« 2017年1月 | トップページ | 2017年3月 »

2017年2月

2017年2月28日 (火)

ボーイズリーグ県大会<第2日目>~菊川球場レポート

 第47回日本少年野球春季全国大会静岡県支部予選2日目は、昨秋の中日本ブロック選抜大会優勝の浜松ボーイズと、1期生が最上級生となった菊川ボーイズが激突しました。

02281_2 試合は2対2の同点で迎えた5回、浜松ボーイズが2番・鈴木駿の2点タイムリーで勝ち越し。さらに、6回には6番・刑部亮のタイムリー三塁打などで一挙3点を追加し、8対2で勝利しました。
 注目の本格派右腕・河合圭聖は5回から登板。明らかにスピードが速く、球質も重そう。右打者の内角低めにズバッと投げ込む、制球力もありました。
 また、中日本大会で最優秀選手賞を獲得した1番・星川健太は天性のバットコントールの良さを見せてくれました。フォームに癖がなく、これから筋力がアップしていけば、この世代を代表する打者になる可能性もあるのではないでしょうか。

02282 第1試合の磐田ボーイズ対浜松修学舎ボーイズは投手戦となりました。磐田ボーイズ・遠藤涼暉、浜松修学舎・柴田龍弥ともに好右腕。遠藤は体全体を使った力強いフォームから伸びるストレートを投げ込み、柴田は縦の変化球を武器に投球の上手さが光っていました。試合は、磐田ボーイズが2回に7番・吉岡優のタイムリーで挙げた1点を守り抜き、準決勝進出を決めました。(編集部・栗山)

<写真上/浜松ボーイズの投打の柱・河合圭聖>
<写真下/最後まで球威が衰えなかった遠藤涼暉(磐田ボーイズ)>

★ボーイズリーグ静岡県支部HP
http://www.netto.jp/boysleagueshizuoka/
※結果、勝ち上がり表はこちらからご覧になれます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年2月27日 (月)

オープン戦 ヤマハvsJR東日本~ヤマハが連勝を飾る!~

★2月27日 オープン戦 草薙球場 晴   

 チーム
ヤマハ 0 0 1 1 1 0 0 0 0 3
JR東日本 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1
 
 今日はヤマハとJR東日本のオープン戦の第2戦が行われました。
02281 JR東日本の先発・田嶋大樹に対し、ヤマハは5回までに3点を奪います。前日、4打数4安打の矢幡勇人はこの日も絶好調。3回に内角の厳しいストレートをレフト前へ、5回にはライト前にもっていきます。足と肩は十分にプロでも通用するのではないかと思うほどの2日間の活躍ぶりでした。
  田嶋と同様、ドラフト候補に名前の挙がる前野幹博はセンターフライ、三振のあと、第三打席にライト方向に鋭い打球を放ちました。また、1番で出場した2年目の三浦拓馬は初回にセンター前安打。レギュラー獲りに向けてアピールしました。  
 一方、JR東日本は静岡商出身の國松歩が、この日も「8番ショート」で先発出場。惜しくも2打席ともにセカンドゴロで快音が聞かれませんでした。それでも、第1打席にファウルになりましたが、ライナー性の鋭い打球がレフト方向に。少しの修正で、スタンドまでもっていけそうな雰囲気はありました。守備では7回に長谷川雄一のレフトとショートの間に落ちそうなギリギリの打球を体を伸ばしてキャッチ。昨日のHさんのレポートにもありましたが、内野手として洗練されてきた印象です。  
 試合後、本人に話を聞くと、打撃面を課題に挙げていました。  「バッティングに関しては納得していません。昨日のホームランや今日のファウルのような質のいい打球をもっと増やしていきたいです」  
 キャンプから志願して特打をこなし、今は試行錯誤しながらフォームを固めているという國松。本人的には手応えを感じつつあるようなので、3月の東京スポニチ大会では大暴れしてほしいです。  
 ヤマハの投手陣では先発の九谷青孝が緩いボールを巧みに使う持ち味を発揮し、5回を無失点に抑える快投。今年も、「ここ」という大事な場面で期待ができそうです。(編集部・栗山)
<写真/2日間で6安打を放った矢幡勇人(ヤマハ)>

■ヤマハ

■JR東日本

1番 遊撃 三浦
2番 左翼 鈴木光
3番 中堅 矢幡
4番 三塁 前野
5番 一塁 萩原圭
6番 DH 長谷川
7番 捕手 井上
8番 右翼 池田
9番 二塁 青柳
1番 二塁 長谷川
2番 中堅 山口雄
3番 DH 吉永
4番 左翼 松本
5番 一塁 丸子
6番 右翼 拝崎
7番 捕手 渡辺
8番 遊撃 國松
9番 三塁 小室
投手:九谷-栗林-ナテル 投手:田嶋-大澤
 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年2月26日 (日)

オープン戦 ヤマハvsJR東日本~鈴木・國松の表紙コンビが活躍!~

★2月26日 オープン戦 草薙球場 晴   

 チーム
JR東日本 0 0 0 0 0 0 0 2 0 2
ヤマハ 1 0 1 0 1 0 0 1 × 4

 今日は午前に富士球場でボーイズを観戦した後、午後は草薙球場でヤマハvsJR東日本のオープン戦を観戦してきました。ヤマハにとってこの試合が今季最初の対外試合。今秋のドラフト候補である右腕・鈴木博志に注目が集まりますが、JR東日本には鈴木と共に「静岡高校野球2017早春号」の表紙を飾ってもらった國松歩がいます。各選手のコメント等は明日27日のスポーツ紙各紙に掲載されると思いますので、このブログではひたすら見てきた感想をレポートしたいと思います。

 試合はヤマハが伊藤直輝、JR東日本が平木隆世の先発で始まりました。國松は「8番サード」でスタメン出場。試合前のノックを見ていても、本当に内野手です。静岡の野球ファンにとって、國松がサードであったり、ショートを守っているのは違和感があるかもしれません。ただ、内野手・國松を初めて見た人は、一切違和感がないどころか、一つ一つのプレーを堅実にこなし、安定した送球を投げる國松をいい内野手だと思うレベルまで来ていると思います。試合終盤にはショートを守りましたが、飛んできたボールを淡々と、確実にさばき、一塁へストライク送球。派手さはありませんが、見るたびに上達していることを感じます。
02261 試合途中まで、守備面での成長が目につきましたが、國松のスター性を感じたのが3-0とヤマハリードで迎えた7回でした。くしくも6回からヤマハのマウンドには大野健介が上がっており、「静商対決」が実現。2死一塁の場面で、1-2と追い込まれますが、5球目をフルスイングし、打球はレフトスタンドへ。それまでの打席ではゲッツー、空振り三振といいところがなかった國松ですが、先輩を相手に2ランを放ち、故郷に錦を飾りました。

