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2015年1月

2015年1月28日 (水)

ヤマハ・美甘新監督インタビュー!~都市対抗で勝つために。

 静岡唯一の社会人チーム・ヤマハが浜松球場で始動しました。今年は2月12日まで浜松球場で第1次キャンプを行い、14~28日の草薙球場での第2次キャンプを経て、大会に突入する予定です。
 昨年は11年ぶりに都市対抗出場を逃しただけに巻き返しを期待したいところ。就任1年目の美甘将弘新監督に意気込みを伺ってきました!

01282――監督に就任して、まだわずかですが、チームをどう分析していますか?
美甘 今年は全体的にかなり若くなりました。それだけに誰が出てくるのか期待と不安があるという状況です。特に投手陣は渡邉裕文、竹下真吾という投手陣の柱が抜けましたからね。ただ、未完成な分、爆発すれば面白いかなとは思っています。
――抜けた渡邉、竹下を穴を埋めるキーポイントとなるピッチャーを一人挙げるとすれば誰になりますか?
美甘 4年目の大野(健介)ですかね。昨年の秋に手ごたえを掴んだように見えました。
――新人5人(※)も期待が持てますね。
美甘 もちろん。全員、社会人で通用すると思って獲っていますからね。県内出身選手でいえば、羽山(弘起)は出てきてもらわなきゃ01281_2困る選手です。1年目から十分にいけると思います。
――今年は何として都市対抗に出てもらいたいです。
美甘 昨年出場を逃しましたが、どこかでチーム全体に毎年いけるだろうと思っていた部分があったのではないでしょうか。ほとんどが都市対抗を逃す悔しさを初めて味わった選手。私は現役時代、都市対抗を3回逃しましたので、その辛さは本当にわかります。
――だから、今年は出るしかないと。
美甘 何が何でも出て、そこで勝つことでしか評価されない世界ですからね。厳しいところは厳しくいきたいと思っています。

 美甘新監督は東北福祉大時代、4年秋に明治神宮大会で全国準優勝に輝くなど、三塁手として東北福祉大の黄金期を支えた選手でした。故伊藤義博監督の野球を受け継ぐ指導者としても注目が集まります。ただ、本人は「伊藤監督の野球が基本にありますが、大学野球は教育の場、社会人野球は社会人としてお金をもらって、会社の名前を背負ってプレーするという違いがありますから、あまり意識はしていませんね。社会人野球ですから、選手には一人の大人として自分の考えで動いてほしいんです」と理路整然に答えてくれた姿が印象的でした。常勝チーム、復活へ。今年は美甘新監督に手腕に注目していきたいです!(編集部・栗山)

※鈴木博志(磐田東)、池田駿(専修大)、東隆志・羽山弘起(ともに中央大)、池知佑也(亜細亜大)

<写真上/4年目のブレイクが期待される大野健介>
<写真下/都市対抗で勝つことを目指す美甘将弘新監督>
 
 

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2015年1月24日 (土)

静岡を巣立つ球児たち2014~河守光王編・下

 オフシーズン企画「静岡を巣立つ球児たち」。今年も編集部Hが、卒業後も野球を続けることが決まっている高校3年生たちに会いに行きます。
 前回に引き続き、河守光王(焼津水産3年)編です。 「静岡を巣立つ球児たち2014~河守光王編・上」はコチラ

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Dsc_0167★末次と共に名古屋商科大へ
 その2年秋には敗者復活4回戦まで進むも、県大会への出場は叶わなかった。そして、翌春、定期戦が終わった後、河守はバットとボールの間に指を挟み、骨折してしまう。それをかばううちに、今度は肩の調子が悪くなった。
 痛み止めを飲みながら迎えた最後の夏は初戦・駿河総合戦で終わった。
「あの試合はすごく悔しかったです。自分たちの代は正直、そこまで印象に残っている試合はなくて。悔しい思いばかりでした。だけど…その悔しさがなかったら、野球を続ける気もなかったかもしれません」
 河守が野球を続けることを決めたのは3年春と遅かった。それまでは就職を考えていたという。
「でも、親に『上で野球をやってみろ』と言われたし、自分でも悔いが残る試合が多かった。大学で挽回したいという思いがありました。そこで健太が『一緒に大学で野球をやろう』って言ってくれて」

