静岡県の高校野球

2024年9月29日 (日)

【秋季県大会】常葉大菊川、掛川西、聖隷クリストファーが東海大会へ!

 秋季高校野球の静岡大会。昨日は準決勝、今日は3位決定戦と決勝戦が行われ、東海大会出場の3チームが決まりました。西部勢が独占するのは1999年以来となります。
★1位…常葉大菊川/2位…掛川西/3位…聖隷クリストファー

09291  決勝戦は掛川西が先制。初回、4番の石川大峨(2年)がレフトスタンドに2ラン本塁打を放ちます。しかし、その裏、常葉大菊川は先頭の橘木千空(2年)のライト前安打から一挙6点を奪って逆転。2点差に追い上げられた4回には橘木が今度はタイムリー二塁打。1年夏から出場する身長186センチの大型スラッガーが実力を発揮し、リードを広げます。投げては公式戦初登板の佐藤大加良(2年)が141キロを計測。本来は内野手の選手が3番手でマウンドに上がると、低めいっぱいに決まる伸びのあるストレートと鋭い変化球を武器に2イニングを無失点に抑えました。
 常葉大菊川が9対5で快勝。それでも石岡諒哉監督は「もっとやれるし、もっと強くなる」と厳しい表情。県優勝に満足することなく、先を見据えていました。
09292  3位決定戦は聖隷クリストファーと東海大静岡翔洋の対戦。聖隷クリストファーは2点のリードをおいつき、タイブレークに持ち込みます。そして、10回表の守備で試合の行方を左右するビッグプレーが飛び出します。無死一二塁から捕手の武智遥士(2年)が二塁走者を封殺。日々の練習の成果をここ一番の場面で発揮します。「あのプレーがあったことで全員が乗っていけたと思う」と武智。その裏、満塁のチャンスを作ると、武智がレフト前安打を放って試合を決めました。
 昨年秋は準決勝と3位決定戦で敗退し、東海大会出場を逃しただけに「ウチの学校にとって大きな勝利」と上村敏正監督。武智は「東海大会でも1戦1戦、この熱さを忘れずに戦っていきたい」と気持ちを込めていました。(編集部・栗山)

<写真上/公式戦初登板で141キロを計測した常葉大菊川の佐藤大加良>
<写真下/サヨナラ安打を放った聖隷クリストファーの武智遥士 (右端)を迎える選手たち>

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2024年9月23日 (月)

【秋季県大会】聖隷クリストファーが注目1年生左腕・高部の好投でベスト4へ

 秋季高校野球県大会はベスト4が決まりました。
 東海大静岡翔洋/常葉大菊川/聖隷クリストファー/掛川西

09231  ちゅ~るスタジアム第2試合は常葉大橘・秋山創大(2年)、聖隷クリストファー・高部陸(1年)の注目左腕対決となりました。
 聖隷クリストファーは初回に5番・谷口理一(2年)のタイムリーで1点を先制すると、3回には4番・
江成大和(1年)の2点タイムリーでリードを広げます。高部は序盤、「マウンドが合わなかった」と走者を背負ったものの、徐々に修正。最速137キロの強さのあるストレートを内外角に決めていきます。8回には1点を失い、さらに三塁打を浴びて2死三塁ピンチ。それでも動じることなく、最後は鋭いカットボールで三振を奪いました。するとその裏、自らスクイズを決めて勝利を手繰り寄せました。
 「県大会に入って状態が上がってきている」という高部。夏の大会は1年生ながらリリーフでチームを支え、秋大会前の横浜高(神奈川)との練習試合では勢いのあるボールに「このピッチャーは誰だ」と周囲がざわついたそうです。
 ここまでの県大会3試合をフルに投げ、許した得点は今日の1点のみ。無類の安定感を誇る左腕は「自分がチームを引っ張っていきたい」と東海大会切符をかけた次戦に視線を向けていました。(編集部・栗山)

<写真/1失点完投で勝利に貢献した高部陸(聖隷クリストファー)>

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2024年9月21日 (土)

