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2014年3月

2014年3月21日 (金)

練習試合 常葉橘vs三島南

 いよいよ今年も選抜高校野球大会が開幕しましたが、『静岡高校野球』編集部はコツコツと練習試合を見て回っています。

 今日は常葉橘と三島南の練習試合を見てきました。三島南は192センチの長身右腕・佐野勇司が先発。1年秋から注目している大器だけに、どんな成長を見せているのか楽しみでした。(1年秋のレポートはこちら→http://tsukasa-baseball.cocolog-shizuoka.com/blog/2012/08/post-3c95.html

03211 立ち上がりに甘くなった球が常葉橘打線につかまり、2回までに3失点も、3~5回は無失点に。6回を投げて4失点という結果でした。
 見た目はまだまだ細いのですが、稲木恵介監督によると、オフに体重がアップし、筋肉の強さが増したとのこと。
 これだけの長身を持ちながら下半身が柔らかく、トップで沈み込みながら、長い腕を鋭く振ってくる本格派タイプ。最速131キロのストレートは、指にかかったときはその数字以上の威力を感じます。特に、高めにホップするような球筋のストレートは常葉橘打線も詰まる場面がありました。
 ただ、まだまだ未完成な部分も多く、高校3年間では時間が足りないかもしれません。焦らず、ゆっくりと鍛えて欲しいと思います。
03212_3 三島南の打線では3番レフトの長田智稀が気になりました。初回の第1打席でライト横を破る二塁打。決してジャストミートという感じではないのですが、スイングにスピードがあるので、少しぐらい崩されても、内野の間を抜きます。先週の練習試合では本塁打を放ったというパンチ力と広角に打ち分ける打撃センス。魅力的な選手を見つけました。

03213

 一方、常葉橘はプロ注目の木村聡司が6回からマウンドへ。調整不足ながら、4イニングで6三振を奪いました。さらに、ここからギアを一気に上げて春の大会に挑むはず。秋の悔しさを晴らすため、何がなんでも東海大会に出場してアピールしてもらいたいです。

 なお、試合は常葉橘が4対2で勝利しました。(編集部・栗山)

<写真/上から佐野勇司(三島南)、長田智稀(三島南)、木村聡司(常葉橘)>

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2014年3月16日 (日)

東北福祉大・辻本一磨と澁谷謙太(ともに飛龍出身)がヤマハ戦に出場!

★3月16日 練習試合 ヤマハ豊岡グランド 晴

 チーム
ヤマハ 1 0 3 0 0 0 0 0 0 4
東北福祉大 0 0 1 0 2 0 1 0 0 4

 現在、大学野球、社会人野球のオープン戦が真っ盛り。今日は、ヤマハのグランドに強豪・東北福祉大がやってきました。
 東北福祉大は、飛龍出身の辻本一磨澁谷謙太が遠征メンバーとして帯同。高校時代は3年夏に飛龍を県ベスト8に導いた二人。大学2年間を経て、どんな成長を見せているのか楽しみでした。
 

03161 先に登場したのは高校時代にアクロバティックな守備とユニフォームを真っ黒にする泥臭いプレーで県内の高校野球ファンを魅了した辻本。5回の守備からグランドに立ちます。このオフに体重を10キロ増やしたという体つきは、高校時代とはまるで別人。特に、下半身はユニフォームがはち切れそうなほどパンパンでした。すると、その裏、チャンスで打席がまわってきます。ヤマハ・戸狩聡希に対し、惜しくもセンターフライに終わりましたが、雰囲気は十分ありました。
 試合後、本人に話をきくと、大学に入り、もっとも苦労した点はバッティングだったと話してくれました。
「高校時代はボールに対し、上から叩きつける感じ。金属バットだとそれでも飛ぶのですが、木製バットだと難しいです。ここにきて、やっと下からボールをすくい上げるイメージで打つ感覚を覚えることができました」
 1年時は公式戦に6試合に出場も、昨年は0。それだけに今年の目標をレギュラー奪取と言います。その上で、目指すは大学日本一。「チーム全体で掲げている目標なので、なんとか成し遂げたいです」。