Photo
末次健太(静岡商)

 小中とバッテリーを組んだ末次健太。再び大学でバッテリーを組みたいという気持ちが芽生えた。末次に誘われた名古屋商科大には近年、焼津水産から進んだ選手が何名かおり、その先輩たちからも「いい環境で、いい指導者がいるよ」と聞いていた。夏の大会の後、河守は名古屋商科大のセレクションに足を運んだ。この時点で他の大学は考えておらず、名古屋商科大一本に絞っていた。
「受けに行くまでは不安もありました。セレクションには知っている名前の高校の人が多くて、ガタイもすごかった。びびったりはしなかったんですけど、もし受かったら、この人たちと一緒に野球できるんだって嬉しくなりましたね」
 そして河守は見事、合格を勝ち取った。

★目標は小林誠司
 現在は肩のリハビリ中だが、元は強肩の河守。大学でアピールしたいのもその肩だ。
「遠くに投げるというより、二塁への送球の方が得意です。送球の精度も心がけています」
 その肩を含めて目標としている選手が小林誠司(巨人)。動画を見ては送球時の足の使い方を再現してみたり、どうにか自分の中に取り入れようと四苦八苦している。
「小林選手は肩が強いのもすごいんですけど、テレビで見ていて『サインはこれ出すんだろうな』と自分が思ったのと真逆を出す。自分はオーソドックスだと思うんですけど、小林選手は逆で、それで打たれなかったりするので、そういうところがすごいなと」
 身近にもいい捕手の手本がいた。2年春から焼津水産に赴任してきた高田晋松監督だ。前任の静岡南時代、その鬼監督ぶりが有名だった高田監督。河守も少し怯えながら迎え、2年間を過ごした。
「最初はこんなに優しいんだと思ったけど、急変しましたね(笑)。高田先生にはリードの仕方や相手の打者を観察して投げることとか、捕手としてのことをすごく教えてもらいました。観察することが大事だとはよく言われます。バッティングも良いので、バッティングも基礎から教えてもらいました」
 捕手として、打者として、様々なことを学び、取り組んだ高校生活だった。

★生活がトレーニング
 河守は特別な練習をしているわけでもなく、体作りに打ち込んでいるというわけでもない。ただ生活スタイルがすごい。
「食事はけっこう食べる方です。自分の茶碗はラーメン丼。3合じゃ1杯でなくなっちゃうので足りないですね。全然おかわりしちゃうし、家のお米はすごい勢いでなくなります…」
 実家は精肉店。店のコロッケを自分で揚げたり、おかずには困らない。筋肉をつけるために豚肉を多めに取り、朝晩ラーメン丼でご飯を食べる充実した食生活を送っていた。外食に行っても毎回足りず、結局、家に帰ってからまた食事をしていたというから驚く。そんな強豪校の食トレ並の毎日を過ごしながら、
「行きは親に送ってもらうことが多いんですけど、帰りは自転車が多いです」
 とさらり口にする。河守は焼津市内に住んでいるわけではない。
「大井川までは18キロぐらいで、そこが半分ぐらいですね。1時間半はかかります。山道ではないですけど、冬練が終わった後はけっこうきつい。階段昇れなくなります」
 40キロ近い自転車通学まで日課に含まれていた。普通に生きているだけで体が強くなる生活だった。

Dscn5193★河守光王からのメッセージ
 最後に、現役球児へのメッセージを聞いてみた。
「冬練つらいと思うんですけど、ここを乗り越えれば精神的にも肉体的にも自分のためになる。今はつらいと思うけど、頑張ってほしいです。自分も現役に戻って、冬練を頑張って夏大に臨みたいというのがあります。今振り返ると、もっと追い込めただろうって」
 悔しさを思い返しながら、ゆっくりと教えてくれた。高校でやり残したことを大学でやりつくし、その後に志していることがある。
「中学の頃に教えてもらった野球部の顧問の先生が厳しかったけどすごくいい先生で。こういう先生になりたいなっていうのもあって、大学を決めたところもあります」
 将来の夢は学校の先生だ。もちろん、焼津水産に先生として戻ってきてみたいという気持ちもある。
「プロや社会人でやりたいという気持ちもあったんですけど、高校野球をやって限界があるとわかったので。生徒たちに野球を教えるという方向で考えています」
 はたから見ると限界はまだ先にあるように思えるが、今後4年間は野球に打ち込む。部員数の多い名古屋商科大でまずはベンチ入りを勝ち取り、近い将来には末次とバッテリーを組んで、高校時代には叶わなかった神宮を目指す。

