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2014年7月

2014年7月30日 (水)

静岡高が、3年ぶり23度目の甲子園へ!

 

07301_2

 静岡大会決勝は、ご存知のように静岡高が掛川西を3対2で下し、3年ぶり23度目の甲子園出場を決めました。

 今日の決勝戦は1点を争う緊迫した試合。1球も目が離せない、静岡の高校野球の1年を締めくくるにふさわしい好ゲームでした。
 僕は球場で生観戦していたのですが、両チームの応援のボリュームが凄かったです。特に8回裏、掛川西のチャンスの場面では、球場全体に地響きを感じるほどの大声援。「これが掛西パワーか」と感じ、思わず鳥肌が立ったほどでした。

 勝利した静岡高は3年前に成し遂げることができなかった全国1勝以上を挙げてもらいたいです。また、敗れた掛川西は、この日2番手で登板した齋藤健、主砲の大本拓海らが残ります。まずは秋の東海大会を目指し、夏の練習に励んでほしいです。(編集部・栗山)

 

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2014年7月28日 (月)

中学軟式県大会で見た注目選手2014夏!

 高校野球の県大会は明日、ベスト4が激突。いよいよ佳境に入ってきましたね。そんな中、『静岡高校野球』編集部では一昨日、昨日と静岡県中学校総合体育大会を見てきました。2、3年後、どんな選手が静岡を沸かすのか。いち早くチェックしようと思いました。

Okumura_4
Shioya_3
Kando_2
Ema_3
Serizawa_2

 まず、春のセンバツ大会を制した東海大翔洋中は今年もタレント揃い。なかでも、トップバッター・奥村光一の身体能力の高さに目を奪われました。初戦の3回、センターの左横に強烈な打球を放つと、一塁ベースを回ったあたりから急激に加速度が増します。猛烈なスピードでシングルヒットを二塁打にしてしまうところに、この選手のポテンシャルの高さを感じました。センターの守備でも、自分の真後ろの難しい打球を好補。三拍子がそろったスケールの大きな選手です。
 今年の1月、「伊豆野球少年団」の取材に伺った際、長倉春生監督から「いいショートがいるよ」と紹介されたのが塩谷空知(大仁中)。守備範囲の広さとグラブさばきが秀逸。今大会は思うような結果が出ませんでしたが、キャッチャーとしてチームを牽引しました。同チームの主砲・土屋卓也らとともに、今度は「伊豆野球少年団」の一員として8月8日からKボールの全国大会に出場。悔しさを晴らしてほしいです。
 その大仁中を破った磐田城山中では、4番の西島伊織に注目。荒削りですが、打席での風格があり、逆方向にもライナー性の打球を放つのが特徴的。奥村と同様、運動神経の高い強打者です。
 今大会、もっとも楽しみにしていたのが、本格派右腕・漢人友也(桜が丘中)。2年生ながら、掛川市内の強豪チームを次々と破り、「これはモノが違う」という噂をききつけていました。
 最初にマウンドに上がったときの雰囲気が凄くいいです。帽子をとって一礼すると、ゆったりとしたフォームから、腕がぶっ飛びそうなほどしなやかにスピーディーに振られてきます。後ろよりも前が大きなフォームで、いかにもピッチャーらしいピッチャーという印象を抱きます。まだまだユニフォームがダボダボで華奢。それだけに、今後の成長が魅力になってきます。指先感覚の良さにも惹かれました。2回戦の牧之原中戦では最終回に3点を奪われ、延長9回にサヨナラ打を浴びて敗退。来春までに故障だけには気をつけ、体をゆっくりと作っていってもらいたいです。
 同じく2年生では左腕の江間悠悟(麁玉中)も楽しみな選手。フォームのバランスが良く、腕を綺麗に振ることができます。時折、ズバッとくる右打者のインローのクロスファイヤーを体に染み込ませていけば、高いレベルを目指せると思います。
 最後に、県大会では見ることができませんでしたが、芹沢孝明(美和中)も魅力たっぷりの右腕。常葉橘中を撃破した試合では、ストレートの威力に目が釘付けに。トップギアに入ったときの腕の振りの速さを見ただけで、もう満足でした!

