軟式球界に現れた151キロ右腕!
「軟式で151キロをマーク!」
そんな新聞記事を目にしたのは今年9月のことでした。 名前は畠山高弥。三重・海星出身で、愛知学院大ではリーグ戦登板なしも、147キロをマーク。静岡ガスに入社後、8月に151キロを記録したと載っていました。
早速、愛知・三重・岐阜の事情に詳しいスポーツライター・尾関雄一朗氏に連絡を取り、畠山について知っているか聞いてみることに。すると僕が「海星出身で151キロを出したピッチャーがいるんですよ」と言った瞬間、「あ~、もしかして畠山ですか!」とすぐに畠山の名前が挙がりました。
「あ~知っていますよ。高校時代から柔らかくて良かったです。大学の時は投げていませんが、確かプロのスカウトの方も気にしていました」
そんな逸材がなぜ静岡へ…。しかも、軟式の県トップレベルのチームが集まる「Sリーグ」では、11月に2試合連続完封という情報も入ってきました。
僕も早速、12月上旬、「Sリーグ」が行われていた西ヶ谷球場に行ってみました。この日は先発ではなく、リリーフで待機する畠山。試合途中、ようやくベンチ前で軽いキャッチボールを始めます。そのキャッチボールだけでも、すでに素材の良さが伺えました。肩関節とヒジの柔らかさがハンパではないのです。しばらくすると、今度はブルペンへ。「ムチのように腕が振れる」とは、まさにこのことでしょう。体全体がしなやかでした。
結局、この試合では登板の無かった畠山。試合後、少し本人に話を伺ってきました。
―― 静岡ガスに入社したきっかけを教えて下さい。
畠山 野球を続けたかったというのが一番ですね。大学時代は故障もあって、なかなか思うような結果を残せなくて。
―― 社会人の硬式の道はなかった。
畠山 話をいただいた企業もあったのですが、たまたまオープン戦で投げた時に、ここの稲葉大介監督に見てもらって。その時に、147キロをマークしたんです。それで稲葉監督に熱心に誘ってもらって決めました。
―― ボールが硬式から軟式に変わってどうでしたか?
畠山 中学からずっと硬式だったので、軟式を握った時は、最初違和感がありました。どうしても軽すぎて、ワンバウンドになってしまうことは多かったですね。ようやく夏くらいから、しっくりくるようになり、ここ2試合はストライクゾーンの中で、まとまってきた感じです。
―― それにしても151キロって凄いですね。
畠山 本当にそんな数字が出たんですかね(苦笑)。
―― これだけ、投げることができれば、もう一度、硬式を握ってプロという道もあると思うのですが。
畠山 そういうのはもう…。全然、考えることができません。とにかく、今はここまで結果を残して、チームに貢献すること。それだけです。
僕が取材した翌日、畠山はまたも完封勝利を飾りました。これで3試合連続完封。最高の形で今シーズンを終えたようでした。正直、これだけのフォーム、線の細さを考えると、この投手のピークはまだこれからくるような気がします。来年、早くゲームで投げる姿を見たいです。(編集部・栗山)
◆畠山高弥(はたけやま・たかや)
1992年7月11日生まれ、三重県鈴鹿市出身。小学1年で野球を始め、中学時代は「鈴鹿ブルズ」でプレーし、全国大会出場。三重・海星では故障明けの3年春から急激に伸び、140キロ前後をマーク。愛知学院大では4年間、リーグ戦での登板なし。静岡ガス入社後、秋のSリーグで3試合連続完封勝利を挙げる。178cm76Kg、右投右打。
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