高田晋松監督からの贈る言葉
 夏の駿河総合戦では最後のチャンスで打てずに本人も悔しい思いをしたと思います。ポテンシャルはあるし、あとはどれだけやるか。やったもん勝ちですからね。野球が大好きな子なので、頑張ってやっていってほしいです。

■河守光王[かわもり・こうのう]
捕手/焼津水産3年/174cm69kg/右投右打
小学5年で野球を始める。榛原中を経て、父の母校である焼津水産に入学後、1年秋からレギュラー。2年夏には4回戦進出を果たす。二塁への強く、的確な送球を武器に、名古屋商科大に進む。

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 野球をやろうと誘ってくれた友達として末次健太の名前があがった時にはびっくりしました。エース牧野孝亮、JR東日本に進む國松歩の印象が強かった静岡商投手陣ですが、末次も伸びしろ十分で気になっていた左腕。河守と共に今後の成長を気にしていきたいと思います!
 次回は島田商・青島秀一郎編、お楽しみに!(編集部H)

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2015年1月16日 (金)

静岡を巣立つ球児たち2014~河守光王編・上

 3年目を迎えた人気連載(自称)「静岡を巣立つ球児たち」。編集部Hが、卒業後も野球を続けることが決まっている高校3年生たちに会いに行きます。今回は2013年夏の焼津水産準々決勝進出に貢献した強肩捕手・河守光王。卒業後は名古屋商科大に進学する河守のインタビューを2回にわたってお届けします。野球を始めたきっかけとなり、以降も河守の野球人生に深く関わる親友の名前に編集部Hはちょっと驚きました。

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静岡を巣立つ球児たち2014~河守光王編・上

★親友に誘われて野球を始める
Dsc_0176 空手少年だった河守光王は、小学5年の時に仲が良かった友達に誘われ野球を始めた。その友達が後に静岡商に進む左腕・末次健太だった。野球を始めるには少し遅いスタートになったが、チームに入ってから2か月がたつ頃には捕手のレギュラーとなった。
「お父さんが野球をやっていたので、練習が終わった後もけっこう教えてもらっていました。高校時代は焼津水産の野球部で、明治神宮にも行った代で。自分にも野球をやらせるつもりで、まず空手で筋力をつけてからと思っていたみたいですが、健太に誘われて始めちゃったので」
 父の育成計画は前倒しになったが、それまでにもキャッチボールをしてくれたり、野球の道具を買って応援してくれたという。
 榛原中に進むと、1年秋からレギュラーに座り、捕手一筋。高校への進学時には近隣の高校から声がかかった。しかし、河守には「お父さんのように焼津水産で神宮に行きたい」という思いがあった。また、父から「池田新之介先生(現島田商監督)というすごくいい指導者がいる」とも聞いていた。小中とバッテリーを組んだ末次は静岡商に進む。高校でもバッテリーを組みたいという気持ちをほのかに残しながら、別の進路を選んだ。

★元気がいい水高野球部
 中学時代は先輩とも友達の延長のような関係だったという河守。しかし、焼津水産に入り、上下関係がしっかりしていることに驚いたという。とはいえ、理不尽なものではなく、先輩に対する態度をしっかりする、敬語を使うというもの。1つ上の代はみんな仲が良く、入った時から驚くほどテンションが高かった。声を出して、元気よく盛り上がる焼津水産の野球に、河守もすぐ馴染んだ。
 缶詰などを作ることを学ぶ食品科の河守は船に乗ることもなく、普通科の学生とそれほど変わらない。野球に打ち込み、1年秋から早々にレギュラーとなると、敗者復活2回戦まで進む。父の踏んだ神宮への道はやはり遠かった。
 2年の5月には恒例の焼津水産と焼津中央の定期戦が行われた。全校生徒が来て、魚河岸シャツを着た地域の人も集まる。焼津が熱くなる一大イベントに、両校の選手たちは「絶対に負けられない」と闘志を燃やす。その年、焼津水産はエース・伊藤大智の好投で焼津中央に勝利。それから一気に焼津水産は上り調子となった。

