静岡県の高校野球

2025年4月20日 (日)

【春季高校野球県大会】日大三島・小川秋月、今季初先発で完投勝利!

04201_20250420193001  春季高校野球県大会の2日目。日大三島のプロ注目右腕・小川秋月(3年)が3失点で完投勝利を飾りました。練習試合を含め今シーズン初先発。「緊張感から力が入り過ぎてしまった」と振り返るように、静清打線に2回に3連打を浴びて2点を先制されます。その後は投げるごとに球威が増し、3回以降は7回を除いて毎回の7奪三振。力強いストレートが低めにビシビシと決まっていきました。8回を投げ切ったところで、永田裕治監督から「いけるか?」と聞かれると、「いけます」と答え、9回はまた一段階ギアを上げて140キロ台を連発。エースとしてのプライドに、持ち前の気持ちの強さを見せてくれました。
 初登板となった今月12日の三島南戦では自己最速となる148キロを計測。冬の期間に下半身を強化したことで体全体のバランスが整い、それが球速アップにつながっている様子。それでも、「相手に1本打たれたときに、流れを止められるピッチングをしていきたい」と、課題への意識も忘れていませんでした。(編集部・栗山)

<写真/9回を投げ切り、捕手の桐島大輔とタッチする小川秋月(日大三島)>

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2025年4月19日 (土)

【春季高校野球県大会】浜名が主将・井岡の活躍でシード獲得!

 春季高校野球の県大会が開幕しました。磐田球場では浜名が5点差をひっくり返して11対8で勝利。主将の井岡睦海(3年)の投打による活躍で、10年ぶりとなる夏のシード権を獲得しました。
 
04191_20250419201801 富士東が3点リードで迎えた8回でした。浜名は2点を返すと、さらに1死二三塁で打席には3番の井岡を迎えます。4球目のストレートを振り抜くと、打球はライトスタンドに一直線。逆転3ラン本塁打となりました。「ホームランを狙っていました。少しこすった感じでしたが、いったと思いました」。一振りで決めた見事な一発でした!
 打つだけではなく、今日は投手としても粘りの投球を見せました。先発した身長190センチの注目右腕・松下紘也(3年)が2回に5失点。投球練習することなく、急遽ファーストからマウンドに上がります。「アイツ(松下)がダメなときは、自分が助けないといけないと思いました」。1週間前に最速となる139キロを計測。そのストレートを中心に気持ちを前面に出し、3回からの7イニングを3失点にまとめました。
 「春は東海大会出場、夏は甲子園が目標です」と力強く話す井岡。浜名にとっては勢いづく大きな1勝となりました。
  一方、あと一歩及びませんでしたが、42年ぶりに県大会に出場した富士東も夏に向けて楽しみなチーム。なかでも印象的だったのが打線を引っ張るトップバッターの市川諒(3年)です。二塁打2本を含めて5打席の全てで出塁。さらに盗塁も3つ決めるなど、野球勘のある選手でした。(編集部・栗山)

<写真/逆転本塁打を放って本塁に戻ってくる井岡睦海(浜名)>

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2025年4月 6日 (日)

【春季高校野球】桐陽、7回コールド勝ち 鈴野が好投を見せる

 今日は春季県高校野球県予選の上位決定戦が行われました。昨年、センバツの「21世紀枠」県推薦校に選ばれた桐陽は沼津商と対戦。投打が噛み合い、7対0で7回コールド勝ちを飾りました。

04061_20250406191201  先発の鈴野佑月(3年)は7回を内野安打2本に抑える好投を見せました。オフ期間のトレーニングの効果で最速が5キロ上がり、シーズン明けに136キロを計測。「軽く投げても球が伸びるようになってきた」と成長を感じ、この春はエースナンバーを背負っています。今日はそのストレートの走りが今一つと感じるや、変化球主体の投球に切り替えるクレバーさも発揮。雨の降る悪条件の中、四球は1つと制球も安定し、新井晶登監督は「期待通り、持ち味を発揮してくれた」と評価していました。
 桐陽は昨秋ベスト8進出の立役者となった右腕・望月佑哉(3年)に加え、この鈴野が一本立ちしたことで2本柱を形成。一方の打線は今日の試合で1番・鈴木陸翔温(2年)と4番・鈴木琉樹空(3年)の「鈴木兄弟」がともに3安打を放つなど上り調子。春のチーム目標である「県ベスト4」に向けて、形が整ってきている印象でした。(編集部・栗山)

<写真/7回を2安打に抑えた鈴野佑月 (桐陽)>

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2025年4月 5日 (土)

【春季高校野球】加藤学園の山田晃太郎が自己最速更新146キロで17奪三振!

