常葉菊川出身・岩本喜照(九州共立大)、神宮大会出場ならず!
昨日は福岡ヤフオク!ドームで行われた九州大学野球選手権大会の決勝戦へ。神宮大会出場をかけた大一番、九州共立大対九州国際大の試合をどうしても見たくて、九州まで飛びました。もちろん、目当ては九州共立大・岩本喜照(188cm84㎏、右投右打)です。
岩本は初回、全球ストレート勝負で三者凡退。完ぺきなスタートを切ります。2回は先頭の4番打者に変化球をセンター前に持っていかれたものの、続く5番から7番は三者連続三振。この日、最速の142キロをマークします。さらに、3回も三者連続三振。この6者連続三振は鳥肌もの。キャッチャーミットに向かい、まさに糸を引くような素晴らしい伸び。球速は140キロ前後でも、これだけの伸びがあれば、もう十分。しかも、そのすべてが低めにピシャリと決まっていきます。これを見て、「来年のドラフト上位候補」だと確信しました。
岩本の快投に応えるように、味方打線が2回、6回に1点ずつ得点を挙げ、九州共立大のリードで試合が進んでいきます。岩本は5回から7回も順調にアウトを重ね、あと2イニングを抑えれば、悲願の全国大会出場。歓喜の瞬間はすぐそこにやってきていました。
しかし、迎えた8回、先頭打者をサードのエラーで出塁を許すと、続く打者が送りバントを試みようとした時でした。岩本の投じたボールが打者の顔に直撃。試合は約20分程度、中断。救急隊員がかけつけ、選手が運ばれるという異様なムードに。「これで動揺しなければいいけど…」。思わず、そんな心配をしてしまったほどでした。
試合は無死一二塁からスタート。最初の打者を三振に抑え、「これでいける」と思った矢先でした。捕逸で1点を許すと、さらにセンターにタイムリーを浴びて一気に同点とされました。ここで、岩本は降板。あとを、他の投手陣に託します。しかし、九州国際大の勢いは止められませんでした。連続タイムリーで一気に3点を勝ち越され、2対5に…。その後、九州共立大は得点を挙げることができず、残念ながら、あと一歩のところで神宮大会出場は叶いませんでした。
試合後、泣き崩れる岩本。周りの選手がなぐさめても、その涙は止まることがありませんでした。閉会式が終わったあとも、帽子で顔を覆い、ベンチから立ち上がれないほどでした。
「調子は良かったのですが…。今日の悔しさを忘れずに、絶対、来年は全国に行きます」
そう声を振り絞るのが精いっぱいでした。
実は岩本の投球を生で見るのは高校以来、約3年ぶりでした。体つきは当時とは比べものにならないくらい大きくなっているし、球のキレ、精度、どれをとっても、もの凄い成長を感じました。この大舞台で7回1/3を投げて、被安打3、三振9は立派です。
敗戦は本当にショックだったと思いますが、来春こそ、全国のひのき舞台に立って、ドラフト1位でプロに行って欲しいと思います。それだけの素材です。(編集部・栗山)
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