Dsc_0195★2013年夏の快進撃
「定期戦の時、伊藤さんはめっちゃ力んでたんですけど、いい投球をして。そこから夏に向けてどんどん良くなって、チームもつられて良くなって。チーム全体がいつもより声が出てたのもあったし、バッティングも良かった。負ける気がしないというのがありましたね」
 最高の状態で幕を開けた夏。浜松江之島、伊豆総合をコールドで下し、3回戦では好選手が揃っていた清水西を撃破した。そして4回戦、鈴木翔太(現中日)擁する聖隷クリストファーとの一戦は延長10回までもつれる熱戦で、河守にとって今でも忘れられない試合だ。
「0-0できて、5回に1点を取られた時は、ここから崩れていくのかと思ったんです。でも伊藤さんが粘ってくれて。1点を追いかける8回に代打の長田(拓也)さんが同点打を打って。あれは本当に印象に残ってます。いい試合でした。その分、勝ちたかった。先輩っちの最後の夏を終わらせたくなかった」
 延長10回にサヨナラ負け。ただ、この試合は河守が好きだという『スラムダンク』の「あきらめたらそこで試合終了ですよ」というセリフを体感を持って知った試合だった。

★伊藤大智の強さ
 3年生たちが抜けた2年の秋。経験が少ない同学年や下級生の投手たちを引っ張っていかなければいけない立場となった。それまでは伊藤に引っ張っていってもらっている部分が大きかったという。
「伊藤さんは受けていても精神力の強さを感じました。ここぞという時、伊藤さんは必ずストレート。変化球は首を振られてしまう。どうしても変化球を投げてほしい時もあったけど、サインを出しまくっても、全部首を振られてしまうので。そこは自分が折れるしかなかったですね。でも打たれると怒られるのは自分なんですけど…」
 笑いながら投手・伊藤大智を振り返るが、試合前のブルペンから練習時まで、伊藤とはよく相談をした。投手とのコミュニケーションは進んで取る方だというが、「投手を気持ちよく投げさせてあげたい。今日はいいなと乗せてあげたい」という河守の捕手としてのスタイルには伊藤の影響も強いのかもしれない。

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「静岡を巣立つ球児たち2014~河守光王編・下」は近日中に更新します!(編集部H)

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2015年1月12日 (月)

旅する球児・菊江龍(朝日大)~掛川寄り道編

 『静岡高校野球2014』(2014年6月発売)で「旅する球児・菊江龍(朝日大)」として取り上げた下田高南伊豆分校出身の菊江龍(朝日大)。昨秋はドラフト候補としても名前が挙がりましたが、社会人・Honda熊本を選びました。都市対抗出場9回を誇る強豪で、2年後のプロ入りを目指します。
 そんな菊江が新年早々、今年の初投げを下田高南伊豆分校時代の恩師・木村幸靖氏が監督を務める掛川西のグランドで行いました。昨秋のリーグ戦、そして今後について聞いてきました!

