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2021年3月29日 (月)

静岡を巣立つ球児たち2021~内海壮太(御殿場西→法政大)

 高校3年生にとっては旅立ちの季節となりました。今日から3日間に渡り、静岡を巣立ち大学でプレーを続ける注目球児を紹介します。第1回は法政大に進学する大型スラッガー・内海壮太(御殿場西)です。

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★名選手の父から野球の基礎を学ぶ
 その打球は大きな放物線を描き、御殿場西グランドのレフトフェンスを越えていった。はるか遠くに消えた打球の行方を気にしながら森下知幸監督は思わず、こう口にした。「エグイよね」。
 2月下旬、例年なら野球を続ける3年生は進学先のチームに合流している時期。しかし、今年は新型コロナウイルスの影響で3月中旬以降から練習に参加する選手がほとんど。内海壮太も後輩に混ざり、練習を重ねていた。
 紅白戦で名将を唸らせる一発を放ち、両手を広げながらゆっくりとダイヤモンドを回る内海。そこには自信が漲っていた。森下監督は「ここに来たときは大人しくて、弱々しい子だったんです。それが今ではいい意味で図々しくなって。3年間で技術的にも性格も変わったね」と教え子の成長を喜ぶ。  
 神奈川県横浜市で生まれた内海が野球を始めたのは小学3年夏。父・将人氏の影響だった。
 将人氏は日大三島出身。法政大では稲葉篤紀氏(現侍ジャパン監督)とクリーンアップを組み、社会人野球の東芝でも活躍した名選手だ。
「父からは野球の基礎的なことを教わりました。それが今でも生きていると思います」
 小学生時代は「横浜緑リトル」に所属して捕手で活躍。その後、中学1年冬に父の転勤で広島に転居し、「広島ボーイズ」に入団した。
「広島は気が強そうな人が多いイメージを持っていましたが、すぐに慣れることができました」  
 古葉竹識氏(元広島監督他)の弟・福生氏が監督を務める「広島ボーイズ」で3年春にはレギュラーとして全国大会出場。ただ、打順は7番。大柄だったが、そこまで目立っていた選手ではなかった。

03291_20210329132901 ★「森下野球」に惹かれて広島から御殿場へ
 高校は親元を離れて御殿場西へ。将人氏の高校時代の恩師が森下監督という縁で結ばれた。
「父から森下先生のことを聞いて、練習を見に行ったら、すごい活気があるなって思って決めました」
 そんな内海の才能が開花したのは遅い。1年秋から公式戦に出場したが、結果が出ない。本人は「何となく出させてもらっているというか。自覚が足りなかったと思います」と振り返る。森下監督や周囲から指摘されると萎縮してしまう。殻を破りきれなかった。
 火がついたのは2年夏。ベンチ入りのメンバーから外れたことがきっかけだった。
「ベンチから外れて、今まで何もしてこなかったんだなっていうのが自分で分かりました。それから自分たちの代になり上位打線を打たせてもらって、初めて自覚が出て『やらなきゃいけないな』っていうふうになっていきました」
 単にやらされるのではなく、自分で考えて行動する。昨年春の休校期間中も黙々とバットを振った。

03292 ★3年夏の悔しさを糧に大学へ
 県屈指のスラッガーとして臨んだ高校最後の夏。3回戦で最速148キロ左腕・髙田琢登を擁する静岡商と対戦する。第1打席は三振。第2打席はライトフライ。そして第3打席は2死一、三塁のチャンスで一発が出れば同点だった。しかし、いい角度で上がった打球はスタンドに届くことなく、レフトフライに終わった。
「あそこで一本を打てなかったのは実力だと思います。そこを糧にして成長していきたいです」
 卒業後は将人氏の母校・法政大に進む。夏の大会後、体重が8キロアップ。昨年夏とは見違えるほどの堂々とした体を手に入れ、大学に向けて準備してきた。
「バッティングだけでなく、走攻守でアピールしていきたいと思います。どういう使われ方をしても結果を残せるようなプレーでチームに貢献していきたいです」
 天性の飛ばす能力を生かし、大学でブレイクする。


森下知幸監督からの贈る言葉

中学のときは7番くらいを打っていて自信を持っていない選手でした。ようやく高校2年くらいから自分の可能性に気付いてきました。(常葉)菊川時代を振り返っても、ここまでの長距離打者はいなかったです。大学では大きく成長してほしいですね。

■内海壮太[うつみ・そうた]内野手/御殿場西/184cm85kg/右投右打
2002年11月3日生まれ、神奈川県横浜市出身。小学3年時に「横浜緑リトル」で野球を始める。中学時代は「広島ボーイズ」に所属し、3年春に全国大会出場。高校入学後、2年秋からレギュラーとなる。3年夏は3回戦敗退。高校通算9本塁打。卒業後は法政大に進学する。

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