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2018年2月

2018年2月27日 (火)

日本製紙石巻が草薙球場でキャンプを開催!

 今日は現在、草薙球場で行われている日本製紙石巻のキャンプに伺ってきました。そこで懐かしい顔と再会しました。同チームのマネージャーを務めている浜松市出身の澁谷謙太さんです。

 02271飛龍時代は3年夏に左腕2本柱の一人として活躍。ベスト8進出に貢献しました。その後、東北福祉大を経て、日本製紙石巻では2年間プレー。そして今季より、マネージャーの職に就いています。「今度はチームを支える立場で、都市対抗を目指したい」とのこと。マネージャー1年目で初々しさも感じますが、練習中はとにかく動き回り、選手をサポートしている姿が印象に残りました。(編集部・栗山)

<写真/日本製紙石巻・澁谷謙太マネージャー>

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2018年2月26日 (月)

山岸ロジスターズ、ルーキー・繁田の活躍でオープン戦初戦を勝利!

★2月25日 オープン戦 清水庵原球場   

   チーム
山岸ロジスターズ 0 2 0 0 0 0 3 0 0 5
金沢学院大 0 2 0 0 0 0 2 0 0 4

(山)青池、杉山、則本-天野
(金)若林、名河内、長船、小山-黒田

▽二塁打=天野、渡辺(山)吉原(金)
▽三塁打=日野、大浦(金)

 昨年、県内6番目の社会人クラブチームとして産声を上げた山岸ロジスターズ(島田市)。1年目は、秋に開催されたJABA東海地区クラブ野球選手権大会で準優勝と好スタートを切っています。
 いよいよ、都市対抗などの全国につながる大会にも参戦する今季。昨日は清水庵原球場で最初のオープン戦を見てきました。

 02261先発メンバーに2年目の選手が並ぶ中、唯一ルーキーとして出場したのが、繁田哲広です。清水桜が丘出身で2年夏は「1番ショート」として活躍。2回戦の島田戦では2安打を放ちました。しかし、3年春、練習中に脛骨の大怪我を負います。夏の大会はベンチから試合を見守るだけでしたが、大学でのプレーを目指して懸命にリハビリ。「どうせやるなら知っている人のいない県外で挑戦したかった」と、強豪・九州共立大の門を叩きました。
 大学の4年間、ベンチ入りはなし。ただ、レベルの高い環境で揉まれたことで自信をつけ、卒業後は地元の山岸ロジスターズでプレーすることを選択しました。
 この日は「8番ショート」で先発出場。その第1打席でした。1死三塁のチャンスで打席が回ってくると、バットを折りながらセンター前に弾き返すタイムリー。守っては三遊間の厳しい打球をキャッチし、打者走者をアウトにする場面もありました。小柄ですが、細かいプレーができて、守備力も高い選手。攻守でしぶとさを感じる選手だけに、チームにとっては大きな戦力になるでしょう。試合後、本人から「レギュラーをとって、1年目から都市対抗本大会に出場したい」と頼もしい言葉も。飛躍に期待したいと思います。
 
02262 一方、金沢学院大では9回に代打として、静清出身の榊原敦樹(1年生)が登場。静清時代、3年夏は主に5番打者として県ベスト8入りに貢献した強打者です。惜しくも三振に終わりましたが、追い込まれてから数球ファウルで粘りました。強いスイングを持ち味に、アピールを続けてほしいです。(編集部・栗山)

<写真上/オープン戦初戦でタイムリーを放った繁田哲広(山岸ロジスターズ)
<写真下/代打で出場した榊原敦樹(金沢学院大)>
 

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2018年2月24日 (土)

静岡県中学選抜大会<3日目>~焼津球場レポート

 今日はしんきんカップ第48回静岡県中学選抜野球大会の2回戦が行われました。
 各球場で見たい選手が満載でしたが、昨年の同大会から気になっていた開成中の捕手・山元丈輝(168cm64kg、右投左打)が登場する焼津球場に向かいました。

 02241第1打席から山元の能力の高さに驚きました。力強いスイングからライト前安打を放ち、すかさず盗塁を決めます。2打席目、3打席目もバットにボールがあたった瞬間、あっという間に打球が一二塁間を抜けていきました。3打数3安打に盗塁も2つ決めて、抜群の存在感。相手ベンチからは「シングルならオッケー」という声が飛び出すほどでした。守備面ではスローイングの形がいいです。腕を耳の横にスッと持っていき、そこから二塁ベースに向かってストライク送球。肩甲骨周りの柔らかさを感じました。先日、このブログで紹介したスルガボーイズ・斉藤琉仁は鉄砲肩というイメージですが、この山元はタイプの違った強肩捕手。今後が楽しみ逸材です。