 「旅する球児・菊江龍」(『静岡高校野球2014』掲載)のPDFは以下からご覧ください。
 

「kikuetoru.pdf」をダウンロード

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★大学最後のリーグ戦
 昨春、全国出場は逃したものの、夏には一つの手ごたえを掴んでいた。東海選抜チームに選ばれ、中日2軍と対戦。プロの強打者を相手に2イニングを無失点に抑えたのだ。(その試合の様子はこちら→http://tsukasa-baseball.cocolog-shizuoka.com/blog/2014/08/post-4fb5.html
「今まで練習したことを試して、なおかつ通用して、すごく自信になった試合でした」
 秋こそ必ず全国大会へ――。そんな強い思いを胸に秘めて挑んだ大学生活最後のリーグ戦。菊江はそれまでと同様に、ほぼすべての試合にリリーフとして投げ、岐阜リーグ優勝に貢献した。
 続く東海地区大学野球秋季選手権大会では2位に。神宮大会進出をかけた東海・北陸・愛知三連盟王座決定戦で準決勝に進出。いよいよ念願の明治神宮大会まであと2勝に迫った。
 準決勝では中部大と対戦。試合は8回を終えて7対7の同点。満を持して9回、菊江はマウンドに上がった。
「ここで打たれたら大学野球が終わりだと思って腹をくくって投げました」
 結果、菊江は勝ち越しタイムリーを許し、チームは敗退。全国出場の夢は叶わなかった。
「もう打たれたらしょうがないっていうボールを打たれてしまったので。悔いはないですけど、今後に生きるっていうか、自分の課題がでたなっていう試合でした」
 実は、もしこの試合に勝っていたら、次の中部学院大との決勝戦では先発する予定があったという。最後に先発として登板したのは2年春。抑え投手としてイメージが強い菊江が先発としてどんなピッチングをするのか見たかった。 

★社会人野球に向けて
Img_5200  今はウエイトやランニングなどで体力を落とさないトレーニングを行っているという菊江。いよいよ、2月からチームに合流する。
「2月の初めに体の状態を完璧にして、一発目からシートバッティングがあったら、バンバン投げられるように。新しい世界に入るんで、準備だけはしっかりとやっていきたいと思います」
 そして、社会人での抱負についてこんなコメントを残してくれた。
「一番は自分の特徴を出しながらチームに少しでも力になれればいいですね。自分にはあって、自分にはないものを、もう一回、このオフ、野球から離れている時に考えて、いざ野球に入ったときに迷わなくて済むような方向性を見つけていきたいです。大学と変わらずに、社会人でも愚直に頑張りたいです」
 そして、最後にその先についても尋ねた。
「プロは目標ですし、なってからが大事だと思いますけど、ならないことにはその舞台にも立てませんし。(昨秋の)リーグ戦でホームランを打たれた野間峻祥(中部学院大→広島)にいつかお返しをしたいです」
 最速146キロのストレートはまだまだノビシロ十分。本人は150キロを一つの目標にしている。本格的に投手として成長したのは大学から。まだまだ菊江には秘めたパワーが隠されているのは間違いない。

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 秋田、静岡、岐阜、そして熊本へ。『静岡高校野球』編集部では菊江龍の長い旅を今後も追っていこうと思います。(編集部・栗山)

<写真>菊江龍(右)と木村幸靖監督(左)

<2014年の当ブログ記事>
朝日大・菊江龍を見てきました!(3月13日)
日本の真ん中・岐阜で頑張る静岡関連選手!(4月11日)
中日二軍vs東海地区大学リーグ選抜(8月6日)

続きを読む "旅する球児・菊江龍(朝日大)~掛川寄り道編"

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2015年1月 4日 (日)

謹賀新年! 栗山×編集部H座談会②

 前回(http://tsukasa-baseball.cocolog-shizuoka.com/blog/2015/01/post-23a5.html)に引き続き、栗山×編集部Hの座談会をお届けします。前回は昨年2014年を夏まで振りかえりました。今回は2014年夏以降から、2015年注目選手まで語り合ってみました。

