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2015年1月16日 (金)

静岡を巣立つ球児たち2014~河守光王編・上

 3年目を迎えた人気連載(自称)「静岡を巣立つ球児たち」。編集部Hが、卒業後も野球を続けることが決まっている高校3年生たちに会いに行きます。今回は2013年夏の焼津水産準々決勝進出に貢献した強肩捕手・河守光王。卒業後は名古屋商科大に進学する河守のインタビューを2回にわたってお届けします。野球を始めたきっかけとなり、以降も河守の野球人生に深く関わる親友の名前に編集部Hはちょっと驚きました。

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静岡を巣立つ球児たち2014~河守光王編・上

★親友に誘われて野球を始める
Dsc_0176 空手少年だった河守光王は、小学5年の時に仲が良かった友達に誘われ野球を始めた。その友達が後に静岡商に進む左腕・末次健太だった。野球を始めるには少し遅いスタートになったが、チームに入ってから2か月がたつ頃には捕手のレギュラーとなった。
「お父さんが野球をやっていたので、練習が終わった後もけっこう教えてもらっていました。高校時代は焼津水産の野球部で、明治神宮にも行った代で。自分にも野球をやらせるつもりで、まず空手で筋力をつけてからと思っていたみたいですが、健太に誘われて始めちゃったので」
 父の育成計画は前倒しになったが、それまでにもキャッチボールをしてくれたり、野球の道具を買って応援してくれたという。
 榛原中に進むと、1年秋からレギュラーに座り、捕手一筋。高校への進学時には近隣の高校から声がかかった。しかし、河守には「お父さんのように焼津水産で神宮に行きたい」という思いがあった。また、父から「池田新之介先生(現島田商監督)というすごくいい指導者がいる」とも聞いていた。小中とバッテリーを組んだ末次は静岡商に進む。高校でもバッテリーを組みたいという気持ちをほのかに残しながら、別の進路を選んだ。

★元気がいい水高野球部
 中学時代は先輩とも友達の延長のような関係だったという河守。しかし、焼津水産に入り、上下関係がしっかりしていることに驚いたという。とはいえ、理不尽なものではなく、先輩に対する態度をしっかりする、敬語を使うというもの。1つ上の代はみんな仲が良く、入った時から驚くほどテンションが高かった。声を出して、元気よく盛り上がる焼津水産の野球に、河守もすぐ馴染んだ。
 缶詰などを作ることを学ぶ食品科の河守は船に乗ることもなく、普通科の学生とそれほど変わらない。野球に打ち込み、1年秋から早々にレギュラーとなると、敗者復活2回戦まで進む。父の踏んだ神宮への道はやはり遠かった。
 2年の5月には恒例の焼津水産と焼津中央の定期戦が行われた。全校生徒が来て、魚河岸シャツを着た地域の人も集まる。焼津が熱くなる一大イベントに、両校の選手たちは「絶対に負けられない」と闘志を燃やす。その年、焼津水産はエース・伊藤大智の好投で焼津中央に勝利。それから一気に焼津水産は上り調子となった。

Dsc_0195★2013年夏の快進撃
「定期戦の時、伊藤さんはめっちゃ力んでたんですけど、いい投球をして。そこから夏に向けてどんどん良くなって、チームもつられて良くなって。チーム全体がいつもより声が出てたのもあったし、バッティングも良かった。負ける気がしないというのがありましたね」
 最高の状態で幕を開けた夏。浜松江之島、伊豆総合をコールドで下し、3回戦では好選手が揃っていた清水西を撃破した。そして4回戦、鈴木翔太(現中日)擁する聖隷クリストファーとの一戦は延長10回までもつれる熱戦で、河守にとって今でも忘れられない試合だ。
「0-0できて、5回に1点を取られた時は、ここから崩れていくのかと思ったんです。でも伊藤さんが粘ってくれて。1点を追いかける8回に代打の長田(拓也)さんが同点打を打って。あれは本当に印象に残ってます。いい試合でした。その分、勝ちたかった。先輩っちの最後の夏を終わらせたくなかった」
 延長10回にサヨナラ負け。ただ、この試合は河守が好きだという『スラムダンク』の「あきらめたらそこで試合終了ですよ」というセリフを体感を持って知った試合だった。

★伊藤大智の強さ
 3年生たちが抜けた2年の秋。経験が少ない同学年や下級生の投手たちを引っ張っていかなければいけない立場となった。それまでは伊藤に引っ張っていってもらっている部分が大きかったという。
「伊藤さんは受けていても精神力の強さを感じました。ここぞという時、伊藤さんは必ずストレート。変化球は首を振られてしまう。どうしても変化球を投げてほしい時もあったけど、サインを出しまくっても、全部首を振られてしまうので。そこは自分が折れるしかなかったですね。でも打たれると怒られるのは自分なんですけど…」
 笑いながら投手・伊藤大智を振り返るが、試合前のブルペンから練習時まで、伊藤とはよく相談をした。投手とのコミュニケーションは進んで取る方だというが、「投手を気持ちよく投げさせてあげたい。今日はいいなと乗せてあげたい」という河守の捕手としてのスタイルには伊藤の影響も強いのかもしれない。

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「静岡を巣立つ球児たち2014~河守光王編・下」は近日中に更新します!(編集部H)

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コメント

いつも楽しく拝見させて頂いております。ところでこの記事見ました??
是非国松君の取材レポートお願いします!!
http://www.zakzak.co.jp/sports/baseball/news/20150115/bbl1501151550003-n1.htm

投稿: 静岡ファン | 2015年1月18日 (日) 20時13分

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