 春季高校野球は本日、県予選の敗者復活戦が行われ、県大会に出場する40校が出そろいました。

富士/知徳/沼津商/桐陽/御殿場南/御殿場西/三島南/日大三島/富士東/静岡商/静岡/静清/藤枝東/島田樟誠/駿河総合/東海大静岡翔洋/浜松工/磐田西/浜松商/聖隷クリストファー/磐田東/掛川西/浜松湖北/浜名/磐田南/浜松北/星陵/加藤学園/富士市立/誠恵/静岡学園/科学技術/島田工/清水東/掛川東/浜松城北工/浜松南/袋井/浜松日体/常葉大菊川

04051_20250405173701  愛鷹球場では、加藤学園のエース・山田晃太郎(3年)が快投を見せました。
 しなやかな腕の振りから、初回にいきなり144キロをマークすると、2回には自己最速となる146キロを計測します。5回をわずか1安打に抑えると、6回の1死満塁のピンチではギアを上げて連続三振にきってとります。最終的には8回を投げて17奪三振をマーク。チームもコールド勝ちで県大会出場を決めました。
 昨秋は県大会出場を逃していた加藤学園にとって、夏に向かう意味でも負けられなかった試合。その中でエースとしての役割を果たし、「自信になりました。県大会でも自分が全部先発して最後まで投げ切るつもりです」と力を込めていました。(編集部・栗山)

<写真/チームを勝利に導いた山田晃太郎(加藤学園)>

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2025年3月30日 (日)

【春季高校野球】静岡学園・勝俣が病を乗り越えた執念の一打で県切符!

 前日、ともに逆転負けを喫していた静岡市立と静岡学園の対決。敗者復活戦で県切符を勝ち取ったのは静岡学園でした。
 6回にスクイズで先制。さらに7回には2死二塁のチャンス。ここで代打で起用された勝俣塁登(新3年)がセンター前タイムリーを放って貴重な2点03301_20250330195301目を叩き出します。
 苦難を乗り越えた男の執念の一打でした。中学時代は「御殿場ボーイズ」でプレー。強打者として入学時から期待されていましたが、2年生の5月から手足が痺れ、力が入らなくなるという症状に悩みます。病名はギラン・バレー症候群。その後、約2カ月入院し、体重は12キロも落ちたものの、復帰することを諦めずに戦ってきました。4番打者で出場した前日の代表決定戦は無安打に終わり、チームも最終回に2点差をひっくり返されての敗戦。嫌な流れを引きずることなく、「今日はストレート一本に絞って強く振ることを意識しました。今まで支えてくれた方々に感謝したい」と、嬉しそうな表情を浮かべていました。

03302_20250330195301  投げては先発の中山直央翔(新3年)が持ち味の緩急を使う投球で7回まで無失点に抑える好投。そして、8回から最速143キロ右腕の岩田葵(新3年)がマウンドへ。連投となり、疲れはあったそうですが、「静学のエースとして絶対に県に行く」と、強い気持ちを持って投球。1点差に詰め寄られた9回表。2死三塁の場面では、全球ストレート勝負で渾身の三振を奪いました。
 この日は新設されたちゅ~るスタジアム清水のスピードガンで、142キロを連発。力みのないフォームから、ベース上で伸びるストレートが打者を差し込みます。プロ志望の右腕は「県大会では球速を145キロまで上げて、チームを勝ちに導きたい」と力強く語ってくれました。(編集部・栗山)

<写真上/代打でタイムリーを放った勝俣塁登(静岡学園)>
<写真下/力強いストレートを見せた岩田葵(静岡学園)>

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2025年3月29日 (土)