 02242試合は島田一中が4対1で勝利。初戦で35点を奪った開成中を抑えたのは榊原遼太郎(163cm49kg、右投左打)でした。体全体を使ったバランスのいいフォームで、ストレートと変化球のコンビネーションが冴えていました。
 野手ではトップバッターの数原椋太(168cm58kg、右投左打)が三塁打を含む2安打の活躍。打つだけでなく、セカンドの守備は一歩目の反応が優れ、7回にはライトに抜けそうなライナーを好捕しました。

02243 第2試合は中伊豆中が対島中を2対1で下しました。チームを勝利に導いたのは長身右腕・川口遥斗(177cm60kg、右投右打)。これだけの体なので、もう少し球が暴れるのかなと思っていたのですが、序盤からストレートが低めにビシビシと決まっていきます。4回までパーフェクトに抑える快投。5回には無死満塁のピンチを作りましたが、無失点にしのぎます。角度があって球持ちがいいのが特徴。縦に大きく割れる変化球は「ここ」という場面で武器になるでしょう。打っても2安打に加えて2盗塁。体にバネが漲るだけに、スケールの大きな選手になる予感がしました。(編集部・栗山)

<写真/上から山元丈輝(開成中)、数原椋太(島田一中)、川口遥斗(中伊豆中)>

★アットエス 静岡新聞SBSオフィシャルサイト
http://www.at-s.com/sports/article/data/baseball/446101.html
※勝ち上がり表はこちらからご覧になれます。

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2018年2月23日 (金)

静岡を巣立つ球児たち2018~日高純平編・上

 6年目を迎えたオフ企画、「静岡を巣立つ球児たち」。「静岡高校野球」編集部が卒業後も野球を続けることが決まっている高校3年生たちに会いに行きます。第2回は豪快なスイングで長打を連発する日高純平(天竜)。卒業後は上武大に進学する日高のインタビューを2回にわたってお届けします。

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静岡を巣立つ球児たち2018~日高純平編・上

★「ありがとう」の始まり
 日高が野球を始めたのは小学4年生の時。幼い頃から水泳、サッカー、空手といった様々なスポーツを経験したが、友人の父親とキャッチボールしたことがきっかけで野球の道に進んだ。友人とは、その後、高校まで一緒プレーすることになる永田一成。父の宗広氏は黄金時代の浜松商で活躍した人物だった。
「一成のお父さんに褒められたことが単純に嬉しくて。そこから、野球ぞっこんになりました」

02231

日高はバッターボックスに入ると、感謝の意味で「ありがとう」と叫ぶ

 その後、北浜中では3年春に1番打者として県ベスト8入りに貢献する。身体能力の高さを買われて、3年間で全ポジションを周り、最終的にはセンターで落ち着いた。
 そんな中学時代、日高にとって大きな出会いがあった。2年生の時、「株式会社ありがとう」の代表を務める黒柳誠氏の講和を聞く機会があり、その内容に日高は感銘を受けたという。
「黒柳さんは『プラス言葉を言っていれば、人生はいい方向にいくよ』という話をされていました。黒柳さんと直接話す機会もあり、自分はバッターボックスに入った時に、『ありがとう』と叫ぶことに決めたんです」
 日高の「ありがとう」の叫びは高校まで続いていく。最初は周囲から笑われることもあったが気にしなかった。日高には一度決めたらやり通す、芯の強さがある。いつしか、名前は知らなくても、浜松市内の野球関係者の間で「ありがとうの子ね」と有名になる。それほどインパクトが強かった。

★腰痛を乗り越えて
 日高の特徴は何といっても、飛び抜けたスイングスピード、そして猛烈にバットが振れることだ。天竜の中道誠監督は日高が入学すると、すぐにA戦で起用した。最初の試合で、度肝を抜く一発を放つ。ライト方向への本塁打だった。
「正直、高校野球のレベルはこんなものかって、その時は思ってしまいました」
 しかし、その後、県外の強豪との練習試合で出場すると、キレのあるボールを前に、三振の山を築く。まったくバットにあたらない。6月、7月と試合を重ねても変化はなかった。日高は打てない原因が分からず、一人で悶々とした期間を過ごす。
「あの頃はいくら練習をやってもダメで。なにかしら、毎日手を伸ばしてつかみたい状態でした」
 救ったのは外山淳嗣部長(現浜松工部長)だった。来たボールに対して、単純にスイングしていた日高に対し、外山部長は「間の大切さ」を説いた。
「それまでの自分は、力任せにオリャーみたいな感じで振っていたんです。でも、外山先生からタイミングをとる中で『間』を作れって言われました。足の上げるタイミングやトップの位置もマンツーマンで細かく見てもらって、少しずつあたるようになっていきました」
 1年秋からレギュラーをつかむと、2年夏は2試合で4安打をマークする。ところが、秋の西部大会が始まると、腰に痛みが走る。敗者復活戦の菊川南陵との試合前には杖がないと歩けない状態となり、先発出場を回避した。「キャプテンの自分がやらなきゃ」と、気合いだけで代打出場するも、サードフライに終わる。
 病院で診察を受けると、「腰椎分離症」を患っていることが判明した。医者からは「なんでここまで放っておいたんだ」と叱られ、秋から冬にかけてはリハビリに費やした。 
 日高は、それまで軽く考えていたストレッチの大切さを知り、練習前には入念に行うようになった。季節は冬から春に移り変わり、少しずつ暖かくなると、自然と痛みは和らいでいった。
 状態を上げて、いよいよ夏の大会を迎える。

