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2018年3月

2018年3月31日 (土)

東部、西部で県大会出場校が決定!

春季高校野球は東部地区、西部地区で県大会出場校が決定しました。

<東部地区>
韮山(5年ぶり14度目)/飛龍(2年連続24度目)/知徳(6年連続18度目)/吉原(初出場)/市立沼津(2年連続19度目)/日大三島(2年ぶり26度目)/桐陽(2年連続9度目)/御殿場西(4年ぶり15度目)

<西部地区>
常葉大菊川(3年連続25度目)/袋井商(9年ぶり3度目)/聖隷クリストファー(2年ぶり7度目)/小笠(11年ぶり5度目)/菊川南陵(2年ぶり5度目)/掛川西(5年連続41度目)/磐田東(2年連続9度目)/浜名(3年ぶり18度目)

 03311東部地区では、吉原が県大会初出場を果たしました。背番号5の保田悠翔が伊東商打線をわずか2安打に抑えて完封。13三振を奪いました。特に、初回の先頭打者から4者連続三振は圧巻でした。
 中学時代に投手経験はあるものの、右ヒジの故障で野手希望で高校に入学したという保田。それでも影山貴司監督がその資質を見抜き、再び投手へ。腕の位置をスリークオーターにして、特徴のある右腕に変身しました。スピード感のあるフォームでタイミングを合わせづらく、球威も十分。初対戦では対応が難しい投手です。
 今年の吉原は本格派タイプの小林諒也、そして変則タイプの保田の2本柱に安定感があり、攻撃面もソツがありません。県大会でも台風の目になる可能性があるでしょう。
 
 03312また、桐陽がシードの加藤学園を下し、2年連続の県大会出場を決めました。チームを勝利に導いたのはエースの武藤大樹。パワー系の投手で、最速136キロの力強いストレートを武器に、攻めの投球を展開しました。柴田泰之監督によると、昨秋まではキャッチャーミット手前で垂れ気味だった球が、一冬を越えてグッと伸びるようになったそうです。実際、今日も低目のギリギリのコースを打者が見逃してストライクというケースがありました。ストレートが伸びている証でしょう。「夏までに140キロは出したいんです」という武藤。球速を上げて、ガンガンとアピールしてほしいです。(編集部・栗山)

<写真上/13奪三振の保田悠翔(吉原)>
<写真下/県大会出場を決め、ガッツポーズを見せる武藤大樹(桐陽)>

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2018年3月28日 (水)

春季東部地区大会4日目(3月28日)~富士球場レポート

<富士球場>
吉原 6 - 5 富士宮北(延長14回)※13回よりタイブレーク採用
富士市立 2 - 1 三島南

03281_2 第1試合の吉原と富士宮北は新チームになってから3度目の対戦となりました。
 昨秋の東部大会では吉原が7対2で勝利して県大会出場を決めれば、11月の三村杯の決勝では富士宮北が13対2で圧勝。1勝1敗で今回の対決となりました。
 試合は、どちらも負けられない意地と意地のぶつかり合いに。吉原の1点リードで迎えた9回裏、富士宮北は土壇場で同点に追いつき、延長戦へ。そして10回以降も決着がつかず、13回からタイブレークに突入しました。無死一二塁、12回までの打順を引き継ぐ継続打順で行われるタイブレーク。今回の方式になってから、県内では初のケースとなりました。
 13回は両チームともに、無得点。14回は富士宮北が1点を挙げたのの、その裏、吉原が2点を挙げて試合を決めました。

03282 第2試合も、好ゲームとなりました。富士市立は5回に1番・福井航太朗のタイムリーで1点を先制。続く6回には6番・加藤佑希のタイムリーで追加点を挙げます。投げては瀧大和が丁寧に低めをつく投球で1失点完投しました。
 一方の三島南では、1年夏からレギュラーの4番・植松鳳太が目を引く存在でした。今日はライト前安打2本。スイングが速く、右中間に猛烈なライナー性の打球を飛ばしていました。まだ新2年生だけに、これからの成長が楽しみです。(編集部・栗山)

<写真上/タイブレークを制し、喜ぶ吉原ナイン>
<写真下/春県ベスト16の三島南を1失点に抑えた瀧大和(富士市立)>
 

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2018年3月27日 (火)

春季西部地区大会3日目&4日目レポート

 一昨日と今日と2日間に渡り、西部地区大会の2回戦を見てきました。

<25日浜松球場>
浜松市立 6 - 0 浜松江之島
浜松西 1 - 0 浜松学院

<27日磐田球場>
聖隷クリストファー 1- 0 袋井
磐田東 7 - 3 浜松北

03271 25日は浜松球場へ。第1試合は浜松市立の左腕・増山翔也が7回を投げて10奪三振、無失点に抑えました。浜松市立の左といえば、2学年先輩の井内駿佑が印象に残っていますが、「もうワンランク上の左腕かも」と、その投球に引き込まれました。水谷裕士監督によると、昨秋まではコントロールに苦しみ、1試合で10個以上の四球を出すことが当たり前だったそうですが、冬場のトレーニングで下半身が安定。コントロールが良くなっただけでなく、球速がグングンと上がり、最速137キロをマークしたそうです。次戦は県大会出場をかけて常葉大菊川と対戦。赤丸急上昇中の左腕と、県屈指の強力打線との対決は注目です。
 続く第2試合は、浜松西が投手戦を制して、3回戦進出を決めました。昨秋の浜松市内大会での好投で「自信をつけた」という本格派右腕の鈴木康太が7回まで無失点。そして、8、9回は平野駿が気持ちのこもった投球でピシャリと抑え、完封リレーを飾りました。

