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2014年6月11日 (水)

鈴木翔太、浜松凱旋登板に向けて最終調整

 本日、中日・鈴木翔太がウエスタンリーグの阪神戦で先発しました。来週の浜松凱旋に向けて最終テストということで、僕もナゴヤ球場まで行ってきました。

 試合前、ベンチ前でキャッチャーと少し長い距離でキャッチボールを行っていました。その姿を見てビックリ。躍動感があって、腕がしなやかに振れる。相手のキャッチャーミットに向かい、ストレートがグングン伸びていくのです。その姿に、あらためて惚れ直したほどです。

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 そんないい状態のまま、マウンドに上がると、初回は無失点。先頭の荒木郁也に安打を許したものの、後続を抑えます。ストレートは138キロをマークし、4番・陽川尚将に対してフォークで空振り三振。これまで幾度となく鈴木翔のピッチングを見てきましたが、今日が最高の出来ではないかと思うほど、持ち味のキレが素晴らしかったです。
 ところが3回、突如、崩れます。1死後、ピッチャーの歳内宏明に二塁打を打たれ、そこから満塁のピンチを作り、3番・伊藤隼太に2点タイムリーを浴びます。さらに、押し出し四球でこの回計3失点。1イニングで4四球と、制球力のいい鈴木翔では考えられないミスでした。明らかなボールというよりも、ボール1個または半個分、外れているかどうかの世界。プロのストライクゾーンの厳しさを見させられました。
 それでも、4、5回は無失点に抑え、5回3失点でマウンドを降りました。

 試合後のインタビューで鈴木翔は「マウンドに上がったら、ボールが浮ついて、おかしいなと感じていました。腕の振りも鈍かったし、無駄なフォアボールも多い。今日は全体的に良くなかったです」とコメント。先輩・吉見一起からは「相手バッターではなく、自分と戦っているのではないか」と指摘されたそうで、本人も「今後は気持ちの部分をしっかりやっていきたい」と前を向いていました。
 フォーム的には前回、観戦したときに気になった高校時代よりも重心が低くなっている部分について本人はこんなことを言っていました。
「今は、右膝で地面を擦るくらいのイメージで投げています。今日の4、5回はそこを意識したら、低めに決まるようになりました」

 来週17日(火)の浜松球場での凱旋登板はどうなるのか今のところ分かりませんが、この日の投球の見る限り、少し早いのではないかと感じています。上記のようにフォームが完全に固まっていないし、ストレートのスピードも130キロ台前半だったりとバラバラ。あと1年、いや2年待ってもいいのではないでしょうか。もっともっと大きくなって、球界を背負ってもらわなければいけない投手です。試合前の投球練習のようなボールが常時いくように、焦らず、じっくりと。まずはファームでの1勝を目指して頑張ってほしいです!(編集部・栗山)

<写真/3回以外は無失点に抑えた鈴木翔太(中日)>
 

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