02262 そして、8回からヤマハのマウンドには鈴木博が登場。カメラマン席も、スタンドも急にざわめいた雰囲気になります。磐田東高時代から気負いまくった鈴木博を見てきたので、ドラフト解禁年・初対外試合というキーワードが重なれば、見るからに気負った状態で出てくるのではと心配していましたが、今回ほど力んでいない鈴木を見たのは初めてかもしれません。大きくなった体に動きが追いついたようで、体にキレもあり、持て余している様子もゼロ。伸びやかなフォームで、軽く投げているように見えて、ぐんとストレートが伸びてきます。今回、球場のスピードガン表示は出ていませんでしたが、試合後に新聞報道などを見ると152キロを記録したそう。
 8回から2イニングを投げて1安打無失点という結果でしたが、結果以上に、今年の鈴木がどうなるのか楽しみになりました。キャンプ開始当初は出遅れているという情報もあったので、むしろ、仕上がりが早すぎるのではと逆に心配になるほど。一冬越えて、急に大人びたようで、今年はまめにチェックを続けたいと思います。

 試合は4-2でヤマハが勝利しましたが、今日はとにかく矢幡勇人デーで、なんと4打数4安打。送球が逸れる間に三塁を陥れたり、打撃でも足でも魅せてくれました。シャープで力強いスイングには惚れ惚れします。昨年社会人ベストナインに輝きましたが、2年連続受賞を狙えるぐらい脂がのっています!(編集部H)

<写真上/7回に本塁打を放った國松歩(JR東日本)>
<写真下/順調な仕上がりをアピールした鈴木博志(ヤマハ)>

■JR東日本

■ヤマハ

1番 二塁 長谷川
2番 中堅 佐藤拓
3番 DH 吉永
4番 左翼 松本
5番 一塁 丸子
6番 右翼 影山
7番 捕手 渡辺
8番 三塁 國松
9番 遊撃 東條
1番 中堅 矢幡
2番 左翼 鈴木光
3番 二塁 河野
4番 三塁 前野
5番 DH 佐藤
6番 一塁 藤岡
7番 右翼 萩原英
8番 捕手
9番 遊撃 青柳
投手:平木-山口裕 投手:伊藤-大野-鈴木博

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年2月25日 (土)

ボーイズリーグ県大会<第1日目>~富士球場レポート

 ボーイズリーグの第47回日本少年野球春季全国大会静岡県支部予選が開幕しました。ヤングリーグから移籍した駿府ボーイズを加え、13チームが参加。全国を目指した戦いが始まりました。

02251_2 富士球場の第1試合は、スルガボーイズが白木英稔渡邊健の無安打リレーで初参戦の駿府ボーイズを下しました。
 スルガボーイズは県屈指の左腕と囁かれる白木が先発。立ち上がり、連続四球を出しましたが、その後はピシャリと抑え、さすがの投球。点差が開いたため、2回で降板しましたが、ムチのようにしなる腕の振りに大きな魅力を感じました。また、3回から5回までは、サイドスローの渡邉がマウンドへ。ストレートと同じ腕の振りで変化球を投げることができ、かなり打ちづらそうなイメージでした。
 攻撃面は工藤隆監督が「まだまだ」というものの、機動力を生かしたソツのないプレーが目立っていました。打線を牽引するのは1番打者の福原俊吾。2回にセンター前へ2点タイムリーを放つと、4回はサードへの内野安打で出塁。緩いボールに対して、しっかりボールを引きつけ、自分のポイントを持っている選手です。身長は177センチということですが、本人に聞くと、まだ伸びているそうです。楽しみです! 

02252 第2試合は御殿場ボーイズ、第3試合は島田ボーイズが勝利。それぞれ2回戦に駒を進めました。御殿場ボーイズは「1番ライト」の杉山心太郎が3安打(二塁打1本、三塁打1本)の活躍。島田ボーイズは右の本格派・加藤大登が伸びのあるストレートを武器に好投を見せました。また、敗れはしましたが、下田ボーイズの「1番センター」の中山優汰は立ち姿の雰囲気が良く、シュアなバッティングで2安打を放ちました。夏までにもう一度見たい選手です。(編集部・栗山)

<写真上/スルガボーイズの2本柱の一人、渡邊健>
<写真下/2安打を放った中山優汰(下田ボーイズ)>

★ボーイズリーグ静岡県支部HP
http://www.netto.jp/boysleagueshizuoka/
※結果、勝ち上がり表はこちらからご覧になれます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年2月24日 (金)

静岡を巣立つ球児たち2016~朝比奈快編・下

 オフシーズン企画「静岡を巣立つ球児たち」。今年も「静岡高校野球」編集部が、卒業後も野球を続けることが決まっている高校3年生たちに会いに行きます。
 前回に引き続き、朝比奈快(伊豆中央3年)編です。 「静岡を巣立つ球児たち2016~朝比奈快編・上」はコチラ

---------------------------------------------------

★影山監督との出会い
 4月、富士宮西から影山英伸監督が異動となり、チームの指揮をとることになった。
「影山先生は凄い熱い先生だと聞いていました。残り4か月で不安もありましたけど、みんなで影山先生についていこうと一致しました」
 小川勇太郎主将が影山監督に「夏はベスト8に入りたい」と口にすると、「それなら俺も本気でお前たちと向き合う。妥協はしない」と気持ちのこもった言葉が返ってきた。
02241 影山監督は朝比奈の投球を毎日、ブルペンでチェックした。
「自分がブルペンに入る時は必ず、キャッチャーの後ろだったり、僕の近くに立って、アドバイスをしてくれました」
 朝比奈は、2年時までいい時と悪い時のムラが多い投手だった。そこで、常に一定の投球ができるように、影山監督とフォームの修正に取り組んだ。できる限り、無駄を減らして、スムーズに投げるフォームへ。時には腕の位置も少し下げるなど、試行錯誤を繰り返した。6月になり、ようやく完成に近づきつつあった。影山監督は朝比奈に対し、「お前は県で10本の指に入るピッチャーだと思う。プロになれる素質があるから頑張れ」と鼓舞した。
 夏前には球速が137キロまでアップ。練習試合では秋県ベスト4の浜松修学舎を5回無失点に抑えた。
 ただ、影山監督、本人ともに、一つだけ心配なことがあった。練習試合を通して、失点する時は序盤が多く、立ち上がりをいかに乗り切るかが課題だった。

★悔しすぎる初戦敗退
 夏の初戦の相手は静岡学園だった。朝比奈は初回に2失点、2回にも4失点と打ち込まれて降板。ベンチに戻ると、涙が溢れた。試合は6対10で敗退。早すぎる夏の終わりだった。
「2年夏も経験しているから、緊張自体はありませんでした。それよりも、最後の夏っていうことで力が入ってしまって。自分のせいで、みんなの夏を壊してしまいました」
 2年秋から、エースで4番。チームの大黒柱として「負けられない」という思いが、逆に力みにつながってしまったと回想する。
 夏の大会が終わり、悔しさからしばらくは放心状態だった。もともと野球を続けることも頭にあったが、自信をなくし、断念しかけていた。
 そんな時、お世話になった「沼津リトル」に挨拶に向かった。
 待っていたのは川口智監督の思いがけない一言だった。
「こんなところで、挫けていてはダメだ。一度、大学のセレクションを受けてみたらどうだ」
 朝比奈は影山監督と相談し、立正大や中央大(準硬式)のセレクションに参加した。結果、合格とはならなかったが、甲子園経験者など、全国から来た選手と混ざってプレーして、「もしかして自分も上でやっていけるのでは」と自信を深めた。 

