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2017年3月

2017年3月29日 (水)

春季中部地区大会4日目(3月27、28日)~西ケ谷球場&島田球場レポート

 27日の中部大会は第1試合が終了した直後から雨とひょうが降り、第2試合の初回に1時間弱の中断を経て中止に。第2試合は翌日、島田球場で行われました。

 <西ヶ谷球場>
清水桜が丘 6 - 5 清水西(延長10回サヨナラ)

<島田球場>
島田工 7 - 1 焼津中央

03291_3 清水西と清水桜が丘の「清水対決」は延長までもつれる接戦となりました。
 清水桜が丘は1点を追う9回裏、2番・杉浦真生が右中間を破る三塁打を放つと、続く鈴木悠斗がスクイズを決め同点。延長10回裏には8番・渡邉悠生の三塁打代打・渡邊直哉のタイムリーでサヨナラ勝ちを決めました。相手に3度もリードを奪われた末の勝利。試合後、曲田雄三監督は「秋に県大会に出たことが生きている」とチームの成長を実感していました。
 また、先発投手の新2年生・遠藤龍也は昨秋よりも下半身を中心に体が一回り大きくなり、球に力強さが増した印象。13032902_7安打を浴びながらも、粘りの投球が光りました。
 
 一方、清水西は延長10回に8番・森飛悠真のタイムリーで一時は勝ち越すも、最後は力及ばず。4月1日付で静岡市立に転任する安井信太郎監督を勝利で送り出すことはできませんでした。原和也倉木隆佑のバッテリーを中心に一つにまとまった好チーム。夏までにさらにレベルアップし、ベスト8以上を狙ってほしいです。

03293_3 翌日の試合は島田工が初回に一挙5点を挙げて圧勝しました。注目したのは、昨秋だけで10本以上も本塁打を放っているという焼津中央の大型スラッガー・岡本凌輔。183センチ75キロと、そのサイズを見ただけでもワクワクする選手です。
 スイングがとにかく豪快でインパクトでの強さが目を引きました。打球スピードも速く、7回の左中間を破る二塁打、9回のライト方向での安打はともに野手の間を鋭く抜けていきました。本来はエース投手だという岡本。チーム事情からこの日のファーストを守り、登板機会はありませんでした。次は投げる姿を見に行こうと思っています。(編集部・栗山)

<写真上/延長10回を一人で投げ抜いた遠藤龍也(清水桜が丘)>
<写真中/清水西でのラスト采配となった安井信太郎監督>
<写真下/スケールの大きな打撃を見せる岡本凌輔(焼津中央)>

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2017年3月25日 (土)

春季西部地区大会1日目(3月25日)~浜松球場レポート

 今日から西部地区大会も開幕! 浜松球場で3試合を見てきました。

 <浜松球場>
浜松修学舎 6 - 2 浜松東
浜松学院 2 - 1 浜松開誠館
浜松工 4 - 3 湖西(延長10回サヨナラ)

03251_2 第2試合の私学対決は、息詰まる投手戦となりました。
 浜松開誠館は背番号12の森川琢磨(新3年)がパワフルな投球を展開します。腕の振りはアーム系ですが、とにかく鋭く豪快。縦のスライダーも光っていました。
 一方の浜松学院の先発・加藤翔太(新2年)は対照的。左サイドの変則で100キロちょっとのストレートと変化球を駆使して、相手打線をかわしていきます。
 両チーム無得点で迎えた7回、浜松学院は無死満塁から2ランスクイズが成功し、先制点を挙げます。浜松開誠館も8回に1点を返しますが、反撃はそこまで。結局、最後まで力投した森川は被安打1で敗れました。

03252_2 第3試合は浜松工が延長10回、満塁から押し出し四球を選び、サヨナラ勝ちを飾りました。
 じつはこの日、最大の目当ては湖西の水野喬日(新2年生)。昨秋、1年生ながら140キロ前後をマークし、「湖西に凄いピッチャーがいる」と噂になっていた選手です。
 ただ、今日は右ヒジ痛の影響で「3番ファースト」で先発出場。それでも、7回のピンチの場面で、マウンドへ。おそらく、全力投球はできていなかったと思いますが、相手の左打者に対し、最後に力強いストレートを外角低めに投げ込み、三振にきってとりました。このボールが厳しめと言われる浜松球場のスピードガンで136キロをマーク。打者一人を抑え、再びファーストに戻りましたが、素材の良さは十分に確認できました!(編集部・栗山)

<写真上/2ランスクイズに泣くも1安打完投の森川琢磨(浜松開誠館)>
<写真下/打っても初回に先制タイムリーを放った水野喬日(湖西)>

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2017年3月23日 (木)

春季東部地区大会1日目(3月23日)~愛鷹球場レポート

 春季高校野球は中部大会に続き、今日から東部大会も始まりました。

<愛鷹球場>
吉原 8 - 7 沼津城北
富士市立 5 - 1 加藤学園

032301_2 愛鷹球場第2試合は富士市立対加藤学園という好カードでした。両チームは昨秋の東部大会でも対戦があり、その時は10対8で加藤学園が勝利。それだけに今日の富士市立はゲームの初っ端から気持ちが入っている印象を受けました。
 まず初回に、3番・鈴木皓晴(新2年)がライトスタンド上段まで飛んでいく、特大の2ラン本塁打を放ちます。(これまで多くの試合を愛鷹球場で見てきましたが、ここまでの大飛球を目撃したのは初めてです!)
 さらに3回に1点、4回には3連打で2点を加え、リードを広げていきます。投げてはエースの長谷川隼杜(新3年)がランナーを出しながらも要所を締める投球で完投。ストレートも変化球も、打者の手元でのキレがありました。次の相手は富士宮西。好投手・須藤翔太との投げ合いが楽しみです。
 一方の加藤学園は、3番・渡邊晶介(新3年)がテークバックで左足を大きく上げる独特のスイングから2安打(二塁打1本)。広角に鋭い打球を放ちました。