【秋季県大会】東海大静岡翔洋が乱打戦を制してベスト8へ

 秋季高校野球県大会はベスト8が出揃いました。
東海大静岡翔洋/日大三島/常葉大菊川/桐陽/常葉大橘/聖隷クリストファー/掛川西/静岡商

09211_20240921181301 磐田球場の第2試合、東海大静岡翔洋が17安打10得点の猛攻で磐田東を下しました(10対6)。
 打線を牽引したのはトップバッターの伊藤龍榮(2年)です。「今日はボールが良く見えて、自分のポイントまで呼び込んで打つことができた」と4安打3打点の活躍を見せました。印象に残ったのは9回の第6打席。1死満塁から左中間に持っていく二塁打でダメ押しとなる2点を叩き出します。逆方向に「流す」というよりも「引っ張った」という感じの一打でした。「県ナンバーワンの1番バッターを目指している」と話す伊藤。本人が憧れているという西川龍馬(オリックス)を彷彿とさせるバットの面でとらえるイメージのスイングに50m走6.0秒で駆け抜ける足も魅力的な選手です。
 東海大静岡翔洋は伊藤を含む、この日のスタメン4人が東海大静岡翔洋中3年夏に全国準優勝。その経験に加え、今大会2試合で25得点を叩き出して攻撃陣が好調です。準々決勝の相手は好投手・小川秋月を擁する日大三島。どう対峙するのか注目です。(編集部・栗山)

<写真/9回にタイムリー二塁打を放ってガッツポーズの伊藤龍榮(東海大静岡翔洋)>

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2024年9月16日 (月)

【秋季県大会】日大三島が注目カードを制す!

 優勝候補の浜松開誠館と日大三島が激突。日大三島が5回コールド(11対0)で圧勝しました。

09161_20240916221101  日大三島の小川秋月(2年)はある思いを背負った挑んだ一戦でした。昨年の秋は準決勝で浜松開誠館にコールド負け。あれから1年。「やり返す気持ちで試合に入った」と序盤から闘志を前面に出していきます。途中点差が開いても、「圧倒していこうと思った」の言葉通り、逃げることなく最速144キロを誇るストレートで押していき、空振りを奪っていきます。5回を投げて許した安打は3本のみ。しなやかな腕の振りが光り、打者寄りでボールを離せる分、ベース上での伸びがありました。
 一方、浜松開誠館でインパクトを残したのは塚田暖琉(2年)の打撃です。5回に小川からレフトオーバーの二塁。ヘッドスピードが速く、打球がいい角度で上がりながらグングンと伸びていきます。今日は打ち込まれましたが、プロのスピードガンで140キロを計測。能力は十分にある選手。この悔しさをバネに、さらに力強さを増してほしいと思います。(編集部・栗山)

<写真/快投を見せた小川秋月(日大三島)>

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2024年9月15日 (日)

【秋季県大会】夏甲子園出場の掛川西が初戦を突破!

 秋季高校野球県大会の2日目。浜岡球場のネット裏席が全て埋まる大観衆の中、夏の甲子園出場校の掛川西が初戦を突破しました。

09151_20240915190601  掛川西は初回、4番・杉崎蒼汰(2年)のタイムリーで1点を先制します。しかし、その後は知徳の長身サウスポー・渡邉大地の前に追加点を奪うことできず。すると6回に同点とされ、試合は1対1で終盤に突入します。
 試合を決めたのは8回の守備から出場していた橘賢太郎(2年)の小技でした。9回、2死一三塁の場面で2球目をセーフティバント。打球は投手、捕手、三塁の中間地点に転がります。橘は50m走6秒1の快足を飛ばしてセーフとなり、三塁走者も生還。これが決勝点となりました。
 夏の静岡大会は背番号14でベンチ入りした橘。しかし、甲子園はベンチを外れ、しばらく立ち直ることができずに落ち込んだ時期があったそうです。それでも大石卓哉監督から「お前には来年があるんだぞ」という言葉をかけてもらい、「絶対にやってやるぞ」と甲子園期間中も自分の武器も地道に磨いてきたとのこと。その成果が大事な場面で発揮され、大石監督も「自分の色を出してくれた」と目を細めていました。
 掛川西の秋の目標は東海大会優勝。苦しい試合をものにして、新たな一歩を踏み出しました。(編集部・栗山)

掛川西・大石卓哉監督
「新チームの初めての公式戦で、色んなことが起きることは想定していた。去年は秋0勝というところからスタートしたが、大会で勝つことで見えてくるものがあると思う。もう一週間、練習ができるので楽しみ。また一つチャレンジしていきたい」 
  
<写真/決勝点となるセーフティスクイズを決めた橘賢太郎(掛川西)>

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2024年9月14日 (土)

【秋季県大会】湖西が秋県大会初勝利を飾る!