02242★医療機器を研究したい
 最終的に朝比奈が選んだのは東都大学リーグに所属する芝浦工業大だった。現在は3部と低迷するが、過去には1部で優勝3回の経験がある。
「もともと高校1年の時から勉強の方で第1志望にしていた学校でした。理系で野球部のある大学は少ないのですが、調べてみたら野球部があって、東都リーグっていうレベルの高いところで。ここしかないと思いました」
 大学では「生命科学」という分野を専攻し、医療機器の研究をする予定だ。きっかけは中学3年生時の時だった。最後の夏の大会前、左ヒジに死球があたり、全治一ケ月という診断で夏を諦めかけた。しかし、どうしても試合に出たかった朝比奈は、MRI検査を受けることにした。そこで、レントゲン検査だけでは分からなかった血の塊が見つかったという。
 すぐに、その血を抜き取る治療を施すと、一週間程度で復帰。大会に間に合って、試合にも出場できた。
「僕も、そういう医療器具の開発をして、同じ思いの人を助けられたらと思いました」
 大学では野球と勉強を両立していくと誓う。

★朝比奈快からのメッセージ
 最後に現役球児へのメッセージを聞いた。
「高校野球の2年半、やっている間は辛い時もあって長いと思うんですけど、終わってみれば、あっという間でした。実際に引退してみると、『野球をやりたい』っていう気持ちになるので、高校時代の1日1日を大切にしてほしいです」
 「沼津リトル」で野球の楽しさを知り、「三島リトル」では仲間と競い合った。そして、高校では素質が少しずつ開花した。大学では「155キロを目指す」という朝比奈。持っている能力からすれば、決して不可能な目標ではない。 

影山英伸監督からの贈る言葉

潜在能力は高いものがあると思います。特にホップするようなストレートは魅力です。大学では、自分で考えて練習することを求められるので、そこに順応できれば伸びるでしょう。やるからには、社会人、プロを目指して頑張ってほしいです。

■朝比奈快[あさひな・かい]投手/伊豆中央3年/182cm80Kg/右投右打
小学2年時に「三島東スピリッツ」で野球を始め、6年時に「沼津リトル」に入団。三島南中時代は「三島シニア」に所属する。伊豆中央では2年秋からエース。最速137キロのストレートに加えて、鋭いスライダーなど多彩な変化球も駆使する。卒業後は芝浦工業大に進学。

---------------------------------------------------

 11月に合格が決まり、そこから毎日のように練習に出ているという朝比奈。ブルペンでは感触が良く、本人曰く、140キロは超えているとのことです。芝浦工業大は今春、全面人工芝の新グランドが完成予定。そこで大いに練習を積み、155キロを投げて欲しいです。3年後にドラフト候補になった時、もう一度、取材に伺います。次回は浜松商・尾濵徹編、お楽しみに!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年2月22日 (水)

静岡を巣立つ球児たち2016~朝比奈快編・上

 5年目を迎えたオフ企画、「静岡を巣立つ球児たち」。「静岡高校野球」編集部が卒業後も野球を続けることが決まっている高校3年生たちに会いに行きます。第5回は気迫溢れる投球スタイルで最速137キロの剛球を投げ込む朝比奈快(伊豆中央)。卒業後は芝浦工業大に進学する朝比奈のインタビューを2回にわたってお届けします。

---------------------------------------------------

★「沼津リトル」で野球の楽しさを知る
 朝比奈は小学2年時に友人に誘われて「三島東スピリッツ」で野球を始めた。主に捕手としてプレーし、県大会にも出場する。その後、6年生になり、「早めに硬式ボールに慣れておきたい」と、「沼津リトル」に入団する。
 「沼津リトル」で出会ったのが、長年チームを率いている川口智監督だった。朝比奈は練習生という形になり、公式戦には出場できなかったが、投手の基礎を一から学んだ。
 川口監督は野球の楽しさを教えながら、一方で「打ち取った打球でも野手がエラーしたら、そこに打たせた投手が悪い。絶対に人にせいにしてはならない」という指導方針の下、厳しく接した。朝比奈は「この1年間こそが自分の原点になっている」と振り返る。
 中学に上がると、「三島シニア」に入団した。「三島の少年野球チームから選手が集まってくる」と聞き、「レベルの高いところで競い合ってみたい」と思ったからだ。
 実際に、山本優輝(静岡高)、佐藤蓮(飛龍)、土屋大樹(日大三島)など、その後、高校野球で活躍する錚々たるメンバーが集まっていた。

★伊豆中央で再び投手に
 最上級生になり、朝比奈は三塁や遊撃で試合に出場した。肩が強く、バッティングもいい。チーム内の30分間の持久走では、トップをキープすることがほとんど。身体能力が高かった。
「三島シニアで学んだのは打撃での積極性です。小学校の時までは自分の好きなボールがくるのを待っていたりしていたんですけど、三島シニアでは積極的に打つ大事さを教わり、それが高校でも生きました」
 3年生になると、将来性に注目した県内の強豪校から誘いをうけた。しかし、実際に練習見学すると、そこで本当にレギュラーを獲ることができるのか不安になった。また、高校では投手に挑戦したかった。声をかけてくれた高校は野手として評価してくれていたが、「沼津リトル」で味わった投手の面白さを忘れることができなかった。 
 そんなとき、「三島シニア」でチームメートだった佐藤諒太の父が伊豆中央の同窓会長を務めていた縁で、一度、伊豆中央を覗きにいくことした。グランドでは、恒例の現役とOBの試合が行われていた。
「チームとして、緩くもなく、厳しくもなく、ここならやっていけると思いました」
 朝比奈は伊豆中央への進学を決意した。

02221_4★体力強化で球威がアップ
 高校入学後、1年秋からは「5番サード」で出場。2番手投手としても、経験を積む。2年夏はエース・成清健智が6回まで無失点に抑えるも、足がつってしまうアクシデントがあり、7回から登板。3回を1失点に抑え、初戦突破に貢献する。しかし、続く三島北戦では5回途中からマウンドに上がり、失点を重ねた。結局、相手の勢いを止めることができず、3対8で敗退した。
 2年秋からエースになると、夏の悔しさを晴らそうと、気合が入った。だが、東部地区大会で敗れ、県大会出場を逃す。
「夏の大会に負けた時、先輩たちから『新チームはお前が背負っていけ』って言われて、へんに責任感を感じてしまうことがありました。気持ちが先走って結果が出ませんでした」 
 朝比奈はその冬、下半身を徹底的に鍛え直した。毎日10キロのランニングを行うと決め、それを実行。筋力トレーニングもメニューを決めて、必死にこなした。効果はすぐに現れる。体重が5キロアップし、それに比例するように、球威も上がっていった。
 迎えた3月、日大三島との練習試合で7回を2失点にまとめる。ほぼベストメンバーだった相手に対しての好投で、大きな手ごたえを掴んだ。

---------------------------------------------------

「静岡を巣立つ球児たち2016~朝比奈快編・下」は近日中に更新します!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年2月20日 (月)