 第1試合は吉原が最大6点差を終盤に逆転して2回戦に駒を進めました。
 小柄ながら、イキのいいボールを投げ込むエース・三浦舜也(新3年)は登板することなく野手で出場。サード、センターを守ったのですが、体にバネがあって、一歩目のスタートが速かったです。打撃では1安打に終わるも、三塁ゴロで三塁手が一塁へ暴投すると躊躇することなく、二塁ベースを回って三塁へ。野球勘の良さが伺えました。(編集部・栗山)

<写真/最後まで安定した投球で完投した長谷川隼杜(富士市立)>

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2017年3月22日 (水)

春季中部地区大会1日目(3月22日)~焼津球場レポート

 WBC、センバツ大会と盛り上がる中、県内では今日から春季地区大会が始まりました。
 早速、中部大会が行われた焼津球場2試合のレポートをお届けします。

<焼津球場>
焼津水産 1 - 0 榛原
相良 7 - 2 川根

03222 まず、第1試合は投手戦となりました。榛原の左腕・鈴木啓太(新3年)は初回から三振の山を築きます。打者の手元でピッとくるストレートと、鋭いスライダーを武器に8回まで毎回の12奪三振の快投。4回に3四死球で1点を与えましたが、それ以外はほぼ完ぺきに相手打線を抑えました。「いつもは打たせて取るタイプですが、今日は状態が良かったです」と鈴木。「この反省を生かして夏までに勝てる投手になります」と前を向いて球場を後にしました。
03221 その鈴木に投げ勝ったのが焼津水産の大石淳新2年)です。多彩な変化球で翻弄しながら、ここ一番では低めいっぱいに決めてきます。マウンドさばきもよく、安定感が光っていました。被安打3の見事な完封でした。

 第2試合は相良が3回に5番・八木胤也(新3年)のタイムリーなどで逆転に成功。終盤にも追加点を挙げて2回戦進出を決めました。
 最後の9回にはブルペンから気になっていたエース・澤入勇斗(新3年)が1イニングのみマウンドへ。ルーズショルダーを心配してしまうほど肩関節がもの凄く柔らかく、腕が遅れて出てくるのが特徴。現在の球速の最速は130キロだそうですが、体を鍛えていけば、数年後には140キロを超えそうな予感がする投手です。

 一方、敗れはしましたが、川根の佐野豪中村恒和の新2年生バッテリーは今後が楽しみ。エース左腕の佐野はフォームのバランスが良く、中村はキャッチャーらしいキャッチャーでした。(編集部・栗山)

<写真/毎回の12奪三振の快投を見せた鈴木啓太(榛原)>
<写真下/投球術が冴え渡り、完封を飾った大石淳(焼津水産)>

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2017年3月20日 (月)

山岸ロジスターズが船出!

 本日、県内6番目の社会人クラブチームとして活動を開始した山岸ロジスターズ(島田市)が初の対外試合を行いました。苫小牧駒澤大相手に2対7で敗戦も、都市対抗出場を目指し、新たな一歩を踏み出しました。

03201_2
★3月20日 オープン戦 浜松球場 晴   

   チーム
山岸ロジスターズ 1 0 0 1 0 0 0 0 0 2
苫小牧駒澤大 1 0 0 1 0 2 0 3 × 7

(山)則本、佃、山崎、坂下-小田、天野

▽二塁打=吉田、砂田(山)

※成績は山岸のみ

03202 山岸ロジスターズの先発投手は則本佳樹。エース格として期待される右腕です。
 則本は初回に1点を失うも、2~4回はテンポよく投げて無失点。兄・昂大(楽天)ほどのスピードはありませんが、体全身を使ったフォームから伸びのあるストレートを投げていました。
 野手陣では、6番の西勇大が目立っていました。大阪桐蔭出身で、2012年に春夏連覇した際にベンチに入っていた選手です。03203セカンドの守備はバウンドの合わせ方がうまく、打っては4回に一時勝ち越しとなるタイムリーをセンター前に放ちました。勝負強さを持ち、ここ一番で頼りになるタイプでしょう。
 また、4番の吉田翼は2塁打1本を含む3安打をマーク。城西国際大時代は3年春にレギュラーで全国を経験した強打者です。結成したばかりで、まだまだスピードについていけない選手が多い中、吉田の対応力はさすがでした。
 今日は惜しくも2対7で敗れた山岸ロジスターズ。ここからどうチームが成長するのか見守っていきたいと思います。
 
 一方、相手の苫小牧駒澤大のベンチには懐かしい顔が。昨秋より、浜松商OBの山下晃永氏がチームの指揮をとっています。山下氏は1988年夏の甲子園ベスト8のメンバー。その後、駒澤大、たくぎんでも活躍しました。昨年は春4位、秋3位と低迷しただけに、今年は山下氏の手腕でチームを立て直して、ぜひ全国に出てきてもらいたいです。(編集部・栗山)