 秋季高校野球県大会が開幕しました。裾野球場では湖西が7回コールド(9対1)で市立沼津を撃破。秋は出場3回目で初勝利を飾りました。

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 湖西から裾野球場の距離、実に170キロ。今日は朝6時に出発、約3時間かけて球場に到着したそうです。それでも全く疲れを見せることなく、初回から湖西らしく、積極的にバットを振っていって5回まで毎回得点。投げてはエース左腕の佐々木琉嘉(2年)が安定感のある投球を見せて圧勝しました。試合後、ベンチ前で齋藤哲男監督が「ナイスゲーム」と叫ぶと、選手たちの喜びが弾けました。
09142_20240914191901  気になったのは「3番センター」の冨安慶太郎(2年)。「新規格よりもこっちの方がしっくりとくる」と、一人だけ木製バットを使用し、3回に先頭でレフト前安打を放ちチャンスメークします。続く打席ではレフトフライに終わりますが、滞空時間が長い。足も速く、身体能力の高さを知ることができました。「1勝できたのは嬉しいのですが、1勝に満足することなく次も勝ってベスト16に入りたいです」(冨安)。次戦の相手も甲子園出場経験のある静岡市立。この秋、湖西旋風が吹き荒れるのか注目です!(編集部・栗山)

<写真上/秋県初勝利を喜ぶ湖西の選手たち>
<写真下/3番打者で主将も務める冨安慶太郎(湖西)>

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2024年9月 9日 (月)

【注目カード目白押し!】秋季県大会の組み合わせが決定

  秋季東海地区高等学校野球静岡県大会の組み合わせ抽選会が本日、静岡市内で行われました。
09091_20240909191101  1回戦から好カードが目白押しとなりました。優勝候補に上がる常葉大菊川と静岡高がいきなり激突。常葉大菊川は投打のバランスが整い、県予選は3試合31得点2失点。一方の静岡高は上位校代表決定戦で東海大静岡翔洋に0対1で敗れたものの、エース・吉田遥孔と強肩捕手・石垣大輝のバッテリーは安定感が抜群です。
 夏の甲子園出場校の掛川西は知徳と対戦。県屈指の好投手・小川秋月を擁する日大三島は浜松開誠館と島田樟誠の勝者と戦います。
 今月14日に開幕。明日から注目選手を紹介します!

<写真/くじを引く掛川西の大石卓哉監督(左)>

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※抽選表は静岡県高野連ホームページから抜粋

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2024年9月 8日 (日)

【秋季県予選上位校決定戦】掛川球場レポート

 秋季県大会に出場する40校が出揃いました。組み合わせ抽選会は明日行われます。

桐陽/知徳/伊豆中央/日大三島/富士市立/三島北/市立沼津/星陵/小山/御殿場西/伊豆中央/韮山/城南静岡/静岡市立/東海大静岡翔洋/静岡/駿河総合/常葉大橘/藤枝明誠/静岡商/清水東/島田樟誠/静岡学園/科学技術/浜松湖北/浜松日体/浜松開誠館/聖隷クリストファー/浜松西/浜松商/磐田東/常葉大菊川/浜名/浜松工/磐田農/小笠/浜松大平台/天竜/湖西/掛川西

09081_20240908193701  今日の上位校決定戦。掛川球場の第1試合は県大会の有力校に上がる常葉大菊川が磐田東に6回コールド勝ちを飾りました。
 夏の大会でエースナンバーを背負った石黒巧が今大会初登板。打たせてとるリズムの良い投球で3回を無安打に抑えます。4回からマウンドに上がった本格派右腕の桶田澄明は角度十分のストレートを生かして3回を無失点。6回で計10得点を奪った打線も活発でした。

09082 続く第2試合は浜名が浜松工を8対4で下しました。活躍したのは3番の井岡睦海。まず初回に右中間に持っていくタイムリー二塁打を放つと、3打席目はレフトオーバーの二塁打、そして4打席目はセンター前へ。柔らかいリストを駆使した巧みなバットコントロールで計3安打4打点。スイングに無駄がなく、軸のブレが少ないので、どのコース・球種にも対応できます。打つだけでなく、投げてもチームに貢献。8回のピンチでマウンドに上がり、気持ちのこもった投球を見せてくれました。県大会でも投打で楽しみな選手です。(編集部・栗山)