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「静岡を巣立つ球児たち2018~日高純平編・下」は近日中に更新します! 

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2018年2月20日 (火)

ボーイズリーグの県大会を見てきました!

022001_2 18日はボーイズリーグの県大会2試合を富士ボーイズグランドで見てきました。

 第1試合は島田ボーイズが磐田ボーイズをタイブレークの末に下しました。
 島田ボーイズはとにかくバットが振れていました。2回に6番・村松星哉、3回に4番・松浦快斗がそれぞれレフトスタンドへ本塁打。ともにパワフルで豪快なスイングが印象的でした。
 02202_2磐田ボーイズで存在感を示したのが「2番ショート」の山本和輝。初回にきっちりと送りバントを決めると、第2打席でセンター前、第3打席ではレフト前安打を放ちました。そして7回には2死から同点となる2点タイムリー二塁打。右中間方向へきれいにライナーで弾き返しました。野球センスが感じ、特にボールの待ち方とタイミングの取り方が優れていました。

02203_2 続く第2試合はスルガボーイズがコールド勝ちでベスト4進出を決めました。
 注目したのはスルガボーイズの捕手・齋藤琉仁。工藤隆監督が「私が指導してきた中ではキャッチャーならナンバーワン」という逸材です。魅力は肩の強さ。まさに鉄砲肩でした。イニング間の送球から明らかに違います。この日は2つの盗塁を阻止。二塁ベースに向かって垂れることなくライナーで伸びます。その強肩を生かし、投手もこなすそうですが、1年生右腕の鈴木友が成長してきたことで、工藤監督は「キャッチャー一本で大きく育てていきたい」と期待。「中学2年生世代」は軟式にもいい捕手が多いですが、硬式でも面白い捕手を発見できました。
 02204_2この日は大敗を喫しましたが御殿場ボーイズにもキラリと光る選手がいました。「1番ピッチャー」の勝又湧斗は投げても打ってもフォームのバランスが良かったです。また、1年生ながら4番を任されている松田碧海は学童時代に東京スワローズジュニアでプレー。NPB12球団トーナメントにも出場しています。体に力がありそうな感じでしたので、今後が楽しみです!(編集部・栗山)

<写真/上から村松星哉(島田ボーイズ)、山本和輝(磐田ボーイズ)、斉藤琉仁(スルガボーイズ)、勝又湧斗(御殿場ボーイズ)>

★公益財団法人 日本少年野球連盟 静岡県支部
http://www.netto.jp/boysleagueshizuoka/
※勝ち上がり表はこちらからご覧になれます。

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2018年2月17日 (土)

静岡県中学選抜大会<1日目>~島田球場レポート

 静岡の球春到来を告げるしんきんカップ第48回静岡県中学選抜野球大会が開幕しました。各地区を勝ち抜いた32チームが春の県チャンピオンを目指して戦います。

 初日は大会ナンバーワン右腕とナンバーワン左腕と囁かれる2投手が揃って登場するということで島田球場に向かいました。
 02171まず右腕は『静岡高校野球2018』の「注目選手名鑑」でも紹介した掛川東の本格派・相田康慎(172cm60kg、右投左打)。開幕戦という難しい状況の中でしたが、前評判通りの快投を演じました。立ち上がりから低めにバンバンと強いボールを投げ込み、4回までに打者14人に対して7奪三振。終盤になっても球威が落ちることなく、2安打完封を飾りました。下半身主導のフォームで、腕が鋭く振れてくる投手。何より、フィニッシュの姿がカッコいいです。打撃もヒットこそ出ませんでしたが、内からきれいにバットが出るスイング。同じ掛川地区の川合勇気(現掛川西)の中学時代とダブって見えました。