 今大会、ベスト8に残ったのは掛川東中、川根・島田北中、西奈中、吉田中、磐田城山中、入野中、東海大翔洋中、榛原中です。どのチームが軟式中学ナンバーワンを勝ち取るのか。明日からの詳しい日程はこちらをご覧ください。(編集部・栗山)→http://www6.ocn.ne.jp/~scyuuta/heisei26nendo/newpage26-ken-kumikekka.html

<写真/上から奥村光一(東海大翔洋中)、塩谷空知(大仁中)、漢人友也(桜が丘中)、江間悠悟(麁玉中)、芹沢孝明(美和中)>

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2014年7月23日 (水)

都市対抗 三菱日立パワーシステムズ横浜vsHonda熊本

 18日に開幕した第85回都市対抗大会。今年はドラマ「ルーズヴェルト・ゲーム」の影響や、決勝が天覧試合になることもあり盛り上がっている印象です。静岡県内唯一の企業チームであるヤマハは2次予選で敗退し、今年は本大会に出場していません。ただ、ヤマハの選手は補強選手として東海の各チームで頑張っていますし、静岡出身の注目選手も多くいます!

★7月23日 都市対抗本大会2回戦 東京ドーム

チーム
MHPS 0 3 0 0 1 0 0 0 0 1 4
Honda熊本 0 0 0 0 0 0 0 4 0 0 3

Dsc_0252 今日の第2試合は三菱日立パワーシステムズ横浜(以下MHPS)vsHonda熊本。MHPSは今年もブログでまめにレポートしていますが、エースはドラフト候補に成長した野村亮介(静清出身)ですし、野手には常葉菊川出身の村山正誠伊藤慎悟が在籍しています。Honda熊本には熊本ゴールデンラークスの竹安大知(伊東商出身)が補強選手としてベンチ入り。ということで、この試合だけは見逃すわけにはいかないと東京ドームに行ってきました。

 MHPSの先発は予想通り野村。本大会では初先発ですが、社会人3年目ということもあり落ち着いた表情でマウンドに立ちます(野村はもともとポーカーフェイスですが…)。初回こそストレートが少し高い印象で四球も出しますが、2回表に3点を先制してもらうと野村らしい投球が戻ってきます。3回からはストライクが先行し、ストレートも低めへ。変化球ではフォークのキレがよく、この日奪った6三振の全てがフォークによる空振り三振だったと思います。
 4回は3球で三者凡退、5回、6回、7回とスコアボードに0を並べ続ける野村。二塁すら踏ませぬ内容に、これは完封もあるかと思い始めた8回、安打にエラーが絡み2点を奪われ、なおも1死一、二塁という場面で無念の交代。7回1/3を投げ、7安打4失点という結果でした。8回の攻撃はさすが九州第1代表といったところで、高いボールや甘い球を見逃してくれませんでしたね。でも、交代を告げられた時点で4-2、一打同点とはいえ、そんな場面でも「お前に任せる」と言ってもらえるような投手に今後はなっていってほしいです。
 野村降板後、同点に追い付かれたMHPSですが、延長10回に1点を勝ち越し。その1点を絶大な信頼を誇るベテラン亀川裕之が守りぬき、初戦を突破しました。3回戦は26日に日本新薬を相手に行われます。ぜひ勝ち進んで、野村に活躍してほしいです!

Dsc_0266 Honda熊本の竹安は6回2死三塁という大ピンチの場面でマウンドへ。6回の時点ではHonda熊本にとっては4-0、野村の前に突破口を見いだせぬ状況。「ランナーを2人出してもいい、とにかく点を取られないでくれ」と言われベンチから送りだされたという竹安は、傍目には普段と変わらぬ飄々とした雰囲気に見えました。打席には6回までに3安打と当たっていた3番・中西良太。しっかりと腕を振って投げたボールで早々に追い込むと、最後はサードゴロに仕留めます。ストレートの最速は145キロを記録。1/3回とあっという間の都市対抗でしたが、上々のデビューだと思います。
 試合後、竹安に話を聞くと、「高校野球とは違った雰囲気で、こんなに声援を受けているのは初めてというか…気持ちよかったです。最後は勝てるかと思ったんですけどね」と悔しさをにじませつつも、明るい表情。自身のデビューについては、「あっという間で、何が何だかわからないうちに終わっていました。緊張しましたね、かなり。とにかくしっかり腕を振ることだけを考えて投げました」と、実は相当緊張していたそう。最後に、「来年は自分が引っ張って、熊本ゴールデンラークスで出たい」と東京ドームに帰ってくることを誓ってくれました。今後もこのブログは竹安を追い続けます! 