【春季高校野球】袋井・髙𣘺完気、覚醒の3打点 

 袋井が天竜を10対7で下し、3年連続の県大会出場を決めました。
03291_20250329200401 1番打者・髙𣘺完気(新3年)が3打点を挙げる活躍。5回に高めの変化球を強振すると打球はレフトスタンドへ。さらに7回にはセンターオーバーのタイムリー二塁打を放ちました。
 22日の初戦に続き、26日の浜松開誠館との練習試合でも本塁打を放ち、勢いに乗る強打者。高校通算7本塁打ながら、ここにきて持ち味のパワーを遺憾なく発揮しています。本人によると、冬場はミート力をつけようと、細い棒でミニボールを打って感覚を養ってきたとのこと。同時に、トレーニングに力を入れて体重を6キロ増量。今は下半身に筋肉がつまっているイメージです。一方、捕手としては7失点を喫し、反省の弁。7回には4点を献上し、一時は同点となる場面もあり、「相手を勢いに乗せてしまいました。ピッチャーに一言かけるべきでした」と試合後は厳しい表情を浮かべていました。
 昨秋は県切符を逃していた袋井にとっては、大きな1勝。攻守で牽引する高𣘺は「県でも目の前の試合を1つずつ勝ち、上がっていきたいです」と、下剋上を誓いました。(編集部・栗山)

<写真/5回に本塁打を放ち、ガッツポーズの髙𣘺完気(袋井)>

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2025年3月23日 (日)

【春季高校野球】藤枝東、「流れ」を科学した劇的勝利!

 進学校旋風が吹き荒れている春の県予選。今日は藤枝東が常葉大橘に逆転勝ちしました(6対5)。

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  藤枝東は序盤に5点のリードを許すも、6回に1点を返すと7回には4安打を集中させ、打者一巡の猛攻で同点に追いつきます。投げては4回からマウンドに上がった鷲野太亮(新3年)が「強豪校相手に先制されるのは想定通りでした」と冷静に投球。キレのあるストレートに変化球を駆使して、9回まで無失点に抑えます。迎えた9回裏でした。2死三塁から8番・狩野拓真(3年)の打球はライト前へ。サヨナラ勝ちに、選手たちは喜びを爆発させました。
03232  ここ数年、強豪校と互角に渡り合ってきた藤枝東。あと一歩で白星を逃してきましたが、ブラッシュアップを重ねた結果での今日の勝利。大石泰広監督は「様々な取り組みが実を結びました」と話します。
 その一つとして、オフシーズンに数学が得意な主将・狩野が中心となり、「野球に流れは存在するのか?」というテーマを研究。昨夏の静岡県大会における全試合のデータを紐解き、大量得点が生まれる際に連打が続く理由を探り、最終的には2月に開催された「高校生野球科学研究会」で発表したそうです。「連打が続くときは、打者の気持ちがプラスになっているからです。それを今日の試合でも生かすことができました」と胸を張る狩野。春の目標としている県出場まであと1勝。次も頭を使った野球で流れを引き寄せます。(編集部・栗山)

<写真上/サヨナラ勝ちに喜ぶ藤枝東の選手たち>
<写真下/好投した鷲野太亮(左)とサヨナラ安打を放った狩野拓真(右)>

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2025年3月22日 (土)

【春季高校野球】富士&沼津商の新2年生投手が好投!

 春季高校野球の静岡県大会予選2日目。昨秋は初戦敗退で県出場を逃した富士高と沼津商が初戦を突破しました。

03221_20250322200101  両チームともに活躍を見せたのは新2年生投手。富士高は1点ビハインドの流れが悪い中、4回途中から左腕の渡邉伸哉(新2年)がマウンドに上がります。「とにかくストライク先行でいこうと思った」と渡邉。
球の出どころが見づらいフォームから低めをつく投球で5回2/3を無失点(被安打2)に抑えました。
 冬の期間のトレーニングで体重が5キロ増加。それに伴い、球速も120キロ台の中盤まで伸び、武器のカーブやスライダーが生きてきている様子。県出場切符がかかる次戦もカギを握る選手になりそうです。

03222_20250322200701  沼津商は最速137キロ右腕・秋津奏空(新2年) が市立沼津を完封しました。「ストレートが今ひとつだった」と、今日の愛鷹球場のスピードガンでは120キロ台止まりだったものの、身長177センチを生かして角度があり、スライダーとのコンビネーションで相手打線を封じていきました。
 「静岡裾野シニア」出身で、当時はBチームがメインだったそうですが、沼津商入学後は1年秋から登板。しかし、昨秋の県予選では中盤まで好投するも、終盤に自らのバント処理のミスなどがあって失点。チームも敗れて悔しさを味わいました。その反省から冬は投げること以外の練習も徹底的にこなし、今日の快投につなげました。
 次戦の相手は加藤学園。「自分の持ち味のコースをつく投球で絶対に勝ちたいです」。肩回りが柔らかく、本格派らしい投球スタイル。さらに球速を上げ、県を代表する投手になってほしいと思います。(編集部・栗山)

<写真/上から渡邉伸哉(富士高)、秋津奏空(沼津商)>

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2025年3月20日 (木)

【春季高校野球】磐田南が浜松開誠館を撃破!