021702 左腕の注目は浜松北部中の沢山優介(173cm58Kg、左投左打)。まず試合前、ベンチ前での素振り姿を見て、手と足の長さに目を奪われました。全体的にスラっとしていて、まさにピッチャー体型。そして、マウンドでは、腕を柔らかくしなやかに使います。終盤に疲れが見えて試合には敗れましたが、ストレートで空振りがとれているのが良かったです。実際にバッターボックスに立つと、見た目以上に速さを感じるタイプ。今のままゆっくりと体が大きくなってほしい原石です。夏までに機会があれば、もう一度、チェックに行きたいです。

 上記の2人以外にも、今日は好投手が目白押しでした。気温が低く、強風が吹き荒れる悪天候でしたが、各投手とも持ち味を発揮していました。
 掛川東の相田と互角に投げ合った長泉北中・舩橋龍右(175cm60kg、左投左打)は右打者への内角ストレートが魅力、吉田中相手に7回1失点の磐田東中・髙須大雅(176cm60kg、右投右打)はストレートに伸びがあり、いつでもストライクがとれる変化球も光りました。(編集部・栗山)

<写真/上から相田康慎(掛川東中)、沢山優介(浜松北部中)>

★アットエス 静岡新聞SBSオフィシャルサイト
http://www.at-s.com/sports/article/data/baseball/446101.html
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2018年2月15日 (木)

プロ野球宮崎キャンプレポート②~西武

 宮崎キャンプ、2日目は朝から南郷へ。2年目の鈴木将平(静岡高出身)がA班(1軍)キャンプに参加している西武を取材しました。

02151_2 鈴木は昨年ファームで100試合に出場して、81安打をマーク。走攻守の3拍子が揃った選手として首脳陣からの期待も高く、今回の抜擢となりました。
 この日は朝から夕方まで一日かけて、鈴木のプレーを追いかけました。メニューはアップから始まり、キャッチボール、シートノック、打撃。その中で、守備と走塁のスピード感は、一軍選手に混ざってもそん色がないものがありました。また、打撃は高校時代に比べて、逆方向への強い打球が増えている印象をもちました。
 全体練習後の個別強化では、守備をメインに練習。後ろの打球への反応を磨くため、佐藤友亮外野守備・走塁コーチから何度も何度も緩い打球を上げてもらっていました。
 その後、ウエイトトレーニングを行い、球場を出たのは選手の中で一番最後。表情には疲れが見てとれました。キャンプが始まって約2週間が経過。A班のキャンプに参加している野手では鈴木が02152_2最年少となり、気疲れもあるはずです。そんな中でも、「ここまで順調にきています」と、充実感が漂った言葉を聞けて安心しました。この最も苦しい時期を乗り越えて、オープン戦での出場を期待したいです。

 また、トミー・ジョン手術から完全復活を目指す髙橋朋己(加藤学園出身)も元気に練習をこなしていました。今年は春からバンバン投げてくれそうです!(編集部・栗山)

<写真上/ティー打撃を行う鈴木将平(西武)>
<写真下/投内連係で軽やかな動きを見せる髙橋朋己(西武)>
 

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2018年2月12日 (月)

プロ野球宮崎キャンプレポート①~広島、オリックス

 今日から静岡出身選手を追いかけて、プロ野球の宮崎キャンプに来ています。

 02121まず、広島2軍キャンプが行われている東光寺球場に向かいました。僕が球場に着くと、シートバッティングの最中。偶然にも育成4年目の木村聡司(常葉橘出身)がバッターボックスに立っていました。次の瞬間、木村の放った打球は右方向へ。セカンドを守っていた桒原樹(常葉菊川出身)にキャッチされましたが、体つき、スイングの力強さが、僕の知っている高校時代の木村ではありませんでした。そして続く打席では右中間方向へライナーで飛んでいく長打。自分の間でバットを振れているところが良かったです。プロ3年間で大きなものを掴んでいるように感じる木村。何とか今年は支配化に上がって欲しいと思います。

 02122また、サブグランドでは、昨年育成指名を受けた佐々木健(小笠出身)が投手陣の中に入って、ノックを受けていました。佐々木の場合はとにかく体作りからになりますが、広島の練習についていくだけで自然とスケールアップするはず。まずは、元気に体を動かしている姿を見て一安心しました。
 
 その後、オリックスのキャンプ地・清武総合運動公園へ。すでに、練習は終わっていましたが、育成の比屋根彰人(飛龍出身)の後ろ姿を発見。下半身がビックリするくらいに大きくなっていて驚きました。フェリペ(御殿場西出身)とともに、1年目からアピールしてもらいたいです。(編集部・栗山)

<写真上/バットがしっかりと振れている木村聡司(広島)>
<写真下/ノックを受ける佐々木健(広島)>

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2018年2月11日 (日)

ジャイアンツカップのシニア代表決定戦が開幕!

