静岡県の高校野球

2025年10月 4日 (土)

【秋季県大会】聖隷クリストファーが3季連続優勝!

 秋季県大会は決勝戦と3位決定戦が行われ、東海大会には聖隷クリストファー、掛川西、常葉大菊川の出場が決まりました。

<決勝>
聖隷クリストファー 3-1 掛川西

<3位決定戦>
常葉大菊川 10-1 浜松日体(7回コールド) 

10041  聖隷クリストファーが春夏に続き、3季連続で県優勝を果たしました。決勝戦もマウンドに上がったのはエースの髙部陸。上村敏正監督は、ここまで全試合をフルイニングで投げてきたことによる疲労を考慮し、「他のピッチャーを投げさせる予定だった」と明かします。それでも髙部は「自分が最後まで投げます」と直訴。1年夏と秋に掛川西に敗れていただけに、「何としても」という気持ちがあったそうです。3回には同点タイムリーを浴びたものの、ここからが髙部の真価。試合中に修正しながら徐々に自分のペースに持ち込んでいきます。特に変化球が冴えわたり、終わってみれば13奪三振、1失点完投。打っては4回に自ら左中間へタイムリーを放ち、貴重な3点目を叩き出しました。「東海は勝ちにこだわっていきたい」と昨夏に続く甲子園出場に向け、さらにギアを上げていくことでしょう。
10042  3位決定戦でもエース左腕が躍動しました。常葉大菊川の佐藤大介です。先発として5回1失点の投球を見せ、それ以上にインパクトを残したのがバッティング。今日はバットに当たれば全部ヒットになるというイメージで、4打数4安打3打点。鮮やかなバットさばきでセンター方向に快音を響かせました。特に印象的だったのは3回の三塁打。「アウトコースのスライダーを素直に打ち返せた」と左中間へ運びました。準決勝で聖隷クリストファーに敗れた悔しさを胸に、「東海大会ではそのリベンジをしたい」と燃えていました。(編集部・栗山)

<写真上/完投してガッツポーズを作る髙部陸(聖隷クリストファー)>
<写真下/投打で存在感を示した佐藤大介(常葉大菊川)>

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2025年9月28日 (日)

【秋季県大会】掛川西、聖隷クリストファーが東海大会出場を決める!

 秋季高校野球静岡大会の準決勝。掛川西と聖隷クリストファーが勝利し、東海大会出場を決めました。残り1枠をかけた3位決定戦(常葉大菊川対浜松日体)、そして決勝戦(聖隷クリストファー対掛川西)は10月4日に行われます。

 掛川西 12―1 浜松日体(5回コールド)
 聖隷クリストファー 4―1 常葉大菊川

09281_20250928192301  第1試合は掛川西が13安打12打点の猛攻で、5回コールド勝ちを飾りました。打線を牽引したのはトップバッターの重松聖人(2年)。「とにかく積極的にいってチームの流れを作りたかった」と、第1打席は内角のストレートをセンター方向に運び、第2打席はライトへの安打でチャンスを広げ、第3打席は逆方向への2点タイムリー二塁打と止まりませんでした。「聖隷の髙部(陸)君を打てないと甲子園に行けないと思っている」と重松。決勝戦での打撃も注目です!

09282_20250928192301  その聖隷クリストファーの髙部陸(2年)。今日の常葉大菊川戦は昨日に続く連投となりましたが、10三振を奪って1失点完投勝利を飾りました。立ち上がりの初回は2連打を浴びて1点を失いますが、投げれば投げるほどストレートの走りが良くなっていきます。本人によると、中盤にフォームを「体を大きく使う形」に微調整して感覚を掴んだとのこと。ランナーを背負っても、最後は三振で締めて得点を許しませんでした。聖隷クリストファーにとっては、春夏に続く3連覇なるか。髙部は「先輩たちが作ってくれた歴史を繋いでいきたい」と、視線はすでに決勝戦に向いていました。(編集部・栗山)

<写真上/3安打の活躍を見せた重松聖人(掛川西)>
<写真下/完投を飾り、捕手の筧優亨とグラブタッチを交わす髙部陸(聖隷クリストファー)>

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2025年9月27日 (土)

【秋季県大会】浜松日体、再び歴史更新 東海大会王手!