 今日は磐田球場へ。第1試合の袋井対聖隷クリストファーは緊張感のある試合でした。序盤は袋井のペースで進み、毎回、得点圏にランナーを進めます。3回には無死満塁のチャンス。しかし、ここで聖隷クリストファーは、トリプルプレーを完成させます。すると、聖隷クリストファーは6回に1点を先制。投げては長身右腕の小杉康介が相手の打ち気を交わす投球で最後まで投げ切り、完封しました。試合後、聖隷クリストファーの上村敏正監督は「たまたま勝っただけ。まだまだです」と首をかしげていましたが、少しずつ頭とハートを使う野球が徹底されてきている様子。春先には健大高崎(群馬)や愛工大名電(愛知)などの強豪とも練習試合を行って経験を積んできたとのこと。試合を重ねるごとに力をつけている感じがしました。
 一方の袋井は、左腕の久留島誠紀が1失点完投。キレのいいストレートをコースに投げ分け、安定感がありました。今日の悔しさをバネに、「夏に勝てる投手」へ成長してほしいです。
 03272第2試合は、磐田東が逆転勝ちを収めました。1対3で迎えた8回に、3番・武内勇賢の2点タイムリーで同点。9回には1番・八木拓真のタイムリーで勝ち越しました。今年の磐田東は一味違います。高いポテンシャルを持っているのはもちろん、粘り強さがあります。リードを許しても諦めることなく、選手間で「何とかしてやろう」という姿勢が見えるチームです。夏のダークホースになる可能性はあるでしょう。(編集部・栗山)

<写真上/「夏は常時140キロを出したい」という増山翔也(浜松市立)>
<写真/9回に勝ち越しタイムリーを放つ、ガッツポーズを見せる八木拓真(磐田東)>

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2018年3月25日 (日)

春季東部地区大会2日目(3月24日)~裾野球場レポート

 昨日も裾野球場で東部地区大会を取材しました。

<裾野球場>
知徳 7 - 0 裾野(7回コールド)
飛龍 9 - 0 南伊豆(7回コールド)
三島北 14 - 0 沼津高専(5回コールド)

03251 第1試合の試合中、知徳のブルペンで投げている一人の投手に釘付けとなりました。新2年生右腕の栗田和斗です。185センチの長身で、腕の振りもしなやか。肩周りが柔らかく、フォームのバランスもいい。思わず、一塁側のブルペン近くまで見に行ってしまったほどで、「これは間違いないぞ」と、テンションが上がりました。
 マウンドに上がったのは7回でした。2つの四球を出しましたが、最後は併殺で無失点に抑えました。岳陽中時代は捕手。初鹿文彦監督によると、高校入学後、本格的に投手を始め、メキメキと伸びているそうです。現在の最速は135キロとのことですが、すぐでも140キロを超えていきそうなポテンシャルがあります。今年の知徳は、佐藤翔、小船歩の2本柱に加え、この日、好投を見せた播磨仙一も控えます。それだけに、この夏すぐの活躍はないかもしれませんが、秋以降は注目されること間違いないでしょう。
 2試合目は、昨秋東部王者の飛龍が登場。この日は、エース・岡田周人を温存しましたが、3番手で登板した長身左腕の佐伯楓斗が気になりました。こちらも新2年生。腕の振りが良かったので、これから体が出来上がるのを待ちたいです。(編集部・栗山)

<写真/栗田和斗(知徳)>

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2018年3月23日 (金)

春季東部地区大会1日目(3月23日)~裾野球場レポート

 センバツ大会が開幕した本日、県内では春季高校野球地区大会が始まりました。まずは裾野球場に向かい、東部地区の2試合を見てきました。

<裾野球場>
御殿場 6 - 5 小山
富士 4 - 2 伊東

 03231第1試合は、御殿場が逆転勝ちで初戦を突破しました。4点を追う6回、5番・田村亘のタイムリー三塁打などで同点に。1点ビハインドで迎えた9回は二死からチャンスを作り、内野安打と押し出し四球で2点を勝ち越しました。投げては先発・千葉遥翔の粘りの投球が光りました。
 一方の小山は19年間チームを指揮した富田稔監督が、4月1日より裾野への異動。敗退すると、この日がラスト采配となるゲーム03232でした。試合後、富田監督は「そのことが選手の頭にあって、9回はプレッシャーになったのかな…。夏はもっとプレッシャーがかかる。この経験を生かしてほしい」と、教え子の成長を期待しながら球場を後にしました。今年の小山は、全選手が下から上に振り上げる豪快なスイングを見せます。「打の小山」が夏までにどう進化するのか楽しみです。

03233  第2試合は富士の新2年生右腕・渡邉瑛介が終始、安定した投球で完投しました。大会前の練習試合では、富士学苑(山梨)相手にも好投していたとのこと。ストレートに伸びがあり、投げっぷりが良かったです。また、同じ新2年生では、「5番レフト」の井出椋太が7回にライト前タイムリーを放つ活躍。静岡裾野シニア時代は中核を担った選手で、あらためて能力の高さが印象に残りました。今後も注目していきます!(編集部・栗山)

<写真上/6回に右中間方向へタイムリー三塁打を放った田村亘(御殿場)>
<写真中/少人数ながら、毎年特徴のある好チームを作り上げた富田稔監督(小山)>
<写真下/2失点完投の渡邉瑛介(富士)>

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2018年3月22日 (木)

富士高出身の田中友基(福岡大)がレギュラー獲りへアピール!

