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2017年2月24日 (金)

静岡を巣立つ球児たち2016~朝比奈快編・下

 オフシーズン企画「静岡を巣立つ球児たち」。今年も「静岡高校野球」編集部が、卒業後も野球を続けることが決まっている高校3年生たちに会いに行きます。
 前回に引き続き、朝比奈快(伊豆中央3年)編です。 「静岡を巣立つ球児たち2016~朝比奈快編・上」はコチラ

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★影山監督との出会い
 4月、富士宮西から影山英伸監督が異動となり、チームの指揮をとることになった。
「影山先生は凄い熱い先生だと聞いていました。残り4か月で不安もありましたけど、みんなで影山先生についていこうと一致しました」
 小川勇太郎主将が影山監督に「夏はベスト8に入りたい」と口にすると、「それなら俺も本気でお前たちと向き合う。妥協はしない」と気持ちのこもった言葉が返ってきた。
02241 影山監督は朝比奈の投球を毎日、ブルペンでチェックした。
「自分がブルペンに入る時は必ず、キャッチャーの後ろだったり、僕の近くに立って、アドバイスをしてくれました」
 朝比奈は、2年時までいい時と悪い時のムラが多い投手だった。そこで、常に一定の投球ができるように、影山監督とフォームの修正に取り組んだ。できる限り、無駄を減らして、スムーズに投げるフォームへ。時には腕の位置も少し下げるなど、試行錯誤を繰り返した。6月になり、ようやく完成に近づきつつあった。影山監督は朝比奈に対し、「お前は県で10本の指に入るピッチャーだと思う。プロになれる素質があるから頑張れ」と鼓舞した。
 夏前には球速が137キロまでアップ。練習試合では秋県ベスト4の浜松修学舎を5回無失点に抑えた。
 ただ、影山監督、本人ともに、一つだけ心配なことがあった。練習試合を通して、失点する時は序盤が多く、立ち上がりをいかに乗り切るかが課題だった。

★悔しすぎる初戦敗退
 夏の初戦の相手は静岡学園だった。朝比奈は初回に2失点、2回にも4失点と打ち込まれて降板。ベンチに戻ると、涙が溢れた。試合は6対10で敗退。早すぎる夏の終わりだった。
「2年夏も経験しているから、緊張自体はありませんでした。それよりも、最後の夏っていうことで力が入ってしまって。自分のせいで、みんなの夏を壊してしまいました」
 2年秋から、エースで4番。チームの大黒柱として「負けられない」という思いが、逆に力みにつながってしまったと回想する。
 夏の大会が終わり、悔しさからしばらくは放心状態だった。もともと野球を続けることも頭にあったが、自信をなくし、断念しかけていた。
 そんな時、お世話になった「沼津リトル」に挨拶に向かった。
 待っていたのは川口智監督の思いがけない一言だった。
「こんなところで、挫けていてはダメだ。一度、大学のセレクションを受けてみたらどうだ」
 朝比奈は影山監督と相談し、立正大や中央大(準硬式)のセレクションに参加した。結果、合格とはならなかったが、甲子園経験者など、全国から来た選手と混ざってプレーして、「もしかして自分も上でやっていけるのでは」と自信を深めた。 

02242★医療機器を研究したい
 最終的に朝比奈が選んだのは東都大学リーグに所属する芝浦工業大だった。現在は3部と低迷するが、過去には1部で優勝3回の経験がある。
「もともと高校1年の時から勉強の方で第1志望にしていた学校でした。理系で野球部のある大学は少ないのですが、調べてみたら野球部があって、東都リーグっていうレベルの高いところで。ここしかないと思いました」
 大学では「生命科学」という分野を専攻し、医療機器の研究をする予定だ。きっかけは中学3年生時の時だった。最後の夏の大会前、左ヒジに死球があたり、全治一ケ月という診断で夏を諦めかけた。しかし、どうしても試合に出たかった朝比奈は、MRI検査を受けることにした。そこで、レントゲン検査だけでは分からなかった血の塊が見つかったという。
 すぐに、その血を抜き取る治療を施すと、一週間程度で復帰。大会に間に合って、試合にも出場できた。
「僕も、そういう医療器具の開発をして、同じ思いの人を助けられたらと思いました」
 大学では野球と勉強を両立していくと誓う。

★朝比奈快からのメッセージ
 最後に現役球児へのメッセージを聞いた。
「高校野球の2年半、やっている間は辛い時もあって長いと思うんですけど、終わってみれば、あっという間でした。実際に引退してみると、『野球をやりたい』っていう気持ちになるので、高校時代の1日1日を大切にしてほしいです」
 「沼津リトル」で野球の楽しさを知り、「三島リトル」では仲間と競い合った。そして、高校では素質が少しずつ開花した。大学では「155キロを目指す」という朝比奈。持っている能力からすれば、決して不可能な目標ではない。 

影山英伸監督からの贈る言葉

潜在能力は高いものがあると思います。特にホップするようなストレートは魅力です。大学では、自分で考えて練習することを求められるので、そこに順応できれば伸びるでしょう。やるからには、社会人、プロを目指して頑張ってほしいです。

■朝比奈快[あさひな・かい]投手/伊豆中央3年/182cm80Kg/右投右打
小学2年時に「三島東スピリッツ」で野球を始め、6年時に「沼津リトル」に入団。三島南中時代は「三島シニア」に所属する。伊豆中央では2年秋からエース。最速137キロのストレートに加えて、鋭いスライダーなど多彩な変化球も駆使する。卒業後は芝浦工業大に進学。

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 11月に合格が決まり、そこから毎日のように練習に出ているという朝比奈。ブルペンでは感触が良く、本人曰く、140キロは超えているとのことです。芝浦工業大は今春、全面人工芝の新グランドが完成予定。そこで大いに練習を積み、155キロを投げて欲しいです。3年後にドラフト候補になった時、もう一度、取材に伺います。次回は浜松商・尾濵徹編、お楽しみに!

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