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2017年1月18日 (水)

静岡を巣立つ球児たち2016~北川裕登編・上

 「静岡高校野球2017早春号」(1月31日発売)と同時進行で、今年も編集部が、卒業後も野球を続けることが決まっている高校3年生たちに会いに行っています。
 第1回は、最速135キロのストレートとキレのある変化球を武器に、県屈指の左腕として注目を浴びた北川裕登(島田商)です。卒業後は城西大に進学する北川のインタビューを2回にわたってお届けします。

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静岡を巣立つ球児たち2016~北川裕登編・上

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北川が憧れを抱いた青島秀一郎(現朝日大)

★先輩・青島秀一郎から学ぶ  
 北川は9歳の時に友人に誘われて野球を始めた。初倉ファイターズ、初倉中では最上級生の時に、エースを務めたが、目立った成績を残すことはなかった。
「今年は(初倉中が)全国に出るみたいですけど、自分たちの時は全然でした」と苦笑いする。
 2014年に、島田商に入学すると、一人の先輩と出会う。2学年上の青島秀一郎(現朝日大)だった。 当時、青島は投打でチームをけん引していた。投げては最速142キロの重いストレートを投げ、打っても豪快な打球を連発していた。
「秀さんは体も大きくて、存在感がチームでナンバーワンでした。最初は怖い先輩かなと思っていたのですが、一緒に練習すると声をかけてくれ、本当にありがたかったです」  
 青島からはスライダーを細かく教わったという。
「それまで自分の場合はカーブとスライダーの区別がつかなかったのですが、秀さんからスライダーの握りから投げる時の意識の持ち方まで全部学ばせてもらい、緩いカーブとスライダーで緩急をつけることができるようになりました」  
 そんな憧れの先輩に比べて、当時の北川は体が華奢で、球速も120キロ前後。先発完投できる体力もなかった。
「とにかく冬の間に体を大きくしたいと思って、ご飯を食べるようにしました。昼の弁当以外にも、休み時間におにぎりを食べて。家では毎日どんぶり3杯を目標にしました」  
 成果はすぐに現れる。一冬で体重が10キロほどアップすると、それに比例するように球速も上がる。下半身が安定することでコントロールも良くなった。
「走った時、右腿と左腿がすれて、大きくなったんだと感じました」  
 春になると、北川は別人になっていた。

★3年春に1試合14奪三振をマーク
 2年春からエースナンバーを背負った。夏は初戦の沼津高専で6回1失点完投、2回戦の浜松北戦は5回3失点ながらチームの勝利に貢献した。  
 3回戦の相手は、攻撃力のある飛龍だった。北川は2回までに5盗塁と足で揺さぶられて、リズムを崩す。結局、5回7失点でマウンドを降りた。  
 ベンチに戻ると、池田新之介監督から呼ばれた。
「これはお前の作った試合だぞ。絶対に忘れてはいけない」  
01182 北川はその言葉を心に刻み込んだ。だが、秋の県大会では、またも飛龍に敗れる。その冬、北川は「このままではダメだ」と、それまで真剣に行ってこなかったトレーニングに取り組んだ。 走り込み、チューブを使ったトレーニング、柔軟性を養うトレーニング、黙々とこなしていった。また、変化球はチェンジアップを習得した。もともと、右打者へのクロスファイヤーが持ち味だったが、このチェンジアップが加わることで、投球の幅は一気に広がった。
 迎えた春の県大会初戦、北川は躍動した。相手の菊川南陵は県外出身選手が多く、底力のあるチーム。北川は序盤から飛ばす。球速は自己最速の135キロをマーク。終わってみれば、14三振を奪っての完封勝利だった。
「高校3年間で上位に入る内容でした。球数(155球)が多かったんですけど、狙ったところに投げられていました」  
 ところが、続く日大三島戦では初回に4失点。北川の体は悲鳴を上げていた。
「正直、肩とかヒジがパンパンで燃えているような感じで、ジワジワしていて」  
 球をコントロールできない状態で、置きにいったところ打ち込まれた。
「筋肉の疲労だったと思います。それはすぐに回復したのですが…」  
 夏が近づくにつれて、北川の状態は落ちていく。これまでの野球人生で味わったことのない苦しみが待っていた――。  

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「静岡を巣立つ球児たち2016~北川裕登編・下」は近日中に更新します!

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