 先日、福岡大でプレーする富士高出身の田中友基(新4年)に会ってきました。

03221_2  高校時代は強肩強打の捕手として活躍。チームの司令塔として、2年秋には東部大会優勝に導きました。『静岡高校野球2014』の「注目選手名鑑」でも紹介した選手です。
 大学は「静岡を離れて勝負したかった」と強豪・福岡大へ。しかし、部員は100人を超える大所帯。一般入試で入った田中にはなかなかチャンスは回ってきませんでした。
 それでも田中は諦めることなく、積極的に出場機会をうかがっていきます。「とにかく目立つしかない」と考え、2つのことを実践。一つは誰よりも声を出すこと。もう一つは、体を大きくしてパワーをアピールすることでした。2年時から全体練習とは別に週4日から5日ほどトレーニングジムに通い、体力面を強化。胸板が明らかに膨らみを増し、体重は80キロから89キロへ。飛躍的に体が大きくなった。
 03222すると、首脳陣の目に留まり、ついに3年春からベンチ入り。ムードメーカー的な役割を担ってリーグ優勝に貢献し、大学選手権でもベンチに入りました。
 いよいよ大学ラストシーズンを迎える今季。まずは、リーグ戦での初出場を目指します。
 「まだ一度も公式戦では出場がないので、そこは叶えたいです。いざという時に結果を残すために、準備はしています」
 卒業後は社会人野球でのプレーも見据えているという田中。下から這い上がってきた屈強な男に今後も注目です!(編集部・栗山)

<写真/富士高時代の田中友基>

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2018年3月19日 (月)

静岡を巣立つ球児たち2018~小川慶太編・下

 オフシーズン企画「静岡を巣立つ球児たち」。今年も「静岡高校野球」編集部が、卒業後も野球を続けることが決まっている高校3年生たちに会いに行きます。
 前回に引き続き、小川慶太(浜松西卒)編です。 「静岡を巣立つ球児たち2018~小川慶太編・上」はコチラ

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★1日8時間以上の勉強で合格を勝ち取る
 高校3年夏は4回戦で常葉菊川に敗れる。先発のマウンドに上がった小川は2回まで強力打線を無失点に抑えたが、3回に6点を与えた。

 03191夏の大会後、進学先を慶應義塾大一本に絞り、机に向かった。
「慶應は考える野球で、チーム全員で勝利を目指していく。高校の時も佐藤先生から、そういう野球を教わって、慶應に憧れました」
 だが、現役では合格ラインに到達することはできなかった。
「壁は高かったという感じですね。自分の実力じゃ、まだまだだって、現役の頃は思いました」
 だが、小川は他の大学を考えることは一切なかった。1年間野球のプレーができなくても、迷うことなく、一浪することを決意する。
 この1年間は学習塾に通い詰め、1日8時間から10時間の猛勉強に励んだ。
「とにかく慶應のユニフォームを着て、早慶戦に出たい。それだけを思って勉強しました」
 そして先月23日、合格を勝ち取った。すぐに交流のあった慶應義塾大・林卓史助監督に報告すると、「ゆっくりでいいから体を動かすように」と指示を受けたという。
 1年間、体を動かしていなかったこともあり、体重は102キロまで増量した。現役時代の体重は86キロ。まずは歩きながら、体を絞ることからスタートした。今は浜松西のグランドを借り、徐々にランニングやスイングで感覚を取り戻している。

★大学でもフルスイングにこだわる
 大学では高校時代と同じ、二塁手で勝負する。慶應義塾大の二塁手と言えば、昨年まで高校の先輩、倉田直幸が守っていたポジションだ。
03192「僕も倉田さんのように、できるだけで早く試合に出て、チームに貢献したいという思いだけです」
 ゆくゆくは高校教師になり、野球を指導したいという夢も持っている。一方で、右の大型スラッガーとしてプロを狙える逸材だ。
「先のことは分かりませんが、大学でもフルスイングは崩さずにやっていきたい。それが自分の強みなので、そこだけは変えたくありません」
 最後に高校球児へのメッセージを聞いた。
「野球をやっている時期は野球に打ち込んで、そこで完全燃焼してほしいです。そこで完全燃焼しないと、その後の勉強にも結びつかないと思います」
 大柄な体格に加え、運動能力も高い小川。まずは破格力のある打撃をアピールして、リーグ戦出場を目指していく。 

<写真上/高校3年夏は7打席連続安打を記録>
<写真下/大学での活躍を誓う小川>

佐藤光監督からの贈る言葉

浪人までして合格を果たしたのは、すごく立派なことです。浪人した選手が活躍するのが慶應義塾大の強さ。小川も「フォア・ザ・チーム」の精神を忘れずに、頑張ってもらいたいです。将来はクリーナップを打てる可能性があると思います。

■小川慶太[おがわ・けいた]内野手/浜松西卒/185cm102Kg/右投右打
1998年4月15日生まれ、静岡県浜松市出身。小学1年時にソフトボールを始め、5年時から「浜松リトル」でプレーする。中学時代は「浜松シニア」に所属。浜松西では1年夏からレギュラーとなり、2年秋は内野手兼投手として県ベスト16入りに貢献。3年夏は7打席連続安打をマークした。高校通算21本塁打。一浪の末、慶應義塾大に進学する。

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 佐藤監督によると、小川は今年も不合格なら、二浪も覚悟していたとのことです。何としても慶應義塾大でプレーしたいという思いは、これからの4年間の財産となるはずです。慶應義塾大は小川の同学年の村田大輔(磐田南出身)がメキメキと力をつけているという情報もあって楽しみ。静岡県出身の2人でレギュラー争いをしてくれたら嬉しいです。
 今回で『静岡を巣立つ球児たち2018』は最終回となります。みなさんの全国での活躍を期待しています!