01042栗山:夏から秋にかけてはもう静高。凄すぎましたね。夏を制して、秋には東海大会優勝。圧倒的でした。
:私は内山竣が好きなのでケガで神宮大会欠場は残念でした。内山がいればと思う場面が攻守に何回もあって。でも鈴木将平は1年生ながらインパクトある全国デビューでしたよ。スピード感が最高です。
栗山:僕は東海大会初戦が印象に残っています。あの3連発見ましたからね。
:私、その時、大学の東海大会行ってましたね。
栗山:Hさん、いつも大学行ってましたよね。しかも静岡リーグより岐阜リーグの方が詳しいという(笑)
:まあ色々研究してたんですよ…。岐阜リーグは静岡の子も多いし、いいじゃないですか、もう。それより静高。センバツ出場濃厚です。
栗山:エースの村木文哉が冬にどれだけ上積みできるか、打線が力を発揮できるか。内山、堀内謙伍安本竜二と並ぶクリーンナップは全国クラスじゃないですか。甲子園ではベスト8以上は期待してしまいますね。
:1年生の古川竣も面白いですよね。投手としても、野手としても。
栗山:他の学校で注目してる選手は?
01041_2:まずいつも通り左腕から。山川直人(菊川南陵)はめちゃくちゃ腕が振れる。カーブとストレートのコンビネーションがいいですね。 私が大好きな久郷太雅(沼津東)は昨秋あまり良くなかった。でも、柔らかくて、中学時代、裾野シニアで切磋琢磨した小澤怜史(日大三島)にも負けないものを持っていると思いますし、春には一番にチェックしたい投手ではあります。大年直之(下田南伊豆分校)は打撃がいいなと思ってたんですけど、投球もこじんまりしてなくてよかったです。油井宏真(天竜)も復活してほしいですね。天竜はエース右腕・松坂駿もいいですし、他にもいい投手がいるんですけど。
栗山:左の話を始めると止まらないですね…。僕は投手なら杉山賢佑(東海大翔洋)。もちろん小澤。このあたりはドラフト候補ですね。
:私、齋藤健(掛川西)気になってるんですけどね。
栗山:掛川西は今年も投手陣は豊富ですよ。打者でドラフト候補で上がってくるのは堀内とか安本ら静高勢。でも僕が一番押したいのは池井戸智矢(清水西)ですね。飛ばすコツを知っている感じ。今はチーム事情でキャッチャーですが、ショート、センター、どこでもできそうな身体能力の高さは魅力です。 去年の11月に調子を落としていたらしいのですが、ちょうどプロのスカウトが見ている前でホームランを打ったらしく、何か持っているのもいい。
:私はやっぱり伊奈堂(浜松商)ですか。1年秋に見た時、打席に入るのが楽しそうというか、打つ気満々でプレーがすごくイキイキしてた。そしたら、この間、横須賀の後藤黛に話を聞いた時に、「伊奈は打ってやるぜーみたいな雰囲気めちゃくちゃ出してる」って言ってて、ピッチャーから見てもそうなんだなと(笑)
栗山:伊奈は相手がどんなにいい投手でも1本はちゃんとヒットを打てる。「浜商復活」のキーマンですね。
:今年は捕手にいい選手が多いんですよね。私はやっぱり光岡廉(藤枝明誠)がイチオシ。捕手としての能力がすごく高い。
01043_2栗山:捕手といえば、佐藤大揮(清水東)も注目です。打てる捕手で、去年12月の台湾遠征で、17打数12安打っていう凄い活躍をしたという情報が入ってきています。あと、今年は遊撃手もいいですよね。静岡商の望月翔太郎とか。
相津賢人(浜松工)、河合毅弥(聖隷クリストファー)あたりは、攻守に目立つ。相津は警戒されてる中、初球にさらっとバントを決めたり、カッコイイ選手。あとは、今は捕手に戻っているみたいですが、鳥山和輝(横須賀)も打撃がいい。
栗山:静岡大学リーグでは今村亮(東海大海洋学部)が必見です。去年秋の新人戦で140キロ台後半をマークしたらしいですから。あの変則フォーム、一回見てほしい。
:今年は弟の今村拓(日大国際関係学部)も出てきてくれるかな。日大国際関係学部でいえば、エース左腕の青山和樹も最終学年ですよ。左腕と言えば、ヤマハの長谷川亮佑も日本選手権で東芝を完封。ヤマハも今年はやってくれますよ!
01044栗山:こんな話をしていると、ほんと春が待ちきれませんね。『静岡高校野球』も今年で4年目になります。今までにない、斬新な特集をやりたいなって考えているんです。
:これ以上斬新って、もはや高校野球じゃないとか、静岡じゃないとか? 野球じゃないとか。駅伝なんかいいですよ。青山学院大、強かったですね。2部落ちの野球部も負けてられないですよ。遠藤康平、やってくれますよ!
栗山:…無理やり野球に戻しましたね。楽しみに待っていて下さい!