 春季高校野球の静岡県大会予選が本日開幕しました。浜岡球場では磐田南が浜松開誠館を7対0(7回コールド)で下しました。
 
03201_20250320171201 磐田南を勝利に導いたのはエース右腕の山田堅正です。初回から三振の山を築き7回で10奪三振をマーク。今年に入って140キロ台に乗せてきたストレートに、キレのあるスライダーで相手の強力打線を封じていきます。圧巻だったのは5回の投球。味方の2失策がありながらも、アウトはすべて三振で奪い、ピンチを切り抜けました。本人は試合後、こう振り返ってくれました。「1巡目は自分のいいボールを投げようとして、2巡目以降はバッターの反応を見ながら投げ分けることができました。ただまだ改善の余地があるので、この試合の反省をもとに頑張っていきたいと思います」。
 成長の証を見せた投球でした。昨秋の県予選は初戦で敗退。浜松工相手に、中盤まで無失点に抑えていたものの、体調不良の影響もあって足がつって降板。その後、チームは延長10回タイブレークの末に敗れました。その悔しさから、冬場はトレーニングで体を作り、体重は昨秋から約10キロアップ。土台が安定したことで、出力が上がってきたそうです。「目標は夏に152キロを出して、甲子園に出場することです」。そう力強く宣言してくれた山田。打っては第3打席に右中間への二塁打。外角の球を逆らわずに逆方向に持っていきました。将来はプロも見据える逸材から今後も目が離せません。

 今日の磐田南は打線も活発でした。4回には2死走者なしから、4連打で一挙3点を奪うなど、バットが振れていました。「冬にやってきたことをしっかりと出してくれた」と磯部祐監督。大会前には近江(滋賀)や花巻東(岩手)と練習試合をこなしてきたとのこと。強豪校との対戦で得た経験も、今回の金星につながりました。春はもちろん、夏も楽しみなチームです。(編集部・栗山)

<写真/投打で活躍した山田堅正(磐田南)>

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2024年11月25日 (月)

【三村杯】富士が2年連続優勝!

 第35回三村旗争奪野球大会の決勝戦と3位決定戦が23日に明星山球場で行われ、富士が2年連続優勝しました。

★11月23日 三村杯 決勝戦 明星山球場

チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9
浜松南 0 0 0 0 0 1 0 0 0 1
富士 0 0 3 5 0 1 2 0 × 11


<3位決定戦>
三島南 4-3 桐陽

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11252_20241125181301  決勝戦は富士の横田英資(2年)の好投が光りました。17日の準決勝では桐陽を完封して自信を持って臨んだ決勝戦。この日も腕がムチのようにしなり、勢いのあるボールを投げ込んでいました。6回に1点を許し、7回には稲木恵介監督から「代わるか?」と聞かれたそうですが、「自分一人で最後まで投げ切りたかった」と完投を飾りました。
 富士宮一中時代は主に一塁手。高校入学後、2年夏まではオーバーで投げていたそうですが、新チーム結成時に稲木監督からの提案もありサイド気味に腕を下げると、投球の幅が一気に広がって急成長。130キロ台中盤をマークする横の角度のストレートに、縦に落ちるスプリットも冴え渡ります。「来年は自分がエースとしてチームを引っ張っていきたい」と意気込む横田。今大会の優勝を冬へのモチベーションにし、2025年は主役に躍り出てほしいと思います。
 3位決定戦は三島南が9回表に2点を奪って逆転勝利。先発の望月哲太(2年)が小さなテークバックから鋭く腕を振り抜いて相手打線を苦しめました。熱海中時代から注目されてきた左腕。ここまでは故障があり本来の力を発揮できていませんでしたが、「打線のいい桐陽相手に真っ直ぐで押せたのが良かった」と手応えを掴んだ様子でした。こちらも来年が楽しみです!(編集部・栗山)

<写真上/2連覇を飾った富士の選手たち>
<写真下/決勝戦で好投した横田英資(富士)>

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