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2018年3月18日 (日)

湖西・水野喬日がプロ9球団のスカウトを前に登板!

★3月17日 練習試合 湖西球場   

 チーム
湖西 2 0 0 1 0 0 0 1 2 6
県岐阜商 2 0 1 0 0 1 0 0 × 4


 03181_3昨日は湖西・水野喬日を目当てに、プロ9球団11人のスカウトが湖西球場に集結しました。    
 相手は名将・鍛治舎巧監督が就任した県岐阜商。10日の練習試合では最速となる144キロをマークしたという水野。強豪相手にどんなピッチングを見せるのか注目が集まりました。

 ネット裏にスカウト陣がずらりと並び、意識するなと言っても難しいでしょう。初回、2番打者に四球を許すと、続く3番打者、4番打者に連続タイムリーを浴びて、2点を許します。
 その後はランナーを許しながらも、130キロ台後半のストレートに、チェンジアップを絡ませて要所を締める投球。当初、5回あたりでマウンドを降りるのかなと予想していたのですが、後半になっても代わる様子がありません。すると、9回は一段階ギアを上げて、この日最速となる141キロを叩きだします。
 9回を投げ切り、被安打7、失点4、奪三振6。試合後、「今日は投げ切りたかったんです」と、志願しての完投だったと打ち明けてくれました。
 僕が水野を見たのは昨年11月以来。一冬を越してフォームに力強さが増した印象です。特にリリースからフォロースルーにかけて迫力が出て、投げっぷりが良くなっています。しっかりと真っすぐで空振りがとれていたのも、本人にとって収穫だったのではないでしょうか。「オフはフォームを安定させることを意識してきました。ここまでは順調にきています」という水野。春から夏にかけて、ますます注目度はアップしそうです!

 03182試合は湖西が県岐阜商相手に勝利。4対4で迎えた9回、1番・渡邉凛多朗がソロ本塁打を放ちました。インコースのスライダーをライトポール際にもっていた技ありの一打。スカウト陣からも「上手く打った」と称賛の声が聞こえました。この日の渡邉は3打数2安打3盗塁。四球も2つ選びました。50メートル6秒2の俊足の持ち主。2回にはレフト前安打のあと、2球で二盗、三盗を決めました。
 さらに強肩捕手の外山敢大も9回にタイムリー二塁打を放つ活躍。今年の湖西は水野だけじゃありません。(編集部・栗山)

<写真/水野喬日(上)、渡邉凛多朗(下)>

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2018年3月15日 (木)

プロ注目・山崎智也(静岡大)が福井工大戦で登板!

★3月15日 オープン戦 西ヶ谷球場   

 チーム
福井工大 0 1 2 0 0 0 0 1 0 4
静岡大 3 0 0 0 0 0 2 0 × 5

(福)斉藤、進納、辻、三宅、宇野-宮石、小川
(静)山崎、宮島、足立、神田-植松

▽二塁打=東川(福)坂井(静)
▽三塁打=玉川、小柳(福)
 
03151 今日は静岡大が、全国大会の常連・福井工大を迎えてオープン戦を行いました。
 静岡大の先発はドラフト候補の山崎智也。ネット裏ではプロ4球団のスカウトが投球を見守りました。
 序盤は「イメージ通りではなかった」と、球にバラつきがあり、計3失点。それでも4回から修正し、6回を5安打3失点にまとめました。
 今日のストレートの最速は143キロ。常時130キロ台後半をマークし、指にかかった時は低めの球が伸びていました。体の柔らかさとバネを感じるフォームで、まだまだ球速は上がっていきそうな雰囲気。ゲームを作る能力も出てきました。試合後、「今日はスカウトの方が多くて気持ちが先走ってしまった」と反省するも、まずは順調に仕上がっているようで安心しました。
 リーグ戦開幕まで残りは2週間。「他にもいいピッチャーがいるので、みんなで頑張って全国に行きたい」という山崎。今年の静岡大は、山崎以外にも竹内武司和田凌芽浮橋遼太が、軒並み140キロを超える快速球を投げているとのこと。静岡大の140キロ超カルテットは要注目です!(編集部・栗山)

<写真/順調な仕上がりを見せる山崎智也(静岡大)>

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2018年3月14日 (水)

静岡を巣立つ球児たち2018~小川慶太編・上

 6年目を迎えたオフ企画、「静岡を巣立つ球児たち」。「静岡高校野球」編集部が卒業後も野球を続けることが決まっている高校3年生たちに会いに行きます。今年の最終回は、高校3年生ではありませんが、一浪の末に、慶應義塾大合格を果たした小川慶太(浜松西卒)のインタビューを2回に渡ってお届けします。

