静岡県東部地区

2023年3月22日 (水)

春季東部地区大会1日目(3月21日)~愛鷹球場レポート

 高校野球の東海地区春季県地区大会が昨日、開幕しました。いち早くスタートした東部地区。桐陽と下田が2回戦進出を決めました。

<愛鷹球場>
桐陽 10-0 御殿場(5回コールド)
下田 3-1 富士宮西

03221_20230322073001   第1試合は桐陽の先発・野極工平(新3年)が5回無安打無失点。2回の三者連続を含む、10三振を奪う好投を見せました。柔らかい肩関節を生かした鋭い腕の振りが特徴的。自己最速の131キロをマークしたストレートに、「カットボールでカウントをとれたことが大きかった」と変化球も冴えて、三振の山を築きました。昨秋は地区大会の初戦で敗退した桐陽。その試合でも野極は先発していましたが、新型コロナウイルスによる練習不足もあって本来の投球ができず。大量失点でマウンドを降りました。その悔しさを忘れることなく、この冬はとにかく走り込んで下半身を強化してきたそうです。
 敗れはしましたが、御殿場の長身右腕・河内陽太(新3年)はピッチャーらしい体型から角度のある球を投げていて、将来が楽しみです。

03222_20230322073601  続く第2試合は下田が序盤に挙げた3点を守り抜きました。左腕の伊藤蓮(新3年)が9回を投げ切り、1失点完投。伸びのあるストレートで打者を仕留めました。打線で光っていたのは「3番セカンド」の渡邉陽色(新3年)。先制点につながるライトオーバーの三塁打を放つなど2安打の活躍でした。小柄ですが、それを感じない体の軸をクルッと回転する力強いスイング。守備も安定感があり、打って守れる二塁手です。(編集部・栗山)

<写真上から野極工平(桐陽)、渡邉陽色 (下田)>

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2023年3月 4日 (土)

【対外試合解禁】知徳の大型選手が躍動!

 高校野球の対外試合が本日、解禁となりました。
 昨秋、県ベスト4の知徳はセンバツ出場の東北(宮城)と対戦。8対7で勝利しました。

03041_20230304185801  知徳は身長197センチの超大型右腕・小船翼(新2年)が先発。初回、3四球を許すも腕を振って無失点に切り抜けると、2回と3回は3人ずつ抑えます。三振も奪う好投で3回を無安打無失点と、上々のスタートを切りました。一冬で体がさらに大きくなったイメージの小船は「この冬に自分がやってきたことを出せました」と納得の表情。球速を上げるためにトレーニングを積み、この日のマックスは136キロ。四球を出しても小手先でかわすのではなく、強気にストレートで押すことができたのが何よりの収穫だったと思います。
 2番手で登板した後藤暖仁(新3年)も持ち味を発揮。アンダースローからキレのある球を投げ込み、相手打線を苦しめていました。昨年の秋は腰の故障があって登板機会がありませんでしたが、ようやく復活したこと。独特な腕の位置で腕もしなる。なかなか見かけないタイプの投手なだけに楽しみです。
03042  打線では4番に入った京増嘉紀(新2年)が4回に2点タイムリーを放ちました。身長187センチ体重90キロの堂々とした体格を持つスラッガー。「とにかく今日は思い切りフルスイングすることだけを意識しました」。初回の打席はドラフト候補のハッブス大起の変化球にタイミングが合わず空振りの三振。投手が代わった第2打席もその姿勢を貫き、強振して結果を出しました。ベース上で何度もガッツポーズを見せ、嬉しそうでした。
 知徳は昨秋よりもスケールアップし、選手層も厚くなっている印象。春の大会も注目です!(編集部・栗山)

<写真上/小船翼(知徳)>
<写真下/京増嘉紀(知徳>

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2023年2月10日 (金)

三島北・澤侑利が東海大静岡キャンパスへ!