中学選抜大会<2日目>~浜岡球場レポート

 静岡県中学選抜野球大会2日目。昨日も浜岡球場で3試合を見てきました。

 この日、もっとも印象に残ったのは第3試合で登場した袋井浅羽中の捕手・磯部太一(173cm57Kg、右投右打)。「浅羽にいいキャッチャーがいる」と、噂に聞いていましたが、僕の想像を上回るポテンシャルの高さでした。
 02201注目は高校生と混ざっても、遜色がないと思わせるほどの強肩です。肩に自信のある捕手は投げすぎて、それが暴投になることがありますが、磯部の場合は積極的に走者を刺しにいっても、送球が大きくブレることがありません。驚いたのは座ったまま一塁へ送球したシーン。アウトにはなりませんでしたが、これを序盤に見せられたら、走者は第2リードを大きく奪えないでしょう。
 さらに、特別延長に突入した8回裏、無死満塁からエース・伊藤丈留(164cm50Kg、右投右打)が打者を三振に打ち取ると、磯部が飛び出していた三塁走者を刺してダブルプレーを完成。結果的に、このプレーが大きく、1点差で勝利しました。磯部はこの日、打撃面では3打数無安打。それでも、初回に四球で出塁し、すかさず盗塁を決め、相手のミスの間に三塁へ。攻守両面で、視野の広さ、判断能力の高さもうかがえました。
 そのほか、安定感のある望月大星(169cm60Kg、右投右打)、窪田響(170cm60Kg、右投げ右打)の清水四・五中バッテリー、球の回転がいい浜松光が丘中・鈴木丈翔(163㎝48Kg、右投右打)といった、将来が楽しみな原石に出会うことができました。(編集部・栗山)

<写真/強肩だけでなく、声もよく出る磯部太一(袋井浅羽中)>

★アットエス 静岡新聞SBSオフィシャルサイト
http://www.at-s.com/sports/article/data/baseball/319699.html
※勝ち上がり表はこちらからご覧になれます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年2月18日 (土)

中学選抜大会<1日目>~浜岡球場レポート

 本日、静岡の球春到来を告げる静岡県中学選抜野球大会が開幕しました。各地区を勝ち抜いた32チームが春の県ナンバーワンを目指して戦います。

 浜岡球場の第1試合は、大会注目の好投手を擁する常葉橘中と浜松開成中が対決しました。
02181 まず、常葉橘の左腕・脇水大翔(176cm57Kg、左投左打)が圧巻の立ち上がりを見せます。3回まで打者9人に対して、なんと8奪三振。鋭い腕の振りから、角度のあるストレートがキャッチャーミットに突き刺さり、バットに当てさせません。序盤を見た限り、「これは完全試合もあるかも」と思ったほど、ずば抜けたボールを投げていました。
 しかし4回、浜松開成中は死球の走者を一塁に置き、3番・山元丈輝(166cm54Kg、右投左打)がライトオーバーに二塁打を放ちま02182す。この一打をきっかけに、一挙3点を奪いました。この山元は、まだ1年生ですが、ボールの待ち方がよく、ミートセンスが抜群。袴田好志監督によると、勝負強い打撃が持ち味で、昨秋の浜松市内大会決勝では、サヨナラタイムリーも放ったそうです。キャッチャーとしての俊敏性も兼ね備え、将来が楽しみです。
 投げては大石翔太(173cm62Kg、右投右打)がベース上でホップするようなキレのあるストレートを武器に、1失点完投勝利。特に、初回、2死三塁のピンチから、これ以上はないという、右打者のアウトローへ投げ込んだ速球は素晴らしかったです。

02183_2 第2試合は、金谷中が秋の西部王者・浜松曳馬中を10対1(5回コールド)で下しました。金谷中は「1番キャッチャー」で出場した中道康(170cm64Kg、右投右打)が初回にレフト前安打を放ち、その後の大量得点につながる口火を切りました。守っては雰囲気が良く、下半身の柔らかさが特徴。ショートバウンドも確実に前に弾き、投げやすいキャッチャーだという印象を受けました。
 一方の浜松曳馬中は3月の全国大会で、この悔しさを晴らして欲しいです。(編集部・栗山)

<写真上/敗れはしたが、6回で13三振を奪った脇水大翔(常葉橘中)>
<写真中/4回にライトオーバーの二塁打を放った山元丈輝(浜松開成中)>
<写真下/好守でチームを牽引する中道康(金谷中)>

★アットエス 静岡新聞SBSオフィシャルサイト
http://www.at-s.com/sports/article/data/baseball/319699.html
※勝ち上がり表はこちらからご覧になれます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年2月16日 (木)

静岡高出身・小川拓真(明治安田生命)、勝負の2年目へ!

 現在、伊豆市・志田スタジアムにて明治安田生命のキャンプが行なわれています。昨日はキャンプにお邪魔し、静岡高出身の小川拓真に話を伺ってきました。小川はパワフルな打撃を武器に、社会人1年目からレギュラーを獲得。現在、プロ数球団のスカウトが注目していると聞きます。この日のフリー打撃では、ライト方向へ柵越えを連発。一塁の守備も高校時代と変わらず、グラブにボールが吸い込まれるような柔らかいキャッチングが印象的でした。さらに、今年は2年目にして副キャプテンを任され、チームの中心的な選手になりつつあるようです。
 そんな小川に、社会人1年目を振り返ってもらい、さらにセンバツに出場する母校・静岡高に向けてエールをもらってきました!   

--------------------------------------------------

02161――社会人1年目となった昨年は、小川選手にとってどんなシーズンでしたか?      
小川 チームとして結果が出なかったので悔しいシーズンでした。ただ、個人的には入社してから一度もレギュラーを譲ることなく出続けることができたので、そういう意味では充実した1年間でした。

――大学時代は足首の捻挫、太腿のケガなど、度重なる故障に泣かされました。昨年1年間は、万全な体調で臨めたのでしょうか?
小川 じつは入社してすぐ、自打球で骨折してしまって…。それでも、春のスポニチ大会は6番で使ってもらい、夏以降は3番を務めることができました。

――都市対抗予選はJR東日本戦、NTT東日本戦で、ともにサヨナラ負け。惜しくも全国切符を逃した。
小川 負けたあと、会社に行くと「負けちゃったの?」っていう形で言われてしまい、みなさんが残念がっていました。社会人野球は都市対抗に出ないと話にならないと、実感しました。

――実際に社会人野球でプレーして、大学野球とのレベルの違いは感じましたか?
小川 ピッチャーで言えば、大学生はスピードボールを投げるんですけど、社会人の方がコントロールがあって、いろいろなところを攻めてくるので、その分、野手も技術を上げないと打てないなっていうのは感じました。

――今年の目標は当然、都市対抗に出ることですね。
小川 はい。都市対抗出場はもちろん、個人としても今年は勝負の年だと思っています。プロに行くことは小さい頃からの夢なので、自分自身でもぎ取る気持ちで1年間戦いたいです。

02162――そこに向けての課題を教えて下さい。
小川 自分の場合は長打力が期待されています。ホームランであったり、二塁打、三塁打であったり、大事なところで長打を打てないと中軸に座っている意味がないと思います。ホームランの量で言えば、昨年は通算で3、4本だったので、今年は二けたを目指していきたいです。

