日大三島の今村拓(3年)がやっぱり印象に残っています。スライダーで有名な投手ですが、真っすぐがよかった。打者の手元で伸びてくるかんじ。接戦の末に掛川西に負けてしまいましたが、その後のやりきったような笑顔も記憶に残りました。大学でも頑張ってほしいですね。
 焼津水産の勢いもすごかった。私、焼津水産の伊藤大智(3年)のことを「静岡高校野球2013」で“荒ぶるエース”なんて書いちゃったんですけど、夏の大会では本当に低め低めにボールがいっていて、全然荒ぶってなかった。もっと勢いで押していく投手かと思ってたら、丁寧で粘り強くて、すごくいい投球見せてもらいました。伊藤くん、ごめんなさい! でも、焼津水産は雰囲気が本当に良かったです。あと裾野の快進撃には驚かされました。浜松商に勝つとは!
栗山 東海大翔洋、富士市立も頑張りました。富士市立は投手陣が絶好調でしたね。東海大翔洋は打線も良かったし、大型右腕の杉山賢佑(1年)という逸材がデビューして今後も楽しみになりました。
 そして夏の頂点に立ったのは常葉菊川。私、桒原の二塁守備が好きでした。遠藤康平(3年)、大西優輝(3年)も上手いんですけど、彼らが大胆なプレーをできるのも榊原隆登(3年)の堅実な一塁守備があってこそでしたね。
栗山 常葉菊川の守備はハイレベルでした。その分、甲子園での鳴門戦は残念でしたが…。でも甲子園で盛り上がってた頃、僕たちはもう秋の大会に目が向いてましたね。

  対談の後半はそのうちアップします!

<写真/上から水口弥(伊豆市シニア)、後藤黛(横須賀)、今村拓(日大三島)>

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