 昨日から「ジャイアンツカップ東海地区静岡県リトルシニア代表決定戦」が始まりました。富士シニアグランドで行われた3試合を見てきました。

三島シニア5-0富士シニア
静岡裾野シニア4-0焼津シニア
富士宮シニア9-1藤枝明誠シニア(5回コールド)

02111_3 第2試合では昨秋の関東大会を制した静岡裾野シニアが4対0で焼津シニアを下しました。1年生ながら4番に座るスラッガー・岩田悠聖が先制タイムリーを含む3安打の活躍。軸のぶれないフォームで、左右両方向に長打を放つことができます。
 岩田はスイングスピードにも目を見張るものがありますが、6番の野中大雅も負けていません。第1打席に強烈な打球をライト前へ。さらに第2打席にはセンター前安打を放ちました。大柄な体で、いかにもパワーヒッタータイプ。一度見たら忘れないインパクトがありました。
 02112_2一方の焼津シニアでは、2回途中からマウンドに上がった1年生右腕・白岩大誠が印象に残りました。3回から7回までの5イニングを1失点に抑える好投。体にバネがあって腕の振りの鋭さが魅力。下半身にも粘りがあります。まだ寒くてピッチャー有利な時期と言われますが、それでも豪快な投げっぷりで強打の静岡裾野シニア打線を力で押し込んでいたのは見事でした。
 また、第1試合で登場した三島シニアは、体の大きな選手が多くてビックリしました。その体格だけでなく、雰囲気も抜群の「3番センター」の加藤大登、「4番キャッチャー」の山本和輝は1年生と聞いて、さらに驚きました。今後が楽しみです!(編集部・栗山)

<写真上/豪快なスイングの野中大雅(静岡裾野シニア)>
<写真下/リリーフで好投した白岩大誠(焼津シニア)>

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2018年2月 9日 (金)

静岡を巣立つ球児たち2018~森伊晃基編・下

 オフシーズン企画「静岡を巣立つ球児たち」。今年も「静岡高校野球」編集部が、卒業後も野球を続けることが決まっている高校3年生たちに会いに行きます。
 前回に引き続き、森伊晃基(知徳3年)編です。 「静岡を巣立つ球児たち2018~森伊晃基編・上」はコチラ

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★故障で苦しんだ2年秋
 2年夏の大会直前でヒジを故障した森伊。すぐに病院に行って検査すると、剥離骨折が見つかった。
「少し前から骨折していたようでした。でも、痛いかなという程度で我慢できていたので、それほど気にはしていなかったんです。それが、その時は折れた骨が神経にあたっていたようで…。痛くてヒジが曲がらなくなり、まともに箸も持てない状態になりました」
 夏の大会は、何とか間に合わせて3回戦の日大三島戦で3分の1イニングを投げたが、本来の球のキレを欠いていた。
 新チームとなると、本人曰く「何が何だか分からない状態」に陥る。
 球速は110キロ台まで落ち込んだ。ストレートが走らなくなると変化球も見極められて、投げても投げても相手打線につかまる。東部大会では3回戦の市立沼津戦で10失点。続く御殿場西戦は序盤につかまって敗退。県大会出場を逃した。ヒジを骨折した影響で、腕を強く振ることに対しての恐怖心が無意識に出ていた。
「自分ではビビッていないつもりですが、周りから見ると腕の振りが弱まっていたみたいでした」
 秋から冬にかけて、森伊はもがき苦しんだ。ときには、「このまま高校野球が終わってしまうのでは」というマイナス思考が頭をよぎることもあった。そんな森伊を救ったのは、初鹿文彦監督の言葉だった。
「初鹿先生から『お前は夏、活躍している姿だけを想像しろ。絶対活躍できるから』って言われて。それがすごく励みになりました」
 冬場はトレーニングと平行して黙々と一人でネットスローを繰り返した。リリースを強くすることだけをイメージした。

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3年春の東部大会準決勝で完封を飾る

★3年春に復活
 春は完全復活を果たす。準決勝の市立沼津戦ではストレートがコーナーにビシビシと決まり、10奪三振で完封。圧巻の投球を披露した。球速的にも決勝戦では最速となる136キロを表示した。 
「やっぱり、冬のトレーニングが大きかったです。土屋昇彦先生(部長)がメニューを考えてくれて、それをこなしたことで自信がつきました」
 手応えをつかんで迎えた夏の県大会、初戦の富士市立戦では「守備に助けられた」と、ベストピッチングではなかったものの、完封でスタートを切る。さらに2回戦は2失点、3回戦は1失点と、抜群の安定感で勝ち上がった。
 しかし、4回戦の掛川東戦では、初回に4連打を浴びて降板。2回以降は立ち直ったが、8回に3点を失った敗退した。
「課題としていた初回の入りがうまくできなくて。ここで終わるつもりではなかったので、悔いが残りました」