<写真/上から内山竣(静岡高)、小澤怜史(日大三島)、河合毅弥(聖隷クリストファー)、遠藤康平(青山学院大)>

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2015年1月 2日 (金)

謹賀新年! 栗山×編集部H座談会①

 あけましておめでとうございます! 今年も「静岡高校野球」並びに当ブログをよろしくお願いいたします。新年一発目は、編集部内で昨年の静岡野球界を振り返りつつ、今年の展望を2回に渡り語りあってみました。

01014:本の売れ行き好調みたいですね。                                 栗山:今回は浜商特集。僕は本当に念願の特集でした。
:私は東京出身ですし、正直ぴんとこなかった。自費出版だから自分の好きなことをやろうとは言ったけど、さすがに好き放題しすぎなんじゃないかと(笑)でも森下知幸監督(常葉菊川)に話を聞いた時に、母校に対する愛情や期待、憧れをものすごく感じて。その時にこの特集は意義があると思いましたね。
栗山:昔の話が少ないのが気になってたんですが、色々な方に喜んでいただけて嬉しかった。「一校にこんなに偏った内容を出すのはいかがなものか」というお叱りもいただきましたが。
:半分以上浜商でしたからね。
栗山:でもそれだけこの本に期待してもらっているのかと思うと励みになりましたね。所詮自費出版とは思われなくなったんだなって。
:今年は東部に片寄ってみたり、挑戦の年でしたね。じゃあそんな一年振り返りましょう。
栗山
:前半は正直あまり話すことないですね。センバツ出られなかったし、ヤマハは都市対抗を逃してしまった。あ、静岡大が大学選手権に出ました。
01011_2:リーグ優勝して東海地区も勝ち抜いた。正直、他の大学がだらしないと思ってしまう部分もありました。でも静岡大は選手がよかったし、他の大学の監督が「静大の選手は間違えない。悪い展開になりそうな時でも、その中で最善の道を選べる」というようなことを言っていたのが印象的でした。加藤大智のクレバーなピッチングはまさにそんなかんじ。
栗山:僕、 稲葉瞬には静岡東の時からずっと注目してたから嬉しかったな。外野の間を抜くバッティングに俊足、本当にいい選手だった。その後に、夏の高校野球が開幕。Hさん、去年、まず下田って言ってたけど今年も下田優先でしたね(笑)
01013:エースの藤井裕太気になりましたもん。ケガの影響で満足いく投球はできなかったと思いますが、進学先の常葉大浜松ではしっかり治してあのすごいストレートを取り戻してほしいです。下田は今2年生の佐藤駿って遊撃手もいいんですよ。
栗山後藤黛(横須賀)、中村駿之介(東海大翔洋)は残念だった。2人とも、夏が終わってから故障が判明して、やっぱり状態は良くなかったんだなと。その分、大学に向けて万全で挑んでほしいですね。ちなみにこの2人、凄く仲が良いらしく、この間、中村の地元の森でキャッチボールやったらしいですよ。
01012:そうなんですか? 見たかったですね。掛川東の快進撃にも驚きましたね。エースの太田光俊だけじゃなくて、此本達彦とかいい選手が揃ってましたね。
栗山:同じ掛川でいえば、掛川西が久々に決勝までいきました。決勝戦を球場で見ていたのですが、あの応援の盛り上がりは、さすが掛西だな思いました。僕、鳥肌立ちましたもん。ドラフト的にいえば、桒原樹(常葉菊川)が苦しみましたね。Hさんは、最後の試合を球場で見ていたんですよね?
:敗色濃厚になったあと、引っ張って凄いファウルを打ったんですよ。球場全体が静まり返って。やっと力が抜けて、これが本来の桒原なんだなと思いましたね。
栗山:桒原は広島に指名されて本当に良かったです。2、3年後に1軍に出てきてもらいたいですね。
木村聡司(常葉橘)、齋藤誠哉(磐田東)は育成でそれぞれ広島、ソフトバンクに指名されました。
栗山:はい。育成から支配下に上がっている選手って、1~2年で出てきていますよね。2人とも、体作りも重要ですが、とにかくキャンプから自分の持ち味を首脳陣にガンガンとアピールして欲しいと思っています。
<写真/上から稲葉瞬(静岡大)、藤井裕太(下田)、此本達彦(掛川東>

 
※次回は秋以降を振り返り、2015年を展望してみようと思います。

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