 試合後の野村の談話はおそらく明日の新聞などに掲載されると思います! それを期待して、野村の話を聞きに行くのはあきらめました…が、秋にはまた直接話を聞きたいです。(編集部H)

★日本野球連盟公式HP(試合速報、組み合わせなどはこちらで!)
http://www.jaba.or.jp/

<写真上/野村亮介(三菱日立パワーシステムズ横浜)>
<写真下/竹安大知(Honda熊本~熊本ゴールデンラークスからの補強)>

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2014年7月16日 (水)

今夏期待の隠し玉③金子拓未(磐田農)

 高校野球の県大会は残りの1回戦が19日に行われます。今回はその中で登場するイチオシの隠し玉左腕・金子拓未(磐田農)を紹介します。

*           *          *

 昨年11月、磐田農対松代(長野)の練習試合で、僕は金子のピッチングに目が釘づけになりました。身長181センチの長身に、柔らかくしなるヒジ。持っているポテンシャルの高さに唸りました。その時点で「来春絶対見よう」と決めていた選手の一人でした。

 07161金子を指導するのは城西大で投手として活躍した榑松俊輝監督。入学した頃は我流だったフォームを二人三脚で1から作り上げていったそうです。
「その秋の終わりから冬にかけて、フォームにキレが出てきて、見違えるようになりましたね。球速的に130キロ近い球がビシバシきていましたから。これはと思いました」
 ところが、ある日のブルペンで左肩を脱臼。もともと緩かった肩が、急激に進化する鋭い振りについていけず、抜けてしまったのでした。ここから春にかけて、全く投げることができない日々。それでも、金子は夏に向けて、適切に血流を制限した状態で行う「加圧トレーニング」を取り入れいます。
「加圧トレーニングをやったのは週1回程度。時間も短いのですが、すごくてきつくて。でも、筋力がアップし、体重も5キロ増えました」
 ようやく5月下旬に復帰。見違えるように大きくなった下半身から、この日のブルペンでは右打者の内角に力強いクロスファイヤーを投げ込んでいました。
 大きく振りかぶるところは内海哲也(巨人)を彷彿。そこから腕が体に巻き付きながらリリースされるダイナミックなフォームが印象的です。
「フォーム的には、まだまだしっくりきていない部分もありますが、この夏は1つ勝ちたい。夏の大会でチームは5年連続で勝っていませんので、最低限の目標です。」
 そして、さらにその先も見据える金子。卒業後は大学で野球を続けていくそうです。
「大学に入学するまでにもう一度、フォームを見直して、万全な状態にしていきたいです」
 将来性は、榑松監督も買っています。
「もともと高校3年間でどうこうなるタイプだとは考えていませんでした。ただ、ランニングをみると、パンパンと飛び上げるような躍動感のある走りを見せます。能力の高さはずば抜けていますね。大学で心技体すべての面で成長できれば、将来はプロを狙える選手だと思っています」 

 数年後、プロに進んだとき、「金子の3年夏のピッチングを見逃していた」と後悔しないよう、高校最後の投球を目に焼き付けたいと思います。(編集部・栗山)

■金子拓未(かねこ・たくみ)
1996年5月6日生まれ。静岡県袋井市出身。小学4年時に友人に誘われて野球を始める。袋井東少年野球団では主に外野手。袋井中で本格的に投手となり、3年夏はエースに。高校入学後、2年夏から公式戦で登板。しなやかな腕の振りからキレのある球を投げ込む期待の長身左腕。181cm71㎏、左投左打。

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2014年7月14日 (月)