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星槎道都大に進学する右腕・渡邉匠太(左)と森伊。ともに4年後をプロ入りを狙う

★4年後のプロ入りを目指して                                          卒業後は東京国際大に進学する。2011年の大学選手権ではベスト4に進んだ東京新大学リーグの強豪だ。他の名門大学も考えたこともあったが、自分を必要してくれている熱意が決め手となった。
「一度練習会に参加したのですが、施設面が整っていて、自分の練習次第では大きく変わることができると感じ、ここで挑戦したいと思いました」
 今は1年時からの登板を目指して、投球術を磨いている。
「スピードよりは球の回転数を上げていきたいです。あと木製バットになるので、バットの芯を外していく、小さい変化球に取り組んでいます。チェンジアップとスプリットは持っているので、小さい変化があれば、球種に幅が出ると思います」
 目標は4年後にプロ入りすること。そのために、全国大会に出てアピールしたいと誓う。
 最後に現役球児へのメッセージを聞いた。
「自分はケガに苦しんだので、ケガをしない体を作ったり、ケアをしっかりとやってほしいです。悔いの残らないような日々を過ごして頑張って下さい」
 森伊は高校3年間で一番苦しかったのは2年秋から冬にかけての時期だったという。故障で苦しんだ森伊だからこそのメッセージだった。

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初鹿文彦監督からの贈る言葉

誰にも負けない心を持っている子です。どこに出しても恥ずかしくありません。試合で勝てなくて、苦しんだ時期もありました。そんな中でも腐らずにひたむきに取り組む姿を見て、「なんで野球の神様はコイツを勝たせてくれないんだろう」と思ったこともありました。この経験が必ず将来に生きると信じています。

■森伊晃基[もりい・こうき]投手/知徳3年/167cm70Kg/左投左打
1999年6月23日生まれ、大阪府寝屋川市出身。小学1年時に「神田スコーピオン」で野球を始める。中学時代は「大阪球道」に所属。知徳入学後、1年春からベンチ入り。2年秋からエースとなる。最速136キロのストレートにはキレ味があり、多彩な変化球も操る。卒業後は東京国際大に進学する。

 「知徳に来て、初鹿先生と『人柄野球』ができて本当に良かった」と語ってくれた森伊。大学でも、みんなから愛される人間になって下さい。次回は天竜・日高純平編、お楽しみに!

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2018年2月 6日 (火)

ヤマハの新人会見が行われました!

 本日、浜松市内のヤマハ本社にて、本年度のヤマハ野球部新規加入選手の発表会見が行われました。今年は「投手と右の長距離砲」という補強ポイントにピッタリと一致した選手が加入。4選手ともに、前のステージからドラフト候補として挙がっていた注目選手たちです。新人選手、美甘将弘監督のコメントを紹介します!(編集部・栗山)

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<写真/左から笠松悠哉、水野匡貴、池谷蒼大、緒方太地>

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◆笠松悠哉(内野手/180cm77Kg/右投右打/大阪桐蔭~立教大/背番号3)

1995年9月28日生まれ、 大阪府出身。高校時代は2年春から4季連続で甲子園に出場。2年時には甲子園で3本塁打を放ち、春夏連覇に貢献する。大学入学後、2年春からレギュラー。4年春にはベストナインを獲得し、リーグ優勝。大学選手権では日本一を果たす。

本人のコメント
「パワフルな打撃がウリですので、そこを見てもらいたい。調子の波を減らし、1年目から力を発揮していきたい」

美甘監督のコメント
「右の長距離砲として期待している。ただ、ウチの内野陣も厚いので、自力でレギュラーを奪ってほしい。高校、大学と日本一を経験している選手。持っている選手だと感じている」

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◆水野匡貴(投手/183cm83Kg/右投右打/静岡高~明治大/背番号18)

1995年10月2日生まれ、静岡県出身。静岡高時代は3年春に145キロをマークし、プロから注目を浴びる。明治大では1年秋からリーグ戦で登板。その後、苦しんだ時期もあったが、4年秋にブレイク。立教大戦では140キロ台後半のストレートに加えて、フォークも冴え渡り、13奪三振をマークした。

本人のコメント
「力強いボールで相手に向かっていきたい。ヤマハの日本一に貢献できるように頑張ります」

美甘監督のコメント
「ものすごく真面目な選手。『打てるもんなら打ってみろ』という気持ちが前面に出てきたら面白いでしょう」

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◆池谷蒼大(投手/174cm77Kg/左投左打/静岡高/背番号14)

