今夏期待の隠し玉③金子拓未(磐田農)
高校野球の県大会は残りの1回戦が19日に行われます。今回はその中で登場するイチオシの隠し玉左腕・金子拓未(磐田農)を紹介します。
* * *
昨年11月、磐田農対松代(長野)の練習試合で、僕は金子のピッチングに目が釘づけになりました。身長181センチの長身に、柔らかくしなるヒジ。持っているポテンシャルの高さに唸りました。その時点で「来春絶対見よう」と決めていた選手の一人でした。
金子を指導するのは城西大で投手として活躍した榑松俊輝監督。入学した頃は我流だったフォームを二人三脚で1から作り上げていったそうです。
「その秋の終わりから冬にかけて、フォームにキレが出てきて、見違えるようになりましたね。球速的に130キロ近い球がビシバシきていましたから。これはと思いました」
ところが、ある日のブルペンで左肩を脱臼。もともと緩かった肩が、急激に進化する鋭い振りについていけず、抜けてしまったのでした。ここから春にかけて、全く投げることができない日々。それでも、金子は夏に向けて、適切に血流を制限した状態で行う「加圧トレーニング」を取り入れいます。
「加圧トレーニングをやったのは週1回程度。時間も短いのですが、すごくてきつくて。でも、筋力がアップし、体重も5キロ増えました」
ようやく5月下旬に復帰。見違えるように大きくなった下半身から、この日のブルペンでは右打者の内角に力強いクロスファイヤーを投げ込んでいました。
大きく振りかぶるところは内海哲也(巨人)を彷彿。そこから腕が体に巻き付きながらリリースされるダイナミックなフォームが印象的です。
「フォーム的には、まだまだしっくりきていない部分もありますが、この夏は1つ勝ちたい。夏の大会でチームは5年連続で勝っていませんので、最低限の目標です。」
そして、さらにその先も見据える金子。卒業後は大学で野球を続けていくそうです。
「大学に入学するまでにもう一度、フォームを見直して、万全な状態にしていきたいです」
将来性は、榑松監督も買っています。
「もともと高校3年間でどうこうなるタイプだとは考えていませんでした。ただ、ランニングをみると、パンパンと飛び上げるような躍動感のある走りを見せます。能力の高さはずば抜けていますね。大学で心技体すべての面で成長できれば、将来はプロを狙える選手だと思っています」
数年後、プロに進んだとき、「金子の3年夏のピッチングを見逃していた」と後悔しないよう、高校最後の投球を目に焼き付けたいと思います。(編集部・栗山)
■金子拓未(かねこ・たくみ)
1996年5月6日生まれ。静岡県袋井市出身。小学4年時に友人に誘われて野球を始める。袋井東少年野球団では主に外野手。袋井中で本格的に投手となり、3年夏はエースに。高校入学後、2年夏から公式戦で登板。しなやかな腕の振りからキレのある球を投げ込む期待の長身左腕。181cm71㎏、左投左打。
さ
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コメント
今夏期待の隠し玉の属する学校は、全て初戦敗退してしまいましたね
今後の活躍に期待してます
投稿: 野球好き親父 | 2014年7月24日 (木) 02時05分