<写真/上から則本佳樹、西勇大(ともに山岸ロジスターズ)>

■山岸先発メンバー

1番 中堅 板倉
2番 右翼 大城
3番 一塁 石田
4番 DH 吉田
5番 三塁 藤後
6番 二塁 西
7番 左翼 森下
8番 捕手 小田
9番 遊撃 中澤

※山岸ロジスターズオフィシャルサイト(メンバー紹介など)
 →http://yamagishi-logisters.com/member.html

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2017年3月18日 (土)

練習試合 掛川西vs早稲田摂陵

★3月18日 練習試合 掛川西グランド 晴   

  チーム
早稲田摂陵 0 0 0 0 0 5 0 2 0 7
掛川西 1 1 0 0 0 0 3 2 0 7

(掛)松本和、夏目太、中山-今駒、増田

▽本塁打=川島
▽三塁打=今駒、福田

※成績は掛川西のみ

03181_2 掛川西は「3番セカンド」で出場の川島瑞希(新3年)が3打数3安打の活躍。7回にはレフトの柵を越える2ラン本塁打を放ちました。相手の早稲田摂陵(大阪)は前日、センバツに出場する早稲田実と練習試合を行ったそうですが、その試合で先発した長身左腕からの一発。試合後、「ここまでの練習試合はあまり状態が良くありませんでしたが、今日はうまく打てました」と嬉しそうな表情を浮かべていました。身長170センチと小柄ですが、リストが強く、ライナー性の強い打球が特徴のハードパンチャー。この試合の掛川西は、川島に回せば何とかなるという雰囲気がありました。
03182 投手陣では先発の松本和馬(新2年)が5回まで3安打無失点に抑える好投。6回に一挙5点を献上しましたが、将来性を感じる投球でした。
 掛川シニア時代から見ているのですが、当時よりもピッチャーらしくなり、本格派の佇まいに。肩甲骨周りが柔らかく、腕の振りの鋭さに魅力を感じました。体がもう一回り大きくなり、全体的にボールがあと一つ分くらい低くなってくれば面白いです。3年時には県トップクラスに成長していても不思議ではない投手だと思います。(編集部・栗山)

<写真/7回に本塁打を放った川島瑞希(上)と鋭い腕の振りが特徴の松本和馬(下)。ともに掛川西>

 

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2017年3月16日 (木)

静岡を巣立つ球児たち2016<特別編>~鈴木大夢&村田大輔

03161

 先日のブログで予告した「静岡を巣立つ球児たち」の続編です。3月になって磐田南の鈴木大夢が名古屋大、村田大輔が慶應義塾大でそれぞれ野球を続けるという情報が入り、本人たちに会ってきました!

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 鈴木で思い出すのは2年夏の県大会準々決勝(対知徳)です。延長12回裏、2死一二塁の場面で打球はセンター後方へ。誰もがサヨナラだと思った瞬間、鈴木が走り込んでスーパーキャッチ。この神ってるプレーで試合は延長15回引き分けになり、翌日の勝利につながりました。
「後からいろいろな人に『何であの時に前進守備ではなかったの?』と聞かれるのですが、自分では二塁ランナーを刺せるところにいたつもりです。ただ、4月に来た戸塚監督は『自分たちが主体にやらないと、このチームは勝てない』という方針だったので、ポジショニングはみんなで細かく突き詰めて自信を持っていました」
03162 その後、2年秋は捕手、3年春からは球のスピードを買われて投手も務めた鈴木。5月には最速140キロをマークします。夏の大会は肩や足の故障もあって本調子ではなかったものの、3試合に登板。ベスト16進出に貢献しました。
 そして、夏の大会が終わってからは猛勉強の日々。当初は「高校で野球はやり切った」と上のレベルで続ける気持ちは無かったようです。
「実は名古屋大のオープンキャンパスに行った時にアメフト部の方から声をかけられて、アメフトに傾いた時期もありました」
 変化が訪れたのは、秋から冬にかけて。校舎から後輩の練習を眺めるうちに、「もう一度野球がしたい」という思いが強まったそうです。今年2月に名古屋大に合格。最終的には1学年上の先輩・齋藤雄大(現大阪教育大)に合格の報告した際に、「大学野球は面白いから絶対にやった方がいい」という話を聞き、入部を決断したとのことです。
 名古屋大は現在、愛知リーグの3部。鈴木は投打で活躍し、まずはチームを2部まで上げることを目指しています。
「高校で本格的にピッチャーのトレーニングをやったわけではないので、まだ球速は上がると思います。打つことも好きなので、両方やっていきたいです」
 大学でも文武両道を貫き、静岡の野球ファンを驚かせるような選手に成長して欲しいです。

03163 また、主将としてチームを牽引した村田は慶應義塾大に進みます。昨夏は1番打者として計4試合で7安打をマーク。4回戦の東海大静岡翔洋戦では、初回に三塁強襲安打を放ち、その後の大量得点につなげました。
 村田は、もともと東京六大学でプレーしたいという希望を持っていたと言います。
「六大学には華があり憧れていました。去年の秋に早慶戦を見に行ったときも『ザ・大学野球』という感じで、感動しました。自分も、あの舞台でプレーしたいです」 
 甲子園経験者も含め、全国から逸材が集まる名門。村田は「凄いところですが、頑張っていきたい」と誓ってくれました。
 その慶應義塾大は現在、『静岡高校野球2017早春号』でも紹介した倉田直幸が二塁のレギュラーを掴んでいます。その倉田の後釜になるくらいの選手になってくれたら嬉しいです。期待しています!