 春季高校野球静岡県大会は準々決勝の4試合が行われました。ベスト4は西部勢が独占。準決勝は以下のカードとなりました。掛川西vs浜松日体、常葉大菊川vs聖隷クリストファー

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09272_20250927171201  初のベスト8入りを果たした浜松日体が、またも歴史を作りました。準々決勝の相手は御殿場西。初回に2点を先制されましたが、2回に2死から3連打で一挙4点を奪って逆転。その後も追加点を重ね、6対2で勝利しました。 
 好投を見せたのは、2番手として5回から登板した鈴木僚真(2年)。5イニングを2安打無失点に抑えました。「今日はストレートの伸びがなくて、スライダーも調子が悪かった」と本人は振り返っていましたが、フォームに力感がない割に、打者の手元でピッとくる持ち味を存分に発揮していました。
09273   野手で注目なのは「3番ショート」の堀越慶司(2年)。初回、1死二三塁からのショートゴロで本塁へ悪送球してしまいましたが、それを引きずることなく、2回と7回にタイムリー。特に7回は膠着状態の中、ダメ押しとなる一本をライト前に放ちました。コースに関係なく広角に弾き返すことができ、守備では三遊間の深い位置から刺せる肩が武器。「県で優勝して東海大会に行くことが目標です」と力強い言葉も聞けました。 
 鈴木、堀越を含め、浜松日体には曳馬中出身の選手が5人ベンチ入り。当時のチームメートが、準決勝で当たる掛川西のエース・古岡都暉(2年)です。東海大会出場のかかる一戦でどんな対決となるのか楽しみです。(編集部・栗山)

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<写真上/好リリーフを見せた鈴木僚真(浜松日体)>
<写真中/2打点の活躍の堀越慶司(浜松日体)>
<写真下/初のベスト4入りの浜松日体の選手たち>

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2025年9月23日 (火)

【秋季県大会】沼津東4年ぶりベスト8 市原が気迫の公式戦初完封!

 春季高校野球静岡県大会はベスト8が出揃いました。準々決勝は以下のカードとなりました。桐陽vs常葉大菊川、聖隷クリストファーvs磐田東、沼津東vs掛川西、御殿場西vs浜松日体

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09231_20250923193201 沼津東が4年ぶりにベスト8へと駒を進めました。掛川工との初戦では、背番号10の近藤寛太(2年)が1失点で完投。そして今日の3回戦では、エースナンバーを背負う市原佑浬(2年)が、公式戦初完投初完封を飾りました。
 1球ごとに「おりゃ~」と声を張り上げ、気迫を全面に押し出す投球。4回には2者連続三振のあと連打でピンチを招きましたが、最後は無失点で切り抜けます。その裏、6番・井口侑(2年)のタイムリーで挙げた2点を守り切り、勝利を引き寄せました。際立ったのは変化球の制球力。要所で低めに集め、試合の流れを渡しませんでした。
 前チームは秋・春・夏の公式戦でいずれも初戦敗退。「その負けが原動力になっている」と語る市原は、新チーム始動後からランメニューを増やすなど練習量を強化してきました。「ここまで来たら、あと2つ勝って東海大会に行きたい」と視線はすでに次戦を見据えています。
 沼津東の新たな歴史を切り拓けるか。市原と近藤、2枚看板に注目です!(編集部・栗山)

<写真/完封を飾った市原佑浬(沼津東)>

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2025年9月20日 (土)

【秋季県大会】掛川東・浅田陽天 背番号6の快投劇

 秋季高校野球県大会は2回戦の8試合が行われました。草薙球場では掛川東が藤枝明誠を下し、3回戦進出を決めました。

09201_20250920175001  掛川東は2回、2死二三塁のチャンスから9番・清水昊(1年)のタイムリーで2点を先制。このリードを守ったのが、背番号6ながら先発のマウンドを任された浅田陽天(2年)です。しなやかな腕の振りから球速以上の速さを感じさせるストレートに、スライダーやチェンジアップを織り交ぜ、テンポ良く相手打線を仕留めていきました。6回に1点を許しましたが、「後半につれて良くなる」と本人が話すように、終盤になるとギアがさらに上がります。9回には一打逆転のピンチを迎えましたが、「楽しむことを忘れなかった」と果敢に攻め、最後は三振を奪って締めました。試合後は「理想通りのピッチングができた」と爽やかに語った浅田。世古雄馬監督も「ストライクがいつでも取れるところが彼の長所。今日は安心して見ていられた」と目を細めていました。