 03162_2また、左腕の澁谷は6回途中からリリーフで登板。いきなりランナーを背負った場面で、ヤマハ注目のルーキー・前野幹博と対峙します。カウント1ボール2ストライクから4球目を外角スライダーに決めて三振に斬ってとります。続く7回は、2人の走者を安打を許しましたが、ともに巧みな牽制でアウトに。1回3分の1を無失点。凱旋登板で好投を見せました。
 球速は130キロ台でも、内外角のコーナーにピンポイントに決める制球力が武器。今年は先発・リリーフで大いに期待できそうです。(編集部・栗山)

<写真上/大学でパワーアップした姿を見せてくれた辻本>
<写真下/躍動感たっぷりのフォームからキレのある球を投げ込む澁谷>

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2014年3月13日 (木)

朝日大・菊江龍を見てきました!

 近年、岐阜学生リーグには静岡関連選手が増加中! これまでも、このブログで紹介(岐阜大学リーグで活躍する静岡勢に注目!静清出身、田島(岐阜経済大)が活躍中!)してきましたが、リーグで強豪として知られる朝日大にも下田南伊豆分校出身の新4年・菊江龍(きくえ・とうる)を始め、新2年には常葉菊川で主将を務めていた栗田都弘らがいます。今年も甲子園出場の名手・大西優輝(常葉菊川出身)や、長身サイドスロー・松下周平(富士宮西出身)ら県内の有名選手が続々入学! ということで、11日に岐阜・朝日大グランドで行われた朝日大vs名古屋大のオープン戦を観戦してきました。

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 試合は朝日大リードで進み、7回に代走で栗田が登場。どんどん次の塁を狙う常葉菊川らしいプレーは健在! 小柄ですが、元気とスピード感が目立つ選手なので、今年はレギュラーを目指して頑張ってほしいです。
 そして、8回には菊江がマウンドへ。下田南伊豆分校時代には内野手兼投手の全く無名のプレーヤーでした。朝日大入学後、本格的に投手転向してから頭角を現し、現在は右サイドから最速146キロを記録するまでに。私も菊江の投球を見るのは初めてだったので、非常に楽しみにしていました。身長は172センチとそう高くありませんが、下半身が太くがっちり。どんな投手なのかと思いきや…投球練習から「おおっ!」とつい声が。足を高く上げて、そこからぐいっと腕が振れてくる豪快な変則サイドハンド。言葉では説明しづらいのですが、マウンドで大きく見える、とてもインパクトがある投手です。
 この日は8回、9回の2イニングを1安打無失点。朝日大の林卓史監督によると、「今日はそんなにいい方じゃない」とのことでしたが、どんどん投げ込んでくる力強いストレートは魅力いっぱい。秋田出身で下田南伊豆分校→朝日大という異色の経歴の持ち主ですが、「伊豆は第二の故郷」とのことで、長期オフには伊豆に「里帰り」する菊江。大学ラストイヤー、注目していきたい選手です。

 ちなみに、対戦相手・名古屋大の先発は七原優介でした。エースで4番を務めるドラフト候補…というだけでなく、試合前にはノッカーを務め、ベンチからはサインも出す名古屋大の大黒柱です。150キロ近い速球や、鋭いスイングからのパワフルな打撃には惚れ惚れしましたね。今年はこの七原を始め、京都大の田中英祐、東京大から独立リーグに進んだ井坂肇、茨城大の竹井大貴ら国公立大関係の注目投手が多いのですが、静岡大にもぜひ頑張ってもらいたいところです!(編集部H)

<写真/菊江龍(朝日大)>

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2014年3月 9日 (日)

練習試合 島田商vs裾野

 今日は、常葉橘のグランドで佐野日大対常葉橘との練習試合、島田球場で中学選抜大会を観戦後、島田商のグランドへ。島田商と裾野の練習試合を見ることができました。
 ここで、今後が楽しみな1年生投手、2人を発見しました。

0309 まず、裾野の先発、岡沼諄はバランスのいいフォームからコーナーを丁寧に突きます。さらに、打者の手元でスッと沈む変化球は決め球として十分に使えるでしょう。今年の裾野は秋山直輝梁瀬浩代という左右両輪を擁しているだけに、この1年生右腕が台頭してくるとさらに投手陣の厚みは増すはずです。