<写真/上から鈴木大夢、村田大輔(磐田南)>

■鈴木大夢[すずき・ひろむ]投手/磐田南3年/180cm75Kg/右投右打
小学2年時に祖父の影響で野球を始める。「浜松ホークス」、東部中では主に捕手。磐田南入学後、1年秋からレギュラー。2年夏は中堅手としてベスト4進出に貢献する。3年春からは投手。最速140キロのストレートを武器に勝負する。卒業後は名古屋大に進学する。

■村田大輔[むらた・だいすけ]投手/磐田南3年/170cm65Kg/右投左打
6歳の時に、父と兄の影響で野球を始め、「浜松蒲野球少年団」に入団。丸塚中では3年時に谷脇亮介(常葉橘)らとともに、県準優勝を果たす。磐田南では2年秋から主将。3年夏は「1番セカンド」としてチームを引っ張り、ベスト16進出。卒業後は慶應義塾大で野球を続ける。

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2017年3月14日 (火)

天竜高出身・松下有希(岐阜聖徳学園大)が浜松合宿で好投!

 岐阜聖徳学園大が今月12日から3日間、浜松合宿を行ないました。
 12日は静岡大とオープン戦。第2試合で先発したのが、天竜高出身の松下有希(新2年)でした。高校時代から130キロ台後半を投げ、将来性を感じていた大型投手。ただ、当時は投手としての完成度に欠け、3年夏は3分の2回を投げたのみ。主に野手で出場していました。大学4年間でどう化けるのかに期待していただけに、今回2年を前にして先発を任されていると知り、いい意味で驚きました。

03141_3 その日は午前中に他で高校野球の練習試合を見てきたため、僕が浜松球場についたのは4回。オープン戦ということもあり、交代してしまっているかもと心配していましたが、まだ松下がマウンドに立っていて安心しました。スコアボードに目を向けると、そこまで1失点のみ。いい感じで投げているようでした。
 そして5、6回はランナーを出しながらも無失点に。6回を投げて被安打5、失点1という好結果で投げ終えました。スピードガン表示では120キロ台後半がほとんどでしたが、ブレーキのきいたカーブとのコンビネーションが良かったです。

 試合後、本人に話を聞くと「大学になって、球速的には少し落ちていますが、コントールがまとまって、ピッチャーらしくなってきました」と、手応えを掴んでいる様子。この1年間でカーブを覚えて、投球の幅も広がっているようでした。
 小山貴本監督も「今年になって3試合目の登板だが、今日が一番いい投球だった。持っているものはいいので、このまま伸びていって戦力になってほしい」と期待。リーグ戦登板に向けて、大きなアピールになったと思います。
 松下は現在、身長181センチで体重75キロ。まだまだ体は華奢です。今後、しっかり体を大きくしながら経験を積み、4年時にはチームを引っ張るエースに成長してもらいたいです。

03142_2 そのほか、静岡から岐阜聖徳大に進んだ袋井出身・大石潤也(新4年)、飛龍出身・谷山蓮(新4年)、小泉翼(新3年)、静岡西出身・高橋駿(新2年)、浜松工出身・青池洸輝(新2年)、浜松ボーイズ出身・原嵩(新2年)、浜松商出身・長谷隆平(新1年)の元気が姿を確認できて嬉しかったです。(編集部・栗山)

<写真上/静岡大相手に6回1失点の好投を見せた松下有希(岐阜聖徳学園大)>
<写真下/14日の常葉大浜松との試合で犠牲フライを放った小泉翼(岐阜聖徳学園大)>

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2017年3月12日 (日)

オープン戦 ヤマハvs青山学院大~常葉菊川コンビが静岡に凱旋!~

★3月11日 オープン戦 ヤマハ豊岡グランド 晴   

 チーム
青山学院大 0 0 0 1 2 0 0 0 0 3
ヤマハ 1 0 1 1 0 0 0 0 0 3

(青)河端、上野-山田
(ヤ)大野、上田、近藤-千葉

▽本塁打=西村(青)
▽二塁打=三浦(ヤ)

03121_2
 昨日は、ヤマハと青山学院大のオープン戦へ。
 青山学院大は常葉菊川出身の遠藤康平(新4年)が「3番ショート」、前川直哉が「9番ライト」で先発出場しました!
03122 遠藤は初回にヤマハ・大野雄介にバットを折られてショートフライに。その後の3打席も、レフトフライ、セカンドフライ、ライトフライと、残念ながら快音が聞かれず。試合後、本人は「少し力んで詰まってしまった」と悔しそうな表情を浮かべていました。それでも、守備では「さすが遠藤」というプレーも。合わせづらいバウンドの打球を軽くさばいて、6-4-3の併殺を完成。捕球から送球までの一連の動きが流れるようにスピーディーでした。
 1年春のリーグ戦で打率3割をマークして新人王を獲得するも、その後、打撃の状態を落とし、チームも2部に低迷。ようやく、3年秋のリーグ戦最終戦で1試合2本塁打を放ち、復調の兆しを見せました。
 「春の結果次第ですが、プロに行きたい」という遠藤。「守備はあ03123る程度、評価してもらっていると思うので、あとは打つ方です。3番を任されているので、打点にこだわっていきたいです」。まずは結果を出し続けることで、プロも見えてくると思います。
 また、前川も2打数無安打に終わりましたが、3回の出塁時に盗塁を決め、送球が逸れる間に一気に三塁へ。足の速さに加えて、常葉菊川仕込みの積極的な走塁でチャンスを作りました。大学入学後の2年間で体重が10キロほどアップ。打撃に力強さが加わり、「2月の沖縄キャンプではアピールできた」と自信を深めた様子でした。今春はレギュラーに定着して、1部昇格に貢献して欲しいです。