 「磐田ボーイズ」時代から投手兼遊撃手として活躍し、ボーイズ県選抜にも選ばれた逸材。「地元の仲間と一緒に甲子園に行きたい」と掛川東に入学しました。世古監督が「ショートを守ったときに、三遊間からの強いスローイングはなかなか見かけない」と評価する肩の強さに加え、50m走を6秒台前半で駆け抜ける俊足も兼備。身長177センチ体重64キロ。ここから体が出来上がったときにどんな選手に化けるのか。将来が楽しみな存在です。(編集部・栗山)

<写真/完投勝利を飾り、喜びのガッツポーズを作る浅田陽天(掛川東)>

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2025年9月16日 (火)

【秋季県大会】修正力こそ武器 聖隷クリストファー・髙部陸が示したエースの姿

09161_20250916103901 今夏甲子園に出場した聖隷クリストファーの初戦。夏の静岡を沸かせたエースの髙部陸(2年)が実力を発揮しました。
 「前半は力みが生まれてしまって、ストレートが走っていなかった」と本人は振り返るものの、2回2死から5者連続三振。ストレートの球速は草薙球場のスピードガンで144キロを計測しました。終わってみれば、12奪三振で完封勝利。圧巻の投球で難敵の日大三島を退けました。
 そんな三振数よりも、昨日は修正能力の高さに驚かされました。新チームの公式戦初戦。最上級生となり、自分が引っ張らなければという気持ちの中で、いつもより体が前のめりになるような感じでした。それが、回を追うごとに「下から下からというイメージを持っていった」と下半身主導となり、腕を振るのではなく、勝手に振られるという感覚に近づいていったように思います。後半は彼本来の回転数が多く、ベース上で加速するような球が増えていきました。特に左打者のアウトローへギリギリに決まるボールは絶品でした。
 秋も勝ち上がるごとに、どんな進化を見せてくれるのか。楽しみしかありません。(編集部・栗山)

<写真/甲子園帰りの初戦で快投を披露した髙部陸(聖隷クリストファー)>

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2025年9月14日 (日)

【秋季県大会】袋井が静清を撃破!左腕・成瀨が完投勝利

 秋季高校野球県大会が本日、開幕しました。磐田球場では袋井が静清を撃破し、2回戦進出を決めました(6対4)。

09141_20250914180901  勝利の立役者となったのは左腕・成瀨大翔(2年)。6回まで無失点の快投を見せ、7回に1点、点差の開いた9回にも失点しましたが、最後まで投げ抜いての完投勝利でした。木村幸靖監督も「ナイスピッチャー!」と称える出来栄えでした。
 ストレートの最速は120キロ程度。それでも、体を少しひねる「プチトルネード」から繰り出す球にはキレがあり、「高さを間違えないように集中した」と語る通り、変化球を巧みに交えて丁寧に攻めました。菊川西中時代には3年夏に県優勝を経験し、背番号8を背負ってマウンドに立った実績も。その経験が生き、強豪相手にも怯まず強気に内角を攻める姿が光ります。
 次戦は20日。昨日の雨で日程が変更となり、本来なら中1日のところが中5日に。運も味方につけ、次はどんな快投を披露してくれるのか楽しみです!(編集部・栗山)

<写真/好投を見せた成瀨大翔(袋井)>

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2025年8月31日 (日)

【秋季県予選】磐田北、11人で再び逆転勝利!