03092 島田商では、5回に長身の左腕・四ノ宮京佑がマウンドへ。投球練習から肩関節の柔らかさに目を惹かれていると、簡単に2死を奪います。その後、連打で1点を失いますが、最後の打者には右打者のインコースにスバッと投げ込み、三振に。続く6回はカーブを有効的に使い三者凡退に抑えました。
 池田新之助監督によると、中学までは主に外野手で、高校入学後、腕の振りの良さを買われ本格的にピッチャーに転向したとのこと。身長が180センチを超える左腕はそれだけで大きな武器。「今、腕相撲をやったらウチの女子バレー部の選手にも負けるかもしれませんよ」と池田監督が笑いながらいうほど、まだまだ体の線が細いです。ただ、期待値は高く、伸びしろの大きさが魅力です。この夏は難しくても、秋にどんな姿になっているのか注目していきたいです。(編集部・栗山)

<写真上/期待の1年生投手、裾野・岡沼諄(写真上)と島田商・四ノ宮京佑(写真下)>

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2014年3月 6日 (木)

静岡に根付く球児たち2013~露木雄太編・上

 自称人気連載「静岡を巣立つ球児たち」の番外編として、編集部Hが静岡学生リーグの大学で野球を続ける選手に会ってきました。今年の静岡学生リーグは有名選手が多く進学するので大注目です! その中で今回紹介するのは東海大海洋学部に進学する露木雄太(下田3年)。183センチの長身がグランドに映える遊撃手です。2回に分けてインタビューを掲載します。
※この取材は1月半ばに行い、2月の早い時期にアップするはずが、雪で帰静できなくなったり色々あってアップが遅れてしまいました。すみません!

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静岡に根付く球児たち~露木雄太編・上

★伊東から最初の旅立ち
 露木雄太は伊東で生まれ育ち、小学生の時に野球を始めた。父が地元の伊東商から神奈川大に進んでプレーしたほどの選手だったこともあり、露木にとって幼い頃から野球は身近な存在だった。その父が立ち上げからコーチとして関わっていたのが伊東シニア。その関係で伊東シニアに3期生として入団する。1学年上には竹安大知(伊東商→熊本ゴールデンラークス)が在籍していた。
 中学入学時から175センチほどの長身だったという露木。小学生の頃は遊撃手を務めていたが、伊東シニアでは三塁を守った。そして高校ではさらに野球に邁進すべく、地元・伊東を出て、静岡学園に進学することを決めた。

03061★最後の春夏に懸けて下田高へ転校
 静岡学園に進学後、想像以上に厳しい練習に驚かされた。同学年の選手も上手く、自分が少し遅れてると感じたこともあったという。勉強との両立が目標として掲げられていたため、練習だけでなく、勉強にも忙しかった。野球も勉強も一生懸命取り組んでいたが、両立は難しいと感じ始めていた。
 思い悩んでいることは父に相談していた。「きついとか、けっこう色々話してましたね。その時に、転校っていう道も出してもらって」。また、シニアも中学も一緒で仲の良かった竹安も東京の高校から伊東商に転校してきていた。その竹安からは「転校するなら早くしないと試合にも出られなくなるよ」というアドバイスをもらった。「この時期にやめたら公式戦に少ししか出られなくなってしまうことに悩んだりもしたんですけど、こっちでやれることをやった方が自分のためになるかなと」。露木がその結論に辿りつき、下田高に転校してきたのは高1の2月のことだった。

★公式戦までの1年間
 伊東から下田高に通学している生徒は少なく、知り合いや友達がいたわけではなかった。露木も最初は不安を感じていたという。ただ、その不安は杞憂に終わる。「学校には友達とかもできたりして、すぐに親しむことができました。野球部も先輩が色々声をかけてくれたりして、馴染むのは早かったですね」。下田高に入って戸惑ったのは、授業時間が65分だということぐらい。あっという間にクラスにも野球部にも溶け込んだ。
 しかし、転校生ゆえ、1年間は公式戦に出ることはできない。それは露木にとってどんな時間だったのか。「練習試合にも出させてもらっていたので、そんなに辛くはなかったですね。最後の春と夏にためた分を出しきろうと思って、一生懸命練習していたので」。公式戦でもボールボーイなどでチームメイトと同じグランドに立っていたというが、試合に出られない歯がゆさは感じていた。その思いも、全て最後の春夏にぶつけるためのバネにした。練習後も家に帰れるぎりぎりの時間まで自主練に励み、休みの日にも自主練を重ねる日々だった。