――静岡高の1学年後輩の中澤彰太選手、平川真大選手(ともにJFE東日本)も社会人に入ってきました。
小川 やっぱり負けられないですね。

――最後に、センバツ大会に出場する母校の後輩に向けてエールをお願いします。
小川 僕たちは甲子園の1回戦で負けて悔しい思いしかありませんでした。全国制覇を狙ってほしいのですが、まずは日頃、きつい練習をしていると思うので、甲子園では思う存分、野球を楽しむことを考えて下さい。楽しんでやれば、自ずと結果は出てくると思います。頑張って下さい。

◆小川拓真(おがわ・たくま)
1993年4月27日、静岡県出身。熱海中では県大会出場。静岡高では1年秋から4番を務め、3年夏に甲子園出場を果たす。中央大入学後、1年春からリーグ戦に出場。4年春に打率・364をマークし、ベストナインを獲得した。明治安田生命に入社し、1年目からレギュラーとして活躍する。173cm86Kg、左投左打。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年2月15日 (水)

静岡を巣立つ球児たち2016~叺田本気編・下

 オフシーズン企画「静岡を巣立つ球児たち」。今年も「静岡高校野球」編集部が、卒業後も野球を続けることが決まっている高校3年生たちに会いに行きます。
 前回に引き続き、叺田本気(菊川南陵3年)編です。 「静岡を巣立つ球児たち2016~叺田本気編・上」はコチラ

---------------------------------------------------

★高校野球、最初で最後の夏
<エースは140キロを投げて、キャッチャーは県屈指の強肩。その他にも、関西出身のポテンシャルの高い選手が揃っている>
 夏を前にして、菊川南陵の前評判は高くなる一方だった。ところが、実際は春に島田商に敗れたあと、練習試合で投打が噛み合わず、チーム状況は苦しかった。頼みのエース・杉浦一平も今一つ、状態が上がってこなかった。
02141 初戦の相手は強豪・飛龍。相手は菊川南陵打線が苦手としていた左投手だった。
「田中監督と相談し、いろいろと研究して、対策を練っていったのですが…」
 初回、いきなり2点の先制を許すと、2回、4回にも得点を与えてしまう。そして、8回に一挙3失点。打線もキレのある内角のストレートに対応できなかった。
 0対7――。
 まさかの8回コールド負け。叺田にとって高校野球人生、初めての夏の大会は、わずか1試合で幕を閉じた。
 試合後、涙にくれる選手たちは愛鷹球場のスタンド外に移動した。選手を代表して主将の叺田は部員や父兄を前に「ありがとうございます」と声を絞り出した。集まった記者から「今後、進路は?」と問いかけられると、「もう野球はこれで終わりにします。大学では続けません」ときっぱりと語った。

★全国Vの凄さを味わう
「夏は自分の思い通りにできなくて…。期待されていた分、その期待に応えられなかったっていうことが悔しかったです」
 進路については、夏前まで白紙だった。とにかく、夏の大会で勝ち上がっていけば、必ず東都リーグなどの強豪チームから声がかかる。そう信じていた。
 けれど、実際は初戦負け。実力不足を痛感し、上で続ける自信を失った。
 そこから、約2か月は悶々とした日々を過ごした。野球を続けることに対する情熱と不安が入り交ざった。
 10月初旬、学校関係者から岐阜に中京学院大というチームがあることを教えてもらった。その時点で叺田は中京学院大が春の全日本大学選手権で優勝していたことを知らなかった。
 岐阜聖徳学園大でプレーした経験を持つ谷口翔汰部長から、岐阜リーグのレベルの高さを説明され、一度、見に行くことを決めた。
 そこで叺田は度肝を抜かれた。
 室内練習場に入り、まず目に飛び込んできたのは、打撃練習で快音を響かせていた一人の左バッターだった。
「凄い左バッターがおるんやなと思って。今まで自分が見たことのないようなスイングスピードでした」
 叺田が見たのは、その数日後のドラフト会議で巨人からドラフト1位で指名を受ける、大学ナンバーワン遊撃手とも言われた吉川尚輝だった。 
「打撃はウリではないと聞いていたのですが、驚きました。他の選手もスピード感があって、一瞬で感動してしまいました」
 叺田は中京学院大に進むことを即決すると、すぐに体作りに取り組んだ。食事とウエイトトレーニングに励み、昨年の夏よりも体重を6キロ増やした。目標は1年からレギュラーを掴むことだ。
「まず試合に出ないと、その先のプロとかも見えてこないと思うので、レギュラーを獲って、4年後は凄い選手になっていたいと思います」

02142★叺田本気からのメッセージ
 最後に現役球児へのメッセージを聞いた。
「高校野球は3年間しかありません。その中で、自分の思うような結果が出る人もいれば、出ない人もいると思います。でも、結果が出なくても、めげずに頑張って欲しいです。自分も悩むことがありましたが、その時は仲間と話したり、指導者の方とコミニュケーションをとったりして、いい方向にもっていくことを考えていました」
 叺田は菊川南陵で約2年半を過ごし、「我慢強くなった」という。どちらかというと、中学生までは思ったことをすぐに口に出していたタイプだったが、静岡の地で野球ができる喜びを感じ、周りの人間を大切にする心も養った。
 持っているポテンシャルの高さは誰もが認める。高校で培った苦しさ、悔しさを糧に、全国優勝チームで腕を磨く。

谷口翔汰部長からの贈る言葉

何事も諦めずにやって欲しいです。環境が変わることで、いろいろな苦しいこともあると思いますが、高い目標だけを見ておけば、目の前の小さなことは一個ずつ階段を登っていくことができます。僕も岐阜リーグにいた人間として、レベルの高さを知っていますが、プロになるっていう目標だけは忘れずに頑張ってもらいたいです。4年後、いい報告が聞けるのを待っています。

■叺田本気[かますだ・もとき]捕手/菊川南陵3年/183cm80Kg/右投右打
小学4年時に野球を始め、「富木ロイヤルズ」に入団。中学は「和泉ボーイズ」でプレーし、2年秋には関西選抜に選ばれる。菊川南陵に1年夏に転校。2年秋からレギュラーとなり、主将も務めた。3年夏は初戦敗退。プロも注目した遠投115メートルの強肩を生かし、中京学院大では1年時からレギュラーを目指す。

---------------------------------------------------

 野球部から陸上部に転部し、昨年、全国高校総体のやり投げで8位に輝いた前田秀悟(菊川南陵)と叺田は「和泉ボーイズ」からのチームメートだそうです。この春、前田は法政大に進学。2020年の東京五輪を目指します。前田が陸上部に移ってからも、2人は寮の部屋が一緒だったとのこと。「アイツは陸上をやってから、ストイックに自分を追い込んでいて、自分も影響を受けました」。大学で道は分かれますが、お互いの夢を実現して欲しいと思います。次回は伊豆中央・朝比奈快編、お楽しみに!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年2月13日 (月)

ヤマハの新人会見が行われました!