03124 一方のヤマハでは、大卒2年目の三浦拓馬が5打数4安打(二塁打1本)の大当たり。1年目に比べて、スイングが格段に速くなり、右方向への強い打球が増えています。投手陣では新人の近藤卓也(青山学院大出身)が後輩相手に2イニングを6人でピシャリと抑えました。独特のリズム感のあるフォームでストレートが伸びてきて、球速表示以上に速く見えるタイプ。制球面で崩れる不安もなく「この投手はすぐに使える」という印象を持ちました。先発・中継ぎと、1年目からフル回転で活躍して欲しいです!(編集部・栗山)

<写真/上から遠藤康平、前川直哉(ともに青山学院大)、近藤卓也(ヤマハ)>

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2017年3月10日 (金)

静岡を巣立つ球児たち2016~尾濵徹編・下

 オフシーズン企画「静岡を巣立つ球児たち」。今年も「静岡高校野球」編集部が、卒業後も野球を続けることが決まっている高校3年生たちに会いに行きます。
 前回に引き続き、尾濵徹(浜松商3年)編です。 「静岡を巣立つ球児たち2016~尾濵徹編・上」はこちら

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★静高のV3を阻む
 夏の大会、浜松商は城南静岡、静岡西、小山を下して、4回戦に進出する。
 4回戦の相手は戦後初となる3年連続夏の甲子園を狙った静岡高だった。
「静高戦の前の日に、いつも一緒に登下校していた大浜(空)と帰りながら『俺たち、このままなら静高に勝てるんじゃないか』っていう話をしたことを覚えています」
 そう2人が自信を持ったほど、夏の大会に入ってから打線の状態が上向いていた。また、エースの大橋建斗も試合を重ねるごとに、球のキレが増していた。
 さらに、鈴木祥充監督は秘策として2年生の左腕・増田理人も用意していた。
03101 試合は浜松商が初回に1点を先制するも、その後、一進一退の攻防となる。                
 3回、もっとも警戒していた鈴木将平にライトフェンス直撃の一打を浴びて、これがランニング本塁打になってしまう。
「将平君はどこに投げても打たれる感じがあったのですが、逃げてはダメだと思っていたので、インコースの真っすぐとか、強気に攻めていきました」
 浜松商は6回に1点のリードを奪うと、その裏から増田がマウンドに上がった。いきなり、3者連続三振。80キロ台から90キロ台の変化球が冴え渡った。
「この3者連続三振でカーブが通用するなっていうのはありました。鈴木監督からも『カーブは相手に分かっていてもいいから投げろ』って言われていたので、それを徹底しました」 
 そして9回裏、二死2塁のピンチを迎え、打者は鈴木将だった。ここでも尾濵は臆することなく、初球に緩いカーブを使った。結果、ライトフライ。浜松商のスタンドは歓喜に沸き立き、鈴木監督の頬を涙がつたった。
 準々決勝では浜松学院を6対5で破ると、準決勝で待っていたのは因縁の相手・袋井だった。袋井は準々決勝で日大三島を撃破。30年ぶりの準決勝進出で勢いに乗っていた。
 浜松商は初回に3点を先制する。しかし4回に7失点。その裏、すぐに同点に追いつくが、6回と7回に大量失点。結局、10対14で敗れた。
「途中、一気に流れが相手にいってしまって、もうどうすることもできませんでした。雨が降っていて大橋のボールは甘く入ってくることもあったのですが、ボール自体は悪くなかったです。もう少し、自分が何とかできたら…。今でも悔いが残っています」
 
03102★チームを1部に上げたい
 尾濵は卒業後、愛知工業大に進む。現在は2部に低迷するものの、愛知大学リーグで通算17度優勝の名門だ。西崎幸広(元日本ハム他)、長谷部康平(元楽天)などプロ選手も多数輩出している。今季からチームの指揮をとるOBの平井光親監督も元プロ野球選手。かつてロッテに在籍し、首位打者を獲得した実績もある。
 大学での明確な目標を持っている。2年時にレギュラーを獲得、そしてチームの1部昇格に貢献する。
「最初に(前監督の)奥田好弘さんから誘われた時に、『君の力で1部に上げてほしい』と言われました。まずはそこを目指して頑張っていきます」
 昨夏、引退後は木製バットに慣れるため、主にティーバッティングを行って大学野球に備えた。 

★尾濵徹からのメッセージ
 最後に現役球児へのメッセージを聞いた。
「3年間、終わってみれば、すごく早かったです。後悔のないように、1日1日を大切に使ってください」
 尾濵は高校でもっとも成長した部分に「配球面」を挙げる。1年秋の苦い経験を糧に1球の大事さを学び、3年夏には打者心理を読み解く好リードでチームを8年ぶりとなる県ベスト4に導いた。ひたむきに努力を重ねる精神は、後輩たちにも受け継がれるはずだ。