03062★鈴木翔太に驚愕
 ようやく公式戦出場が見えてきた3月、露木を驚かせた投手がいる。練習試合で対戦した聖隷クリストファーの鈴木翔太(現中日)だ。露木は代打で途中出場し、1打席だけの対戦だったが、そのストレートの速さも、伸びも、何もかも初めて目にするものだった。「やっぱり全然違いましたね」と振り返るが、伊東シニア時代に鈴木の在籍していた浜松シニアとは何回か対戦しているという。ただ、その頃は「今考えればいたのかも」という程度の印象。この時、打席の中で見た鈴木とはまるで違ったという。

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 「静岡に根付く球児たち2013~露木雄太編・下」は近日公開予定です!(編集部H)

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2014年3月 5日 (水)

三菱重工横浜の静岡関連選手が頑張っています!

 昨日、法政大グランドで行われた法政大vs三菱重工横浜のオープン戦を観戦してきました。試合は随所でさすが社会人というプレーを見せた三菱重工横浜が9-3で勝利。特に、7回に34歳の佐々木勉が放った3ラン本塁打はすごい当たりで、レフト後方の陸上競技場まで吹っ飛んでいきました。
Murayama 静岡関連選手では8番ライトで伊藤慎悟(常葉菊川→法政大出身)、9番ファーストで村山正誠(常葉菊川出身)がそれぞれスタメン出場。伊藤慎は法政大出身ということもあり、後輩たちに実力を見せつけてくれるかと期待しましたが、残念ながら3打数無安打。しかし、村山には驚かされました。第1打席で高めの変化球をきれいに流してレフト前安打、第2打席では四球を選び、第3打席ではまたレフト前安打、第4打席は1死三塁の場面で真っすぐを鋭く振りきりライト前タイムリー。9番に置いておくのはもったいないほど! 常葉菊川時代に初めて村山を見た時、その野球センスに惹きつけられたことを思い出しました。
 今年は一塁レギュラーの竹内啓人が故障で長期戦線離脱をよぎなくされていることもあり、村山にかかる期待は例年以上に大きなものになっています。松下安男監督も、「小さなケガが続き実力を発揮できなかった選手。今年は村山と平尾(泰勢)で一塁を競ってもらうことになります。村山も今日のようなプレーが続いてくれれば、打順もどこでもできるしいいんだけど。社会人8年目でのブレイクをしてほしいですね」と年間を通しての活躍を求めていました。

 この日の登板はありませんでしたが、野村亮介(静清出身)も今年は順調です。先月、今年最初のオープン戦で先発し、熊本ゴールデンラークスを相手に5回2失点。野村はここ3年、春先の故障が続いていたので、この時期にしっかり試合で投げられていることにまず一安心しました。野村本人も、「今年はケガもなく、いいオフを過ごせました。調子も昨年の後半に比べると上がってきています。フォームもだいぶしっくりくる感じになりました。もっと良くなると思うんですけど」と、3年目の滑り出しにまずまず納得しているよう。
 チーム内に福地元春という大卒2年目の左腕がおり、こちらは最速151キロを誇るドラフト上位候補。スカウトも押し寄せてきていて、10球団が集まることも。福地が一番の目当てとはいえ、もちろん野村も注目されていますし、野村にとっても大きな刺激となるはず。このブログでも野村をしっかり追いかけたいと思います。

 法政大のベンチには伊藤晃輔(掛川西出身)が入っていましたが、この日は出番なし。これまでの2年間でリーグ戦の出場はありませんが、今春はチャンスを掴んでくれるはずです!(編集部H)

<写真/3安打を放った村山正誠(三菱重工横浜)>

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