1999年8月2日生まれ、静岡県出身。静岡高では1年秋からベンチ入り。2年秋の途中からエースとなり、チームを東海大会優勝に導く。3年春のセンバツ大会では大阪桐蔭相手に力投を見せる。3年夏は県準決勝敗退。バランスのいいフォームから最速144キロのストレートを投げ込む。

本人のコメント
「高卒らしく、元気のいいプレーでチームに貢献していきたい。今は軽く遠投している程度ですが、来週からの草薙キャンプでは立ち投げができるまでもっていきたい」

美甘監督のコメント
「まずは体を作ることからでしょう。ただ、左投手なので、1年目から良ければチャンスはあると思う」

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◆緒方太地(投手/185cm84Kg/右投右打/福岡工~沖データコンピュータ教育学院/背番号17)

1996年生まれ、12月2日生まれ、福岡県出身。高校時代は3年春まで野手。夏の大会ではマウンドに上がり、143キロをマークする。沖データコンピュータ専門学校では3年時に都市対抗2次予選で2試合に先発。企業チーム相手に、計16イニングを投げて3失点の好投を見せた。最速149キロを誇る本格派右腕。

本人のコメント
「勝負所での気持ちの強さをアピールしていきたい。ヤマハは一昨年の日本選手権での優勝を見て、憧れを持っていた。1年目からチームに貢献できるように、日々の練習に取り組んでいきたい」

美甘監督コメント
「まだ21歳と若く、将来性がある選手。真っすぐにキレがあり、フォークもいい。都市対抗予選の経験も持っているので、先発になるか、リリーフになるか、見極めながら起用していきたい」

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2018年2月 5日 (月)

チャレンジマッチ 小笠浜岡シニアvs大津北シニア

 高校野球の練習試合解禁は3月8日と少し先ですが、中学野球はすでに練習試合が活発に行われています。
 早速、土曜日はシニアリーグの交流戦へ。全国各地から強豪チームが集まる毎年恒例のチャレンジマッチを見てきました。

02051 浜岡球場では地元の小笠浜岡シニアが大津北シニアと対戦しました。
 小笠浜岡シニアの先発投手は左腕の小林輝。序盤はコントロールにバラつきがあって4点を奪われましたが、3回以降は力強いストレートで相手打線を苦しめました。ヒジに柔らかさがあり、落差のある変化球が良かったです。小林は打っても3番打者。タイミングの取り方がうまく、スイングもシャープでした。戸塚真二監督によると、小学生時代はソフトボールをプレーし、本格的に野球を始めたのが中学生になってからとのこと。今後の成長が楽しみです。 
 また、「4番ショート」の井上翔は大柄の選手で、バットが振れる選手。第1打席に放ったレフトオーバーの二塁打は驚きました。右の強打者に育って欲しいです。

 2月の週末は軟式、シニア、ボーイズの公式戦が目白押し。逸材を探しにいろいろなグランドに足を運び、このブログでレポートしたいと思います。(編集部・栗山)

<写真/腕の振りが魅力的な小林輝(小笠浜岡シニア)>

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2018年2月 3日 (土)

「静岡高校野球」愛知県内での販売について

02111 「静岡高校野球2018早春号」の愛知県内での発売が決まりました。
 今回、鈴木翔太投手(中日)が表紙を飾っていることもあり、JR名古屋駅に直結する「タカシマヤ ゲートタワーモール」の8階、三省堂名古屋本店でも扱っていただけることになりました。来週から店頭に並ぶ予定です。ご利用していただけると嬉しいです!

★三省堂名古屋本店 https://www.books-sanseido.co.jp/shop/nagoya/

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2018年2月 2日 (金)

静岡を巣立つ球児たち2018~森伊晃基編・上

 「静岡高校野球2018早春号」が発売となり、編集部では卒業後も野球を続けることが決まっている高校3年生たちに会いに行っています。
 第1回は1年春から公式戦のマウンドに上がり、好左腕として注目を浴びた森伊晃基(知徳)です。卒業後は東京国際大に進学する森伊のインタビューを2回にわたってお届けします。

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静岡を巣立つ球児たち2018~森伊晃基編・上

★人間性を磨いた中学時代
 そのデビューは衝撃的だった。
 2015年春の県大会、1年生左腕・森伊晃基は甲子園帰りの静岡高・内山竣(現明治大)から三振を奪った。
「ツーストライクスリーボールから、最後はスライダーでした」
 小柄ながら、体全体を使ったバランスのいいフォーム。何より、1年生とは思えない豪快な腕の振りと度胸の良さが魅力だった。「いい左ピッチャーが出てきた」と、スタンドは色めき立った。       

