菊川南陵の巻き返しなるか!?
秋は不祥事のため不出場の菊川南陵が、練習試合解禁明けに快進撃を続けているという情報をキャッチし、早速グランドに足を運んでみました。
この日の相手は前日に愛知の準決勝を戦ったばかりの栄徳。準決勝では東邦に2対3で惜しくも敗れたものの、東海大会出場の可能性がある強豪チームです。
ちょうど、僕がグランドに着くと、菊川南陵のシートノックが行われていました。まず、個々の技量の高さに驚きました。内野手のグラブさばき、外野手の肩の強さ…。これまで秋の県大会を見てきましたが、県上位のチームと比べても、そん色のないポテンシャルの高さ。一言で表現するなら、どの選手も「上手い」です。
特に、捕手の叺田本気(178cm70㎏、右投右打)の肩は圧倒的。まるで大学生のスローイングを見ているような、二塁ベースに向かって低く伸びる軌道。県屈指の強肩捕手と言ってもいいと思います。
今日の目当ては菊川南陵の先発は杉浦一平(182cm82㎏、右投右打)。長瀬ボーイズ時代は、全国大会で登板経験のある本格派右腕です。対外試合解禁明けの9月12日の菰野(三重)戦に登板して完封。さらに、その後の練習試合でも7回を無安打に抑えたという話を聞いていたので楽しみにしていました。
この日は、3回まで無失点。連投ということもあり、「全然よくありませんでした」と本人は言っていましたが、それでも140キロに迫るキレのあるストレートと落差のある縦のスライダーを武器に、相手打線を苦しめていました。4回に、4点を失いましたが、5回を投げ切りました。球質といい、変化球のキレ、どことなく、2013年夏に県準優勝に輝いた先輩・大井祐輝(現拓殖大)に似ているなと感じました。
肩肘が柔らかく、ノビシロも十分。来春には140キロを出して、ぜひ今度は県大会で投げて欲しいです。
試合は11対9で菊川南陵が勝利。打線も上位から下位までムラがなく、どこからでも得点を挙げることができる強打者がズラリと並んでいます。聞けば、この日はベストメンバーではなく、まだまだ逸材が眠っているとのこと。もし、このチームが一つにまとまったら、甲子園でも十分に勝てるのではないか。そんな夢を抱かせる、スケールの大きな集団です。(編集部・栗山)
<写真/杉浦一平(菊川南陵)>
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