球音を待つ静岡人⑥~漢人茉彩(京都両洋)
編集部が静岡の野球人を応援する企画。第6回は京都両洋に進学した女子選手の漢人茉彩(京都両洋)です。
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★学童時代は県準優勝投手
長男の広也は小笠で活躍し、次男の友也(現中京大)は常葉大菊川のエースとして甲子園出場。そんな兄2人を見て育った長女の茉彩(まあや)が野球の道に進んだのは自然の流れだった。
小学2年時に「桜木野球少年団」で野球を始めるとすぐに頭角を現し、6年時のしずちゅう旗静岡県学童軟式野球大会ではエースを務めて準優勝に輝く。一方で、女子チームの「中遠ヤングガールズ」の一員として、全国ベスト16入りに貢献した。友也にそっくりな、腰を捻ったフォームから、勢いよく腕を振り、球速はすでに100キロを超えていた。
「フォームは見よう見まねでした。自然に兄と同じになった感じです」
中学は桜が丘中でプレー。2年秋から主戦としてマウンドに上がった。だが、県大会には縁がなく、掛川地区や西部地区の大会で涙を飲んだ。それでも本人は「小学生のときよりも、中学ではコントロールがついて、低めに投げられるようになった」と成長を感じている。
中学3年の夏が終わってから、女子硬式野球部を持つ高校の練習見学へ。複数の県外の強豪校を回った中で、本人が決めたのが京都両洋だった。
同校の女子硬式野球部は2012年に創部。18年の全国高校女子硬式野球選手権では初優勝を飾っている。
「2回練習を見に行きましたが、みんな声が出ていて、すごく雰囲気が良かったです。練習で分からないことが出たら、上田(玲)監督が全体を集めて話あったり。ここでやりたいと思いました」
さらに、18年の全国優勝メンバーの大城結衣(浜松市出身)から「いいチームだよ」と聞いたことも決め手となった。
しかし、新型コロナウイルスの影響で、登校したのは入学式の日だけで、あとは自宅での待機が続く。それでも、ZOOMを使いながら毎日、約1時間半、オンラインで他の選手と一緒にトレーニングを行っている。また、友也も帰省している関係で、キャッチボールをすることもある。漢人は「兄のボールはキレが良くて伸びてくる感じ。カーブなんて、捕れないこともあります。私もああいう球を投げたいです」と刺激を受けている。
高校での目標は「全国優勝」と決めている。
「小学生のときは普通に勝てていたけど、中学に行ったら勝てなくなってしまいました。だから、高校ではもう一度、勝てるピッチャーになりたいです」
全国大会の決勝でマウンドに立っているイメージを描き、今は粛々と自分を高める。
<写真上/学童時代の漢人>
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■漢人茉彩 [かんど・まあや]
2004年10月11日生まれ、静岡県掛川市出身。小学2年時に「桜木野球少年団」で野球を始め、6年時のしずちゅう旗静岡県学童軟式野球大会で県準優勝。「中遠ヤングガールズ」 では全国ベスト16入りを果たす。桜が丘中では2年秋からエースとなり、京都両洋に進学した。158cm、右投左打。
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