 選手11人で活動する磐田北が、またしても逆転勝ちを収めました。
08311_20250831232101  24日の県代表決定戦では浜松商を撃破。そして、今日の上位校決定戦でも掛川工を下しました(9対4)。
 0対4とリードを許したまま迎えた8回、まず1点を返すと、9回には1点差まで迫ります。2死満塁から5番・内山颯一郎(2年)がレフトへ逆転タイムリー。「打った瞬間は『よっしゃー!』という気持ちでした」と、二塁ベース上で渾身のガッツポーズを作りました。この回は長短6安打を集中させ、一挙8得点の猛攻。投げてはエースの渡邊將斗(2年)が伸びのあるストレートを武器に粘り強く投げ抜きました。指揮を執る竹下裕和監督も試合後、「すごいの一言」と興奮気味。
 秋の県大会出場は2000年以来2度目。磨いてきた「徹底力」を武器に、どんなミラクルを起こしてくれるのか注目です!(編集部・栗山)

<写真/9回に逆転タイムリー二塁打を放ち、ガッツポーズを作る内山颯一郎(磐田北)>

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2025年8月30日 (土)

【秋季県予選】島田工、創部初の秋県大会へ!

 秋季県大会に出場する40校が出揃いました。

桐陽/富士宮北/飛龍/加藤学園/知徳/日大三島/御殿場西/沼津東/富士市立/富士宮西/三島北/星陵/伊豆伊東/藤枝明誠/静岡学園/静岡商/静岡東/静岡/静岡市立/東海大静岡翔洋/常葉大橘/静清/清水桜が丘/清水東/島田工/浜松城北工/磐田東/磐田北/掛川工/浜松日体/浜松開誠館/浜松工/掛川西/浜松南/常葉大菊川/浜松商/浜松学院興誠/掛川東/袋井/聖隷クリストファー

08302_20250830173701  今日の磐田球場第2試合。敗者復活戦で島田工が遠江総合を5対1で下し、創部初の秋の県大会出場を決めました。
 先制点を許すも、4回に6番・渡部惣(2年)のタイムリーで同点に追いつくと、5回には1番・石川幹太(1年)のタイムリーなどで逆転に成功。投げてはエースの今村陽成(2年)がコーナーを丁寧につく投球で1失点完投を飾りました。主将の髙塚誠翔(2年)を中心に「とにかく歴史を変えよう」と臨んだ秋の大会。島田工を率いる中村匠監督は「よく粘って戦ってくれた」と安堵の表情を浮かべていました。(編集部・栗山)

<写真/3安打の活躍を見せた石川幹太(島田工)>

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2025年8月24日 (日)

【秋季県予選】静清の1年生右腕・米田が快投、藤浪が劇的ランニング弾

 秋季高校野球県予選。島田球場の第2試合、静清と焼津中央の敗者復活戦は息詰まる投手戦となりました。静清が終盤に得点を挙げて3対0で勝利。3年ぶりの県大会出場を決めました。

08241_20250824181901  静清の先発は公式戦初先発となった米田悠斗(1年)。「行けるところまで行こうと思った」と語る通り、立ち上がりから力強い投球を見せます。勢いのあるフォームから投げ込む最速135キロのストレートは角度と球威があり、相手のバットを押し込みます。5回には右手親指がつって一時ベンチに下がったものの、再登板後はスライダーを織り交ぜて投球の幅を広げ、いい意味で力が抜けていきました。8回を投げて許した安打は不運な1本のみ。「気持ちの強さ」を買って起用した長田仁志監督も「県大会に向けて大きな収穫になった」と称える快投でした。
 米田は中学時代、強豪の静岡裾野シニアに所属。当時は投手陣の中で3番手でしたが、高校入学後に登板機会を増やすことで感覚を掴み、今まさに成長期を迎えています。「3年夏には150キロを出してプロに行きたい」と力強く意気込みます。
08242_20250824182301  その米田の好投に応えたのが、「5番ファースト」で出場した藤浪ムサシ(2年)。9回2死一二塁の好機、「ここで決めるしかない」と臨んだ打席で、高めのストレートを捉えます。打球は右翼を越え、二塁を回った時点で三塁コーチャーのジェスチャーを見て確信。全力で本塁まで駆け抜け、劇的なランニング本塁打となりました。藤浪は本来、投手として期待されていましたが、この春に肩を故障し、夏は登板なし。それでも現在は県大会に向けて調整を進めており、「何とか間に合わせたい」と話してくれました。
 一方、焼津中央の古川奈尚(2年)も7回まで静清打線を無失点に抑える好投を披露。身長184センチの長身に加え、安定した制球力を武器にゲームを作りました。来春までに球速が伸びれば、一躍注目を集める存在になりそうです。(編集部・栗山)

<写真/上から米田悠斗、藤浪ムサシ(ともに静清)>

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