鈴木祥充監督からの贈る言葉

夏にベスト4まで行けたのは尾濵の力によるところが大きかったです。実直な性格で、まだまだこれから伸びる選手。大学では好きな野球を4年間やり切って、最後は「プロに行きたい」と自分で思えるくらいの選手になって欲しいと思います。

■尾濵徹[おはま・てつ]捕手/浜松商3年/166cm67Kg/右投右打
6歳の時に「岡崎野球スポーツ少年団」で野球を始める。岡崎中時代は「浜松南シニア」でプレーし、投手と捕手を兼任する。浜松商入学後、1年秋からレギュラー。3年夏は県ベスト4進出を果たした。高校通算16本塁打。卒業後は愛知工業大へ進学する。

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 1月に発売した『静岡高校野球2017早春号』の「2016年夏監督が選ぶベストプレーヤーTOP10」という特集で、7位にランクインした尾濵。「特に浜松学院の吉田道監督があの子一人に負けたと絶賛していたよ」と伝えたら、「そんなことないですよ」と照れながら答えてくれた姿が印象に残っています。 鈴木監督も「大学でまだ伸びる可能性がある」と期待する捕手。強肩だけでなく、巧みなインサイドワークは、上のレベルにいくほど目立ってくるはずです。
 さて、2016年版の「静岡を巣立つ球児たち」は今回が最終回の予定でしたが、3月に入って編集部に「合格が決まって野球やります!」という情報が寄せられ、さらに追加で数人に会ってきました。来週以降、ブログで紹介します!

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2017年3月 9日 (木)

練習試合 榛原vs掛川東~高校野球の対外試合が解禁!~

★3月8日 練習試合 浜岡球場 晴   

チーム
掛川東 2 0 5 0 1 2 0 0 2 12
榛原 2 0 3 0 0 0 0 3 5 13

(掛)前田、野元、鈴木颯、及川-徳山
(榛)鈴木啓、三浦、鈴木春、高塚-竹内

▽本塁打=此本、前田(掛)
▽二塁打=竹内2(榛)

 昨日、全国で高校野球の練習試合が解禁となりました。県内では榛原と掛川東が練習試合を行うというこで、早速取材してきました。

03091 掛川東は3回、「1番ショート」の此本拓斗が高校通算5本目となる本塁打をレフトスタンドに放ちました。見逃せばボールになるくらいの高めの変化球でしたが、フルスイングしてスタンドまでもっていきました。
 此本はもともとミート力に定評のある選手ですが、一冬を越えてパワーも加わった印象です。試合後、本人に話を聞くと、オフの練習ではチーム全員でスイングスピードを上げるために、かなり振り込んできたとのこと。その成果がいきなり発揮されました。
 一方の榛原では、「3番キャッチャー」の竹内智哉が二塁打2本を含む4安打の活躍。小柄ですが、パンチ力があり、広角に打ち分ける打撃技術に長けた選手でした。
 試合は榛原が終盤に大量点を奪い、サヨナラ勝ちを飾りました。(編集部・栗山)

<写真/対外試合初戦で本塁打を放った此本拓斗(掛川東)>

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2017年3月 7日 (火)

オープン戦 日大国際関係学部vsきらやか銀行

★3月7日 オープン戦 清水庵原球場 晴   

  チーム
日大国際 0 0 0 0 1 0 0 0 0 1
きらやか銀行 3 0 0 0 0 1 2 0 × 6

<日大国際関係学部バッテリー>
続木、今村、平野、杉江、小澤、佐野-道場嵩、山田

03071_2 今日は日大国際関係学部ときらやか銀行のオープン戦が行われました。
 きらやか銀行は昨年、都市対抗初出場を果たし、初戦も突破。今週土曜日に開幕する東京スポニチ大会に出場する注目のチームです。一方の日大国際関係学部は静岡リーグ3連覇中。どこまで食い下がることができるのか楽しみでした。

 日大国際関係学部は初回に3点を失うも、2回からマウンドに上がった今村拓(170cm67Kg、右投右打)が好投を見せました。5回までの3イニングをパーフェクトに抑えただけでなく、4者連続三振を含む、計6奪三振。ストレートが手元でホップするように伸びて、変化球もキレキレ。時折、強風が吹き、決していいコンディションではありませんでしたが、そんな外的要素は全く関係ないかのように集中できていました。

03072 野手では、知徳出身の新2年生・吉川綾也(183cm77Kg、右投左打)が「3番DH」で先発出場。第1打席は高いバウンドのショートゴロが相手のエラーを誘い出塁するも、第2打席はセンターフライに終わりました。「積極的な打撃でレギュラーを獲りたい」という吉川。打席で強打者の雰囲気を醸し出し、いい形でミートできているのは確か。将来は静岡リーグを背負って立つ選手に成長して欲しいです。

 そして9回、日大国際関係学部は長身の投手が登板しました。誰なのか分からずに見ていたのですが、あとからマネージャーさんから名前を聞くと、三島南出身・佐野勇司(192cm80Kg、右投右打)でした。期待の大型右腕として高校時代に、このブログや雑誌『静岡高校野球』でも取り上げた選手でしたが、大学に入ってからは耳にする機会がなく、「どうしているんだろう」と凄く気になっていました。今日は2四球を許すも無失点。結果云々よりも、元気に投げる姿を見ることができて嬉しかったです!(編集部・栗山)

