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2020年4月24日 (金)

球音を待つ静岡人②~孕石幸寛(東海大海洋学部)

 編集部が静岡の野球人を応援する企画。第2回はプロ注目の本格派右腕・孕石幸寛(東海大海洋学部)です。

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04241★無名投手が大学で飛躍!
 「あの海洋のピッチャーはどうしている?」
 プロのスカウトがそう気にするのが、東海大海洋学部の孕石幸寛だ。
 スラッとした体型、バランスのいいフォーム、低めに伸びるストレート。いかにもスカウト好みの右腕といえる。
 島田工時代は最速139キロをマークしていたものの、県内では無名の存在だった。
 3年夏は初戦で浜松西と対戦。相手の強力打線の前に6回で10失点を喫し、コールド負け。その悔しさが孕石のハートに火をつけた。元々は就職希望だったが、大学進学に方向転換した。
「大学でやるつもりはなかったのですが、このままでは終われないと思いました。夏大が終わったあとチームメートの加藤(廉)が一緒にやろうと誘ってくれて。手塚(慎太郎)監督からも声をかけてもらって決断しました」
 手塚監督の期待値は高く、大学では1年秋のリーグ戦でデビュー。東海大会でもマウンドに上がった。
「高校の頃はただ思い切り投げて力で抑え込もうとしていましたが、大学に入って上手く力を抜くポイントがわかって、試合を作ることができるようになりました」
 迎えた3年春、孕石の素質が一気に開花する。5勝を挙げて、18季ぶりとなるリーグ優勝に貢献。エースとしてフル回転し、文句なしで最優秀投手賞を獲得した。
 印象に残るのは勝てば優勝の決まる5月11日の日大国際関係学部戦。8回に右足をつりながらも、146球を投げ抜く気迫を見せた。

★秋の不調を乗り越えて
 しかし、秋は生命線のストレートが走らず、不調に陥る。エースを下級生の翠尾透に譲り、1試合も先発で登板することがなくシーズンが終了した。「気持ちの部分で弱気になっていた」と振り返る。04242
「開幕に状態を合わせることができなくて、それが焦りにつながってしまって。こんなはずじゃないって考えているうちにズルズルといってしまいました」
 静岡2位で出場した東海大会。孕石は中部学院大戦の4番手で登板するも、2回2/3を投げて3失点。「何かを変えなければ」と悩んだという。
 オフは徹底的に体を鍛えた。ウエイトトレーニングの量を増やし、最速143キロのストレートに力強さが加わった。

★オープン戦で社会人相手に快投  
 3月17日には、きらやか銀行とのオープン戦で6回を無失点の好投。ストライク先行の投球で企業チームを抑え、手塚監督も「一皮むけてくれた」と手応えをつかんだ。
 ところが、直後に部活動が休止に。3月末の開幕に向けて、順調に調整が進んでいたが、一度リセットされた。
「開幕がいつになるかわかりませんが、暑い時期になった場合、スタミナな重要になってくると思うので、体力作りからやっています」
 今年の静岡リーグの投手では、もっともプロに近い存在。たが、現状ではスカウトに見てもらえる機会はない。今はただ、理想とする「軽く投げても糸を引くようなストレート」を目指し、時間を有効に使う。

<写真上/最速139キロをマークした高校時代の孕石>
<写真下/大学では体重が約10キロアップし、体が一回り大きくなる>

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■孕石幸寛[はらみいし・ゆきひろ]
1998年6月28日生まれ、静岡県島田市出身。小学4年時に「五和クラブ」で野球を始める。金谷中では軟式野球をプレー。島田工入学後、2年秋からエースとなり、最速139キロをマークする。東海大海洋学部では1年秋からリーグ戦登板。3年春はリーグ優勝に貢献し、最優秀投手賞を獲得した。182cm75Kg、右投右打。

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