夏の県大会 掛川東vs知徳

★7月13日 第96回全国高校野球選手権静岡大会1回戦 草薙球場

チーム
知徳 1 0 0 0 0 1 0 0 0 2
掛川東 0 0 2 0 0 0 2 0 × 4

 12日に開幕した静岡県大会。昨日は好カードのひとつ、掛川東対知徳の試合を見てきました。
 

 1点を追う掛川東は3回、2死三塁から3番・07132_2本達彦の三塁ゴロが内野安打となり同点。さらに、此本は俊足を生かし、二盗、三盗を決めると、相手のパスボールを誘い勝ち越しに成功します。
 知徳も6回に5番・小岩浩己の右中間を破るタイムリー二塁打で同点とするも、掛川東は7回に代打・長嶋大貴のタイムリーで勝ち越し。投げてはエースの太田光俊が、雨でぬかるんだマウンド状態の中、角度十分のストレートに緩いカーブを織り交ぜ、知徳打線に的を絞らせませんでした。
07131 今大会、草薙球場ではスピードガン表示を行っています。太田のストレートは120キロ台。決して速いわけではありませんが、独特のブレーキのきいたカーブは90キロ台。この約30キロ差の緩急は大きな武器です。さらに6回、無死一二塁の場面で、相手の森恒平が送りバントを試みます。ここで太田は猛ダッシュでマウンドを駆け下り、三塁へ好送球。ダブルプレーを完成させました。身体能力の高さ、動きのスピーディーさに圧倒されました。
 試合後、太田はこんなコメントをしてくれました。
「フィールディングと牽制には自信を持っていました。あそこは自分の持ち味が出たと思います。投げる方は、試合開始が1時間遅れたことで、少し入り方が悪かったのですが、徐々にアウトローにコントロールできるようになりました。勝ち上がって静岡高と勝負したいです」。

 一方、破れた知徳は高校通算49本塁打と注目を浴びた森が4打数無安打。186センチ88キロという堂々とした体格のスラッガーから快音が聞かれませんでした。
07133 6月上旬の練習試合で四球を受け、右手中指を骨折。本人は、「その影響は全くありません。自分の力不足。それだけです」と声を絞り出しながら話してくれましたが、やはりインパクトの瞬間で力が入っていないように見えました。それが焦りを生み、上体が突っ込み気味になり、打球も失速。本人にとっては不本意な大会となったでしょう。
 飛距離は全国クラス。当たればどこまでも飛んでいく、こんな長距離打者はなかなか県内に現れないだけに、残念でなりませんでした。
 本人は涙を浮かべながらも最後は「この学校に入り、寮生活を経験して、礼儀、挨拶を学ぶことができました。大学では大舞台で活躍をできる選手を目指していきます」と前を向いていました。
 この経験を生かすために、まずは故障を完全に直し、大学入学までにもう一度、自分のフォームを作り上げてほしいです。4年後のプロを目指してほしい逸材。今後も追いかけていきたいと思っています。(編集部・栗山)

<写真上/チーム一丸で勝利を掴んだ掛川東ナイン>
<写真中/強打の知徳打線を2点に抑えた太田光俊(掛川東)>
<写真下/大学での飛躍が期待される森恒平(知徳)>

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2014年7月 9日 (水)

今夏期待の隠し玉②森田圭(相良)

 一昨年の春、とある関係者から「部員が少ないけど、相良に面白い左腕がいるよ」という噂を耳にしました。同時に、練習試合を見に行った編集部Hからも、「相良の森田という左腕がなかなかいいですよ。腕の振りが良くて、四球を出さない程度に荒れるボールが武器です」というレポートが送られてきて、ずっと気になっていました。
 そして、今春は秋県3位の常葉橘相手に好投。これは夏前に絶対会っておかなければと思い立ち、相良のグランドにお邪魔しました。