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静岡を巣立つ球児たち2018~小川慶太編・上

 ★佐藤監督との出会い
 小川は、かつてヤマハでプレーした父・泰生氏と、幼稚園の頃からキャッチボールを始める。小学1年時になり、地元のソフトボールチームに入団。5年生から「浜松リトル」でプレーした。
 03141浜松西中等部時代は「浜松シニア」に所属。最終学年ではサードのレギュラーを務めた。
「シニアではコーチ陣から野球の技術だけじゃなく、コミュニケーションの大事さを学びました。挨拶や先輩に対する接し方とか。そういったところは高校で生きました」
 高校は「文武両道で自分に合っていると思った」と、迷うことなく浜松西に進む。
 入学と同時に赴任したのが、慶應義塾大出身の佐藤光監督だった。小川は「佐藤監督と出会わなかったら、大学で野球を続けようと思わなかったし、その後の自分はなかった」と語る。
「佐藤先生から慶應の野球はこうなんだと教えてもらって。それがすごく魅力的でした。技術的にはバッティングが大きく変わりました。1年から2年の頃は新発見の連続でした」
 佐藤監督の打撃理論を実践すると、徐々に逆方向への強い打球が増えていった。また、チームとしてスイングスピードを上げていく中で、小川は3年時にプロ野球選手並みの157キロを叩きだす。一般的な高校生の速さは125キロ前後。高校生離れした力強いスイングを手に入れ、県屈指の強打者へと進化していく。
 
★早慶戦を目に焼きつけ、夏の大会へ
 高校3年生となり、1ヶ月が経過した頃だった。小川はスライディングした時にスパイクの刃が地面に引っかかり、足首を捻挫する。夏の大会まで2ヶ月を切っていた。周りのメンバーは大会に向かって気持ちを昂らせる時期。小川は思うような練習ができず、焦りが募っていく。
 転機は、佐藤監督からの一言だった。
「練習はいいから、神宮に行って早慶戦を見て来い」
 6月上旬、小川は東京六大学リーグの早稲田大対慶應義塾大の試合を見るために、神宮球場に向かった。
 大観衆に沸く球場で、高校の先輩・倉田直幸がプレーし、岩見雅紀 (現楽天)の本塁打も目にした。
「いつか自分もここでプレーしたい」
 気分を一新した小川は、そこから状態を上げていく。
 高校3年夏は評判通りの大活躍を見せた。
 1回戦は第1打席の初球を豪快に振り抜き、レフト方向へ特大ファウル。すると、続く2球目は右方向へ弾き返して二塁打に。さらに2打席目と3打席目はレフト前安打、4打席目はセンターフェンス直撃の三塁打を放った。 
 2回戦も第1打席から第3打席まで連続安打。初戦から7打席連続安打を記録した。

<写真/浜松シニア時代の小川慶太>

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「静岡を巣立つ球児たち2018~小川慶太編・下」は近日中に更新します!   

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2018年3月11日 (日)

掛川西・川合勇気が今季初登板で快投!

 今日は掛川西グランドへ。センバツ大会に出場する近江(滋賀)との練習試合を見てきました。

 03111掛川西はプロ注目の川合勇気が今季初登板。立ち上がり、相手の2番打者に二塁打を浴びたものの、3番打者と4番打者から連続三振を奪います。その後はほぼ完ぺきな投球。ストレート中心の組み立てで、ゾクゾクとさせる力強いピッチングを展開してくれました。6回を投げて2安打無失点、7奪三振の快投。ストレートは最速で139キロを計測しました。
 印象的だったのは3回。相手の大柄な4番打者に対して、高めのストレートで空振り三振をとります。「昨年まではバットにあてられることがあったストレートが、今日は空振りがとれたことが良かった」と本人も自信を掴んだ様子。昨秋よりもベース上での伸びがアップしている印象でした。
 オフに、ストレートの球速を上げる目的で、足を速くすることに取り組んだという川合。50メートルのタイムが6秒7から6秒4になったことで、投球にもいい影響が出ていると言います。春から夏にかけての目標は140キロ台中盤を出すこと。まだまだ底知れぬパワーを秘めるだけに、期待したくなります。(編集部・栗山)

<写真/近江相手に快投を見せた川合勇気(掛川西)>

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2018年3月10日 (土)

常葉大菊川が好スタートを切る!

 いよいよ、高校野球の練習試合が解禁となりました。
 今日は常葉大菊川が愛知啓成、敦賀気比(福井)と練習試合を行うということで、愛知まで遠征してきました。結果は以下のように、2試合ともに常葉大菊川が快勝。選抜を逃した悔しさをバネに一回り、パワーアップしていました。

<第1試合>常葉大菊川 7-5 愛知啓成
<第2試合>常葉大菊川 16-2 敦賀気比(7回コールド)

 03101常葉大菊川にまた一人、楽しみな投手が現れました。昨秋は野手で出場した榛村大吾です。今日は第1試合に先発し、6回を投げて3失点。初回と5回に得点を許しましたが、十分にゲームを作りました。右打者の内角にスバっと決まるストレートにはキレがあり、曲がり幅の大きいスライダーも魅力。「ここまで良くなったのか」と驚きました。強気に攻める姿勢やマウンドでの仕草がどことなく、先輩の田中健二朗(現横浜DeNA)に似ているなという印象。腕の振りの鋭さも、彷彿させるものがありました。今日のストレートの最速は130キロ。もう少し暖かくなって球速が上がってくれば、手がつけられない投手になりそうです。高橋利和監督も「冬に成長した一人で春が楽しみ」と期待する左腕。昨秋は漢人友也が一人で投げ抜いただけに、榛村の台頭はチームにとってかなり大きいと思います。
 一方の漢人は2試合目に先発。3回を2安打1失点にまとめました。要所要所で変化球を織り交ぜながら、投球術を駆使。エースとしての貫禄があり、安心感がありました。(編集部・栗山)

<写真/春にブレイクが期待される榛村大吾(常葉大菊川)>

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2018年3月 9日 (金)

静岡を巣立つ球児たち2018~若生裕也編・下

 オフシーズン企画「静岡を巣立つ球児たち」。今年も「静岡高校野球」編集部が、卒業後も野球を続けることが決まっている高校3年生たちに会いに行きます。
 前回に引き続き、若生裕也(静岡大成3年)編です。 「静岡を巣立つ球児たち2018~若生裕也編・上」はコラチ