<写真上/強力投手陣の一角を担う石黒巧(常葉大菊川)>
<写真下/投打で活躍を見せた井岡睦海(浜名)>

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2024年9月 7日 (土)

【秋季県予選】静岡市立が西村の好投で上位で県大会へ

 今日の島田球場第2試合。県大会出場を決めている城南静岡と静岡市立の上位決定戦は熱戦となりました。

09071_20240907193501  静岡市立は1点を追いかける9回裏に2点を奪ってサヨナラ勝利。試合後、安井信太郎監督が、「今日のMVP」と名前を挙げたのが左腕の西村文稀でした。
 2点ビハインドの4回、2番手としてマウンドに上がると6イニングを無失点。許した安打も単打2本のみ。力強く腕を振り、試合の流れを変えました。「去年のことがあったので気持ちで負けないように投げた」と西村。まさに1年前の借りを返す好投でした。
 昨秋の県代表決定戦。この日と同じ城南静岡相手に4番手で登板するも、本来の投球ができず、チームはタイブレークの末に敗れました。その後、この1年間で体重が約10キロ増量。朝食で450グラムの米を食べてパワーアップし、リベンジの機会を待っていました。
 中学時代は「静岡葵ボーイズ」に所属して主に外野手。高校入学後に本格的に投手となり、今やエースの座を狙うことができる位置まできています。「県大会でも目の前の1勝だけを考えて投げていきたい」と活躍を誓ってくれました。
 
09072  一方の城南静岡は今夏急逝した船川誠氏からバトンと託された新監督の宮城明秀氏のもと県大会出場を決めています。この日の相手、安井監督は同学年。中学時代から交流があり、約45年のときを経て初対決となりました。試合後は「中押しができなかった」と悔しそうな表情を浮かべていましたが、今日は相手打者によって左腕の中込皇絆、右サイドの和田龍一朗を小刻みに継投するなど巧みなベンチワークを披露。県大会まで残り1週間。どう仕上げてくるのか注目です。(編集部・栗山)

<写真上/公式戦最長イニングを投げた西村文稀(静岡市立)>
<写真下/今秋から指揮をとる宮城明秀監督(城南静岡)>

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2024年8月26日 (月)

【秋季県予選】浜松西の柿澤が6回9奪三振!

 昨日の磐田球場。第3試合では浜松西が3対0で浜松大平台を下して県大会出場を決めました。

08261_20240826083901  注目したのは浜松西の先発・柿澤匡人(2年)。イタリア人の父を持ち、身長180センチから最速136キロのストレートを投げ込む逸材です。
 ショートアームで腕を鋭く振るフォーム。初速と終速の差のないストレートで内角に切り込み、鋭く変化するパワーカーブも決まり、6回9奪三振。試合後は「チーム目標の甲子園1勝のために貪欲にやっていきたい」と冷静に語ってくれました。
 浜松西は7回から登板の田川竜之介(2年)も3回を無失点と好投を見せ、さらに捕手の中村莞大(2年)は県トップクラスの肩を持つだけに、県でどんな戦いを見せてくれるのか楽しみです。

 第1試合は浜松日体、第2試合は浜名が勝利し、それぞれ県大会へ。浜松日体はスタメンのうち、6人が1年生という若いチームで、杉田享監督は「毎回、新たな発見がある」と話します。水窪中時代から気になっていた「4番キャッチャー」の遠見石侑平(1年)が2安打を放てば、野球センスに溢れる「5番ショート」の堀越慶司(1年)は5回に右中間を破る2点タイムリー三塁打。勢いと伸びしろのあるチームです。
 浜名は期待の189センチ右腕・松下紘也(2年)が3点ビハインドの4回からマウンドへ。今夏は同じリリーフで登板するも、「チームを勢いづける投球ができなかった」との反省から、この日は気持ちを前面に出していき、味方の逆転勝利につなげました。投げれば投げるほど、球威が増していく印象があり、覚醒間近を感じました。(編集部・栗山)

<写真/柿澤匡人(浜松西)> 

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