 本日、浜松市内のヤマハ本社にて、本年度のヤマハ野球部入部選手の発表会見が行われました。美甘監督が「社会人でステップアップできれば、プロも狙える選手が集まった」という注目の4選手。新人選手、美甘監督のコメントを紹介します!(編集部・栗山)

02131_4

<写真/右から近藤卓也、波多野陽介、藤岡康樹、萩原英之>

---------------------------------------------------

近藤卓也(投手/187cm85Kg/右投右打/秋田商~青山学院大)

1994年10月28日生まれ、秋田県出身。高校3年夏に右手人さし指を負傷しながら甲子園出場。大学では3年時より主戦として登板。4年春には4勝を挙げて東都リーグ2部優勝に貢献する。

本人のコメント
「持ち味はランナーを出してからの粘り強いピッチング。社会人ではそこを生かしていきたい。憧れの投手は浅尾拓也さん(中日)です」
監督のコメント
「打たせて取るタイプのピッチャーで、ゲームを作ることができるのが長所です。全体的に強さが出てくれば面白いです」

---------------------------------------------------

波多野陽介(投手/180cm85Kg/右投右打/日本文理~東北福祉大)

1994年4月6日生まれ、新潟県出身。高校時代は2年春夏に甲子園出場。大学では1年春からリーグ戦に登板。3年秋に3勝をマークした。最速152キロの剛腕。

本人のコメント
「真っすぐを中心に気持ちを出したピッチングでアピールしたい。昨年、ヒジを痛めていますが、一日も早くマウンドに上がりたいです。憧れの投手は大学の先輩の佐々木主浩さん(元横浜他)です」
監督のコメント
「重いストレートで空振りが奪えるピッチャーです。先発完投型だと思います」

---------------------------------------------------

藤岡康樹(内野手/176cm100Kg/右投左打/富山商~東京農業大)

1995年2月18日、富山県出身。高校3年夏は富山大会決勝で敗退。大学では1年時からリーグ戦に出場。4年春に打率3割をマークした。主にサードを守る。

本人のコメント
「長打力と広角に打ち分けるバッティングが持ち味です。憧れの選手は筒香嘉智さん(横浜)です」
監督のコメント
「これだけの体でも動ける内野手です。キャッチボールを見ても、いいものがありました。1年目からチャンスはあると思います」

---------------------------------------------------

萩原英之(外野手/177cm84Kg/右投左打/九州学院~明治大)

1994年6月27日生まれ、熊本県出身。高校1年夏の甲子園で本塁打を放ち、一躍脚光を浴びる。大学では故障に苦しむも、4年秋にベストナインを獲得。明治神宮大会でも活躍した。

本人のコメント
「ここ一番で打てる勝負強さを生かして、1年生からレギュラーを狙っていきます。憧れの選手は大学の先輩でもある高山俊さん(阪神)です」
監督のコメント
「昨年秋の明治神宮大会で決勝タイムリーを放ったように、いいところで打てる選手です。ウチの外野の層も厚いので簡単にはいかないでしょうが、守りもいいので、1年目から可能性はあると見ています」

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年2月11日 (土)

静岡を巣立つ球児たち2016~叺田本気編・上

 5年目を迎えたオフ企画、「静岡を巣立つ球児たち」。「静岡高校野球」編集部が卒業後も野球を続けることが決まっている高校3年生たちに会いに行きます。第4回は強肩捕手としてプロもマークした叺田本気(菊川南陵)。卒業後は中京学院大に進学する叺田のインタビューを2回にわたってお届けします。

---------------------------------------------------

★中学2年で受けた衝撃
「なんやコイツら、上手すぎるわ」
 そこには、寺島成輝(履正社→東京ヤクルト)、井町大生(履正社)、納大地(智辯学園)、高垣鋭次(智辯和歌山)、松井永吉(尽誠学園)など、関西のボーイズを代表する逸材が揃っていた。
 中学2年時、ボーイズリーグの関西選抜チームに選ばれた叺田は「その後の自分の人生を変えたと言ってもいいくらい」の衝撃を受けた。 
 場所は京セラドーム大阪。関西を北と南に分けて交流試合を行った。叺田は途中出場ながら、ソツなくプレーをこなした。今でも当時のことを鮮明に覚えている。
「とにかく周りのヤツらが凄くて、自分も負けないように、もっと上を目指したいという気持ちになりました」
02111 叺田が野球を始めたのは小学4年時。それまでは子供会のソフトボールチームに所属していた。どうしても「野球」をプレーしたいという思いが強く、小学4年時にチームを求めて家族で隣町まで引っ越した。
 中学は「和泉ボーイズ」(大阪)に所属。そこで今でも尊敬する吉井裕介監督と出会った。厳しくも、愛情のある指揮官。「吉井監督の方針が自分にはまって成長できた」と振り返る。
 その頃、主に「1番セカンド」で試合に出場。2年秋の全国大会の予選で活躍し、前述の選抜メンバーに選出された。同世代のトップレベルのプレーを間近で見て、次第に「上には上がいる。高校は強豪校で甲子園を狙ってみたい」と考えるようになった。叺田は日本航空(山梨)に進学する。
 
★転校して捕手に挑戦
 しかし、入学早々、部内のトラブルに巻き込まれて7月に退学。菊川南陵に転校した。「静岡の地でもう一度甲子園へ目指す」と決意する。
 ここで叺田は本格的にキャッチャーに挑戦する。じつは中学3年夏に一度だけ、レギュラーのキャッチャーが故障し、急遽、大会でマスクをかぶったことがあった。菊川南陵には肩の強さを知っていた「和泉ボーイズ」の仲間もいて、「ウチはキャッチャーが少ないから、やってみろよ」と勧められた。
 ただ、高校野球の規定で転校生は1年間、公式戦に出場できない。その間、練習試合に出場しながら腕を磨いた。走者が盗塁を試みれば、二塁ベース手前でホップするような強肩を披露。相手チームを驚かせたことは一度や二度ではない。
 ようやく1年が過ぎたが、2年秋は部内の不祥事で出場は叶わず。公式戦デビューは3年春までお預けとなった。

021102
2015年秋から監督を務めた田中幸雄氏

★田中監督から基本を学ぶ
 その間、元プロの田中幸雄氏(現和歌山南陵コーチ)が監督に就任。キャッチャーとしてのイロハを学んだ。
「プロ野球って派手なプレーのイメージがあったんですけど、それよりも、田中監督は基本を大事にされている方で。捕る動作、投げる動作、配球などを一から丁寧に教えてもらいました」
 チームは本格派右腕・杉浦一平と叺田のバッテリーを中心に、いい形に仕上がっていった。
「秋から冬の練習試合での勝率が良くて、冬も高いモチベーションで練習ができました」
 迎えた春季大会、西部大会の準々決勝で常葉菊川に敗れたものの、県大会出場を決める。4番に座った叺田は6打席連続安打を含む、3試合で打率・703をマーク。能力をいかんなく発揮した。
 しかし、県大会では島田商相手に0対4で完敗。好左腕・北川裕登の緩急を使った投球の前に、チームは14奪三振を喫した。
「この試合の後からですね。チームが噛み合わず、勝てなくなったんです…」
 叺田は俯きながら、そう呟いた。

---------------------------------------------------

「静岡を巣立つ球児たち2016~叺田本気編・下」は近日中に更新します!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年2月 8日 (水)