02021

これまでの野球人生を振り返る森伊(知徳)

 森伊は大阪府寝屋川市に生まれる。幼い頃は体が弱く、体力をつける目的で4歳から水泳教室に通った。野球を始めたのは小学1年生の時。野球好きの祖父の影響で少年野球チーム「神田スコーピオン」に入団した。
 左利きということもあり、すぐにピッチャーを命じられた。すると、入団してまもなく、4年生以下の試合でマウンドに上がった。
「その時は、あまりルールも分かっていなかったので、気にはしていなかったのですが…。あとから考えると、すごいことをしてしまったって思いました」
 森伊がいう「すごいこと」とは三者連続死球。状況がつかめないまま、マウンドを降りた。
 その後、森伊は投げ方の基礎をチームの指導者から学んでいく。右足を上げた時に間を作ること、上から投げることなど、投球スタイルの基盤をこの時期に培った。
「チームに入るまでキャッチボールすらやったことがなかったので、投げ方の基本を身につけた6年間でした」
 6年時にはエースとなり、四条畷市の大会でベスト4まで勝ち進んだ。
 中学は自宅から自転車で30分の距離にグランドがあった「大阪球道」(ヤングリーグ)に入団。全国大会出場は叶わなかったが、小西昭範監督の下で「人間性を学んだ3年間だった」と振り返る。
「『高校野球で活躍できるように』という指導でした。技術的なことはあまり言われず、練習態度や私生活のことをよく言われていた印象があります。あとは、トレーニングをかなりやりました。アップしたあとに、サーキットトレーニングがあって、腹筋、背筋を鍛えました」
 高校は「野球で勝負したい」と、寮生活が可能な学校を求めていた。そんな時、話があったのが知徳だった。森伊を指導した小西監督は日本航空(山梨)出身。高校時代の恩師が知徳・初鹿文彦監督だった。
 森伊は中学2年冬に知徳の練習を見学。その雰囲気の良さに感激し、即入学を決断したという。

02022

1年夏の県大会準々決勝では2番手として登板する

★1年冬に球速アップ
 知徳に入学すると、2学年上に村中克晃、1学年上に平林萌(ともに現星槎道都大)がいたが、春からベンチ入り。前述のように、県大会の静岡高戦で初登板した。
「僕の中で、静岡のチームと言えば、常葉菊川でした。その頃は静高がどんなチームか知らなかったんです。周りは『静高はすごい』って言っていましたが、自分は何も分からなくて。だから、意識することなく思い切っていけたのかもしれません」
 そして、夏の大会は背番号20をつけ、ベンチから「熱きエース」と呼ばれた村中の熱投を見守った。
「自分があの場所に立っていたらと考えると、村中さんはすごいと思いました。自分も投げたいという思いはありましたが、やっぱり、あの人に勝てないなっていう…」
 寮では村中と同部屋で過ごした森伊。自分と比べて、普段の生活から意識が違っていたという。
 「村中さんのすごいところは、自分のしっかりとしたルーティンがあるところです。練習から帰ってきたら、洗濯して、ご飯を食べて、また練習するっていう流れが決まっていて。自分の考えている通りに動いていく。夏の大会中も、誰よりも先にグランドに出て、走っていて。ここまでやらないと、あそこまでいけないのかと感じました」
 知徳は、村中の快投で優勝候補の常葉菊川を撃破すると、準々決勝の磐田南戦は延長15回再試合に。再試合の初回、2死一三塁というピンチの場面で出番はやってくる。夏は初登板だった。
 初球が大きく高めに抜けると、2球目が甘く入った。レフト前安打を浴び、結局、この1点が決勝点となってチームは敗れた。
「悔しかったです。先輩たちに申し訳ないという気持ちでいっぱいで。まだまだボールが遅くて、対応されてしまっていた。全体的にレベルアップしないとダメだと思いました」
 そこから森伊は練習で自分を追い込んでいく。冬の期間で上半身と下半身のトレーニングに励み、体重も10キロ増やした。春先になると、球質が変わっていた。秋までの最速は118キロだったが、約15キロアップし、130キロを超えてきた。
 順調な成長曲線を描いていた。
 ところが――。
 夏の大会を一ケ月後に控えた練習試合での出来事だった。
 リリーフでマウンドに上がった成立学園戦(東京)の8回、ヒジに猛烈な痛みが走った。「ピキッ」という初めての感覚だった。ここから森伊の苦悩が始まる。

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「静岡を巣立つ球児たち2018~森伊晃基編・下」は近日中に更新します!

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