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夏の大会で好投した澤

 昨夏の県大会で初戦から準々決勝までの5試合を一人で投げ抜き、三島北を創部初のベスト8に導いた澤侑利。進学先は東海大静岡キャンパスに決まりました。明日11日の入寮を前に意気込みを伺ってきました。

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 三島北は自校での練習スペースが限られています。その中で澤は高校入学後、白鳥真利前監督が手作りで作ったというブルペンで制球を磨いてきました。「この限られている環境の中で、自分で考えてやる力がつきました」。ブルペンでの投げ込みは5球のうち、「ボール2つ分外れることはオッケー」として、4球までを狙ったところに収めることを自分に課してきたそうです。それを黙々と繰り返すことで、抜群の制球力を身につけ、最後の夏の活躍につなげました。

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大学に向けてトレーニングを積んできた澤

 夏の大会後は体重が7キロアップ。東京六大学リーグやプロ野球の試合を見る中で、自分に足りないのは体力面だと考え、筋力トレーニングと食事に力を注いだとのこと。半年間で下半身を中心に一回り大きくなった印象です。「今までは技巧派と言われてきましたが、今度は本格派と言われたいです」。
 数日前にキャッチボールしたところ、「軽く投げても球が走っている感覚があった」と、手応えを感じている様子。高校の最速131キロから、「大学では150キロを目指します」と力強い宣言も聞くことができました。 
 三島北の小林和樹監督も「まだこれから伸びる」と期待する左腕。進学する東海大静岡キャンパスは、同じ左腕の宮原駿介(2年)が昨年147キロをマークしています。澤も可能性は十分。もちろん球速だけでなく、持ち味のコントロールを生かして勝てる投球を目指していきます。「大学野球と言えば神宮だと思うので、そこで投げて完封したいです」。「公立校の星」と呼ばれた左腕のデビューが今から楽しみです!(編集部・栗山)

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◆澤侑利(さわ・ゆきと)
2004年9月8日生まれ、静岡県御殿場市出身。小学2年時に「神山少年野球クラブ」で野球を始める。富士岡中時代は「沼津ヤング」に所属。高校1年夏からベンチ入り。3年夏はエースでベスト8進出に貢献した。174cm72kg、左投左打。

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2022年11月15日 (火)

三島南の創部100周年記念式典が行われました

 三島南の創部100周年の記念式典が13日に開催されました。本来は昨年の11月に行われる予定でしたが、新型コロナウイルスの影響で1年延期となっていました。

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 歴代の部員、指導者、関係者が一同に集まり、まずOB会長の諏訪部孝志氏が「これまでの南校の100年の経験をこれからの100年に繋げていきましょう」と挨拶。三島南と言えば、昨年のセンバツ大会出場(21世紀枠)が記憶に新しいですが、そのチームを率いた前監督の稲木恵介氏(現富士高監督)に感謝状が贈られました。「地元の子供たちが、甲子園という舞台で立派に戦ってくれた。この経験は大きな財産となるでしょう。そんな日がまた来ることを願っています」。(稲木氏)
11152_20221115192101  その後、監督の古谷田辰徳氏が「今のチームはまだまだ発展途上。もう一度甲子園の土に立てるように努力していきたい」、主将の鈴木暖大(2年)が「先輩たちの歴史を超えていきたい」とそれぞれ力強く宣言。式典の締めくくりとして、昨春の甲子園で使用した同じ音源の校歌が場内に流れ、会場の全員が聞き入りました。
 なお、静岡高を迎えての招待試合は4対17で敗退。それでも、2番打者の久保田裕心(2年)が2安打と気を吐きました。シャープなスイングを見せる好打者で、今後も注目していきたいと思います。(編集部・栗山)

<写真上/多くの関係者が創部100周年を祝った>
<写真下/堂々と抱負を話した主将の鈴木暖大(三島南)>

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2022年8月29日 (月)

沼津商の鈴木歩、4安打3盗塁の活躍!

 昨日は東部地区の上位決定戦が行われました。
 愛鷹球場の第2試合は沼津商と富士市立が対戦。沼津商は延長11回に4番・酒井暖太(2年)のサヨナラタイムリーで勝利し、県大会に向けて弾みをつけました。

08291  目を引いたのが3番打者の鈴木歩(1年)です。この日の相手投手は学童の「多賀ジュニア」、中学の「スルガボーイズ」で一緒にプレーした小濱将太朗。中学時代は実戦形式の練習でほぼ打てなかった小濱に対し、 シャープなスイングで右に左に打ち分けて計4安打。さらに50m6秒0の俊足を生かして3盗塁を決めました。「今日は球が見えていた」と、小濱の投げ込む130キロ前後の力強い球を弾き返し、自身の成長を感じ取っていました。
 兄の友は国学院栃木の5番打者として、今夏の甲子園でベスト16入り。3安打を放った初戦の日大三島との試合は甲子園で応援し、「次は自分がこの舞台に立つ」と明確な目標を心に刻んだそうです。甲子園が終わり、兄が帰省した際には技術、メンタル面のアドバイスをもらい、この試合前は「初球から振っていけ」と伝えられて実践。とにかく積極的に打つ姿勢で結果を残しました。

 身長168センチ体重57キロ。パワーこそまだ兄に劣るものの、ミート力、スピード感は近いものがあると感じました。県大会での活躍が楽しみです!(編集部・栗山)

<写真/4安打を放った鈴木歩(沼津商)>

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2022年8月22日 (月)

【秋季高校野球】継続試合は小山が勝利!