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★まさかの大逆転負け
 夏の大会、若生は初戦に登板することなく、2回戦に照準を絞った。相手はシード校の磐田東。打撃に定評のあるチームだった。
 初登板の緊張もあり、いきなり先頭打者に本塁打を浴びる。それでも、味方打線は2回に逆転すると、3回には一挙10点を奪う猛攻を見せる。
03081 14対2。序盤でなんと12点差をつけた。この時点で誰もが静岡大成の勝利を疑わなかった。ところが、3回裏に2点を献上すると、その後、毎回得点を許し、ジワリ、ジワリと点差がつまる。
「調子自体は良くもなく悪くもなく、普通だったのですが…。4回くらいから、ヤバイかもという感じでした」
 迎えた8回、ついに同点、逆転まで許した。投げても投げても打たれる。若生にとって初めての感覚だった。
「点差があるって余裕を持ってしまったところがいけなかったんです。どこかに油断とスキがあったんだと思います」
 直後の9回、今度は静岡大成が同点に追いつく。その裏、立ち直りの兆しを見せた若生はスライダーがキレてピシャリと3人で抑える。だが、相手に傾いた流れは簡単には戻せなかった。延長11回裏、無死一二塁のピンチから、この日、投じた184球目をライト後方に弾き返された。二塁走者が生還。サヨナラ負けを喫した。

◆2017年7月17日 全国高等学校野球選手権静岡大会 2回戦   

 チーム
静岡大成 1 3 10 0 0 0 0 0 1 0 15
磐田東 2 0 2 1 1 4 2 3 0 1 16

★大学でブレイクを狙う
 あれから8か月。未だに悔しさとショックから、まともに夏の大会を振り返ることができないという。そんな中で、横山力監督の勧めもあり、大学でプレーを続けることを決断する。
「2年生の頃までは就職を考えていました。でも、2年冬にJX-ENEOSの練習見学に行ったり、都市対抗を見に行ったりして、こういう舞台で勝負したいなと、少しずつ思うようになっていきました」
 03082進路先として選んだのは関甲信学生リーグに所属する山梨学院大だった。昨春に1部昇格を果たし、近年、メキメキと力をつけている大学だ。
 すでに、2月上旬からチームに合流。今は走り込みなどのトレーニングで体を鍛えている。
「まだ下半身が弱く、それでフォームにバラつきが出てしまうので、今は下半身の筋力と柔軟性のアップが課題です」
 大学4年間の目標を聞くと、「今はそういうレベルの投手ではないので」と控えめに話すものの、体力強化に比例して球威アップが見込める左腕。まずはリーグ戦での登板を目指して、一歩ずつ前進していく。
 最後に高校球児へのメッセージを聞いた。
「2年半は長いようで意外と短いので、一日一日、自分が成長するために時間を使ってほしいと思います」
 高校3年夏に結果は出なかったが、やってきたことには後悔はない。大学で大輪の花を咲かせる。

横山力監督からの贈る言葉

真面目な選手ですので、大学でもブレることなく取り組めば、きっとチャンスはあるはずです。そのチャンスを生かして、勝ち上がってほしい。あの高校3年夏の悔しさが、この先の若生を作ってくれると信じています。

■若生裕也[わこう・ゆうや]投手/静岡大成3年/175cm71Kg/左投左打
1999年11月18日生まれ、静岡県焼津市出身。小学1年時に「焼津港エンゼルス」で野球を始める。港中時代は「静岡中央シニア」に所属し、エースとなる。高校入学後、1年夏の県大会から登板。3年夏は2回戦で敗退した。ストレートの最速は130キロながら、抜群の腕のしなりを持つ本格派左腕だ。卒業後は山梨学院大に進学する。

 2月から山梨学院大の練習に参加し、一番苦労しているのが生活面だそうです。平日の朝と夜は学食があるそうですが、それ以外は自炊。また、「洗濯もなかなか慣れないんです」と打ち明けてくれました。ここからの4年間は心技体で大きく逞しくなる時期。数年後、どんな成長を果たしているのか、今から楽しみです。次回は特別編として、一浪を経て慶應義塾大に合格した小川慶太(浜松西卒)を紹介します。お楽しみ!

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2018年3月 7日 (水)

静岡を巣立つ球児たち2018~若生裕也編・上

 6年目を迎えたオフ企画、「静岡を巣立つ球児たち」。「静岡高校野球」編集部が卒業後も野球を続けることが決まっている高校3年生たちに会いに行きます。第3回は柔らかいフォームが魅力の左腕・若生裕也(静岡大成)。卒業後は山梨学院大に進学する若生のインタビューを2回にわたってお届けします。

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静岡を巣立つ球児たち2018~若生裕也編・上

★横山監督との出会い
 若生は小学1年時から野球を始め、「焼津港エンゼルス」でプレーする。秋山彪監督からフォームの基礎を教わり、6年時にはエースとなった。
 中学時代は「静岡中央シニア」に所属。目立った成績を残していないが、「中央シニアにいい左腕がいる」と噂が広まり、強豪校からも目をつけられる存在となっていく。その中で最終的に本人が進学先として決めたのは静岡大成だった。
 静岡大成は環境面に恵まれていない。平日は校舎に囲まれた狭いスペース内で活動。月に1回から2回程度、近隣の球場を借りることもあるが、基本的には内野面程度(グラウンド半面)の中で練習する。
「それは関係ないと思っていました。それよりも、横山(力)先生が何回もグランドに足を運んでくれて、自分を欲しがってくれていると感じ、大成に決めました」

