明日、甲子園で2回戦を迎える聖隷クリストファー。先日、上武大でプレーするOBの鈴木一毅(2年)に会ってきました。身長190センチ、体重100キロ超えの体格から放つパワフルな打撃に注目です!
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夏前、髙部陸の取材で聖隷クリストファーを訪れたとき、上村敏正監督が笑みを浮かべながら言った。「上武に行った鈴木は、あそこまで飛ばしたんですよ」
指さす先は外野のはるか奥。大学で長打を連発する鈴木のパワーは高校時代から片鱗を見せていた。
中学時代は「横浜南ボーイズ」で控え選手。2軍暮らしで「結果も出なくて…」と振り返る。聖隷クリストファーに進むと、その体格を買われ1年夏からベンチ入り。しかし秋に右肩を故障し、冬には手術。約1年間、ボールを投げられない苦しい日々が続いた。
復帰した2年秋からレギュラーに定着し、高校通算29本塁打を放った。「聖隷で学んだのは人間性。毎日のゴミ拾いとか、そういう当たり前のことが身についた3年間だった」と振り返る。
さらなる成長を求め、上武大へ。入学から1年半で体重は90キロから103キロに増量。谷口英規監督から「打席での間」の取り方を学び、打撃が覚醒しつつある。今年は春リーグ後のオープン戦で好結果を残し、6月の大学選手権では先発起用に応え、タイムリーを含む2安打。これが大学公式戦での初安打だった。今はさらにレベルを上げようと、逆方向への力強い打球を打てるよう練習を重ねている。
「秋は明治神宮大会で長打を打って、多くの人に注目される存在になりたいです」
母校・聖隷クリストファーの甲子園初出場も大きな刺激になった。「上村先生の野球が甲子園で見られて嬉しかった」と笑顔を見せる。
大学通算11本塁打。50m5.9秒の脚力、手術前よりも強くなった肩。まさにポテンシャルの塊。「将来はプロに行きたい」という鈴木の挑戦は、ここからが本当の勝負だ。
◆鈴木一毅(すずき・かずき)
2006年1月17日、神奈川県横浜市生まれ。小学3年時に「並木ジャイアンツ」で野球を始める。中学は「横浜南ボーイズ」に所属した。聖隷クリストファー入学後、1年夏からベンチ入り。2年秋から公式戦に出場し、3年夏は県ベスト8進出。190cm103kg、右投右打。
<写真上/高校時代の鈴木。通算29本塁打を記録した>
<写真下/大学入学後、体が一回り以上大きくなった鈴木>