静岡を巣立つ球児たち2016~佐藤蓮編・下

 オフシーズン企画「静岡を巣立つ球児たち」。今年も「静岡高校野球」編集部が、卒業後も野球を続けることが決まっている高校3年生たちに会いに行きます。
 前回に引き続き、佐藤蓮(飛龍3年)編です。 「静岡を巣立つ球児たち2016~佐藤蓮編・上」はコチラ

---------------------------------------------------

★3年夏は野手に専念
 2年夏に140キロをマークした佐藤だったが、ムラのある投球は改善されていなかった。
 秋の公式戦は安定感のある杉山京吾が中心で投げた。
 その冬、佐藤はこれまでのフォームを一度リセットした。濱野洋監督とともに、無駄のないフォーム作りに取り組んだ。背中に大きく入っていたテークバックをコンパクトにして、常の一定の位置で球を離せる練習を繰り返し行った。
 迎えた春、練習試合の最初の相手は常葉菊川だった。
 7回から登板した佐藤は2イニングで5四死球を与えて5失点。試合後は「全然ダメです」とコメントし、俯いたまま、バスに乗り込んだ。
「あの時は、冬にいろいろなことをやって、自信をもって入っていったんです。でも、余分なことを考えてしまって…。ストライクをいれなきゃとか、フォアボールになったらどうしようとか、そんなことばっかり頭にありました。それよりも、フォアボールになってもいいから、やってきたことを出すべきでした」
 この試合の反省を生かし、続く関西遠征では報徳学園(兵庫)、東大阪柏原(大阪)相手に好投を見せる。しかし、その状態を維持できなかった。
 春の東部大会、初戦で三島南と対戦。3点リードの6回からマウンドに上がるも、4四死球に加え小技で崩されて5失点。この大量失点が響き、チームは初戦敗退を喫した。
02081 その後、投手の練習をこなしていたものの、夏の大会が近づいた6月になり、最後の夏は野手としてチームに貢献すると決断する。
「最後は自分じゃなくて、チームじゃないですか。チームが勝つためにどうするかって考えた時に、野手の方が貢献できると思いました」
 打球を飛ばす力はチームで誰にも負けない。佐藤は投手への思いを封印し、一塁手で夏を迎えた。
 飛龍は初戦、菊川南陵相手に7対0で快勝。続く、加藤学園との2回戦では、4回にレフトスタンドへ豪快な一発を放つ。
「初戦は緊張感はありましたが、2回戦はガンガンいこうと思って、思い切り振りました」
 ところが、3回戦では浜松学院の手嶋航平の緩い変化球に翻弄された。佐藤は2打数無安打。チームは0対4で敗れた。
「不完全燃焼で終わったし、納得はしていません」
 佐藤は悔しさを滲ませながら、夏を振り返った。

★170キロを投げて五輪を目指す!
 夏が終わり、進路をどうすべきか、佐藤は悩んだ。もともと、高校に入学した時はプロ入りを目標にしていた。2年冬から3年夏かけ、プロのスカウトも注目してくれた。
 だが、佐藤は大学進学という道を選ぶ。
「正直、何でもいいからプロに行きたいっていう気持ちはありましたが、今のままじゃ無理だって思いました」
 そんな佐藤の気持ちを汲み取り、濱野監督が提案したのが上武大への進学だった。
 上武大といえば、昨年は春秋ともに全国ベスト4入りを果たした強豪だ。全国各地から上を目指す選手が集まり、そこで勝ち抜くためには人間力も要求される。
 飛龍出身では現在、小豆澤誠がレギュラーを獲得している。しかし、元気が良く、いい意味で馬鹿になれる小豆澤と佐藤はタイプが正反対。濱野監督は「お前、そこに飛び込む勇気があるのか?」と投げかけた。
「行かせて下さい。厳しい環境でやらせて下さい」
 その佐藤の返事に、濱野監督は大きな成長を感じた。
 夏休みは誰から指示されるわけでもなく、自ら考えながら、練習で追い込んだ。そして、8月の上武大のセレクションでは、自己最速となる144キロをマークする。
「あとから聞いて、そんなに出ているんだってビックリしました」
 上武大・谷口英規監督からは、これ以上ない言葉をもらった。
「冗談かもしれないですけど、『俺と一緒に160キロ、いや170キロ投げるぞ』って。それは本当に嬉しかったです」
 4年後、当然プロを目指す中、2020年の東京オリンピックも狙っているという。この3年間で160キロ以上を連発するレベルまで達すれば、夢は現実に変わる。

02082佐藤蓮からのメッセージ
 最後に現役球児へのメッセージを聞いた。
「自分で考えて練習することの大切さをこの3年間で気づかされました。自分の悪いところを探して研究して、どうしたら上手くなるかを自主練習するのが、一番自分のためになります。そのことに、もっと早く気づいていれば良かったなと…。高校生はそこを意識して取り組んだら、絶対に伸びると思います」
 佐藤は3年夏が終わってから、トレーニングや栄養学の本を読み漁り、プランを立てながら、練習するようになったという。苦しい練習の中でも、楽しさも覚えるようにもなった。今の気持ちを忘れずに「未完の大器」から脱却し、再び世界を相手に戦う日を待ちたい。

濱野洋監督からの贈る言葉

2年生までは、自分の持っているポテンシャルの高さに気づけていませんでした。欲がないというか…。それが、「このままではダメなんだ」と、3年春くらいから、行動が変わりましたね。雨の日も風の日も、自主練習に黙々と取り組む姿がありました。本人的には不完全燃焼に終わった3年間だったかもしれませんが、最後になって、そこに気づけたことは大きいと思っています。谷口監督には「コイツを男にしてあげて下さい」と頼みました。4年後はドラフト上位で指名される選手になってほしいです。

■佐藤蓮[さとう・れん]投手/飛龍3年/188cm95Kg/右投右打
小学4年時に「長伏ヴィーナス」で野球を始める。中郷西中時代は「三島シニア」でプレー。3年時には全日本メンバーとして米国遠征を経験する。飛龍では1年秋からエース。3年夏は「7番ファースト」で出場する。最速144キロを誇る大型右腕としての期待が高く、上武大では投手で勝負する。

---------------------------------------------------

 佐藤を最初に取材したのは高校1年の夏前でした。それから2年間、試合を見たり、試合後に取材したりしてきましたが、意外にも、二人きりでじっくりと話したのは、今回が初めてでした。夏が終わってからのトレーニングの成果なのでしょう。会った瞬間に「ウワ~、デカいね~」と思わず口に出してしまうほど、現役時代よりも、体が出来上がっていました。高校での悔しさをバネに、大学ではきっとやってくれるはずです。次回は菊川南陵・叺田本気編、お楽しみに!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年2月 6日 (月)

シニアリーグの「スプリングキャンプマッチ」を取材してきました!

