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2016年3月 5日 (土)

静岡を巣立つ球児たち2015~佐藤大揮編・下

 オフシーズン企画「静岡を巣立つ球児たち」。今年も「静岡高校野球」編集部が、卒業後も野球を続けることが決まっている高校3年生たちに会いに行きます。
 前回に引き続き、佐藤大揮(清水東3年)編です。 「静岡を巣立つ球児たち2015~佐藤大揮・上」はこちら

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★不完全燃焼の夏
 佐藤は2回戦でも、まともに勝負してもらえなかった。伊東相手に10対8で勝利したものの、2つの敬遠。徐々に佐藤の打撃フォームは狂っていった。
「2回戦でもかっていう感じで…。夏の大会に入っているんですけど、本当の意味で自分だけ入っていないというか。少々、ボール気味でも無理に打ちにいくようになっていました」
 続く相手は聖隷クリストファー。序盤に6点を失い、その後、追い上げたものの、5対10で敗退。佐藤は9回、先頭打者として打席に立ったが、見逃しの三振。普段なら手を出していくボールも、体が反応しなかった。
「最後の打席も、待っていた球をとらえきれなくて、ファウルになって後での見逃し三振。『あっ、これがストライクか』っていう感じで終わってしまいました」
 結局、夏の大会は、3試合で7打数2安打。不完全燃焼で高校野球が終わった。 

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杉山一樹(駿河総合→三菱重工広島入社予定)

★駿河総合・杉山のボールを受けにいく
  夏の大会が終わり、進路を小学生時代から憧れていた東京六大学一本に絞った。特に、惹かれていたのは立教大だった。
「あの縦じまのユニフォームが凄くかっこよくて。監督さんに相談し、8月の練習会に参加させてもらいました」
 その練習会には全国から逸材が集まってきていた。報徳学園、興南…。そんな中で、佐藤は夏の大会から気持ちを切り替え、そして味わった悔しさをパワーに変え、持っている最大限の力を猛アピールした。そして、12月8日、指定校推薦での合格が決まった。 
 ただ、佐藤は入学が決まっただけで、決して満足しなかった。大学に向けて練習する中で、どうしてもやっておきたいことがあった。それは140キロを超えるボールを受けることだった。
 立教大にはドラフト候補の澤田圭佑を始め、140キロ台を投げる投手がゴロゴロといる。同学年では田中誠也(大阪桐蔭)、江口奨理(浦和学院)など、プロが注目した選手も入部する。何としても、今の時点で、そのクラスの球を体感しておきたかったのだ。
 佐藤は2月上旬、駿河総合に向かった。三菱重工広島へ入社が決まっている杉山一樹のボールを受けるためだった。
 杉山一樹は最速145キロ右腕として注目されたが、夏の大会はまさかの初戦敗退。しかし、そこから秋、冬と練習を積み、スピードはなんと153キロまで伸びていた。
 佐藤は最初の1球で衝撃を受けた――。
「想像以上でした。杉山君は一ケ月ぶりにボールを触ったらしいのですが、キレというか、伸びというか、キャッチボールだけでも、こんなに違うんだって。あと、身長があるので、ホームまで凄く近くて。変化球もワンバウンドすると、そこからまた加速してくる感じでヤバかったです。プロが注目するピッチャーはこういうピッチャーなんだと思いました。大学に入る前に、見ることができて本当に良かったです」
 たった数球だったが、佐藤にとってこれ以上ない財産となった。
 
★新人戦出場を目指す
 今、佐藤がまず目指しているのは新人戦出場だ。東京六大学の場合、春、秋のリーグ戦が終わった直後に、1、2年生が中心となり、神宮球場を舞台に新人戦が開催される。
「そこに出られるか、出られないかって、凄く大きいと思うんです。自分は身長がないので、正直なところ、他の選手よりも期待値が低いかもしれないですが、チームが欲しいところを補えるようになれば、少しはチャンスは巡ってくるのかなと。足とか、バントとか、何でもいいので、食い込んでいきたいです」
 立教大は4学年合わせれば200人を超える大所帯。それでも佐藤は新人戦でチャンスを掴み、最終的にはレギュラー奪取を目標に掲げる。

03041★佐藤大揮からのメッセージ  
 最後に現役球児へのメッセージを聞いた。
「自分は何か特別なことをやってきたわけじゃなくて、ただひたすら練習してきただけです。努力しても結果が出ないと悔しいと思うのですが、それが必ず次に生きてきます。あとから自分が後悔しないように、皆さんも野球に真っすぐ向き合って欲しいです」
 期待された3年夏、佐藤は決して満足のいく結果を残することができなかった。だからこそ、秋から冬にかけて黙々とバットを振りこんだ。佐藤の右手の親指の関節部分には、大きなマメができ、周辺の皮が痛々しくむけている。振りに行く際に右手と左手がこすれるから、どうしても、その部分にマメができてしまうという。
 できる限りの準備をした佐藤は2月中旬、東京に向かった。神宮でプレーする日を夢見て――。

八木道政監督からの贈る言葉

探求心が旺盛で、何事も一生懸命に取り組む子。立教大では「4番キャッチャー」を目指して欲しいですね。大揮ならやってくれると思っています。

■佐藤大揮[さとう・だいき] 捕手/清水東3年/171cm74kg/右投左打
小学1年時に「西益津小野球スポーツ少年団」で野球を始める。西益津中では投手として活躍。高校入学後、1年秋から捕手でレギュラー。強肩強打を武器に、2年冬には県選抜で台湾遠征を経験する。3年夏は3回戦敗退。卒業後は立教大に進学する。

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 2月中旬、富士市内の喫茶店で、ある取材を行う予定になっていました。店内に入ろうとすると、入り口で偶然にも清水東・八木監督と遭遇。そこで八木監督から佐藤の近況を伺うと、あと数日で東京に行ってしまうとのことでした。どうしても本人に会いたくなり、急遽、その足で清水東へ。すると、テスト週間ということで誰もいないグランドでしたが、佐藤は一人、ベンチ前で黙々とバットを振っていました。真面目で何事も一生懸命に取り組む佐藤。きっと、この努力はいつか報われると思います。神宮球場で再会できることを楽しみにしています!
 2015年は今回が最終回です。取材に協力していただいた皆さま、本当にありがとうございました。今後、進学先、就職先での活躍をまたこのブログで紹介します!

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コメント

後輩の記事とても嬉しく思います!いつもありがとうございます。
あの日お会いできたことも何かの縁ですね!驚きました!これからも清水東高校をよろしくお願いします。

投稿: みなみ | 2016年3月 5日 (土) 14時15分

あの喫茶店で、偶然にも八木先生たちと会うことができ、本当に何かの縁を感じましたね!
取材ができて、良かったです。
佐藤選手の立教大での活躍、楽しみにしています。

投稿: 「静岡高校野球」編集部 | 2016年3月 5日 (土) 19時01分

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