★フォームを探求する
 高校入学後、若生は横山監督とマンツーマンで練習に励む。肩甲骨や股関節の柔軟性を高めていき、トレーニングジムではイチロー(マリナーズ)や岩瀬仁紀(中日)など多くのプロ野球選手も実践している「初動負荷理論」を取り入れた。
「もともと小学校の頃から体の柔らかさには自信を持っていた方でしたが、高校でのトレーニングで、もっと柔らかくなりました」
 また、横山監督の影響で、フォームの細かい点について興味を持つようになる。自宅では菊池雄星(西武)、則元昴大(楽天)などのプロ野球選手の動画を見ながら研究。自分のフォームとの違いを探った。
「フォームを詳しく知ることで、好不調の波がなくなりました。自分の中で、今日はどこが良くて、どこが悪いのかが自然と分かるようになりました」

03071_2★静高相手に好投
  
1年夏の大会からマウンドに上がると、秋から主戦となった。そして、2年春の中部大会では「高校3年間で一番の出来だった」と、静岡高相手に好投を演じる。
 試合には敗れたものの、強力打線を3点に抑えた。立ち上がりから集中して、攻めの投球を展開。しなやかな腕から繰り出すストレートとスライダーが冴えた。
「この時は静高よりも強いチームはないと思っていたので、こういう投球ができれば、どのチームにも通用すると自信をつけました」
 しかし、2年夏は3回戦で浜名と対戦し、4回5失点で降板。チームも敗退した。続く秋、3年春も好投手として注目を浴びながらも県大会出場を逃す。
「もっと勝てると思っていたのですが…。静高戦以降、自分の理想のパフォーマンスが出せなくて、いつも苦しんでいました」
 そんな中でも、2年冬には大きな収穫を手にする。社会人野球の名門として君臨するJX-ENEOSの練習見学に行った際のことだった。同じ左投手の大城基志からこんなアドバイスをもらう。
「ピッチャーはスピードが全てじゃない。コントロールとキレで勝負できるんだよ」
 大城といえば、球速は常時130キロ台も、多彩な変化球と投球術を武器に、社会人トップレベルまで登りつめた左腕だ。その言葉は若生の胸に響いた。
「大城さんは体も大きくないし、球が速いわけではない。それでも上でやっている人がいるって勉強になりました」
 勝負に勝てない苦しみにもがきながらも、少しずつ自分の目指すべき方向性を定めていった。

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「静岡を巣立つ球児たち2018~若生裕也編・下」は近日中に更新します! 

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2018年3月 6日 (火)

シニア春季大会レポート!

 4日はシニアの春季大会へ。富士シニアグランドで県内2チームが登場した試合を見てきました。

03061_2 第1試合、伊豆市シニアは横浜青葉シニア相手に1対7で敗れましたが、「5番ピッチャー」の佐野立真が2本の二塁打を放ち、存在感がありました。2本ともに変則右腕相手に、強引に引っ張るのではなく、無理のないスイングで逆方向に弾き返していました。ピッチャーとしては、序盤に5失点も、上背があって腕も振れるだけに、これから下半身ができたら楽しみです。 

 第2試合は浜松シニアが相模原西シニアを7対0(6回コールド)で下しました。
 初回、1番・榛葉太輝のレフト前安打、3番・榛葉晃貴の犠飛で1点を先制。2人は双子選手で、ともにシャープなスイングが持ち味です。
 03062さらに、続く4番・岡野裕一郎がレフトの柵を越える豪快な本塁打を放ちました。先日、浜松シニアの練習に伺った時、フリーバッティングを見てから気になっていた選手。スイングにスピードがあり、打球を飛ばせる選手です。前日の東海大翔洋中・石上賢真の本塁打も迫力がありましたが、岡野の打球も負けていない弾丸ライナーでした。
 また、この日は2番・金子伸一、7番・安間皓利も2塁打2本の活躍。今年も浜松シニアは打線に迫力があります。(編集部・栗山)

<写真上/佐野立真(伊豆市シニア)>
<写真下/岡野裕一郎(浜松シニア)>

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2018年3月 3日 (土)

静岡県中学選抜大会<5日目>~島田球場レポート

 本日、しんきんカップ第48回静岡県中学選抜野球大会は準決勝が行われ、東海大静岡翔洋中と周南中が勝利。明日、春の県王座をかけて決勝戦が開催されます。

 <準決勝>
東海大静岡翔洋 5-0 吉田中
周南中 6-0 中伊豆中

03031 第1試合、東海大静岡翔洋中は初回に無死満塁のチャンスをつかみます。ここで4番・石上賢真(171cm60Kg、右投右打)がレフトポール際にライナーでもっていく一発を放ちました。インパクトに強さがあり、打った瞬間に「いった」と思うほどの猛烈な一撃。久々に、軟式でこれだけの打球を目にしました。弓桁義雄監督によると、チーム全体で「打ち勝つ野球」を目指しているとのこと。その中で、石上はいつでもスタンドまでも放り込める力を持っているスラッガーだそうです。キャッチャーとして肩もいいので、今後も注目していきたいです。
 投げては松下陽真(167cm62kg、右投右打)がノーヒットノーランを達成。角度あるストレートで空振りを奪い、13三振を奪いました。

 03032第2試合は周南中のエース・工藤遼太(168cm70Kg、右投右打)が安定感のある投球で完封しました。柔らかいヒジを畳み込んで使い、球持ちがいいのが特徴。ベース上でボールがグッと伸びてきます。常に全力投球のスタイルですが、視野が広く冷静さも持ち合わせる好投手でした。(編集部・栗山)