 昨日の裾野球場第3試合の小山対星陵は雨のため継続試合となり、星陵の攻撃で1回表一死一二塁から再開しました。

<愛鷹球場・2回戦>
小山 4-2 星陵

 小山は再開直後のピンチを切り抜けると、その裏、5番・小野蒼一郎(1年)のレフトオーバーのタイムリーで2点を先制。2回にも小野のタイムリーで2点を追加して、リードを4点に広げました。一方の星陵は9回に2点を挙げるも、反撃はそこまで。小山が2日間に渡る試合を制しました。

08221_20220822195901  打つだけでなく、ショートの守備で安定感を見せた小野。小山中時代は御殿場選抜の主将を務めた経験を持ち、高校入学後、夏の大会からスタメンで出場しています。土屋将平監督によると、「勝負強く、負けず嫌いな性格」。165センチと小柄ですが、プレー中は大きく見える選手です。
 星陵の2番手で登板した左腕・服部周も楽しみな1年生です。富士南中時代は「富士シニア」に在籍。腕が鋭く振れて、ヒジのしなりもあります。今日は角度のあるストレートと緩いカーブを武器に、好リリーフを見せました。一冬で体が出来上がって130キロ台(今日のマックスは124キロ)に乗ってきたら、攻略困難なピッチャーになるでしょう。(編集部・栗山)

<写真/4打点の活躍を見せた小野蒼一郎(小山)>

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2022年8月20日 (土)

秋季東部地区大会2日目(8月20日)~裾野球場レポート

<裾野球場・2回戦>
御殿場西 17-3 吉原工(5回コールド) 
市立沼津 3-0 下田
沼津高専 15-13 御殿場

 第2試合は下田の左腕・伊藤蓮(2年)、市立沼津の右腕・泉裕太郎(2年)の投げ合いとなりました。伊藤が鋭い腕の振りから勢いのあるストレートを投げ込めば、泉は緩急を使いながら相手打者を上手く抑え、0対0で試合は進んでいきます。
08201_20220820184901  均衡が破れたのは8回裏。泉が自ら三塁打でチャンスを作り、1番・工藤煌晴(2年)の二塁打で先制。さらに一死後、3番・垣内信之介(2年)は2球目のストレートをジャストミート。打球はレフトスタンドに向かってライナーで飛んでいきました。1打席目と2打席目はいい打球もセンターフライに。「思い切ってレフトに引っ張ってみよう思って打ちました。やっととらえることができて嬉しかったです」。函南東中時代は「三島シニア」に在籍し、クリーンアップを任された強打者。今夏は4番に座り、常葉大菊川のプロ注目・安西叶翔から安打を放っています。今日の一発で高校通算10本塁打。スイングが速く、飛ばせるのが魅力です。
 一方、8回を4安打に抑えた下田の伊藤は試合後に悔し涙。初戦で負けてしまうのが惜しい素晴らしい投球でした。この経験をバネに、来年は下田を県に導いてほしいです。(編集部・栗山)

<写真/8回に2ラン本塁打を放ち、ガッツポーズを作る垣内信之介(市立沼津)>

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2022年6月 3日 (金)

練習試合 桐陽vs富士宮東

 昨日は、愛鷹球場で行われた桐陽と富士宮東の練習試合を見てきました。
06031  富士宮東の大型遊撃手・勝又琉偉を目当てにプロ6球団8人のスカウトが集結。この日は2安打をマークしました。春の東部地区以来、約2カ月ぶりに見たのですが、「ここまで変わったのか」と驚きました。一言で言うと、野球選手として洗練されてきた印象。特に、以前は力任せだったスローイングが、体全体を使う動きに変わって安定感が出ていました。また、躍動感たっぷりの美しいランニング姿に惚れぼれとしました。まるで野生の鹿が走っているようでした。
 大勝良則監督は「4週間サイクルくらいで、どんどん成長している」と話します。実際、春以降、本塁打が急激に増え、2日前の練習試合では右中間にも一発を打ったそうです。夏の大会まで残り1カ月。ここからさらにグングンと伸びていきそうな感じがしました。

