岐阜リーグの翌日は岡崎市民球場に向かい、愛知リーグの試合を見てきました。
一番の目当ては、愛知学院大の後藤黛(横須賀出身)です。大学入学後、右肩の故障で思うような結果が出ず、ついに4年生に。それが、大学生活最後となったこの秋、「後藤が復活して凄いボールを投げている」という噂が流れてきました。
第1週の中京大との第2戦でリリーフ登板し、3回1/3を無失点。続く2週目からは第1戦目の先発として好投を続けていきます。9月15日には名城大のドラフト候補・栗林良吏と投げ合い、最速となる145キロをマーク。そんな情報を耳にする度、どうしても自分の目で確かめたくなりました。
この日は愛知大との第3戦。第1戦に先発として8イニングを投げた後藤はベンチからのスタートになります。試合は0対0で迎えた8回に愛知学院大が3点を先制。しかし、その裏、先発投手が2点を失い、なお2死満塁のピンチ。ここで後藤がマウンドに向かいます。
いきなり、ストライク、ストライクで追い込みますが、ファウルを挟み、3球連続でゾーンからわずかにボールが外れ、押し出し四球を出します。

愛知学院大の勝利に貢献した後藤黛(左)と加藤光晴(右) |
ただ、ここから驚かされまし
た。
なおも、続く満塁で相手がスクイズを試みると、後藤は猛ダッシュでキャッチして、本塁へグラブトス。1-2-3の併殺を完成させます。抑えたことはもちろん評価できますが、一番嬉しかったのは、ほぼストレート一本で勝負していたこと。打者の手前でもう一段階速度が上がるようなイメージで、低めに伸びる伸びる。全球指にかかっていて、「これこそが後藤だ」と思わず唸ってしまいました。もちろん、フォームの迫力も戻っています。
その後、9回裏のピンチをしのぐと、味方打線が10回表に勝ち越し。その裏は、1死一塁から2者連続三振で試合を締めました。
試合後、本人に話を聞くと、この夏くらいから肩の痛みが自然と消え、思い切り投げられているとのこと。卒業後の進路は決まっていないそうですが、「上のステージでも勝負したい」と意欲を示していました。今のボールなら通用すると、僕も確認しました。
愛知学院大では、もう一人、県勢の選手が出場。4年生の加藤光晴(静岡高出身)です。高校3年夏は背番号13で甲子園出場。大学では苦労に苦労を重ね、4年秋になってレギュラーを掴みました。この日は「5番ファースト」で出場。3回にセンター前安打を放つと、9回には右中間への二塁打。そして、延長10回には貴重な追加点となるレフト前タイムリーを放ちました。「野球は大学まで」と決めているという加藤。残り1週、悔いの残らないように全力でプレーしてもらいたいです。
一方で敗れはしましたが、愛知大の緒方彰一(静清出身)は粘り強く投球。来年は4年生。リーグを代表する右腕として、今後注目されるでしょう。(編集部・栗山)
<写真上/質のいいストレートが蘇った後藤黛(愛知学院大)>
<写真下/パンチ力のある打撃を見せた加藤光晴(愛知学院大)>
★高校時代の後藤黛のインタビュー記事はこちらからご覧ください。
静岡を巣立つ球児たち2014~後藤黛編・上http://tsukasa-baseball.cocolog-shizuoka.com/blog/2014/12/2014-f475.html
静岡を巣立つ球児たち2014~後藤黛編・下http://tsukasa-baseball.cocolog-shizuoka.com/blog/2014/12/2014-3263.html