<写真/順調に仕上がっている今村拓(上)と、レギュラー獲得を目指す吉川綾也(下)。ともに日大国際関係学部>

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2017年3月 6日 (月)

オープン戦 中日vs亜細亜大~常葉橘勢が活躍!~

03061 4日にナゴヤ球場で行われた中日vs亜細亜大のプロアマ交流戦を観戦してきました。亜細亜大の先発は今秋のドラフト候補と目される髙橋遥人。ご存知、常葉橘出身の左腕です。高校時代もしなやかな腕の振りから140キロを超える快速球を投げ込んでいましたが、亜細亜大に入学後、体も大きくなり、昨年は最速151キロをマーク。とんでもない投手に成長しました。
 その高橋、この日の最速は146キロでしたが、ほぼアベレージに近い状態。140キロ半ばのストレートを中心に攻めの投球を繰り広げ、6回を投げて2安打無失点1四球8奪三振と素晴らしい内容でした。大学に入学してからは力強さが出てきて、マウンドでの風格も感じられるように。キレのあるストレート、変化球で2回~4回にはプロから連続空振り三振を奪いました。
 ただ、少し気になったのは先頭打者を打ち取ることに苦労をしていたこと。今春は勝てる投手になることを目標として掲げる高橋には、リーグ戦開幕までの一か月の間に微調整をしてほしいところです。

030602_2 また、この日、7番ファーストでスタメン出場したのは小野寺拓海(新2年)。こちらも常葉橘出身です。1打席目、2打席目は内野ゴロでしたが、0-0で迎えた7回には2死一、二塁で打席に入ります。そして、相手投手の福敬登が投じた2球目を振りぬき、レフト前へ先制タイムリー。この1点を亜細亜大投手陣が守り抜き、亜細亜大が勝利を収めました。

 新1年の栗原健(常葉菊川出身)がすでに試合に出ているという情報も耳にしていましたが、この日の出番はありませんでした。ただ、春からどれだけ静岡勢が出てくるのか楽しみですね。

0306003 試合前のノックには浜名出身の藤本大輝の姿も。亜細亜大の寮長を務めているそうで、藤本の野球に対する姿勢や人柄が名門校でも信頼を得ているということが嬉しいですね。今春はリーグ戦出場を果たしてほしいです。(編集部H)

<写真/上から髙橋遥人、小野寺拓海、藤本大輝(亜細亜大)>

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2017年3月 4日 (土)

中学選抜大会<準決勝>~島田球場レポート

 本日、静岡県中学選抜野球大会は準決勝2試合が行われました。

吉田中1-0長泉中
東海大静岡翔洋中1-0菊川西中 

03041_2 第1試合は準々決勝で1イニングだけ見て一目惚れしてしまった吉田中・松本蓮(173cm53Kg、左投左打)に注目しました。バランスのとれたフォームから投げ込むストレートと変化球とのコンビネーションが抜群で、打たれたヒットは2本のみ。2試合連続の完封を飾りました。常葉橘出身・髙橋遥人(現亜細亜大)を彷彿とさせるしやなか系の左腕で、体が華奢なのも大きな魅力です。
 一方、話題の女子投手・土屋愉菜(160cm56Kg、右投右打)も3安打に抑える快投を見せました。「なぜ、打たれないんだろう」と観察していましたが、一番は左手の使い方の上手さだと感じました。テークバックで左手を使って体の開きを抑え、右手をグッと後ろに入れます。ボールの出所を少しだけ遅らせているので、打者も対応に苦しむのではないでしょうか。また、長泉中はバックの守備がとにかく堅いです。それがあるから、土屋も安心してストライクゾーンに投げ込めるのだと思います。

03042_2 2試合目も投手戦に。東海大静岡翔洋中はエース左腕・鈴木瞳吾(169cm68Kg、左投左打)が毎回の11奪三振の快投で3回に挙げた1点を守り抜きました。
 当然、ヒーローは鈴木ですが、野手では「2番ショート」の小林亮太(164cm56Kg、右投右打)の好守に渡る活躍が光りました。打撃はバットが内からきれいに出るスイングで2安打。3回には先制点につながるセンターオーバーの二塁打を放ちました。守備では一歩目の速さが特徴で、5回には三遊間に抜けそうなライナー性の打球を好捕。試合後、弓桁義雄監督に「あのプレーがこの試合を決めた」と言わしめたほどのビックプレーでした。

 明日の決勝戦は中部勢同士の対決になりました。吉田中・澤入信也監督、東海大静岡翔洋中・弓桁監督のベテラン監督の采配にも注目です!(編集部・栗山)

<写真上/2試合連続の完封を飾った松本蓮(吉田中)>
<写真下/思い切りのいいプレーが目立った小林亮太(東海大静岡翔洋中)>

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2017年3月 3日 (金)

