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2016年12月13日 (火)

ロッテ・柿沼友哉、育成から支配下へ・下

 ロッテ・柿沼友哉のインタビューの後編です。今回は、世界一となったワールドカップ、そして来季に向けての抱負を伺ってきました。

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★日本代表の正捕手で世界一に
  10月末からメキシコで開催された第1回WBSCワールドカップ。柿沼はフレッシュオールスター同様、候補に挙がっていたものの、当初の選考からは漏れていたという。
「最初は今回はダメだったという連絡をもらったんです。でも、その1時間後くらいにもう一回電話がきて、やっぱり選ばれたと。1時間の間に、何があったのか分かりませんが、嬉しかったですね。まさか、野球人生の中で日本代表のユニフォームを着るとは想像していませんでした。だって、高校の時は静岡代表の台湾遠征メンバーにも入ることができなかったんですから」
 フレッシュオールスターの時に監督を務めた斎藤雅樹氏(巨人2軍監督)が、U-23でも指揮をとると聞いて縁も感じた。
 代表では、2番手の捕手としてスタートした。ところが、練習試合を重ねるうちに、投手の方から「柿沼が投げやすい」という声が上がっていった。「本人はたまたまです」と謙遜するが、柿沼がマスクをかぶると、失点が減った。 
 予選リーグでは5試合中4試合にスタメン出場。スーパーラウンドでは、韓国、パナマ、メキシコにすべて1点勝ち。柿沼の好リードが冴え渡った。
 迎えた決勝戦では4回に勝ち越しタイムリーも放つ活躍。守っては5投手の持ち味を生かす配球で、初代王者に貢献した。
「守備は1試合多くても3失点で印象に残るプレーができたと思います。とにかく、ピッチャーのいいボールで勝負しようと心がけていました。でも、食べるものが厳しくて…。体重は3キロ減りました。ホテルの近所のファーストフード店に行ったりして、何とかいう感じでした」
  
★本当の勝負はこれから                            
12122_5 U-23での経験を財産に、来季は当然、1軍定着を狙いにいく。
「昨年、(1軍に)上がれなかったのは、まだ監督、コーチに対してインパクトが足りなかったからだと思います。来年はどんな形でもいいので、1軍に上がって、そこで途中出場でもいいので、出続けることが目標です。田村(龍弘)とは経験が違いますが、少しでも追いつけるようにしたいです」
 当然、柿沼の場合は守備面がウエイトを占めるが、「もう少し打てるようにもしたい」とも話す。昨年、ファームで3割近く打つことができたのは相手にデータがなく、球種を読んで打つことができたからだと自覚している。しかし、1軍ではそこが通用しない。
「コーチから、『1軍はある程度、反応で打てないとダメだ』と言われています。今はスイングのキレを意識して取り組んでいます」
 育成契約から、1年間でここまでの成長曲線を描く選手は少ない。特筆すべきは、フレッシュオールスター、U-23代表と、すべて最初はメンバーに入っていなかったことだ。幸運が転がりこむだけでなく、そこで結果を残してしまうのは、何か持っている証なのだろう。
 ここからが本当の勝負だという柿沼。来年、どんな姿になって静岡に戻ってきてくれるのか、今から楽しみに待ちたい。

<写真/来季に向け、母校・日大国際関係学部でトレーニングを開始した>

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