*           *          *

07091_2

 中学時代は制球難からファーストを守っていたという森田圭。家が近く、就職が有利だからという理由で相良に進学すると、硬球が自分の指先にフィットし、制球がまとまるようになったそうです。
 当時の相良は3年生が3人、2年生が0人。チーム的に厳しい環境の中、森田の出番はすぐにやってきます。夏の大会の初戦にリリーフで登板。チームは敗れたものの、森田には大きな財産となりました。
「1年のときは自分の力を出すだけ、怖いものなしでやっていたから、楽しかったです」
 一冬を越した2年春には東海大翔洋との練習試合で自己最速となる130キロをマーク。さらに、2年秋は中部地区敗者復活戦で3勝を挙げ、県大会まであと一歩のところに迫りました。
 そして、春は上記のように中部地区3回戦で常葉橘と激突。終盤に得点を重ねられ、3対6で破れましたが、中盤までは互角の試合を展開し、自信を深めたと言います。
「春の大会は調子が良く、変化球が切れていました。自分の力を出せば、強豪を抑えることができると感じた試合でした」
 その後、4月後半から腰を痛めて、登板を回避していたものの、ここにきて完全復活。この日も、ブルペンで体全体を使ったフォームからパワフルなストレートと多彩な変化球を投げ込んでいました。

07092 相良の初戦は21日。磐田南vs伊豆中央の勝者と対戦します。開会式から試合まで1週間以上も空くことになるため、「正直、待ち遠しいですね」という森田。大会に向けての抱負をこう語ってくれました。
「自分たちは1年秋から最上級生となったので、この3年生10人の結束力は高いです。どんなチームよりも経験だけは絶対にしてきていると思うので、一戦一戦力を出し切るだけです」
 「左でこれだけのボールがあれば、上のレベルでも」と考えてしまいますが、本人は「趣味程度で野球ができれば」と言い、まだ本格的には考えてないとのこと。まずは、森田が入学後、相良は夏の大会で校歌を歌うことができていないだけに、快進撃を期待したいです。(編集部・栗山)

■森田圭(もりた・けい)
1997年2月2日生まれ。静岡県御前崎市出身。小学3年時に親の影響で野球を始める。小学生時代に在籍した「御前崎ブレーブス」では投手。御前崎中では一塁手として3年夏に県大会に出場する。高校入学後、1年夏から登板し秋からはエース。キレのある最速130キロのストレートを武器に、最後の夏にかける。165cm72kg、左投左打。

<写真上/ブルペンで1球1球丁寧に投げ込む森田圭(相良)>
<写真下/森田(左)の剛球を受け止める捕手の斎藤太一(相良)>

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2014年7月 8日 (火)

静岡大が東海地区チャンピオンシップトーナメントを連覇!

Sizudai
★7月6日 東海地区チャンピオンシップトーナメント準決勝 朝日大グランド

チーム
朝日大B 0 1 0 0 0 0 0 0 0 1
静岡大 0 0 0 0 0 0 1 0 2

★7月6日 東海地区チャンピオンシップトーナメント決勝 朝日大グランド

チーム
静岡大 0 0 0 0 1 1 0 0 1 1 4
中部学院大B 0 0 3 0 0 0 0 0 0 0 3

 先月21日から開催されていた東海地区チャンピオンシップトーナメント。東海地区大学連盟に所属する静岡学生リーグ、岐阜学生リーグ、三重学生リーグの3リーグが合同で、さらに部員数が多い大学はA・Bに分かれて出場します。合計28チームで東海地区大学連盟のチャンピオンを争うという一大イベントです。(東海地区大学連盟のチャンピオンシップトーナメントが開幕!&栗田都弘に話を聞いてきました

 今月6日についに準決勝、決勝を迎えました。ベスト4に残った静岡のチームは静岡大のみ。その他の3チームは朝日大B、中部学院大B、岐阜聖徳学園大Bと岐阜勢が占めました。

Tashiro 第1試合は中部学院大Bが岐阜聖徳学園大Bを下し、いよいよ第2試合では静岡大が朝日大Bと対戦。静岡大は4年生が引退し、打線に春の中心選手たちはいないものの、かなり“ガチ”な面子。先発マウンドに上がったのも、エース・森田雄大(3年)でした。森田は2回に久保山太奨に一発を打たれたものの、思い切りのいい投球で5回1失点と好投します。しかし、朝日大先発の須藤有哉の前に打線は抑え込まれ、6回まで塁に出ることすらできず。これは厳しい…と思いきや、7回に4連打で同点に。そして9回には相手のミスから2死一、三塁のチャンスを作ると田代啓太(3年)が三塁線を破るタイムリーを放ちサヨナラ勝利! 今の静岡大の勢いを感じる展開でした。