 土曜、日曜はシニアリーグの「スプリングキャンプマッチ」を見てきました。毎年恒例の全国から強豪シニアが一堂に集まる交流戦。今年は春の選抜大会に出場するチームも多く来静しました。

02061 まず、最初は常葉菊川グランドへ。静岡裾野シニア対北摂シニアの試合が行われていました。真っ先に目についたのは、静岡裾野シニアの遊撃手・松下歩叶(1年生)でした。昨秋に一度、静岡裾野シニアの試合を見た時には出場がなく、全くノーマークの選手ですが、最初の打球を処理した瞬間に惹かれました。
 ゴロに対して、ボールを柔らかく丁寧に包み込むように捕球。走者と重なっても、まったく焦ることなく、場慣れもしていました。打撃面も8番ながら、軸がしっかりとし、自分の「間」でボールをとらえていきます。第1打席でレフト前に弾き返すと、第3打席ではスクイズを難なく決め、センスの良さが際立っていました。あとから、小学6年時に「横浜DeNAベイスターズジュニア」のキャプテンを務めて、NPB12球団ジュニアトーナメントに出場していたと知り、納得しました。
02062 その後、浜岡球場へ移動。地元の小笠浜岡シニアが富田林シニアと対戦していました。小笠浜岡シニアの先発投手は左腕の半田隼佑(2年生)。投げている姿は初めて見たのですが、その投げっぷりの良さに魅力を感じました。腕を強く振り抜き、左打者の内角にもしっかりとストレートを投げ込めます。曲がり幅の大きいスライダーも武器に、この日は5回を1安打無失点。ほぼ完ぺきに相手打線を抑えました。また、マウンド前で高く跳ねた打球もジャンプしてキャッチ。瞬発力、下半身のバネもありそうで、今後が楽しみです。
 さらに日曜日はヤマハ豊岡グランドへ。浜松南シニアが和歌山シニアに対して、逆転勝ち。走塁やバントなど機動力を絡めたきっちりとした鈴木彰宏監督の野球がチームに浸透している印象を受けました。(編集部・栗山)

<写真/上から松下歩叶(静岡裾野シニア)、半田隼佑(小笠浜岡シニア)> 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年2月 2日 (木)

静岡を巣立つ球児たち2016~佐藤蓮編・上

 5年目を迎えたオフ企画、「静岡を巣立つ球児たち」。「静岡高校野球」編集部が卒業後も野球を続けることが決まっている高校3年生たちに会いに行きます。第3回は最速144キロをマークする大型右腕・佐藤蓮(飛龍)。卒業後は上武大に進学する佐藤のインタビューを2回にわたってお届けします。

---------------------------------------------------

静岡を巣立つ球児たち2016~佐藤蓮編・上

★「日本代表」として全米選手権へ
 佐藤が野球を始めたのは10歳からと少し遅い。幼い頃から3歳年上の兄とともに水泳に夢中になっていた。「水泳は得意で結構、泳げた方だった」と振り返る。
 帰宅すると、沼津学園(現飛龍)野球部出身の祖父が毎日のようにテレビで野球を見ていた。次第に佐藤も、野球というスポーツに興味を抱くようになっていった。
 そして、小学4年生の時に、友達と一緒に地元の少年野球チーム、「長伏ヴィーナス」に入団する。
 最初はポジションと転々としていたが、5年生になり、自分から「キャッチャーをやってみたい」と名乗り出た。
「それまでピッチャーを含めてキャッチャー以外の全ポジションを経験したのですが、一個上の先輩のキャッチャー姿を見て、単純にかっこいいなって思いました」
 小学6年生になると、すでに身長は162センチまで伸びていた。同級生と並ぶと、頭一つ、いや二つほど出ていた。
「長伏に大きなキャッチャーがいる」
 そんな噂は、すぐに三島の野球関係者の間に広がっていった。
02021 当初、本人は中学では軟式野球を考えていたが、谷勝利総監督から誘いを受けて、「三島シニア」に進む。
 「三島シニア」に入団すると、同学年に、もう一人捕手がいた。のちに、日大三島で活躍する土屋大樹だった。佐藤は、そのセンスの良さに目を奪われた。
「シニアに入ってすぐ、土屋と二人で先輩のボールを受けたんです。それまで、自分は変化球を見たことなくてポロポロしていたんですけど、土屋は普通に捕っていました。ヤバいと思いました」
 ピッチャーに転向したのは中学2年の時だった。ある日、飛龍の室内練習場を借りて練習を行った際、バッティングピッチャーとして投げていた。それを後ろから見ていた長津正幸監督から「蓮、お前、ピッチャーいけるじゃないか」と声をかけられたことがきっかけだった。
 そこから佐藤は投手の練習に取り組み、徐々に頭角を現していく。2年秋からは、山本優輝(現静岡高)とダブルエースでチームを牽引。全国大会には縁がなかったが、3年夏にシニアの全日本メンバーに選出され、アメリカ・イリノイ州で開催された全米選手権大会に出場した。
 佐藤は海外チーム相手に、130キロ台中盤のストレートを武器に好投。打っても、大事な場面で安打を放った。
 
★ガムシャラに投げた1年秋
 高校からプロに行きたい。そんな夢を叶えるため、佐藤が選んだ進学先は飛龍だった。
「僕が中学1年生の時にシニアの練習を見に来た濱野(洋/監督)先生が、3年生と間違えたそうで、『この選手が欲しい』って言ってくれたそうなんです。そこから、ずっと飛龍のことが頭にあって、中学3年生になってから、本格的に熱心に誘ってもらって、ここで勝負しようと決めました」
 一方、東部の宝として、じっくりと育てたいと考えていた濱野監督は1年夏のベンチ入りを見送り、秋から起用した。その秋の東部大会、初戦は沼津東と対戦し、好左腕・久郷太雅(現早稲田大準硬式)に投げ勝つ。続く相手は小澤怜史(現福岡ソフトバンク)を擁する日大三島だった。
02022_2 佐藤は序盤に3点を許したものの、その後は要所を締め、飛龍の1点リードで終盤を迎える。
 だが、9回に無死一二塁のピンチを迎え、何でもない投手前への送りバントを三塁へ悪送球。自らのミスで逆転負けを喫した。結局、飛龍は敗者復活戦でも敗れて県大会を逃した。
「1年の秋はけっこう、ガムシャラにやっていた感じです。冷静に考えないで、あたって砕けろって…。今思うと、そこからの自分に足りなかったのは、その姿勢だったかもしれません」
 佐藤は、そうポツリと呟いた。
 その後、制球面やフィールディング面に課題を残しつつ、「未完の大器」として月日だけが過ぎていった。
「どうやったら良くなるんだろう、どうやったら抑えられるんだろうって、考え込むようになってしまって…」
 2年夏は背番号11でベンチ入り。佐藤に代わり、エースとなった伊藤塁(現静岡産業大)や同学年の杉山京吾の好投でチームは勝ち上がっていく。
 ようやく佐藤に出番が回ってきたのは準決勝の磐田南戦だった。
 11対1の大量リードの9回、初めて夏のマウンドを踏む。「緊張感して頭が真っ白だった」というものの、140キロをマークし、1イニングを無失点。あらためてポテンシャルの高さを見せつけた。
 けれど、佐藤の苦悩は続いていく。

---------------------------------------------------

「静岡を巣立つ球児たち2016~佐藤蓮編・下」は近日中に更新します!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2017年1月 | トップページ | 2017年3月 »