★アットエス 静岡新聞SBSオフィシャルサイト
http://www.at-s.com/sports/article/data/baseball/446101.html
※勝ち上がり表はこちらからご覧になれます。

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2018年3月 1日 (木)

静岡を巣立つ球児たち2018~日高純平編・下

 オフシーズン企画「静岡を巣立つ球児たち」。今年も「静岡高校野球」編集部が、卒業後も野球を続けることが決まっている高校3年生たちに会いに行きます。  
 前回に引き続き、日高純平(天竜3年)編です。 「静岡を巣立つ球児たち2018~日高純平編・上」はコチラ

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★夏のやりきった感はゼロ
 「ベスト8に入り、そこから甲子園を狙いにいくぞ」。
 そんな目標を立てて挑んだ3年夏。しかし、たった2打席で終わりを迎える。
 初戦の相手は富士宮北だった。好左腕・神橋欣太郎に対し、第1打席はレフトフライ、第2打席はライトフライ。快音は聞かれなかった。投手陣が崩れ、3回途中からマウンドに上がったが、流れを止めることができず。0対17。5回コールド負けで、試合時間は1時間26分という短さだった。
「やりきった感はゼロでした。悔しさしか残らない夏でした」
 この瞬間、日高は一つの決断を下した。
<このまま野球人生を終わらせるわけにはいかない>
 もともとは就職希望だった。社会人やプロといった高いレベルでプレーしたい意向があったが、現実的な職業として高校の実習で興味を持った林業を考えていた。
「ここで腹をくくりました。(野球を)続けなきゃダメだって」 

★求めていた野球を見つける                                     
 8月、日高が向かった先は群馬県の上武大だった。上武大といえば、プロ選手を多数輩出し、2013年の全日本大学野球選手権で初優勝を飾っている全国屈指の強豪だ。とにかく自分の実力をセレクションで見てもらいたかった。
 日高がグランドにつくと、選手たちのランニングが始まった。
「ただのランニングなんですけど、突然声かけが始まって、それからエンジン全開で。誰一人、叫んでいる人のことを笑っていないし、先輩方の姿に胸を打たれました」

03012

練習メニューをノートに記入し、トレーニングに励む日高

 200人を超える部員が一体となり、まとまりで勝負するのが上武大のスタイル。その姿に、日高は圧倒された。同時に「絶対にここでやりたい」と強く感じた。セレクションでは必死にアピールして、合格をもらう。
「自分の野球に対する情熱は間違ってなかったんだと。今まで、自分は周りから浮いているような気がして、『俺っておかしいのかも』って思った時期もあります。でも、上武大では、全然そんなことはなくて、逆に『もっとやっていいじゃん』って思いました」  
 その後、谷口英規監督との面談でも衝撃を受ける。谷口監督から「なんでウチに来たいんだ」と質問を受け、日高はこう答える。
「プロ野球選手になりたいからです」
 すぐに谷口監督は「それだけなら、別にウチではなくてもいいと思うよ」と語りかけ、広い視野を持つ大切さを説いたという。
「それまでの自分には谷口監督のような考えはなくて。感動しました」
 その上で、谷口監督は「君は面白い能力を持っている。でも、それは他の新入生も同じこと。自分の能力を伸ばすのか、止めるのか。入学するまでが大事だ」と、成長に期待をかけた。

03011★1年時からアピールする
 秋から冬にかけて、日高は後輩に混ざって毎日練習をこなした。その日、その日で、自分なりにメニューを考え、体を管理していった。すべては、大学でブレイクするために。
「大口を叩くことになるんですけど、1年からベンチに入り、レギュラーを目指していかないとダメだと思っています。監督やコーチにアピールして使ってもらって、上級生になったら、大学日本代表に選ばれて、ドラフト1位でプロに行くのが目標です」
 最後に現役球児へのメッセージを聞いた。
「野球ができることは当たり前ではないので、その当たり前のことに感謝できた瞬間、本当に力が出てきます。例えば、お母さんが弁当を作ってくれたりすることにも、感謝してほしいと思います」
 チームメート、監督やコーチ、そして家族に対して感謝の言葉を口にする日高。天竜のスラッガーは今日卒業式を迎え、明日2日、大きな夢に向かって浜松を発つ。

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中道誠監督からの贈る言葉

高校3年間、一生懸命にチームを引っ張ってくれて、自分としては感謝しかないです。上武大さんは全国トップクラスのチームですが、日高の性格なら、這い上がっていく力があると思っています。本人は大学から先も目指しているようですので、その夢を叶えてほしいです。

■日高純平[ひだか・じゅんぺい]外野手/天竜3年/171cm80kg/右投左打
1999年9月9日生まれ、静岡県浜松市出身。小学4年時に「浜北スモールジャイアンツ」に入団。北浜中では3年春に県大会出場。浜松選抜に選ばれる。高校入学後、1年秋からレギュラー。鋭いスイングから高校通算23本塁打を放った。卒業後は上武大に進学する。

 取材に伺ったのは1月中旬。まず、目に飛び込んできたのが髪の毛の長さでした。「いつ来いと言われてもいいように年始に五厘にしました」と、極端に短い頭髪。実はネットで調べ、「上武は五厘」だと思い込んでいたそうです。「普段はみんな五厘にしているわけでないんだよ」と教えてあげると、驚いていた日高。でも、気持ちは十分に伝わってきました。次回は静岡大成・若生裕也編、お楽しみ!

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