 30分ほど挟み、始まった決勝戦の相手は中部学院大B。静岡大は3回に3ランを喰らい、3点を追う展開に。5回、6回と1点ずつを返し、3-2で9回を迎えたものの、あっさり2死走者なしになってしまいます。さすがの静岡大もここまでかと思った瞬間、1番の山本大貴(3年)が安打で出塁すると、続く菅原嘉泰(3年)は四球を選びチャンスメイク。そして多湖裕輔(2年)にレフト線へのタイムリーが飛び出し同点に。神がかり的です。その裏を6回からマウンドに上がっていた加藤大智(3年)が抑え、10回からタイブレークに突入。こうなると、もう負ける気はしないんですよね。何なんですかね、この雰囲気は。

Tago 1死満塁から始まるタイブレークで、静岡大は9回に同点タイムリーを放った多湖を打席に送ります。そして期待通り、多湖が三遊間を破るタイムリーを放ち1点を勝ち越したものの、後続が続かず1点止まり。本来、1点差なんてタイブレークでは簡単に追いつかれたり、ひっくり返される点差です。外野フライでも同点ですし。でも、加藤なら絶対に抑えてくれるという信頼感・安心感があるんですよね。闘志が表に出るタイプではなく、どんな時も淡々と投げる投手ですが、そこがピンチの場面では周囲にも過度な緊張を与えずに、プレーさせてくれる気がします。制球力もありますが、多少甘くなっても打ち取れたり、空振りを奪えるのはマウンドで打者をしっかり見下ろせているからかもしれません。
 ということで、10回裏は勝利を確信して観戦していました。そして加藤がびしっと締めて静岡大が優勝。昨年もこの大会を制しているので、連覇ということになりました。東海地区大学春季選手権に引き続きの優勝ですが、打線はメンバーが入れ替わっているので立派な結果です。

Osada 秋の静岡学生リーグは森田、加藤と春優勝の立役者となった投手たちを中心に戦うことになると思いますが、この日最優秀選手に選ばれた多湖(足もなかなか!)、第1試合でサヨナラタイムリーを放った田代らが打線を活性化してくれそうです。秋の静岡大も大注目! …でも、正直、国立大が優勝候補では他の大学にとってちょっと情けないところも。秋はリーグ戦がもっともっと盛り上がってほしいですね。個人的には、日大国際関係学部のエース・青山和樹(3年)の復調に期待しています。(編集部H)

<写真上/表彰式での静岡大選手たち>
<写真中/準決勝でサヨナラタイムリーを放った田代啓太(静岡大)>
<写真下/大学選手権の時の写真ですが…最優秀選手に選ばれた多湖裕輔(静岡大)>
<写真一番下/中部学院大では飛龍出身の長田貴史が出てました(奥村拓史も代打で登場)>

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2014年7月 7日 (月)

今夏期待の隠し玉①瀧哲平(清水東)

 いよいよ、今週土曜日に静岡大会が開幕します。そこで今日から数回、『静岡高校野球』編集部が夏にブレイクを期待する隠し玉選手を紹介します。1回目は清水東の瀧哲平です。

*           *          *

 5月5日の掛川西との練習試合。打線が売りの相手チームに対し、1失点完投。この試合で最速138キロをマークしました。
「あの試合は内角をつけて投げることができました」と振り返る瀧。ここから急激に名前が広がり、今では関東の強豪大学も注目しているという話も耳にしました。

