今夏期待の隠し玉②森田圭(相良)
一昨年の春、とある関係者から「部員が少ないけど、相良に面白い左腕がいるよ」という噂を耳にしました。同時に、練習試合を見に行った編集部Hからも、「相良の森田という左腕がなかなかいいですよ。腕の振りが良くて、四球を出さない程度に荒れるボールが武器です」というレポートが送られてきて、ずっと気になっていました。
そして、今春は秋県3位の常葉橘相手に好投。これは夏前に絶対会っておかなければと思い立ち、相良のグランドにお邪魔しました。
* * *
中学時代は制球難からファーストを守っていたという森田圭。家が近く、就職が有利だからという理由で相良に進学すると、硬球が自分の指先にフィットし、制球がまとまるようになったそうです。
当時の相良は3年生が3人、2年生が0人。チーム的に厳しい環境の中、森田の出番はすぐにやってきます。夏の大会の初戦にリリーフで登板。チームは敗れたものの、森田には大きな財産となりました。
「1年のときは自分の力を出すだけ、怖いものなしでやっていたから、楽しかったです」
一冬を越した2年春には東海大翔洋との練習試合で自己最速となる130キロをマーク。さらに、2年秋は中部地区敗者復活戦で3勝を挙げ、県大会まであと一歩のところに迫りました。
そして、春は上記のように中部地区3回戦で常葉橘と激突。終盤に得点を重ねられ、3対6で破れましたが、中盤までは互角の試合を展開し、自信を深めたと言います。
「春の大会は調子が良く、変化球が切れていました。自分の力を出せば、強豪を抑えることができると感じた試合でした」
その後、4月後半から腰を痛めて、登板を回避していたものの、ここにきて完全復活。この日も、ブルペンで体全体を使ったフォームからパワフルなストレートと多彩な変化球を投げ込んでいました。
相良の初戦は21日。磐田南vs伊豆中央の勝者と対戦します。開会式から試合まで1週間以上も空くことになるため、「正直、待ち遠しいですね」という森田。大会に向けての抱負をこう語ってくれました。
「自分たちは1年秋から最上級生となったので、この3年生10人の結束力は高いです。どんなチームよりも経験だけは絶対にしてきていると思うので、一戦一戦力を出し切るだけです」
「左でこれだけのボールがあれば、上のレベルでも」と考えてしまいますが、本人は「趣味程度で野球ができれば」と言い、まだ本格的には考えてないとのこと。まずは、森田が入学後、相良は夏の大会で校歌を歌うことができていないだけに、快進撃を期待したいです。(編集部・栗山)
■森田圭(もりた・けい)
1997年2月2日生まれ。静岡県御前崎市出身。小学3年時に親の影響で野球を始める。小学生時代に在籍した「御前崎ブレーブス」では投手。御前崎中では一塁手として3年夏に県大会に出場する。高校入学後、1年夏から登板し秋からはエース。キレのある最速130キロのストレートを武器に、最後の夏にかける。165cm72kg、左投左打。
<写真上/ブルペンで1球1球丁寧に投げ込む森田圭(相良)>
<写真下/森田(左)の剛球を受け止める捕手の斎藤太一(相良)>
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