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2016年2月14日 (日)

静岡を巣立つ球児たち2015~情家康平編・下

 オフシーズン企画「静岡を巣立つ球児たち」。今年も「静岡高校野球」編集部が、卒業後も野球を続けることが決まっている高校3年生たちに会いに行きます。
 前回に引き続き、情家康平(韮山3年)編です。 「静岡を巣立つ球児たち2015~情家康平・上」はコチラ

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★どん底からのスタート
  2年秋の新チームとなり、情家は小学校、中学校時代と同様にキャプテンとなった。
 しかし、あの頃のようにチームは勝てなかった。秋は「どん底からのスタートだった」と振り返る。沼津商、誠恵に2連敗で公式戦1勝もできなかった。春も東部大会3回戦で敗退。不完全燃焼のまま、時間が過ぎ去っていった。 チームのウィークポイントははっきりとしていた。いくら点を点を取っても取り返されてしまう。「このままではマズイ」と感じた情家はある時、小雀浩一郎監督に「自分がピッチャーをやりたい」と相談したこともある。故障明けということもあり、さすがに却下されたが、それほどピッチャー不足は深刻だった。
 ただ、4月になり、「三島シニア」のエースだった橋本雄樹が入学。左腕からキレのあるボールを投げる橋本が投げると、チームは少しずつ勝てるようになった。
 キャプテンとして韮山ならでは難しさもあった。野球と勉強の両立だ。
「やっぱり、ウチの野球部の場合は勉強もしたいっていう選手もいる中で、そこをいかにうまく野球の方に向かわせるか。自分は口で言えるタイプではないので、率先して動くことで何かを変えようって思いました」
 チームの状態は夏に向けて上がっていった。

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★署名運動まで起きた夏
 
夏の大会、初戦は誠恵を5回コールドで下し、前年秋のリベンジを果たすと、2回戦では好投手・安間功太郎を擁する浜松南と対戦した。試合は橋本と安間の投げ合いで両チーム無得点のまま、終盤に突入する。
 8回裏、韮山は1死二三塁のピンチを迎えるも、ライト・山田隼人の本塁への好返球で先制点を阻止。そして直後の9回表、集中打で一挙7点を挙げて、試合を決めた。
「山田はそれまで打球に対して、なかなか後ろから入ることができなくて、送球にも不安がありました。でも、あのプレーで一気に行けるという感じでした」
 この夏の韮山には一気に畳みかける勢いがあった。
 続く相手は強豪・静清に決まった。翌日、情家が学校に行くと周りが騒がしかった。
 なんと、浜松南戦を見て感動した生徒を中心に「明日も全員で野球部の応援に行きましょう」と署名運動が巻き起こっていた。翌日は平日。当然、学校の授業もある。それでも、一般生徒が「なんとか野球部の力になりたい」と学校側に懇願したという。
 結局、それは実現しなかったが、「次も勝って、必ずみんなで応援にきてもらおう」と情家は気持ちを高ぶらせた。
 しかし、静清の壁は厚かった。0対7の一方的な展開から、中盤に3点差まで追い詰めるも、その後、「裾野シニア」時代に二遊間を組んだ中村亮太に2本のタイムリーを浴びた。
 情家らしさを見せたのは5回だった。セカンドがほとんどが動けないほどの低いライナー性の打球を右中間へ放った。 
 4対9で敗戦。試合後、小雀監督は「苦しい時期もあったけど、よく頑張った」と情家をたたえ、2人は固い握手を交わした。
 
02142_2★関西の名門へ  
 昨年10月22日のドラフト会議では一緒にプレーした仲間の指名を間近で見て、「自分も負けていられない」という気持ちを強くしたという。
 情家は関西学院大に進学を決めた。
「野球だけやるのは、ちょっと違うかなと思って、勉強もできる大学を探したところ、小雀監督に関西学院大を勧めてもらいました」 
 関西学院大といえば、関西学生リーグで14度の優勝を誇る名門だ。そこで文武両道を貫こうと決めている。
 まず、情家がアピールしたいと考えているのが、50メートル6秒フラットで駆け抜ける脚力だ。
「5秒台を出せば目立ちますよね。最初はその足と守備を見てもらって、できるなら下級生から試合に出たいです」
 また勉強面でも現在、三島市内の英会話に通い、着々と準備を進めている。
 そして、その先の将来について、「できれば社会人までやってみたい」と抱負を語りつつ、もう一つ、胸に秘めた夢も教えてくれた。
「やっぱり、自分の原点は『リトルジャイアンツ』にあると思うんです。あそこで教わっていなかったら、今の自分はないと思いますし。だから、お世話になった長谷川(記一)監督に恩返しする意味でも、いつかどこかで少年野球を教えてみたいです」

★情家康平からのメッセージ
 最後に現役球児へのメッセージを聞いた。
「2年半という期間は本当に短いので、1日1日、目標を持って大切にしてほしいです」 
 情家は高校1年の1年間をケガのため、プレーすることができなかった。実質、野球ができたのは1年ちょっと。だからこそ、時間を大切する意味を誰よりも理解している。

小雀浩一郎監督からの贈る言葉

私の知っている限りでは、これまで韮山から関西学生リーグでプレーした選手はいません。情家には新しい道を作ってもらいたいと思います。まずは足と守備を生かして、レギュラーを獲ってほしいですね。

■情家康平[じょうけ・こうへい] 内野手/韮山3年/175cm70kg/右投右打
小学1年時に「リトルジャイアンツ」に入団し、6年時に県準優勝を経験。三島北中では「静岡裾野シニア」に在籍。2年夏は全国優勝、3年春は主将を務めてチームを全国ベスト4に導く。韮山では2年時から出場。3年夏は3回戦敗退。卒業後は関西学院大に進学する。

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 取材の最後になって衝撃的な話が飛び出しました。去年12月に「リトルジャイアンツ」の練習に参加した際、手首を骨折しまったと…。守備でノックを受けている時にダイビングキャッチを試みようとし、バキッといってしまったそうです。ただ、今はほぼ回復しているということで一安心。どんな時でも全力プレーをする情家にまた惹かれました。
 次回は清水東・佐藤大揮編、お楽しみに!

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