 中学時代には、安倍川中の國松歩(現静岡商)と投げ合い0対1で敗れるも、剛腕と互角に渡り合った実績も。高校は八木道政監督の「泥んこになってする野球」に憧れて清水東へ。ところが入学後、思わぬ挫折を味わうことになります。右ヒジ痛に苦しみ、2年の冬に手術。故障が癒えても、ヒジが自分のものではない感覚は続き、2年夏は2イニング限定とで登板したものの、2回戦でサヨナラ負けを味わいます。さらに、秋は投手陣合わせて1イニング14失点という屈辱も経験。それでも、冬には徹底的に下半身をいじめ抜き、ようやく投げる感覚を掴んだ今春以降、スピードがみるみるアップ。投げるごとに投手らしく、エースとしての自覚も芽生えていったそうです。

 実際、この日は瀧の投球をブルペンで見ることができました。ここ数日、肩・ヒジの疲労があり、ブルペンに入るのは久々とのこと。高めに抜ける球をありましたが、躍動感のあるフォームから140キロ近い重量たっぷりのストレートが右打者の内角にズバッと決まってきます。しかも、初速と終速の差が小さく、ベース上でひと伸びする球筋。これで状態が上がって、コースにバンバン決まれば、相手はやっかいだろうなという印象を持ちました。

 八木監督は「この夏のウチは瀧次第」と言い切ります。
「瀧はモチベーションがもの凄く高い子なんですね。ピッチャーのレベルとしても県内トップクラスだと思っています。」。
 そんな監督の期待に応えるべく、本人も最後の夏にかける思いをこう語ります。
「昨年の先輩の夏を終わらせてしまった悔しさがあります。その先輩の分まで今年は全試合、自分が3点以内に抑えて絶対に甲子園に行きます」

 その右腕で名門を1977年センバツ以来の聖地に導くことができるか。進学校対決となる韮山戦から必見です。(編集部・栗山)

■瀧哲平(たき・てっぺい)
1997年1月30日生まれ。静岡県静岡市出身。小学5年時に父の勧めで野球を始める。中学時代は高松中のエースとして活躍。高校入学後1年秋から公式戦で登板。3年春からエースナンバーを背負う。最速138キロと多彩な変化球を操る本格派右腕。177cm78kg、右投右打。

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2014年7月 3日 (木)

剛腕・竹内(伊東シニア)の奪三振ショーを目撃!

 今月5日から日刊スポーツ新聞社杯リトルシニア野球静岡県大会が始まります。シニアのチームに所属する中学3年生にとっては最後の大会。それだけに、高校野球関係者の目が注がれる大会でもあります。

06281 今大会、ナンバーワンの注目は、野球日本代表「侍ジャパン15U代表」に選出された竹内奎人(伊東シニア)でしょう。
 僕は一足早く、6月29日、大会前最後のゲームを行うということで、豊田シニアとの練習試合を見てきました。

 竹内の魅力は何といってもストレートです。体の馬力を感じるフォームから、ヒジが豪快にしなり、130キロ台のうなりを上げる剛球が高めに伸びるのが特徴的です。ストライクを取ることができるスライダーとのコンビネーションで三振の山を築いていきます。気に入ったのがその三振を取ったあとの立ち姿。本格派らしい本格派というか、すごく絵になっているのです。

 僕は2回から見たのですが、2回から7回で毎回奪三振。計8個の三振を奪いました。3失点で試合こそ敗れましたが、強豪相手にこれだけ三振をとって圧倒できるのは球の力強さがあってこそ。細かいことは気にせず、今のままドンドン思い切って投げ込んでいってほしい。そんな大器の登場に見ていて嬉しくなりました。
 それでも、単に投げるだけでなく、フィールディング、牽制といった細かいプレーにセンスを感じる場面も。投手として高い可能性を感じます。
 伊東シニアは勝ち上がれば、準々決勝で静岡蒲原シニアAと対戦する可能性もあります。静岡蒲原シニアといえば、大型スラッガー・遠藤聖生。遠藤の紹介はこちら→http://tsukasa-baseball.cocolog-shizuoka.com/blog/2014/02/post-3d58.html
 高校野球の静岡県大会と日程がかぶりますが、竹内vs遠藤の対決、想像するだけでワクワクしてきます。(編集部・栗山)

※「侍ジャパン15U代表」のメンバーはこちら→http://www.japan-baseball.jp/jp/team/15u/

<写真/今夏は世界での活躍も期待したい竹内奎人(伊東シニア)>

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