球音を待つ静岡人④~石川隼大(審判員)
編集部が静岡の野球人を応援する企画。第4回は今年からアマチュア野球の審判員となった石川隼大さんです。
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★審判の面白さに目覚める
選手と同じく審判員も開幕を待ちわびている。四国アイランドリーグplusの常勤審判員を経て、今年からアマチュア野球の審判員となった石川隼大さんもその一人だ。
小学3年時から野球を始め、高校は強豪の磐田東でプレーした。高校ではベンチ入りすることが叶わなかったものの、審判の面白さに目覚める。
「もともと、小学生くらいのときから審判に興味がありました。高校では試合に出ることができませんでしたが、選手と一緒にグランドに立てることが何よりも嬉しかったです」
高校3年時にはプロ野球の審判を夢見て、「NPBアンパイア・スクール」に参加。しかし、周りの受講者のレベルの高さに圧倒された。「声の大きさ、動きのキレ、走り方、何もかもが足りていなかった」と当時を振り返る。
それでも、諦めきれなかった石川さんは四国アイランドリーグplusのトライアウトを受験。見事合格を勝ち取り、常勤審判員として採用された。
★四国ILで最優秀審判賞を獲得
高校卒業後、2018年から2年間、香川県で過ごした。毎週、四国全土を回る中で、とにかくスキルを上げていった。とりわけ、神谷佳秀審判部長との出会いが大きかったと話す。
「神谷審判部長からハイレベルな技術を学ぶことができました。そこは自信になりました」
昨年4月16日の高知ファイティングドッグス対福岡ソフトバンクホークス3軍の試合で完全試合が生まれた際には主審を務めた。さらに四国アイランドリーグplus とルートインBCリーグの優勝チームによる「日本独立リーググランドチャンピオンシップ」の第5戦目では主審を経験。独立リーグ日本一が決まる大一番の中で独特の緊張感を味わった。シーズン後には、リーグの最優秀審判賞を獲得。そして3年連続となる「NPBアンパイア・スクール」では、審判としては小柄な身長172センチを大きく見せようと、動きの良さでアピールした。
しかし――。受講後、合格者のみに来るという電話を数日待ち続けたが石川さんのケータイは鳴らなかった。
「昨年は自信がありましたし、スクールでも納得ができるパフォーマンスができました。これでダメだったら、何回受けても厳しいだろうと、諦めがつきました」
★夢は国際審判員
今年、石川さんは地元で一般就職した。その傍ら、アマチュア野球の審判員として新たな道を歩む。
「審判は続けたかったです。やるんだったら、レベルの高い社会人野球でやりたいと思っています」
早速、3月15日のヤマハ対トヨタ自動車戦など、2試合のオープン戦で経験を積んだ。ただ、それ以降は、新型コロナウイルス感染拡大により、試合自体がなく、自主トレの日々が続いている。今だからできること。鏡の前で形のチェックをすることはもちろん、ルールブックを読み直したり、過去のプロ野球でトラブルのあった場面をテレビで見たりしながら「自分だったらどうするのか」を考えている。
石川さんには今、大きな夢が2つある。一つは、社会人野球の都市対抗や日本選手権で審判を務めること。もう一つはS級のライセンスを獲得した上で、国際審判員になることだ。
「大きな大会とか、国際大会でやってみたいです」
アマチュア野球審判員の最高峰を目指す挑戦が始まる。
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■石川隼大[いしかわ・はやた]
1999年10月18日生まれ、静岡県掛川市出身。小学3年時に野球を始め、「横須賀ベースボールクラブ」、大須賀中、磐田東でプレーした。高校卒業後、四国アイランドリーグで常勤審判員となる。昨年はリーグの最優秀審判賞を獲得した。
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