06032  一方の桐陽では、面白い投手を発見しました。6回からマウンドに上がった山本怜央です。4イニングを無安打6奪三振の好投。身長180センチの長身で角度があり、しかも腕が振れます。最速133キロというストレートには勢いがあり、鋭く落ちるフォークとのコンビネーションで次々と三振を奪っていきました。
 今年の桐陽は昨夏を経験する今井謙心、土屋大翔が投手陣を引っ張り、この山本はレフトで出場することがほとんどですが、「夏も投げていきたい」と意気込み十分。将来的には大学で野球を続け、「ピッチャーで勝負したい」という意志を持っているそうです。50m6秒2の脚力とバネがあるだけに、大学でじっくりと鍛えていけば、飛躍が期待できます。(編集部・栗山)

<写真上/春の大会で活躍で注目度が上がる勝又瑠偉(富士宮東)>
<写真下/「富士シニア」時代は捕手。高校から投手としてマウンド上がる山本怜央(富士シニア)>

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2022年4月 9日 (土)

県大会出場の37チームが決定!

 春季高校野球地区予選の敗者復活戦が本日行われ、県大会出場の37チームが出揃いました。県大会の組み合わせ抽選会は今月19日に行われ、23日に開幕します。

★春季静岡県大会出場校

<東部>
日大三島/沼津商/飛龍/御殿場西/富士/沼津東/加藤学園/富士宮東/吉原/三島北/三島南/小山/誠恵

<中部>
藤枝明誠/駿河総合/常葉大橘/焼津水産/静岡商/静岡東/静岡/静清/城南静岡/島田/島田商/島田樟誠

<西部>
磐田東/常葉大菊川/浜松西/浜松工/遠江総合/浜松日体/浜松商/浜松開誠館/掛川東/横須賀/浜松市立/浜松城北工

 愛鷹球場では三島北と三島南が県大会出場の切符を勝ち取りました。
Img_4387  三島北はエース左腕の澤侑利が投打で活躍しました。投げては3失点完投勝利、打っては三塁打1本を含む3安打の大当たりで勝利に貢献しました。
  三島南は初回から大量リードを奪うと、先発の植松麟之介が4回1/3を2安打に抑える快投。5回には1番・伊藤春風がレフトポール際に3ラン本塁打を放ち、コールド勝ちを決めました。4月1日からチームを率いるのはOBの古谷田辰徳監督。「前監督の稲木恵介先生(現富士監督)のスタイルを引き継ぎながら、選手たちの持っている力を発揮させていきたい」と、選手を後押しすべく、ベンチでいい雰囲気を作っていました。(編集部・栗山)

<写真/コールド勝ちを決める本塁打を放った伊藤春風(三島南)>

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2022年4月 2日 (土)

春季東部地区大会4日目(4月2日)~富士球場レポート

<富士球場>

富士宮東 12-2 星陵(6回コールド)
富士 12-5 小山(7回コールド)

04021  第1試合は富士宮東が勝利。19年ぶりとなる春の県大会出場を決めました。1対1で迎えた3回に3番・秋山有多(3年)、4番・大谷陸斗(3年)のタイムリーなどで一挙5点を奪います。さらに4回に3点、6回にも3点を加えてコールド勝ちを飾りました。今日はプロ5球団のスカウトが集結。注目の大型ショート・勝又琉偉(3年)は厳しいマークの中で2打数無安打。それでも2四球を選び、勝利に貢献しました。

04022  続く第2試合は4月1日に三島南から異動となった富士・稲木恵介監督の初采配。指導してまだ2日目ということですが、選手たちの顔写真と特徴を記した手作りのメモを片手に指揮。要所で足やバントを絡めるサインを出し、コールド勝ちをアシストしました。「とにかく攻撃の流れを切らないことだけを考えた」と稲木監督。7回にコールドを決めるタイムリー二塁打を放った主将の藤曲朝陽(3年)は「課題を見つめ直し、新しい監督と県大会で勝負できるように頑張っていきます」と目を輝かせていました。
 一方、敗れはしましたが、小山は今後が楽しみなチーム。部員10人ながら9安打を放ち、最後まで諦めない姿勢を見せてくれました。2番手でマウンドに上がった遠藤聖斗(3年)は、この冬に一気に伸びてきたという左腕。スリークオーター気味の角度から低めにキレのあるボールがきていました。肩やヒジの柔らかさがあるだけに、まだまだ伸びそうです。
(編集部・栗山)

<写真上/3打数3安打をマークした大谷陸斗(富士宮東)>
<写真下/新監督として初采配をふるった稲木恵介氏(富士)>

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