オープン戦 東海大海洋学部vs桜美林大

★3月3日 オープン戦 志太スタジアム 晴   

   チーム
東海大海洋学部 0 0 0 0 0 2 1 0 1 4
桜美林大 2 3 0 0 0 1 0 1 × 7

<東海大海洋学部バッテリー>
山本、勝又、館山、望月、壽福院-遠藤

 今日は、昨秋の明治神宮大会で準優勝を果たした桜美林大と東海大海洋学部のオープン戦を見てきました。
03031_2 お目当ては、新4年生の館山毅一(185cm89Kg、右投右打)。昨秋のリーグ戦後に148キロをマークし、プロも注目する大器です。
 6回にマウンドに上がり、振り抜げから始まり、この回、3安打を許して1失点。それでも、7回は3者凡退に。最後の5番の左打者に対し、追い込んでから今日一番のストレートを外角低めに決め、三振を奪いました。
 一つひとつのボールには、魅力が詰まっています。角度十分のストレートは空振りがとれて、変化量の多い縦のスライダーも光ります。あとは、いかにそのボールを生かすためにゲームメーク能力をつけるか。当然、目前に迫った150キロ到達に期待がかかりますが、この春、勝てる投手として一皮むければ、さらに注目度は増すでしょう。
03032_2 また、4回には東海大翔洋出身の新2年生・勝又奨(179cm74Kg、右投右打)が登板しました。勝又を見るのは、約1年半ぶり。まず、マウンドに立った瞬間、体が逞しくなってきたなという印象を受けました。高校時代よりフォームに躍動感が増し、腕もしっかり振れていました。今春は投げる機会が多いと思いますので、注目していきたいと思います。(編集部・栗山)

<写真上/最速148キロ右腕の館山毅一(上)とキレのいいストレートが武器の勝又奨(下)。ともに東海大海洋学部>

 

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2017年3月 1日 (水)

静岡を巣立つ球児たち2016~尾濵徹編・上

 4年目を迎えたオフ企画、「静岡を巣立つ球児たち」。「静岡高校野球」編集部が卒業後も野球を続けることが決まっている高校3年生たちに会いに行きます。最終回は浜松商の躍進を支えた強肩捕手・尾濵徹。卒業後は愛知工業大に進学する尾濵のインタビューを2回にわたってお届けします。

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★「浜松南シニア」でキャッチャーへ
 尾濵は6歳の時、兄・隼氏の影響で野球を始める。「岡崎野球スポーツ少年団」を経て、中学時代は「浜松南シニア」でプレーした。
 当時、「浜松南シニア」には鈴木嘉基(静岡高)を筆頭に、リトル時代、世界準優勝に輝いたメンバーが多く在籍していた。
030101_2 もともと少年野球では投手を務めていた尾濵だったが、中学2年生になる直前に転機が訪れる。佐野真樹夫総監督から「捕手をやってみないか」と提案された。
 最初は戸惑っていたものの、いざマスクをかぶってみると、辛さよりも楽しさが勝った。基礎を叩き込んでくれたのが、浜松商の捕手として甲子園を経験しているヘッドコーチの鈴木基由氏だった。
「キャッチャーをやるのは初めてでしたし、何も知らない状態だったので、鈴木コーチからキャッチング、ワンバンドストップ、スローイングなど基本的なことから教わりました。やってみると、バッターとの駆け引きが楽しくて、自分には合っているのかなと思いました」
 最上級生になると、捕手と投手を兼任して活躍。そして、高校は佐野総監督の勧めもあり、浜松商に進学する。

★県屈指の強肩捕手に成長
 浜松商入学後、1年夏から背番号12でベンチ入りを果たす。さらに秋からはレギュラーを掴む。
「1年夏からベンチ入り、秋からレギュラーっていうのは、高校に入る時の目標だったので、順調にきたと思いました」
 その後、扇の要として、チームを支えてきた尾濵。3年夏には、県屈指の強肩捕手との評価も受けた。
 今でも教訓となっている一つの試合がある。
03012 1年秋の西部大会初戦、袋井との試合だった。マウンドには、同じ1年生の大橋建斗が上がっていた。大橋、尾濵のバッテリーは大事な場面で走者を二塁に置き、カウント0-2と追い込んだ。ここで尾濵はスライダーで3球勝負にいったのだが、盗塁を許して、しかも、パスボール。一気に走者を生還させてしまった。その失点が響き、1対7で惨敗した。
「相手の監督から、自分たちが変化球で『3球勝負』にいくことがバレていたみたいで。甘さを痛感しました。そこから、練習試合では鈴木(祥充)監督とイニングごとに『なんで、このボールを投げたのか』を徹底的に話し合うようになりました」
 また、尾濵の最大の長所と言えるのが鉄砲肩だが、遠投90メートルと驚くような数字ではない。それが、3年夏前には1試合で3つの盗塁を刺すこともあった。二塁ベースに向かえば向かうほど伸びている球筋に特徴がある。しかも、二塁ベース上からブレない。意識しているのが足のステップだ。
「1つ上の代のショートを守っていた渥美(剛士/現中京大)さんから、『ステップさえ決まっていれば、いい球が来ているから』って言ってもらって。常に、ステップだけを意識して、あとは流れるままに投げていました」
 尾濱の成長と同時に、チームも2年春は県ベスト4、2年秋は県ベスト8進出と、「浜商復活」に向かって躍進を遂げていく。
 ところが、3年春は西部地区大会3回戦で袋井に敗退。「なぜか、袋井には勝てないんですよね」と首をかしげる。夏前になっても、エース・大橋の故障もあり、なかなかチーム状態が上がってこない。「このままでは絶対に夏は勝てない」と、OBから厳しい声をかけられることもあった。

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 「静岡を巣立つ球児たち2016~尾濵徹編・下」は近日中に更新します!

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